ユーロコプター エキュレイユ

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ユーロコプター エキュレイユ

AS350AS355は、アエロスパシアルが原型機を開発・生産した軽量ヘリコプターである。愛称は、AS350が「エキュレイユ」(Écureuil、フランス語リスの意)とAS355が「エキュレイユ2」。

設計と開発

開発は、1970年代初頭にSE.3130 アルエットIIの代替を目的として始められ、1974年6月27日に初飛行した[1]。双発版のエキュレイユ 2は、1979年10月3日に飛行した。

エキュレイユ 2は、ツイン・エキュレイユ(Twin Écureuil)とも呼ばれる。アメリカ合衆国市場では、エキュレイユが、エイスター(AStar)、エキュレイユ 2がツインスター(TwinStar)として知られる。イギリス国防省では、リスの英称であるスクイレル(Squirrel)と呼称している。ユーロコプター社でEC 130が生産されているにもかかわらず、AS350とAS355、そして、軍用型のAS550とAS555との販売は依然堅調である。また、単発・双発版ともにブラジルのヘリブラス社でライセンス生産されている。

ユーロコプターの社名変更に伴い、現在はH125と改称されている[2]

中国ではAS350がリバースエンジニアリングによりZ-11(直昇11)として生産されている。

運用

2005年5月14日ユーロコプター社のテストパイロットである"Didier Delsalle"が操縦する標準仕様のAS350 B3で標高8,848m(29,029フィート)のエベレスト山の山頂に着陸し、世界初のエベレスト山頂に着陸したヘリコプターとなり[3]、この記録は国際航空連盟によって認定された[4]

派生型

単発

AS350
試作機
AS350 消防
消防仕様。
AS350B
エンジンチュルボメカ アリエル1Bに換装。
AS350 B1
エンジンをチュルボメカ アリエル1Dに換装。
AS350 B2
最も積載重量が多いタイプ。エンジンをチュルボメカ アリエル1D1に換装。
AS350 B3
高性能型は動力がチュルボメカ アリエル2B エンジンで、FADECを備える。このヘリコプターは最初にエベレストに着陸した。最新型のAS350 B3/2B1は、2台のデジタル式FADECと油圧系統を備え、最大離陸重量は2,370kg(5,225lb)である。
AS350 BA
動力はチュルボメカ アリエル1B エンジンで、幅広の回転翼を備える。
AS350 BB
AS350 B2型は回転翼練習機として1996年イギリス国防省に選ばれた。動力はチュルボメカ アリエル1D1 エンジンで、ヘリコプターのライフサイクルが改善された。

双発

AS355
双発型の試作機
AS355 E
初期生産型。単独の油圧システムとアリソン 250 ターボシャフトエンジンを2基搭載。アメリカ合衆国カナダではツインスターと呼ばれる。
AS355 F
改良型。2重の油圧システムを持ち、改良されたローターブレードとローターシステムを装着している。
AS355 F1
アリソン 250C20Fを2基搭載。最大離陸重量2,400kg(5,291lb)。
AS355 F2
アリソン 250C20Fを2基搭載。最大離陸重量を拡大するためにギアボックスの性能を向上させた。最大離陸重量2,540kg(5,600lb)。テールローターをうまくコントロールするためにアキュムレータを向上させた。
AS355 M
AS355 F1の初期用型。
AS355 M2
AS355 F2の軍用型。すぐにAS555 フェネックに代替された。
AS355 N エキュレイユ2
チュルボメカ アリウス1Aを2基搭載。最大離陸重量の拡大と単発エンジン搭載型よりも性能の向上のために、FADECシステム搭載。最大離陸重量(2,600kg or 5,732lb)。アメリカ合衆国では、ツインスターと呼ばれる。
AS355 NP エキュレイユ2
Introduced in 2007年に導入が始まった最新型。チュルボメカ アリウス1A1を2基搭載。AS350 B3と同メインギアボックスを搭載。最大離陸重量は2,800kg(6,173lb)に向上。

運用

軍用

アルバニアの旗 アルバニア
アルジェリアの旗 アルジェリア
アルゼンチンの旗 アルゼンチン
オーストラリアの旗 オーストラリア
オーストラリア陸軍
オーストラリア空軍
オーストラリア海軍 - 艦隊航空隊 第723飛行隊
ベナンの旗 ベナン
テンプレート:BOT
ブラジルの旗 ブラジル
ブルキナファソの旗 ブルキナファソ
ブルンジの旗 ブルンジ
カンボジアの旗 カンボジア
カナダの旗 カナダ
テンプレート:CAF
 チリ
チリ陸軍 AS350&HB355
中華人民共和国の旗 中国
コモロの旗 コモロ
 デンマーク
ジブチの旗 ジブチ
エクアドルの旗 エクアドル
フランスの旗 フランス
ガボンの旗 ガボン
テンプレート:GUI
ジャマイカの旗 ジャマイカ
マラウイの旗 マラウイ
マレーシアの旗 マレーシア
マリ共和国の旗 マリ
モーリシャスの旗 モーリシャス
メキシコの旗 メキシコ
モロッコの旗 モロッコ
ネパールの旗 ネパール
テンプレート:PAR
パラグアイ空軍
ペルーの旗 ペルー
ルワンダの旗 ルワンダ
シンガポールの旗 シンガポール
トリニダード・トバゴの旗 トリニダード・トバゴ
チュニジアの旗 チュニジア
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦
イギリスの旗 イギリス
AS350 BB 38機はイギリス国防省国防ヘリコプター飛行学校DHFC)で全軍のヘリコプターパイロットの養成に運用される[5]
ウルグアイの旗 ウルグアイ
ベネズエラの旗 ベネズエラ

法執行機関

ファイル:Sbc-sheriff-B3-N631SB-050915-01-16.jpg
San Bernardino County Sheriff's AS350 B3
 オーストリア
Flugpolizei(Ministry of Interior)[6]AS350 B1, 2機のAS355 F2, 2機のAS355 N
オーストラリアの旗 オーストラリア
ニューサウスウェールズ警察
ボスニア・ヘルツェゴビナの旗 ボスニア・ヘルツェゴビナ
ボスニア警察
ブラジルの旗 ブラジル
ブラジル連邦警察
ブラジル軍警察

研究機関

日本の旗 日本
(JA9429、JA9963)文部科学省 国立極地研究所 - 南極観測船「しらせ」に1機を搭載して運用。実際の運用は中日本航空が行なっている[7]

仕様 (AS350 B3)

テンプレート:航空機スペック

登場作品

映画・テレビドラマ

GUN CRAZY
第4話に登場。
ガメラ 大怪獣空中決戦
長崎県警察所属機としてAS 350Bが登場。ヒロインの長峰真弓などを姫神島まで輸送し、その後、姫神島から飛び立ったギャオスを追跡する。また、八洲海上保険の所有機としても登場しており、「ギャオス捕獲作戦」が行われる福岡ドームまで、主人公の米森良成を輸送する。
救急戦隊ゴーゴーファイブ
第1話に首都消防局の消防防災ヘリコプターとしてAS 350Bが登場。ゴーゴーファイブになる前で、首都消防局のヘリコプターパイロットだった当時の巽ショウが搭乗しており、火災状況を上空から確認し、現場の映像を本部へ送信する。
ゴジラ
東都日報の報道ヘリコプターとして登場。終盤にて、主人公とヒロインの元へ飛来すると彼らを収容して三原山へ向かい、2人を乗せて三原山の上空を飛行しながらゴジラの最後を見届ける。
首都消失
大和テレビの報道ヘリとして登場。
撮影には実機とミニチュアが使用されており、ミニチュアは以降の特撮映画にも流用されている。
西部警察
PART-I第10話・第45話ほかで警視庁所属機などとしてAS 350Bが登場。
撮影に使用されたのは朝日航洋の所有機であり、カラーリングはそのままで企業ロゴの上から旭日章などを貼り付けている。なお、使用されたJA9222機は、1983年2月19日北海道での取材の帰路にて不時着事故を起こし大破している。
ダイ・ハード4.0
テロリストの所有機としてAS 350が2機登場。1機はジョン・マクレーンが護衛するマシュー・ファレルを襲撃するが、マクレーンにパトカーをぶつけられ撃墜される。もう1機はFBI所属機に偽装して発電所の襲撃に使用される。
トゥルーライズ
「真紅のジハード」の所有機として登場。クライマックスにて、主人公のハリー・タスカーが操縦するAV-8B ハリアーIIと空中戦を繰り広げるが、最後は「真紅のジハード」のリーダーであるアジズが引っかかったままのAIM-9 サイドワインダーをハリアーから撃ち込まれ、爆散する。
バイオハザードII アポカリプス
アンブレラ社の所有機としてAS 355が登場。傭兵部隊U.B.C.S.」を輸送する。
リーサル・ウェポン2/炎の約束
ロサンゼルス南アフリカ外交官が2機使用し、主人公のマーティン・リッグスの自宅を強襲する。

アニメ・漫画

ヨルムンガンド
レーム、ワイリ、バルメがキャビンからSR班の車両に向けて射撃する。

ゲーム

バトルフィールドシリーズ
BF2
CHINAヘリコプターとしてZ-11Wが登場する。武装としてスタブウイングガンポッドを搭載している。また、UAV遠隔操作できる。
BF3
キャンペーンではフランス国家警察ヘリコプターとして登場し、マルチプレイではロシア軍偵察ヘリコプターとしてZ-11Wが登場。
BF4
ロシア軍と中国軍の偵察ヘリコプターとしてZ-11Wが登場。

テレビ番組

ニュースショット』(長野放送
オープニングにおいて、飛行する同社所有の機体が登場する。

脚注

関連項目

外部リンク

  • エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン株式会社公式サイト