多面体

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初等幾何学における多面体(ためんたい、: polyhedron)は、複数(4つ以上)の平面に囲まれた立体のこと。複数の頂点を結ぶ直線のと、その辺に囲まれたによって構成される。したがって、曲面をもつものは含まず、(円柱などは入らない)また、すべての面の境界が直線である場合に限られる。

3次元空間での多胞体であるとも定義できる。2次元空間での多胞体は多角形なので、多角形を3次元に拡張した概念であるとも言える。

英語ではポリヘドロン (polyhedron)、複数形はポリヘドラ (polyhedra) である。多角形のポリゴン (polygon) の複数形がポリゴンズ (polygons) であるのとは異なる。

オイラーの多面体定理(オイラーの多面体公式)

穴の開いていない多面体、すなわち球面位相同型な多面体については、頂点、辺、面の数について

( 頂点の数 )- (辺の数 )+ (面の数) = 2

が成り立つ。これをオイラーの多面体定理(オイラーの多面体公式)という。シュレーフリの定理の3次元での特殊ケースである。

穴の開いている多面体の場合には、種数(穴の数)を g とすると、

頂点の数 - 辺の数 + 面の数 = 2 - 2g

となる。この値をオイラー標数と呼ぶ。

種数 g の多面体の面は

[math]\left \lfloor \frac{7 + \sqrt{1 + 48g}}{2} \right \rfloor[/math] ([math]\lfloor \ \rfloor[/math]それを超えない最大の整数

色で塗り分けることができる。 g = 0 のときこの式の値は4となり、四色定理を示す。

多面体の種類

  • 凸多面体 - 全ての二面角が180度未満の多面体。
  • 凹多面体 - いずれかの二面角が180度を超える多面体。
  • 正多面体(プラトンの立体) - 全ての面が合同な正多角形で、全ての頂点形状が合同な正多角形である多面体。
  • 半正多面体(アルキメデスの立体) - 全ての面が正多角形で、全ての頂点形状が合同な凸多面体のうち、正多面体以外。
  • カタランの立体(アルキメデス双対) - 全ての面が合同で、二面角が等しい多面体のうち、正多面体以外。各面の中心を結ぶと半正多面体になる。
  • デルタ多面体 - 全ての面が正三角形である凸多面体。
  • 角柱 - 2枚の平行な底面と四辺形の側面からなる多面体。
  • 反角柱 - 2枚の平行な底面と三角形の側面からなる多面体。
  • ジョンソンの立体 - 全ての面が正多角形である凸多面体のうち、正多面体、半正多面体、角柱、反角柱以外。
  • 角錐 - 1枚の底面と三角形の側面からなる多面体。
  • 双角錐 - 2つの角錐を底面で張り合わせた多面体。
  • ねじれ双角錐 - 双角錐を両頭頂点でねじったような、反角柱の双対となる多面体。
  • 角錐柱 - 角錐と角柱を底面で張り合わせた多面体。
  • 角台塔 - 辺の数の比が1:2で平行な2枚の底面と、四角形と三角形の側面を持つ多面体。
  • ゾーン多面体 - 向かいあった辺同士が全て平行になっている多角形のみで構成されている多面体。
  • 等面菱形多面体 - 全ての面が合同な菱形である多面体。
  • 平行多面体 - 単独で空間充填をするゾーン多面体。
  • 星型多面体 - 面または頂点形状に星型多角形がある多面体。
  • 星型正多面体(ケプラー・ポアンソの立体) - 全ての面が合同な正多角形(星型多角形を含む)で、全ての頂点形状が合同な正多角形(星型多角形を含む)である多面体のうち、凸正多面体以外。
  • 一様多面体 - 全ての面が正多角形(星型正多角形)で、全ての頂点形状が合同な多面体。
  • 複合多面体 - 同一形状の多面体を複数個重ね合わせた立体。
  • 複合体 - 複数の多面体を体積の一部が共有するようにして重ねた立体。
  • 穿孔多面体 - 貫通した孔のある多面体。
  • ねじれ正多面体(スポンジ) - 全ての面が合同な正多角形で、ジグザグの頂点形状を持ち空間を二分する無限の面をもつ多面体。

多面体の作図

関連項目

外部リンク

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