イージス艦

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ファイル:USS Benfold DDG-65.jpg
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦

イージス艦(イージスかん、:Aegis warship)とは、イージスシステムを搭載した艦艇の総称。通常、高度なシステム艦として構築されている。

フェーズドアレイレーダーと高度な情報処理・射撃指揮システムにより、200を超える目標を追尾し、その中の10個以上の目標(従来のターター・システム搭載艦は2~3目標)を同時攻撃する能力を持つ。開発当初の目的である艦隊防空だけではなく様々な任務に対応可能な汎用性を持つため、アメリカ海軍ではイージス艦のみで水上戦闘群を編成している。但しズムウォルト級ミサイル駆逐艦をイージス艦に含めるか否かは議論の余地がある。

イージス(Aegis)とは、ギリシャ神話の中で最高神ゼウスが娘アテナに与えたという、あらゆる邪悪を払う盾(胸当)アイギス(Aigis)のこと。

概要

ファイル:Aegis Combat System-ja.png
イージス艦の戦闘システム(ベースライン6以前)の概要を表すシェーマ。
この総体をイージス戦闘システムと称することもある。

イージス艦とは、イージスシステムを搭載するあらゆる艦艇を指す総称である。したがって、巡洋艦駆逐艦といった軍艦の艦種を指すものではなく、2017年現在で、巡洋艦・駆逐艦・フリゲートの3つの艦種に搭載されている。

イージスシステムは、遠くの敵機を正確に探知できる索敵能力、迅速に状況を判断・対応できる情報処理能力、一度に多くの目標と交戦できる対空射撃能力を備える画期的な装置である。このおかげで、イージス艦は、同時に多数の空中目標を捕捉し、これらと交戦できる、極めて優秀な防空艦となった。またイージスシステム以外にも、イージス艦が搭載する全ての兵器は、イージスシステムのコンピュータを中核として連結され、イージス戦闘システムと呼ばれる統合システムを構築している。これによって、イージス艦は、対空・対艦・対潜水艦など、戦闘のあらゆる局面において、脅威となる目標の捜索から識別、意思決定から攻撃に至るまでを、迅速に行なうことができるのである。このことから、90隻と多数を保有するアメリカ合衆国においては、艦隊防空のほかにも、トマホーク巡航ミサイルによる対地攻撃から海賊の取り締まりに至るまで、様々な任務に使われている。

その一方で、武装の搭載量や抗堪性などは、従来の艦と比べて特に優れているわけではない。従って、かつての戦艦に相当するような艦と解釈するのは誤解である。また、建造費や運用コストなどが高くつくことも欠点のひとつといえよう。イージスシステムは極めて高価である上に機密のレベルが高く、開発国であるアメリカの提供認可査定が極めて厳しいことから、その保有は、相応の経済力とアメリカからの信頼を持つ国家に限られている。これらの要件を満たしていたとしても、その国の置かれている環境において過剰性能となる場合、あえて導入しないという選択肢もありうる。

なお、近年、ヨーロッパにおいては、PAAMSNAAWSなど、イージスシステムに類似、あるいは同等の機能を持つとされる防空システムが開発されており、イギリスフランスドイツなどは、イージス艦を導入せずに、これらを搭載した艦を建造・就役させている。これらの艦艇については、イージス艦と類似した点があることから、ミニ・イージス艦と呼ばれることがある(詳細は#誤用としてのイージス艦を参照)。

歴史

イージスシステムの開発

アメリカ海軍は、第二次世界大戦末期より、全く新しい艦隊防空火力として艦対空ミサイル(SAM)の開発に着手していた。戦後も、ジェット機の発達に伴う経空脅威の増大を受けて開発は拡大され、1956年にはテリア、1959年にタロス、そして1962年にターターが艦隊配備された。これらは3Tと通称され、タロスはミサイル巡洋艦、テリアはミサイルフリゲート(DLG)、そしてターターはミサイル駆逐艦(DDG)に搭載されて広く配備された。また経空脅威の増大が続いていることを踏まえて、1958年からは、早くも3Tの次の世代の防空システムとしてタイフォン・システムの開発を開始していたが、これは要求性能の高さに対する技術水準の低さ、統合システムの開発への経験不足により難渋し、1963年にキャンセルされた[1]。ただしその過程で開発された改良型の固体燃料ロケットは、テリアとターターの共通化を進めた発展型であるスタンダードミサイルに引き継がれた[2]

タイフォンの挫折を受け、1963年11月より先進水上ミサイル・システム(ASMS)計画が開始され、1969年にはイージス計画と改称した。1967年のエイラート撃沈事件、1970年にソ連が行なったオケアン70演習を受けて開発は加速され、1973年からはテストサイトでの地上試験、そして1975年には試作機を実験艦「ノートン・サウンド」に艤装しての洋上試験が開始された[1]

アメリカ海軍での検討と配備

幻に終わった原子力イージス巡洋艦CGN-42 (想像図)
初のイージス艦、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦

ASMS計画当初、このシステムは、次期原子力ミサイル駆逐艦(DXGN)の後期建造艦から搭載される予定であった。1970年に海軍作戦部長に就任したズムウォルト大将はこれを修正し、より小さく簡素なガスタービン主機の駆逐艦(DG/Aegis)に搭載することとしたが、1974年に海軍作戦部長がホロウェイ大将に交代すると、再び原子力艦への搭載へと修正された[3]

この頃には、DXGN計画から発展したバージニア級(DLGN-36級)が既に建造に入っていた。同級は、後期建造艦でのASMS搭載を見込んで、新設計の船体と高度に統合された戦闘システムを備えていたものの、実際に開発されたイージスシステムは、同級にそのまま搭載することは困難であった。このことから、イージス搭載に適合化した原子力ミサイル駆逐艦としてDG(N)計画が着手され、1974年1月の時点では満載10,708トンとなる予定であった[3]

しかし同年7月、ホロウェイ大将はこの計画は消極的過ぎるとして中止させ、かわって原子力打撃巡洋艦(CSGN)計画を推進した。概念設計は1975年5月に完了し、満載12,700トンの強力な戦闘艦とされたが、当然のように高コストの艦でもあった。このことから、ズムウォルト大将が検討させていたようなガスタービン主機のミサイル駆逐艦の案が復活することになり、CSGN 8隻と在来動力型ミサイル駆逐艦(DDG)16隻によるハイローミックスが予定された。DDGは1977年度計画から、CSGNは1978年度計画からの建造が予定されていたが、議会はCSGNの建造を差し止めるかわりに「ロングビーチ」をCSGNのプロトタイプとして改装するよう予算を振り替えた。しかし1977年1月17日、フォード政権は改修を中止させ、続くカーター政権はCSGN計画の見直しを指示した。かわってバージニア級を発展させたCGN-42の設計が着手されたものの、当初5隻が予定されていた建造数は、1978年3月には1983年度計画の1隻のみに削減され、1981年2月にはその建造も中止された[3]

一方、DDGのほうはスプルーアンス級の派生型として予定されており、こちらは当初予定より1年遅れたものの、1978年度より建造が開始された。当初はミサイル駆逐艦(DDG-47級)として計画されていたが、期待される任務や性能を考慮して、1番艦の建造途中の1980年1月、ミサイル巡洋艦(CG-47)に種別変更され、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦となった[4]。また1980年代から1990年代にかけて大量に退役する戦後第1世代ミサイル艦の更新を狙ったDDGX研究でもイージスシステム搭載艦が選定され、これを踏まえた実用艦として、1985年度よりアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の建造が開始された[5]

アメリカ国外への広がり

アメリカ国外初のイージス艦、こんごう型ミサイル護衛艦
最小のイージス艦、AFCONコルベット(未成約)

このアーレイ・バーク級の初期建造艦(フライトI)をベースとして、独自の運用要求を加えたのが日本こんごう型護衛艦であり、昭和63年度から建造を開始し、1993年から1998年にかけて順次に竣工した。アメリカ以外では初のイージス艦で、主砲がオート・メラーラ社製の速射砲に変更されたほか、指揮統制能力が強化されており、タイコンデロガ級に迫る規模になった[6]。またその運用実績を踏まえ、平成1415年度計画では、たちかぜ型の更新用として更に2隻のイージス艦の導入を決定した。これがあたご型であり、こんごう型をベースとしてシステムの更新を図るとともに、艦砲を米艦と同じMk 45に変更したほか、ヘリコプターの搭載・運用能力が追加された。ヘリの機数の問題から常時搭載機はないが、海上自衛隊のミサイル護衛艦としてはじめて着艦拘束装置およびヘリ格納庫を設置している。更に、平成2728年度でも発展型(8200トン型)2隻の建造が盛り込まれた[7]

こんごう型に続く、海外のイージス艦の2例目が、2003年より就役を開始したスペインアルバロ・デ・バサン級フリゲートである。アーレイ・バーク級をベースとしたこんごう型とは異なり、かなり独自色の強い設計で、満載排水量5,853トンとさらに小さくまとめることに成功した。ミサイル搭載数が削られているものの、アーレイバーク級フライトIIと同じイージスシステムを搭載している[6][7]。また本級をベースに対潜能力などを強化したF110級フリゲート2020年から5隻建造する計画である。

アルバロ・デ・バサン級をベースとして設計されたのが、ノルウェーフリチョフ・ナンセン級フリゲートである。さらに小型化されており、より軽量のSPY-1Fレーダーを組み込んだ簡易型のイージスシステムを搭載している。本級は、イージスシステム一式を搭載しているが、運用上、通常はスタンダード対空ミサイルを搭載しないとされている。2007年1月にネームシップが就役し、2011年までに同型5隻が就役した[6][7]

またオーストラリアでも、アルバロ・デ・バサン級をベースとしたホバート級駆逐艦の建造に着手しており、2015年5月に一番艦ホバートが進水した。2020年までに3隻を整備する計画である[7]

あたご型と同様に、アーレイ・バーク級フライトIIAを下敷きに設計されたのが、韓国世宗大王級駆逐艦(計画名KDX-3)である。2009年から2012年にかけて3隻が就役し、船体設計などはアーレイ・バーク級フライトIIAとほぼ同じだが、国産巡航ミサイルVLSの追加やCIWSの機種変更など、独自の要求に基づく変更がなされている[7]

装備

イージス武器システム (AWS)

ファイル:USS Sterett (DDG-104).jpg
艦対空ミサイルを連続発射するアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦

イージス武器システム(AEGIS Weapon System, AWS)は、イージス艦のイージス艦たる所以であって、その戦闘システムの中核である[8]。開発は、アメリカ海軍のウィシントン提督、マイヤー提督の指導のもと、RCA社のレーダー部門(現ロッキード・マーティン)によって行われた[9]。また継続的な改良を受けており、多数のベースライン(バージョン)が生じている[10]

イージス・システムのなかでは、レーダーなどのセンサー・システム、コンピュータデータ・リンクによる情報システム艦対空ミサイルとその発射機などの攻撃システムなどが連結されている。これによって、防空に限らず、戦闘のあらゆる局面において、目標の捜索から識別、判断から攻撃に至るまでを、迅速に行なうことができる[8]

SPY-1はイージスシステムの中核となるレーダーで、八角形のパッシブ・フェーズドアレイ・アンテナが4枚、四方に向けて艦の上部構造物に固定されている外見は、イージス艦の特徴ともなっている。動作周波数はSバンド、最大探知距離324キロ以上、200個以上の目標を同時追尾可能であり[11]、目標を探知するだけでなく、捜索中追尾能力による火器管制レーダーとしての機能も有する多機能レーダーである[注 1]。このように、きわめて優秀な情報能力をもっていることから、情勢をはるかにすばやく分析できるほか、レーダーの特性上、電子妨害への耐性も強いという特長もある[1]

艦対空ミサイルとしてはSM-2を採用している。これはスタンダードミサイルの改良型であり、セミアクティブ・レーダー・ホーミング(SARH)誘導ではあるが、上記の通り、多機能レーダーであるSPY-1が目標追尾の大部分を担当することから、同時に多数(10個以上)の目標と交戦することができる。またベースライン9からは、アクティブ・レーダー・ホーミング(ARH)誘導のSM-6にも対応した[10]。ミサイル発射機としては、最初期は連装式のMk.26が用いられていたが、まもなく垂直発射式のMk.41が使われるようになり、即応性や速射能力などが向上しているほか、巡航ミサイルなどの発射にも対応した[12]

さらに近年、イージスシステムはミサイル防衛任務にも対応できるように改修されつつある。ミサイル防衛は極めて困難な任務であるため、従来のAWSとは別に、イージスBMDシステムとして漸進的に開発が進められてきたが、AWSベースライン9ではイージスBMD5.0システムが統合された。弾道弾迎撃ミサイルとしてはSM-3が用いられてきたほか、上記のSM-6も、弾着間際で迎撃するための短距離弾道弾迎撃(SBT)用として用いることができる[13]

イージス戦闘システム (ACS)

イージス艦においては、防空用のAWSを中核として、対潜戦・対水上戦・対地火力投射などの各種戦に対応できる様々なシステムが接続され、ひとつの高度なシステム艦として構築されている。このことから、イージス艦が搭載する戦闘システム全体を指してイージス戦闘システム(AEGIS Combat System, ACS)と総称する[12]。このような高度なシステム構築が実現した背景には、イージス計画のプログラム・マネージャーであったウェイン・E・マイヤー大佐(計画途中で少将に昇進)がそのまま建艦計画の権限を握るという、リーダーシップの一貫性があった[14]

AWSの核心であるSPY-1レーダーの多機能性と、ACSの要であるVLSの複合戦対応性とがあわさることで、ACSは複合機能・複合戦闘システムと称するべきものとなった。アメリカ海軍のイージス艦の場合、防御用のAWSとともに、攻撃用のトマホーク武器システム(TWS)が搭載され、戦闘力の二本柱となっている[12]

この結果、(AWSが得意とする)防空以外の各種戦についても特に弱体ということはなく、例えばAN/SQQ-89統合対潜戦システムと哨戒ヘリコプターを兼ね備えたアーレイ・バーク級フライトIIAについては、2010年代の時点で世界最高の対潜艦であると評されている[15]

類似の艦

誤用としてのイージス艦

ザクセン級フリゲート
052C型駆逐艦

上述のとおり、イージス艦とはイージスシステムを搭載する艦のことである。イージスシステムは実用化から25年が経過しているにもかかわらず、とくにその中核となるSPY-1レーダーなどは、今でも他機種の水準をはかるための基準として利用されている[16]。また、一般に対する知名度も比較的高いため、イージスシステム以外の防空システムを搭載する艦艇まで含めてイージス艦と呼ぶことがある。

例えば、ドイツのザクセン級フリゲート、オランダのデ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級フリゲート、英仏伊の45型駆逐艦フォルバン級駆逐艦アンドレア・ドーリア級駆逐艦、日本のあきづき型護衛艦などはしばしばミニ・イージス艦と称される[6]。また、同じく四面固定式のフェイズドアレイ・レーダーを採用していると思われる中国の蘭州級(052C型)駆逐艦昆明級(052D型)駆逐艦は、「中華イージス(中華神盾)」と呼ばれる事が多い。これらの艦を「○○イージス艦」と呼ぶ場合には、下記のような共通点が認められる。

  • NTU改修艦の場合のような数個程度ではなく、十数個〜数百個という非常に多数の空中目標への同時対処が可能な防空能力を備えている
  • 高度に統合された戦闘システムを備えている(NAAWSPAAMSFCS-3など)
  • フェーズドアレイ・レーダーを搭載している
  • 多機能レーダーの運用に重点を置いた船体構造に設計されている
  • 垂直発射式のミサイル・ランチャーを搭載している

海上自衛隊の汎用護衛艦であるむらさめ型においては、「ミニ・イージス艦とも言うべき高性能艦」などと紹介される一方で、「ミニ・イージス艦となる予定だったが断念した」など報道される事もあり、表現の混乱が見られる。むらさめ型は1面回転式のフェイズドアレイ・レーダーであるOPS-24を搭載しているが、これは純粋の捜索レーダーであるので、多機能レーダーであるSPY-1とは別種のものである。また、むらさめ型は対空戦闘システムFCS-3の搭載を断念した経緯がある(後にあきづき型が搭載)が、たとえ搭載されたとしてもFCS-3は国産の対空戦闘システムであり、イージスシステムとは別物である。

固有名詞が一般名詞化する段階では拡大解釈が行われ、この様な誤用が見られる。本来ゼネラル・エレクトリック社のジェットエンジンに装備されている再燃焼装置を指す言葉であるはずの「アフターバーナー」が、ジェットエンジンの再燃焼装置全般を指す用語として使われているなど、類似の事例は皆無ではない。

ミニ・イージス艦

ノルウェーのフリチョフ・ナンセン級は、軽量簡易型のレーダーSPY-1Fを搭載すると共にシステム全体を簡略化しており、ベースライン別に分類される従来のものとは異なる、簡易型のイージスシステムを搭載する。これは「ミニ」ではあるが、前述の誤用としての「イージス艦」とは異なり正式なイージス艦である。また比較的小さな艦型(全長132m、全幅16.8m)を指して「ミニ・イージス艦」と呼ばれることもある。

イージス艦一覧

創作中のイージス艦

小説・漫画・アニメなどに登場するイージス艦で、作品中のイージスシステムが実在のそれとどの程度同一であるかは、それぞれの作品の世界観によるが、その有無についてはっきりと語られる場合を除くと、作中での名称や描写(艦名や艦番、レーダーの形)から推測する事になる。なお、1シーンのみの登場でも、その描写によってイージス艦と推測できる作品は、他にも数多く存在する。

実写

ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
両作にて、架空のイージス艦「あいづ」が登場し、ゴジラと戦闘を行う。
亡国のイージス
架空のイージス護衛艦「いそかぜ」が舞台となっており、映画版では実在するこんごう型護衛艦みょうこう」が「いそかぜ」役として出演している。
バトルシップ
実在するアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の「ジョーン・ポール・ジョーンズ」と「サンプソン」が登場し、エイリアンと戦闘を行う。また、共闘する海上自衛隊の護衛艦として、艦名を「みょうこう」とする艦が登場しているが、CGモデルはこんごう型ではなく、あたご型護衛艦になっている。
ザ・ラストシップ
架空のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ネイサン・ジェームズ」が舞台となっており、実在する同型艦の「ハルゼー」などが、「ネイサン・ジェームズ」役として出演している。

アニメ・漫画

ジパング
「ゆきなみ型」と呼ばれる架空のイージス護衛艦が登場し、その3番艦である「みらい」が第二次世界大戦時にタイムスリップしてしまう。
学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD
こんごう型護衛艦「こんごう」「きりしま」、およびタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦シャイロー」が、東風-21SM-3で迎撃する。
蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-
突如現れた「霧の艦隊」を迎撃するが有効なダメージを与えず全滅してしまう。その17年後、日本にも数隻残っている(形状は不明、おそらくアーレイバーク級ミサイル駆逐艦のフライトⅡA)が霧に有効なダメージを与える事なく撃沈される。判明できる艦名は「あまつかぜ」と「たちかぜ」。
ビビッドレッド・オペレーション
連合防衛軍(UDF)の艦隊としてタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦・アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦・こんごう型護衛艦が登場。ブルーアイランドに攻めてくるアローンを迎撃するが効果なくビームで撃沈される(撃沈を確認できるのは「こんごう」のみ)。
名探偵コナン 絶海の探偵
架空のあたご型護衛艦「ほたか」が舞台となっており、エンドロールでは実写で「あたご」と「きりしま」が登場する。

小説

ルーントルーパーズ 自衛隊漂流戦記
架空のイージス護衛艦「いぶき」が登場し、国連軍としてアフリカに向かっていた途中、魔法の力により異世界に飛ばされてしまう。

ゲーム

コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア3
アーレイバーク級ミサイル駆逐艦がニューヨーク沖でロシア艦隊の攻撃を受け撃沈される。
エースコンバット アサルト・ホライゾン
タイコンデロガ級22番艦「アンツィオ」がパトリオットミサイルとともにワシントンD.C.の防衛に当たるがSu-35の体当たり攻撃を受け大破、沈没する。

架空のイージス艦

本来の意味でイージス艦と呼んでよいものもあれば、誤用に近いものもある。

DDG-79「カニンガム」(USS Cunningham; 『ステルス艦カニンガム出撃』など)
米海軍の発展型イージス艦。SPY-2レーダーなどを搭載。
DDH-182 「みらい」(『ジパング』)
正規のイージス艦。
「むさし」、「やまと」(『戦海の剣』)
正規のイージス艦。
DDH-147 「あいづ」(『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』)
防衛海軍所属の巡洋艦で、SPY-1レーダーといったイージス艦の特徴を持っているがVLSは見当たらず、代わりにアスロックランチャーが搭載されている。また、「あいづ」は『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』において、艦番号をDD-147とする海上自衛隊所属の護衛艦として登場している。
オーブ海軍イージス艦及びダニロフ級(『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ)
イージス艦と呼称されSPY-1レーダーの様な描写もある。しかし、架空世界(コズミック・イラ)の艦であり、本来のイージス艦ではない。
ただし作品世界内の過去において「アメリカ合衆国」が存在し、イージスシステムの開発元と設定されており、この世界でも現実世界と同じイージス艦が存在し、その名を継承したと解釈できない事は無い。
DDG-183 「いそかぜ」(『亡国のイージス』)
原作の小説では、はたかぜ型ミサイル護衛艦の3番艦に試験艦「あすか」のFCS-3を搭載した架空の艦である。よって題名とは裏腹に[注 2]イージス艦ではない。あえて言うならば「ミニ・イージス艦」(誤用)である。
映画版では実物のこんごう型護衛艦「みょうこう」を撮影に使用したため正規のイージス艦と思われる。
「たつなみ」(『ソリトンの悪魔』)
正規のイージス艦。
「はくば」(『MM9』)
正規のイージス艦。排水量や武装などはあたご型護衛艦と同一。
DDG-180 「いぶき」(『ルーントルーパーズ 自衛隊漂流戦記』)
正規のイージス艦。

脚注

注釈

  1. ミサイルが目標に命中する直前の電波ビーム照射だけは、Mk.99 ミサイル射撃指揮装置のAN/SPG-62レーダーによって行っている[8]
  2. 「国防の盾」という象徴的意味合いと、単に高性能防空艦の代名詞としてイージスという名を使用していると思われる。

出典

  1. 1.0 1.1 1.2 藤木 2006.
  2. Friedman 2004, pp. 219-225.
  3. 3.0 3.1 3.2 Friedman 2004, pp. 342-347.
  4. Friedman 2004, pp. 320-322.
  5. Friedman 2004, pp. 411-425.
  6. 6.0 6.1 6.2 6.3 世艦2006
  7. 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 大塚 2016.
  8. 8.0 8.1 8.2 大熊 2006, pp. 36-57.
  9. 大熊 2006, pp. 323-329.
  10. 10.0 10.1 山崎 2016.
  11. Friedman 1997, pp. 374-375.
  12. 12.0 12.1 12.2 大熊 2006, pp. 58-61.
  13. 能勢 2016.
  14. 大熊 2006, pp. 98-112.
  15. 香田 2012.
  16. 野木 2008.

参考文献

  • Friedman, Norman (1997). The Naval Institute guide to world naval weapon systems 1997-1998. Naval Institute Press. ISBN 9781557502681. 
  • Friedman, Norman (2004). U.S. Destroyers: An Illustrated Design History, Revised Edition. Naval Institute Press. ISBN 978-1557504425. 
  • 大熊, 康之 『軍事システム エンジニアリング』 かや書房、2006年。ISBN 4-906124-63-1。
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  • 岡部, いさく「現用イージス・システムの防空能力」、『世界の艦船』第667号、海人社、2006年12月、 76-83頁、 NAID 40015140493
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  • 野木, 恵一「イージス艦の発達-その誕生から今日まで (特集 イージス艦のすべて)」、『世界の艦船』第730号、海人社、2010年10月、 75-81頁、 NAID 40017240282
  • 能勢, 伸之「新たなミサイル防衛構想 (特集 世界のイージス艦)」、『世界の艦船』第844号、海人社、2016年9月、 100-103頁、 NAID 40020917948
  • 藤木, 平八郎「イージス・システム開発の歩み (特集・イージス艦発達史)」、『世界の艦船』第667号、海人社、2006年12月、 69-75頁、 NAID 40015140492
  • 山崎, 眞「イージス・システム その発達と今後 (特集 世界のイージス艦)」、『世界の艦船』第844号、海人社、2016年9月、 70-77頁、 NAID 40020917920
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関連項目