使徒座空位

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使徒座空位の紋章

使徒座空位(しとざくうい、:Sedes vacans)は、ローマ・カトリック教会教会法上の用語で、使徒座すなわちローマ教皇死亡し、又はその地位を退いたことにより不在であることをいう。教皇空位とも。

暫定統治

使徒座空位が生じてから、新たなローマ教皇が選ばれるまでの間は、枢機卿が集団指導体制のもとバチカンを統治する。この枢機卿団の権限は使徒座空位の間に限った暫定的なもので、基本的には教皇空位であろうとも止められない日常業務の遂行と、どうしても新教皇選出まで待てず延期できない案件の処理のみに限られる。

使徒座空位に伴い、国務長官をはじめローマ教皇庁の各聖省の長官、評議会の議長はすべてその職務から自動的に(一旦)解任される。ただし、カメルレンゴ、内赦院長、サン・ピエトロ大聖堂首席司祭枢機卿、バチカン市国総代理枢機卿は例外である。使徒座空位が生じたときには、教皇を選出するための枢機卿の教皇選出会議であるコンクラーヴェが開催される。なお新教皇が選ばれると、解任された長官または議長は再任されるのが通例となっている。

使徒座空位の間に、枢機卿であるカメルレンゴをその長とする使徒座空位期間事務局が置かれる。使徒座空位期間事務局は、使徒座空位の間のみ使用できる使徒座空位切手使徒座空位通貨を発行する権限を有する。

紋章

使徒座空位の際には教皇の紋章に代わって、傘と聖ペトロの鍵を組み合わせた使徒座空位の紋章が用いられる。

19世紀以降の使徒座空位

先代教皇 次代教皇 教皇離任 教皇就任 空位期間
ピウス07世 レオ12世 1823年8月20日 1823年9月28日 39日間
レオ12世 ピウス08世 1829年2月10日 1829年3月31日 49日間
ピウス08世 グレゴリウス16世 1830年12月1日 1831年2月2日 63日間
グレゴリウス16世 ピウス09世 1846年6月1日 1846年6月16日 15日間
ピウス09世 レオ13世 1878年2月7日 1878年2月20日 13日間
レオ13世 ピウス10世 1903年7月20日 1903年8月4日 15日間
ピウス10世 ベネディクトゥス15世 1914年8月20日 1914年9月3日 14日間
ベネディクトゥス15世 ピウス11世 1922年1月22日 1922年2月6日 15日間
ピウス11世 ピウス12世 1939年2月10日 1939年3月2日 20日間
ピウス12世 ヨハネ23世 1958年10月9日 1958年10月28日 19日間
ヨハネ23世 パウロ6世 1963年6月3日 1963年6月21日 18日間
パウロ6世 ヨハネ・パウロ1世 1978年8月6日 1978年08月26日 20日間
ヨハネ・パウロ1世 ヨハネ・パウロ2世 1978年9月28日 1978年10月16日 18日間
ヨハネ・パウロ2世 ベネディクト16世 2005年4月2日 2005年4月19日 17日間
ベネディクト16世 フランシスコ 2013年2月28日 2013年3月13日 12日間

関連項目