京都市立芸術大学

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京都市立芸術大学
大学設置 1950年
創立 1880年
学校種別 公立
設置者 公立大学法人京都市立芸術大学
本部所在地 京都市西京区大枝沓掛町13-6
東経135度39分49.5秒北緯34.974278度 東経135.66375度34.974278; 135.66375
学部 美術学部
音楽学部
研究科 美術研究科
音楽研究科
ウェブサイト 京都市立芸術大学公式サイト
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京都市立芸術大学(きょうとしりつげいじゅつだいがく、英語: Kyoto City University of Arts

京都市西京区大枝沓掛町13-6に本部を置く日本公立大学

1950年に設置。 日本では初の公立の絵画専門学校を母体に設立された[1]

大学の略称は京芸。

沿革

美術学部は、1880年(明治13年)に創設の京都府の画学校が起源。6月に太政大臣三条実美により「日本最初京都画学校」と命名され、7月に京都御苑内の旧准后里御殿仮校舎で開校式が行われた。

背景には、東京奠都によるパトロンの喪失・文明開化による伝統文化の冷遇などから、円山派四条派といった京都画壇の諸派が危機に陥ったことにある。美術を立て直すために市民の間から美術家養成機関としての近代的な「学校」を作ろうという声が高まり、その熱意の結果創立されたものである。これには同じく文明開化で低迷していた京都の主力産業である伝統工芸の近代化を支援するため、密接な関係にある美術界を盛んにする目的もあった。

画学校では修業年限3年間のうちに文人画大和絵狩野派など日本の美術の諸派を学ばせた。また、殖産興業のために工芸品の意匠・デザインに関する教育をおこなうことも目的のひとつであり、その課程に西洋画を導入したことは当時としては画期的であった。西洋画は当初日本では、芸術文化の類というよりは建築などの図面を描く工業技術として、京都府画学校創立に先立つ1876年(明治9年)工部美術学校などで導入されていたからである。工部美術学校アーネスト・フェノロサらによって西洋美術学習・研究の発展を妨害され、後発の東京美術学校もフェノロサや岡倉天心の意向によりながらく西洋画科が置かれなかったのとは対照的である。

古くは京都画壇の中心地であったと言われ、また京都の陶磁器、漆工芸、染織などの地場産業に多くの人材を供給して活発化させた。明治以来多くの日本画家、洋画家、版画家、陶芸家、染織家、デザイナー音楽家現代美術作家を養成してきた。過去京都市の財政難で国立大学へと移管する話もあったが、京都市民の熱望の賜物である学校の窮状を救おうと、古くからの町衆や旧家などから存続のための多数の寄付を受け、音楽短大と統合した今も市立大学であり続けている。

1980年に、東山区今熊野の美術学部と左京区聖護院の音楽学部が、洛西ニュータウン付近の西京区大枝沓掛町に統合移転した。しかし郊外で交通アクセスが悪く他大学や学外との交流に支障をきたしているほか、建物の老朽化、傾斜地にあるためバリアフリー化が進まないことなどから都心への移転を模索する動きがある[2]2013年3月には大学が市に対して、JR京都駅のすぐ東側の崇仁小学校跡地(約1ヘクタール)を中心とした地域への移転と、合計4ヘクタールの用地確保を求める要望書を提出しており[3][4]、これを受けて2014年1月に京都市は、大学の下京区崇仁地区への移転整備と、大学転出後の洛西地区の活性化への取り組みを明らかにした[5]

年表

ファイル:芸術大学3239.JPG
京都市立芸術大学ギャラリー、京都市中京区
京都市立芸術大学
情報
用途 事務所
構造形式 鉄筋コンクリート造(一部、鉄骨鉄筋コンクリート造[1]
延床面積 中央棟:7,936m2[1]
アトリエ棟:9,726m2[1]
染織・漆工棟:2,067m2[1]
陶磁器棟:1,225m2[1]
彫刻棟:1,482m2[1]
音楽棟:3,061m2[1]
体育館:1,385m2[1]
講堂:1,588m2[1]
大会議室:349m2[1]
真剣研究棟:4,605m2[1]
その他:1,819m2[1]
総計:35,243 m² [1]
階数 中央棟:地上4階・地下1階[1]
アトリエ棟:地上4階[1]
染織・漆工棟:地上2階[1]
講堂:地上2階[1]
大会議室:地上3階・地下1階[1]
竣工 中央棟:1979年(昭和54年)[1]
アトリエ棟:1979年(昭和54年)[1]
染織・漆工棟:1979年(昭和54年)[1]
陶磁器棟:1979年(昭和54年)[1]
彫刻棟:1979年(昭和54年)[1]
音楽棟:1979年(昭和54年)[1]
体育館:1980年(昭和55年)[1]
講堂:1981年(昭和56年)[1]
大会議室:1994年(平成6年)[1]
真剣研究棟:2000年(平成12年)[1]
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  • 1880年(明治13年) - 京都府画学校創立(京都御苑旧准后里御殿を仮校舎とする)
  • 1882年(明治15年) - 暴風のため校舎破損、河原町織殿へ移転
  • 1885年(明治18年) - 河原町元勧業場跡へ移転
  • 1889年(明治22年) - 京都府から京都市の経営に移り、京都市画学校と改称、京都御苑内博覧会東館へ移転
  • 1890年(明治23年) - 東山華頂山麓、知恩院通照院へ移転
  • 1891年(明治24年) - 京都市美術学校と改称
  • 1893年(明治26年) - 京都御苑内東南隅の新校舎へ移転
  • 1894年(明治27年) - 京都市美術工芸学校と改称
  • 1901年(明治34年) - 京都市立美術工芸学校と改称
  • 1907年(明治40年) - 上京区吉田川端通荒神口の新校舎へ移転
  • 1909年(明治42年) - 京都市立絵画専門学校を新設・開校(校長は兼任、美術工芸学校の校舎の一部を転用、美術工芸学校と併設となる)
  • 1926年(大正15年) - ともに東山区今熊野の新校舎へ移転
京都市立美術工芸学校は後に京都市立美術高等学校となり、京都市立日吉ヶ丘高等学校ほかに継承、日吉ヶ丘高等学校美術工芸科は1980年に独立し、京都市立銅駝美術工芸高等学校となる)
  • 1945年(昭和20年) - 京都市立絵画専門学校、京都市立美術専門学校と改称
  • 1948年(昭和23年) - 京都市立堀川高等学校に音楽課程設立
  • 1950年(昭和25年) - 京都市立美術専門学校をもとに京都市立美術大学創立。京都市立堀川高等学校音楽課程に専攻科設立
  • 1952年(昭和27年) - 堀川高等学校音楽課程専攻科が、京都市立音楽短期大学として独立(北区出雲路立本町)
  • 1956年(昭和31年) - 京都市立音楽短期大学、左京区聖護院の市警察学校跡地へ移転
京都市立堀川高等学校音楽課程も共に聖護院へ移転、1980年に沓掛の京都芸大隣接地に移転、1997年に京都市立音楽高等学校(現京都市立京都堀川音楽高等学校)となる。
  • 1969年(昭和44年) - 市立美術大学と市立音楽短期大学が統合し、京都市立芸術大学となり2カ所で開学
  • 1974年(昭和49年) - 梅原猛教授が学長となる。
  • 1975年(昭和50年) - 校舎火災により山科移転案が出されたが、名神高速道路沿いの騒音地のため移転反対運動が起きる。
  • 1980年(昭和55年) - 今熊野と聖護院から、郊外の新興住宅地に近い西京区大枝沓掛町に統合移転。大学院美術研究科修士課程設置
  • 1986年(昭和61年) - 大学院音楽研究科修士課程設置
  • 2000年(平成12年) - 大学院美術研究科博士(後期)課程設置、日本伝統音楽研究センター開設。大学院美術研究科修士課程(保存修復専攻)設置、創立120周年を迎える
  • 2003年(平成15年) - 大学院音楽研究科博士(後期)課程設置
  • 2010年(平成22年) - 4月、中京区油小路通御池押油小路町の堀川音楽高校隣接地に京都市立芸術大学ギャラリー(「@KCUA」、アクア)開館
  • 2012年(平成24年) - 4月、公立大学法人化
  • 2013年(平成25年) - 3月、京都市へ京都駅東の下京区崇仁地区への移転を求める要望書を提出
  • 2014年(平成26年) - 1月、京都市は大学の京都駅東側への移転整備を発表

                - 4月、芸術資源研究センター開設

学風

学部・学科

大学院

修士課程

美術研究科
  • 絵画専攻
    • 日本画・油画・版画・構想設計(※2012年、造形構想から変更)
  • 彫刻専攻
    • 彫刻
  • デザイン専攻
  • 工芸専攻
    • 陶磁器・漆工・染織
  • 芸術学専攻
  • 保存修復専攻
音楽研究科
  • 作曲・指揮専攻(作曲)
  • 作曲・指揮専攻(指揮)
  • 器楽専攻(ピアノ)
  • 器楽専攻(弦楽)
  • 器楽専攻(管・打楽)
  • 声楽専攻
  • 音楽学専攻

博士課程(後期)

美術研究科
  • 美術専攻

(以下は研究領域)

  • 日本画
  • 油画
  • 版画
  • メディア・アート
  • 彫刻
  • ビジュアルデザイン
  • 環境デザイン
  • プロダクト・デザイン
  • 陶磁器
  • 漆工
  • 染織
  • 産業工芸・意匠
  • 保存修復
  • 芸術学
音楽研究科
  • 音楽専攻

(以下は研究領域)

  • 作曲・指揮研究領域
  • 器楽研究領域
  • 声楽研究領域
  • 音楽学研究領域

大学関係者一覧

関連項目

脚注

外部リンク