ホースボール
ホースボールとは、馬に乗りながらプレーヤーが専用のボールを扱いゴール数を競う球技であり、チームスポーツである。
ホースボールの試合は2チームで行われ、各チームにつき4騎が常にピッチに出て、2騎は控え（交代は何回でも可能。ただし、ファウルなどで退場処分を受けた選手、故障が発生した馬匹などは出られない）で、ゴール数の多い方のチームが勝ちとなる。
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特徴
ボールは、サッカーボールの4号球に革の取手が6つ付いたものを使用。ピッチの大きさは、長さ60-75メートル、幅20-30メートル。セキュリティゾーンと呼ばれる控えの2騎やコーチなどが待機する3-5メートルの場所がピッチの横に設けられている。
馬上にて全てのプレーは行われ、ルールやゴールの見た目はバスケットボールに近く、ボールを持ったまま走行してパスをする見た目はラグビーに似ている。ホースボールのルールの特徴としては、馬上にてボールを連続で3人以上の味方にパスした場合にのみシュートが出来る権利が発生する。 例で言えば、同チームの2プレーヤー間で3回パスを通してもシュート権は発生しない。仮にシュートを決めてもゴールにはカウントされない。
ホースボールでは「 Ladies 」と呼ばれる女性選手のみで行われる試合以外では、選手は男女混成のチームが可能。プロエリートのカテゴリーの大会ではポルトガル代表のアナ・バティスタや、フランス代表のクリスティン・ラゲールが活躍している。
歴史
ホースボールは、もともとアルゼンチンの「パト」と呼ばれるスポーツが1970年代にフランスで今のホースボールの形になる。パトはポロと同じサイズのフィールド（長さ274m、幅146m）を使用していたため広大な場所が必要であり、パトを楽しんでいたフランス人達が、もっとパトを世界中のたくさんの人が楽しめるようにと、パトの醍醐味を残しながらのサイズダウンとルールが生み出され、そして将来的にオリンピック競技になってほしいとの願いも込められて、英語での「 Horseball 」という名前がつけられた。
ホースボールで使用される馬
使用される馬は、「 U16 」と呼ばれる16歳以下の選手が出場するカテゴリーでは体高150センチメートル以下の馬で構成され、それ以上の年齢の試合では主にサラブレッドが使われる。
海外のホースボール
世界中に乗馬が普及しているためホースボールも世界中のあらゆる国で紹介され、取り入れられている。もっとも普及度の高いフランスではリーグもあり、 Pro Elite（プロエリート）10チーム、Pro（プロ）8チーム、Amateur Elite（アマチュアエリート）8チーム、Pro Elite Feminine（プロエリートフェミニン）8チームが各カテゴリーで、毎年11月の初めから翌年6月の3週目までリーグ戦を行っている。国際大会も毎年行われているが、そのほとんどがヨーロッパでの大会で、フランス、スペイン、ポルトガルの3ヶ国、次いでベルギー、イタリアが主に表彰台を飾る。その他の国では、イギリス、ドイツ、オランダ等が続く。 ヨーロッパ以外では、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、カナダ、アメリカ、中国、オーストラリアなどで行われている。 アフリカやアジアでの普及が今後の国際ホースボール連盟の課題である。
日本でのホースボール
2018年４月現在、日本では唯一、静岡県の御殿場市にある御殿場カルチャーファームで練習が可能となっている。カルチャーファーム以外にも過去にホースボールを取り入れようとした乗馬クラブや乗馬施設がいくつかあったがいずれも馬の技術面や安全面で問題があり継続、発展には至らなかった。
現在カルチャーファームでホースボールが体験、練習が出来る他、ホースボールが出来る馬づくりの指導も行なっている。ホースボール用の馬の調教の監修は国際ホースボール連盟所属の日本ホースボール協会がカルチャーファーム内で行なっている。 御殿場カルチャーファームの代表は日本でのホースボールの普及当初より携わっている野口克之氏。
一般社団法人日本ホースボール協会は2012年に発足し、2014、16年にはポルトガルのHorseball Country Clubに西島隆史（現在、日本ホースボール協会所属）が留学し、現在では日本ホースボール協会を通して、ポルトガル、フランス、スペイン、イギリスにホースボールでの留学が可能になっている。