グミ (植物)

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グミの実のなる頃
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グミの実、6月の収穫

グミ(茱萸、胡頽子)はグミ科グミ属(学名:Elaeagnus)の植物の総称で、果実は食用になる。 なお、グミは大和言葉であり、菓子のグミドイツ語ゴムを意味する"Gummi"から)とは無関係である。

概要

常緑または落葉の低木つる性のものもある。また常緑性種は耐陰性があるが耐寒性は弱く、落葉樹性は強い。は互生し、葉や茎には毛が多い。また茎にはとげがある。は両性または単性、がくは黄色で筒状、先が4裂し、雄蕊が4本つく。花弁はない。挿し木取り木接ぎ木などで簡単に増やせる。

虫媒花である[1]

前年枝の節から伸びた新梢に開花結実する。開花後、萼筒の基部が果実を包んで肥厚し核果様になる。果実は楕円形で赤く熟し、渋みと酸味、かすかな甘味があって食べられる。形はサクランボに似る。リコピンを多く含むが、種によってはタンニンを含むため、渋みが強いことがある。ときおり虫が入っていることもあるので注意が必要である。

フランキア属放線菌共生窒素固定を行うので、海岸などのやせた土地にも育つ。

方言名に「グイミ」がある。グイはとげのこと、ミは実のことをさし、これが縮まってグミとなったといわれる。その他に中国地方ではビービー、ブイブイ、ゴブなどとも呼ばれている。

分布

ユーラシアから東南アジアにかけて50から70種ほどが現存し、E. trifloraだけがオーストラリアにまで分布している。ギンヨウグミE. commutata)は北アメリカ唯一の固有種である。日本にはナツグミE. multiflora)、アキグミElaeagnus umbellata)、ナワシログミE. pungens)、ツルグミE. glabra)など十数種がある。商業的にはあまり利用されないがなどに栽培される。ただし首都圏に自生することはない。

脚注

  1. Bartish, IV and Swenson, U (2004), Elaeagnaceae, pp. 131-134, doi:10.1007/978-3-662-07257-8_17