デュアル・モード・ビークル

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デュアル・モード・ビークルDual Mode Vehicle , DMV)とは、

ここでは前者について記す。

概要

日本では、利用の少ない路線のコストを削減するため、北海道旅客鉄道(以下、JR北海道)が日本除雪機製作所と実用化に向けて共同開発していた。同じコンセプトの車両はイギリスシルバーティップ・デザイン社、ランカスター大学ノーザンブリア大学などの共同開発)など数ヶ国で研究されているが、ここではJR北海道が開発していたものについて述べる。

キャブオーバーマイクロバスをベースに、軌道走行に必要な改造を加えてあり、外見や基本的な構造は一般的なバスとほとんど同様である。動力源は種車のものを生かしたディーゼルエンジンで、ゴムタイヤと金属車輪の両方を備えており、道路走行時は金属車輪を持ち上げ、ゴムタイヤのみを用いる。

線路上を走行する際は、前輪ゴムタイヤの前部に格納された金属車輪(前部ガイド輪)をレール上に降ろして案内用とし、前輪ゴムタイヤを持ち上げて浮かせる。一方、後輪ゴムタイヤ後部の金属車輪(後部ガイド輪)をレール上に降ろして案内用とするが、後輪ゴムタイヤも駆動輪としてレール上面に接する。動力を後輪のゴムタイヤから直接レールに伝えることで軌道上を走行する。後輪ゴムタイヤは、ダブルタイヤの内側タイヤのみがレールに接する。また、この時での後輪のゴムタイヤと後部ガイド輪との間の荷重配分は、60:40 - 36:64の間で変化できる[1]

道路走行から軌道走行に切り替える時は、車体をうまく線路上に誘導するため、地表に設置された専用のポインター(走行モード切り替え装置、モードインターチェンジ)が必要となる。この装置によってスムーズな切り替え作業が可能となり、約10秒間という短時間で走行モードを切り替えることができる。走行モード切り替え装置は左右のレールの外側に設置された2本のガイドウェイで構成される。車体前部と後部のガイドローラーをガイドウェイに沿わせて車体を前進させることで、車体をレール中心上に誘導する。但し、ガイドウェイとガイドローラーのみでは車体を完全にレール中心にセットすることが困難なため、この装置付近のみレールの幅(軌間)が約70 mm広くなっている。これに伴い、車体側の金属車輪の踏面の幅も広めになっている。

前史ともいうべき日本国有鉄道(国鉄)のアンヒビアン・バスでは、この走行モード切り替えに多大の手間を要したことから実用化が断念された経緯(後述)があり、この点には特に注意が払われている。1車両当たりの定員が少ないが、車両同士を連結可能として総括制御が可能なシステムとされ、輸送単位の小ささを補う。運行管理にはGPSが用いられる。最小限の設備投資で路線を拡張できるとして、私鉄第三セクター鉄道を含む地方ローカル線路面電車への導入が各地で検討されている。

乗り心地は、道路上走行時はバスと同じで、レール上走行時もやはり列車と同じである。レール上走行時は、列車特有の「ガタンゴトン」という音がするが、外見そのものがバスとそっくりなため、その様子はバスが線路の上を走っているように見える。

鉄道とDMVのコスト比較及び、水陸両用車を含めたデュアルモードのメリットについて、国土交通省によりまとめられている[2]。 また、モノレール等の新交通システムとして列挙されたDMVの特徴は、次の通り[3]

  • 休止路線、運行本数の極めて少ない貨物引込み線などの既存インフラを有効活用できるため、新規のインフラ整備が軽微。
  • 鉄道車両に比べてランニングコストが安価。
  • 鉄道の定時性とバスの機動性の双方を備える。
  • 輸送人員の少なさによる繁忙時の大量輸送ニーズへの整合性が課題。

車両試作および走行試験

ファイル:JRHokkaidoDualModeVehicle.jpg
デュアル・モード・ビークル第1次試作車(2006年10月、JR北海道苗穂工場・日産・シビリアンベース)

発案者であり、開発指揮を担当したJR北海道の当時の副社長の柿沼博彦は、本車両製作のきっかけを「2002年平成14年)に幼稚園の送迎バスを見て、わずかな改造でそのまま線路上に乗せられるのではと考えた」と語っている。詳細は外部リンクのインタビューを参照のこと。

2004年(平成16年)にマイクロバス(日産・シビリアン)を改造した定員34名の第1次試作車(愛称・サラマンダー901)が完成し、日高本線で走行試験が行われた。艤装など加工組み立ては、JR苗穂機関区にて自動車としての構造変更等の経験及び実施例がないため、軌道除雪車制作及び、一般道用の除雪車の制作で関わりのある、株式会社日本除雪機製作所が行っている。なお、ベース車両は1999年で製造が打ち切られている旧型シビリアン(W40型系)である。

2005年(平成17年)には2両を背中合わせに連結できる新型の第2次試作車(911、912)が製造され、同年10月3日石北本線北見駅 - 西女満別駅 - 女満別空港間で実用化を前提とした走行試験が行われた。この2両は1999年のフルモデルチェンジ後のシビリアン(W41型系)をベース車両としているため、前年の車両とは車体各部が異なる。

2006年(平成18年)には、静岡県富士市が市制40周年記念事業としてJR北海道より車両を借り入れ、岳南鉄道(現在の岳南電車岳南線にて11月24日から26日まで夜間走行試験を実施。翌2007年(平成19年)の1月14日21日デモンストレーション走行として、岳南原田駅にモードインターチェンジが作られ、市場踏切との間で片道鉄道・片道道路の往復運転を行った。

2008年(平成20年)には南阿蘇鉄道[4]2009年(平成21年)には天竜浜名湖鉄道[5]試験運行が行われた。

また当時は毎年、苗穂工場公開の際にDMVの試乗も行っていた。

ファイル:DMV 070804, JR Hokkaido.jpg
第2次試作車 試験的営業運行時 2007年8月 浜小清水駅にて

試験的営業運行

浜小清水駅のICおよび本線アプローチ線(右へ向かう) 藻琴駅のIC。鉄道→道路のみのICは簡素(奥より至る)
浜小清水駅のICおよび本線アプローチ線(右へ向かう)
藻琴駅のIC。鉄道→道路のみのICは簡素(奥より至る)

2007(平成19)年度、2008(平成20)年度は4月から11月まで、第2次試作車を使用して釧網本線浜小清水駅発着で試験的営業運行が行われ、浜小清水駅から藻琴駅まで線路を走行、藻琴駅から浜小清水駅は国道244号や藻琴湖、濤沸湖を周遊する道路走行を行う。

運転日は土曜・日曜・祝日・長期休暇期間のみで1日3便運行する。2008(平成20)年度は道路走行を担当する網走バス回送を利用し、1便目は網走駅前より、3便目は網走駅前まで乗車できた。旅行商品という形のため、乗車には事前に申し込みが必要。

なお、DMV車両は鉄道車両としての車籍を有していなかったが、試験的営業運行を実施するために2007年(平成19年)3月15日付で車籍を与えられ、釧路運輸車両所に配置された。

同年10月21日12時20分頃、浜小清水駅構内で試験的営業車両が軌道へ乗り入れて走り出した直後に脱線事故を起こしたが、乗員乗客に怪我人は出なかった。走行モード切り替えのための停止位置を示す標識がずれていたのが原因とされ、標識を正しい位置へ立て直した後に10月27日から試験的営業を再開した。

トヨタの参入

ファイル:Dual Mode Vehicle.jpg
デュアル・モード・ビークル第3次試作車(2008年10月、JR北海道苗穂工場・トヨタ製)

2008年(平成20年)の洞爺湖サミットにあわせて、トヨタ自動車日野自動車富士重工業[6]の協力を得て製作された第3次試作車(920)が登場した。車体はトヨタ・コースターがベースで、定員も増加している。但し、鉄道車両としては前後の車輪の間隔が長いため走行安定性に難があり、車検を取得していないため、公道を走ることもできない。また、この車両の登場と同時にDMVの愛称を、進化論を提唱したチャールズ・ダーウィンにちなんだ「Darwin」とし、旧来の日産シビリアンをベースとした車両も愛称が変更された(サラマンダー901→ダーウィン901)。次いで、試験用営業DMV車である911・912の定員16名から車体長を若干長くし(7250ミリ→8200ミリ)定員28名とした車両(921)も登場し、サミット会場近くのビジターセンターの駐車場において仮設線路を設置しての走行や「モード・インターチェンジ」における走行モード変換装置を使っての試乗会が2008年7月に実施され[7]、こちらは車検を取得、ナンバープレートも交付されており、公道走行が可能となっている。

2009年(平成21年)11月12日から11月15日明知鉄道岐阜県恵那市)で行われた夜間試験走行では、このコースターをベースとした車両(921)が使用され(営業運転終了後の深夜に実施)、同市岩村町の岩村駅から明智駅までの線路を鉄道車両として走行、バスの形態で国道363号を岩村駅まで走行した。計測機器を積み込んで、線路上での最高速度を変更するなど、1日3往復半から4往復半の試験走行を繰り返し、振動、カーブでの走行、傾斜が強い同鉄道の勾配部分での加減速性能などのデータを計測した。また、同じ車両を用いて、翌2010年(平成22年)の3月20日から3月23日の昼間時間帯に、岩村駅から明智駅を経由し観光スポットを回るルートなどで実証実験を行った[8]。なお、明知鉄道はバスを運行していないため、バス形態での運行区間は東濃バスが担当した。

JR北海道による営業運転・実用化の断念

JR北海道では、早ければ2015年(平成27年)にも営業運転の開始を予定していた。しかし2013年(平成25年)にDMVとは無関係に事故が多発した影響で、同年9月27日、安全性向上の優先を理由に営業線区の選定作業を中断したことが明らかになった[9]。当時JR北海道の会長に就任していた柿沼博彦はこの重大な事故多発問題の責を問われ、会長職を退いて顧問となったがすぐにJR北海道から辞職せざるを得なくなった。2014年4月からは道都大学教授に就任し、DMV開発を直接推進できる立場ではなくなっている。

その後2014年(平成26年)3月を最後に試験運転を凍結。同年9月10日、JR北海道は安全対策と北海道新幹線に経営資源を集中させる事を理由にDMVの導入断念を発表した[10]。更に2015年8月、JR北海道はDMV開発にこれ以上資金を投入し続けることができないとの判断から実用化自体を断念[11][12]、同社としてはこの事業から撤退することになった。今後開発過程で蓄積した関連データなどは求めがあれば外部に提供するとしている。

一方、2017年(平成29年)2月に入ると、高波被害バス代行を行っている日高本線において、沿線自治体からDMV方式の導入による運行再開案が提示された[13]。同年4月、沿線自治体などによる「JR日高線沿線地域の公共交通に関する調査・検討協議会」が設置され、DMV導入の可否を含む地域公共交通の方向性について検討を開始した[14]。JR北海道は同年10月12日、「JR日高線(鵡川~様似間)沿線地域の公共交通に関する調査・検討協議会にてDMV・BRT乗合バスのいずれかを代替交通とするか方向性を決める方針とお聞きしております」との同線に関する沿線地域への相談状況を示した[15]。同年11月、協議会がコンサルタント会社にコストなどの試算を依頼したDMV・BRT・乗合バス3通りの代替手段の比較検証結果が報告された[16]。これを受け、2018年(平成30年)7月30日の協議会の会合にて、多額の初期費用や事業者確保の問題から導入断念が決まった[17]。同日、協議会は解散した[18]

阿佐海岸鉄道が実用化へ

予てからDMVの導入を検討していた阿佐海岸鉄道徳島県)が、2020年までにDMVを導入することを決定した[19]。DMVの本格的な営業運行は世界初となる[19]2017年2月3日に、徳島県、高知県など関連自治体でつくる「阿佐東線DMV導入協議会」の会合が徳島市で開催され、その結果、DMV導入計画が承認された[19]

計画によると、線路を走行するのはJR四国牟岐線阿波海南駅(牟岐線の終点海部駅の一つ手前の駅) - 阿佐海岸鉄道阿佐東線甲浦駅間で、甲浦駅より先は道路を走り室戸岬方面を結ぶ、としている[19]。DMVの運行の起点が阿波海南駅となっているのは、DMVが片運転台であり方向転換が必要であること、また海部駅は高架駅であるため同駅で方向転換させるためには大規模な改造工事が必要である一方、阿波海南駅は地上駅であり海部駅ほどの設備投資が不要であることが挙げられている[19]。甲浦駅では高架線の終点から地上の道路に下りるスロープを新設し、そこから一般道路を通って室戸岬を目指す、としている[19]。また、DMV導入後は、牟岐線の運行上の終点は阿波海南駅とし、阿波海南駅 - 海部駅間はDMVのみの運行とする予定である[19]

なお、DMV導入の正式決定に先立ち、2011年9月より牟岐駅宍喰駅でモードインターチェンジ設置工事に着手し、また苗穂工場にてJR四国と徳島バスが訓練を行った[20][21]。2011年11月から実証実験を開始し、2012年2月に宍喰駅・牟岐駅間を往路は道路、復路は鉄道を利用してデモンストレーション走行を行った[22]2016年2月には、徳島県交通戦略課が、今後10年以内に牟岐線阿波海南駅から阿佐海岸鉄道甲浦駅までの約10kmの区間に営業運行を実現させることを目指す方針を発表した[23]。DMVを観光資源として活用し、将来的には甲浦駅から道路を用いて高知県室戸岬方面への観光ルート路線の設定も検討するとしていた[23]

前史 - アンヒビアン・バス

1962年昭和37年)、日本国有鉄道(国鉄)は赤字ローカル線活性化の切り札として、鉄軌道と道路の両方を走行することのできるバスの開発に着手した。これがアンヒビアン・バスである。アンヒビアン(amphibian)とは英語で両生類を意味する。

開発にあたっては、軌道走行用の車輪を車体に内蔵する方式と、別途用意された台車にバスの車体を装架する方式とが考えられたが、前者の方式では、構造が複雑になる上、内蔵する台車の重量が嵩み、特に道路走行時に自重の半分にも及ぶ死重を抱えることになることから、台車の着脱を行う後者の方式が選択された。

国鉄では、三菱日本重工業(→三菱重工業三菱自動車工業三菱ふそうトラック・バス)製R-480形シャシを用いて試作車を製造し、043形と命名した。車体は国鉄の指定で富士重工業製となっている。同車は、同年6月に鉄道開業90周年を記念して開催された、「伸びゆく鉄道科学大博覧会」に出品された。

しかし、この043形は軌道に乗せるために専用のジャッキを必要とし、変速機からのプロペラシャフトブレーキ配管の接続を必要とするなど、軌道走行モードと道路走行モードの転換に多大の手間と時間を要したため、結局実用化されることはなかった[24]

課題と法的整備

課題
  • 北海道の厳冬期における安定運行の確保。2005年(平成17年)11月14日午後11時半ごろ、札沼線での試運転中に月形町石狩月形駅 - 豊ヶ岡駅間の踏切で、積雪に乗り上げて脱線し、12時間以上立ち往生した。これは、当DMVが一般の鉄道車両に比べて軽いことが原因とされる(この事故以降、DMVの試験運用は積雪が少ない道外や道東圏でのみ行われるようになった)。
  • 燃料である軽油に課税される軽油引取税は、道路整備を目的とした目的税であるため、鉄道線路の走行に使用する場合には課税免除の対象になる。しかし道路走行時には課税対象であることから、課税/非課税の切り分け(燃料の管理)が課題になる。
  • 車体が軽すぎて線路を利用した既存の軌道回路と接続できず、既存の鉄道信号システムと連動できない。DMV導入のためには、沿線の信号システムを(それなりのコストをかけて)DMVに対応した新規システムに更新する必要がある。
  • 運転手が鉄道用の動力車操縦者免許と、バス用の大型自動車第二種運転免許の両方を取得し、双方の運転に通じる必要がある。試験運行では、鉄道区間を鉄道事業者、バス区間をバス会社と、分担して運転した事例があるが、運転手の交代のための時間と運転手2人分の人件費が必要になる。
  • 路線バスと大差ない(時にそれを下回る)乗員数では、鉄道本来のメリットである大量輸送能力を発揮できない(地方ローカル線でさえ、朝夕の通学・通勤時にはDMVの定員を超えるほどの乗客が利用する)。
  • 既存のマイクロバスを流用した車体は鉄道車両としては構造的に脆弱で、鉄道事故時の耐久性や生存性に問題がある。また、耐久寿命においても既存の鉄道車両をはるかに下回り、償却面から長期的に見ると必ずしも安価とはいえない。
  • 総じて、廃線敷地をバス専用道路に改修する、単なる通常の路線バスへ移行するといった、さらに低コストな代替案に対抗して導入するだけの有力な論拠がない。実際にJR東日本は震災などで不通になったローカル線について、課題や規制の多い本案ではなくBRT案を採用している。
法的整備
2007年の通常国会において、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案が成立した。この法律では、同一の車両(など)を用いて鉄道事業法による鉄道事業(など)と一般乗合旅客自動車運送事業の両方の運送サービスを提供する場合を「新地域旅客運送事業」として、DMVや水陸両用車につき、運賃・料金・各種認可届出などの整備を行おうとするものである。この法律によりDMVの法整備がなされた。

DMVの導入を計画または検討中の地域・事業者

  • 日本
    • 北海道夕張市(北海道旅客鉄道(JR北海道))[25]
      ただし、導入検討線区であった新夕張 - 夕張間は、その後自治体が条件付き廃止の方向に転じた。
    • 北海道勇払郡厚真町ほか6町(日高本線[13]
      2018年7月30日、沿線自治体首長の会合で導入断念を決定[17]
    • 群馬県みどり市他(わたらせ渓谷鐵道
      2006年9月、群馬県・栃木県がわたらせ渓谷鐵道に対し新たな経営再建策の検討を要請し、DMVによりJR東日本日光駅方面へ直通運転する計画を提示。北海道に出向いて実際に試乗した石原条・みどり市長が同年11月、DMV導入を本格的に検討するよう指示したが、その後の経営再建計画には盛り込まれず。
    • 静岡県富士市(富士駅 - 新富士駅間 及び 岳南鉄道)
      DMV登場後いち早く導入の意向を示し、2006年11月からJR北海道の協力の下で走行試験を行った。
    • 静岡県浜松市(天竜浜名湖鉄道)
    • 岐阜県恵那市(明知鉄道、東濃鉄道バス)
    • 熊本県高森町他(南阿蘇鉄道)
      国土交通省九州運輸局は2006年11月29日に、「南阿蘇地域における新交通システム(DMV)導入による公共交通活性化に関する調査について」というプレス向け文書をリリースしている。
    • 徳島県(四国旅客鉄道(JR四国)・阿佐海岸鉄道)
      前述の通り、2020年までに徳島県と阿佐海岸鉄道が、現有車両の置き換えと地域活性化のため、DMVを本格導入することを検討。なお、前方にしか運転台がないDMVを折り返すための設備が必要なことから、北端はJRとの分社駅である海部駅ではなく、1つ徳島寄りの阿波海南駅となる。阿波海南駅~甲浦駅間は線路を、甲浦駅以南は一般道路を走行し、室戸岬方面を目指す構想。ただし、室戸岬まで運行した場合は片道1時間ほどかかり、線路外の走行距離が延びるほどダイヤが乱れるリスクがある[26]

その他

脚注

  1. 持永芳文「電気鉄道技術入門」オーム社 2008年 P253 ISBN 978-4-274-50192-0
  2. 国土交通省総合政策局 (2012年3月). デュアルモードの導入促進に関する調査業務 (Report). 国土交通省. pp. 77-96. http://www.mlit.go.jp/common/000016833.pdf . 2016年5月3日閲覧.. 
  3. 新交通システムの事例 (PDF)”. 山梨県. . 2016年5月3日閲覧.
  4. “南阿蘇走る 九州初DMV”. スポニチアネックス (スポーツニッポン). (2007年9月13日). オリジナル2015年9月25日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150925113742/http://www.sponichi.co.jp/seibu/column/closeup/KFullNormal20070913147.html . 2016年5月3日閲覧. 
  5. “【天竜浜名湖鉄道】天浜線DMV実証実験開始”. ネコ・パブリッシング(鉄道ホビダス). (2009年2月2日). http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2009/02/dmv.html . 2016年10月13日閲覧. 
  6. 現在は『株式会社SUBARU』
  7. 鉄道ファン編集部・JR北海道、2008、「CAR INFO(新型DMV試験車)」、『鉄道ファン』48巻(通巻570号(2008年10月号))、交友社 pp. 68-69
  8. 山吉健太郎 (2010年3月20日). “道路も線路もスイスイ 新型車両DMV、岐阜で実験走行”. 朝日新聞(朝日新聞デジタル) (朝日新聞社). オリジナル2010年3月28日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100328005330/http://www.asahi.com/travel/rail/news/NGY201003200018.html . 2016年5月3日閲覧. 
  9. “DMV運行時期、白紙に JR北海道 営業線区の選定作業中断”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2013年10月5日). オリジナル2013年10月5日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131005045909/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/494579.html . 2017年4月29日閲覧. 
  10. “線路・道路両用車の導入を断念 JR北海道”. 朝日新聞(朝日新聞デジタル) (朝日新聞社). (2014年9月11日). オリジナル2014年9月10日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140910204119/http://www.asahi.com/articles/ASG9B5SW1G9BIIPE01H.html . 2016年5月3日閲覧. 
  11. “JR北海道が「DMV」実用化を断念 資金手当てが困難に”. 産経新聞(産経ニュース) (産経新聞社). (2015年8月14日). オリジナル2015年8月14日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150814065133/http://www.sankei.com/economy/news/150814/ecn1508140019-n1.html . 2016年5月3日閲覧. 
  12. “DMV実用化、JR北海道が断念 安全対策優先で投資困難”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2015年8月14日). オリジナル2015年8月14日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150814013902/http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0168131.html . 2016年5月3日閲覧. 
  13. 13.0 13.1 “日高線DMV導入検討 沿線7町長 被災区間の復旧断念”. 北海道新聞. どうしんウェブ(電子版/経済) (北海道新聞社). (2017年2月19日). オリジナル2017年2月19日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170219032204/http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/politics/politics/1-0370270.html . 2017年7月12日閲覧. 
  14. “JR日高線沿線の公共交通探る協議会設置 DMV導入含め検討”. 苫小牧民報 (苫小牧民報社). (2017年4月13日). https://www.tomamin.co.jp/news/main/11039/ . 2018年8月3日閲覧. 
  15. “当社単独では維持困難な線区の経営情報等の説明状況について” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 北海道旅客鉄道, (2017年10月12日), オリジナル2017年10月15日時点によるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20171015093015/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2017/171012-3.pdf . 2017年10月16日閲覧. 
  16. “線路・道路両用車も検討、JR日高線の代替案比較”. 日本経済新聞(筆者/山崎一邦、日経コンストラクションWeb版 2017年11月21日掲載) (日本経済新聞社). (2017年11月21日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23745370R21C17A1000000/ . 2018年8月3日閲覧. 
  17. 17.0 17.1 “日高線鵡川―様似 DMVとBRT断念 沿線7首長”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2018年7月31日). https://www.hokkaido-np.co.jp/article/213853 . 2018年8月1日閲覧. 
  18. “日高線沿線協議会、バス転換へ態度軟化 新交通は断念”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2018年7月30日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23745370R21C17A1000000/ . 2018年8月3日閲覧. 
  19. 19.0 19.1 19.2 19.3 19.4 19.5 19.6 阿佐海岸鉄道「DMV」はローカル線活性化の起爆剤になるか。室戸岬を目指して2020年にも運行開始”. 旅行総合研究所タビリス (2017年2月4日). . 2017閲覧.
  20. “実証運行へDMVの進入路整備 牟岐駅で工事始まる”. 徳島新聞 (徳島新聞社). (2011年9月27日). オリジナル2011年9月28日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110928073947/http://www.topics.or.jp/localNews/news/2011/09/2011_131708809984.html . 2016年5月3日閲覧. 
  21. 阿佐鉄瓦版19号 (PDF)”. 阿佐海岸鉄道 (2011年11月1日). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016年5月3日閲覧.
  22. 鉄道ファン (雑誌) (2012年2月11日). “「DMV」が牟岐線・阿佐海岸鉄道でデモンストレーション走行”. railf.jp(鉄道ニュース) (交友社). http://railf.jp/news/2012/02/11/155800.html . 2016年5月3日閲覧. 
  23. 23.0 23.1 “線路も道路も走れるDMV、徳島県10年以内に営業運行”. 朝日新聞(朝日新聞デジタル) (朝日新聞社). (2016年2月13日). オリジナル2016年2月13日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160213072104/http://www.asahi.com/articles/ASJ285H1VJ28PUTB00R.html . 2016年5月3日閲覧. 
  24. 「消えた車輌写真館」両棲バス043-2001 (国鉄・その他)”. ネコ・パブリッシング(鉄道ホビダス). 2013年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016年5月3日閲覧.
  25. 夕張市地域公共交通協議会”. 夕張市. 2017年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2017年7月12日閲覧.
  26. DMV発車オーライ?『東京新聞』朝刊2018年3月26日(特報面)

参考文献

  • 朝日新書「線路にバスを走らせろ『北の車両屋』奮闘記」 畑川剛毅著 ISBN 978-4022731562

関連項目

テンプレート:JR北海道の車両リスト