リーマン・ブラザーズ

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リーマン・ブラザーズ・ホールディングスLehman Brothers Holdings Inc.

世界各地で広範囲に営業を展開していたアメリカの大手投資銀行(2008年倒産)。

1850年にアラバマ州モントゴメリーに創業者ヘンリー・リーマンが、弟のエマニュエルとメイヤーとともに設立した商品仲介取引会社が同社の発祥である。1858年、ニューヨークに移転し、1887年にニューヨーク証券取引所に会員権を取得し、その2年後に株式を公開。1929年には、クローズド・エンド型(発行者が発行証券を買い戻すことを保証しない)の投資信託会社としてリーマンThe Lehman Corp.が設立された。同社は1977年の投資銀行クーン・ローブKuhn,Loeb & Co.の買収によりリーマン・ブラザーズ・クーン・ローブと改称して経営規模を拡大させたものの、1984年にアメリカン・エキスプレス・グループに吸収され、グループ傘下の証券会社シェアソン・ローブ・ローズとの統合によりシェアソン・リーマン・ブラザーズとなった。同社は1986年ロンドン証券取引所、1988年には東京証券取引所の会員権を獲得した。リーマン・ブラザーズはアメリカン・エキスプレスの優良部門としてその収益を支えてきたが、1993年に総合金融会社のプライメリカに売却された。さらに翌1994年にはプライメリカから分離独立した。

同社の主要業務は、機関投資家、企業、政府、個人資産家を相手とする企業投資業務であったが、証券引受業、法人金融、戦略的投資顧問業務、証券売買、資産運用、外国為替(かわせ)取引、金融デリバティブ(派生商品)取引、商品取引など単なる証券会社の枠を越えて、さまざまな市場取引からも収益をあげた。リーマン・ブラザーズはニューヨーク証券取引所、NASDAQ(ナスダック)(アメリカの株式店頭市場)をはじめとする世界各国の主要証券取引所、商品取引所に株式、確定利付証券の取引業者としての会員権をもち、世界的な事業展開、組織力により、市場間の価格差を利用した裁定取引や異時点間の価格差を利用する投機的取引から莫大(ばくだい)な収益をあげた。低採算部門である貴金属市場からは1997年より撤退し、収益の大半は高利回り債、株式引受け、投資顧問業などによるものであった。また1990年代は、M&A(買収・合併)、株式発行、デリバティブなどによる大型取引の増大と、アメリカ株式市場の活況により同社の収益は拡大し、1994年の総収入91億9000万ドルは1998年には2倍以上に上昇した。

同社は2000年代に入り、住宅ローン債権を借入金で購入し、それを証券化して販売する手数料収入で高収益を上げてきた。しかし、住宅市況の悪化を引き金に資産が大きく劣化、2008年前半には赤字に転落、補填(ほてん)のための増資のめどがたたず、2008年9月に経営破綻(はたん)した。負債総額は6130億ドルで、アメリカ史上最大の倒産となった。その後、野村ホールディングスがリーマン・ブラザーズの北アメリカを除く、ヨーロッパ、中東ならびにアジア・太平洋事業を買収した。

脚注


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