『国富論』

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An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations

原題を直訳すると『諸国民の富の性質と原因に関する研究』。イギリス古典派経済学の祖 A.スミスが 1776年に公刊した。全5編。

10年の歳月を投入して完成されたこの大著によって,社会の富の生産と分配という今日的意味での経済学上の課題が初めて理論的,体系的に分析された。資本主義的生産が支配的になりつつあった 18世紀のイギリス社会を念頭におき,自由主義経済政策の意義を客観的に裏づけようとしたものであったが,社会の内面的機構を理論的かつ全面的に分析した点で,それ以前の単なる断片的な政策主張の経済論 (重商主義的諸パンフレット) とは本質的に異なり,経済学史上画期的著作となった。本格的な経済学はこれによって初めて樹立され,経済学史上最大の古典と評価される。