ボンバルディア・エアロスペース

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ボンバルディア・エアロスペース: Bombardier Aéronautique: Bombardier Aerospace)は、ボンバルディア・グループの航空部門。

歴史

ファイル:De Havilland Canada DHC-8-300 (ANA) 804k.jpg
全日本空輸(エアーニッポンネットワーク)DHC-8 (Q300)

ボンバルディアの航空機部門は、国営会社の時代に損失を記録していたカナディア1986年に買収することから始まった。カナディアが開発中であったカナディア・リージョナル・ジェットの販売に成功し、カナディアに続いて北アイルランドの破産状態にあったショート・ブラザーズ社を1989年に買収した。ショート・ブラザーズを買収することで生産能力の向上とヨーロッパでの拠点を獲得した[1]

1992年アメリカボーイングの子会社になっていたデ・ハビランド・カナダを買収した。この買収によって、ボンバルディア・エアロスペースはDHC-6DHC-8の開発、製造権を得て、リージョナルジェットなど地域間旅客機をリードする地位についた[1]

カナディア・リージョナル・ジェットは、CRJ シリーズとして1991年に初飛行した。また、1996年には、DHC-8の名称を改めて製造・販売を続けていたDash 8(ダッシュ・エイト)にノイズキャンセラーを装備するなど機内騒音へ配慮した改良型を開発し、Q シリーズと再び改名した。同年、長大な航続距離をもつ小型高速ビジネスジェット機グローバル・エクスプレスが初飛行を行った。

これらの航空機は幹線航空路用の機体としては適さないが、比較的短い滑走路や都市の空港での使用に適しており、ローカル空路の代替機需要を満たしている。そのため、競争率の高い中小型機市場でよく売れている。

日本三菱重工業BD-700 グローバル・エクスプレスから共同開発に加わるようになり、Q400、CRJ700/900、チャレンジャー 300などで機体の開発から製造まで協力している。特にQ400では開発分担率が半分に迫る。

2006年、ボンバルディア・エアロスペースはメキシコケレタロに新たな工場を建設した[1]

しかし、2015年Cシリーズの開発の遅れと受注の伸び悩みにより経営不振に陥っていることが報じられている[2]

2017年10月17日、ボンバルディアはエアバスとCシリーズに関して提携することを発表した。本提携により、エアバスは50.01%の議決権を有することになり、両社の経営幹部は提携によってCシリーズの販売が伸張するだろうとしている[3]

航空機

ビジネスジェット機

Q シリーズ

原型のDHC-8は、1983年に初飛行したターボプロップ機。Dash 8に改められ、1996年からQ (Quiet) シリーズと名乗る。

  • Q200:33-37 座席。Dash 8 シリーズ 200型機を低騒音化したもの。
  • Q300:50-56 座席。Dash 8 シリーズ 300型機を低騒音化したもの。
  • Q400:68-78 座席。Dash 8 シリーズ 400型機を低騒音化したもの。Q200やQ300とは異なり、エンジンに6枚のブレードを採用することでその回転数を下げ、更なる低騒音化を実現している。

CRJ シリーズ

ビジネスジェット機のチャレンジャー 600が徐々に拡大改良され、CRJ100が1991年に初飛行したリージョナルジェット機。

  • CRJ100:50座席。原型。生産終了。
  • CRJ200:50座席。CRJ100の強化版。
  • CRJ700:64-75座席。CRJ200を胴体延長。
  • CRJ900:86-90座席。CRJ700を胴体延長。

CL-415

CL-415は、カナディア CL-215を基に開発された双発ターボプロップ水陸両用飛行艇。各種探索装置を搭載して消防艇や救難艇として運用することが可能である。初飛行は1993年2002年には、宣伝のために90日かけて日本を含むアジア諸国を周るアジアパシフィックツアーが行われた。

Cシリーズ

2008年7月イギリスファーンボローで開催された航空ショー会場にて、同社が計画している110~135人乗りの双発小型ジェット機Cシリーズの量産化事業を正式に開始することを発表した。ローンチカスタマーはルフトハンザ航空で、2009年3月に確定30機オプション30機の契約が結ばれた[4]。2018年7月、エアバスA220と改称され、製造・販売されることとなった[5]

  • CS100 (A220-100):110座席。CS100ERは、同型の航続距離を延長。
  • CS300 (A220-300):130座席。CS300ERは、同型の航続距離を延長。CS300XTは、同型に短距離離着陸性能を付加。

脚注

出典

関連項目

外部リンク