大創産業

提供: miniwiki
移動先:案内検索


ファイル:The Daiso Frescokikuti Haramachisc Shop.jpg
ザ・ダイソーVIAフレスコ原町
福島県南相馬市
※現在はワッツウィズ原町店とカーブスサンプラザ原町
ファイル:Daiso Himeji 2gou.jpg
商店街内にあるダイソー姫路2号店
兵庫県姫路市
ファイル:Daiso biz shinjuku nomura building.JPG
オフィスビルに入居するダイソー・ビズ
ファイル:Daiso Namdaemun-ro No.1 store.JPG
韓国のダイソー南大門路1号店
(韓国ソウル)

株式会社大創産業(だいそうさんぎょう)は、100円ショップザ・ダイソーを運営する企業である。2015年現在、国内に約2,900店舗・日本国外の26の国・地域に1400店舗を展開している[1]

社名の由来は、「大きく創(つく)る」を意味する。

概要

創業

当初はスーパーマーケットの駐車場に店舗を構える、移動販売・露天方式の100円ショップを運営していた。

1980年頃の100円ショップは、問屋からすべての商品を70円以下で仕入れて100円で売る状態であったことから商品の質にも限界あった。 当時、ある主婦客の一人が「安物買いの銭失い」とつぶやくのを創業者である矢野博丈が目にし、それ以来仕入れのスタイルを変えた。時には98円で仕入れた商品を100円で売ることもあるなど、売価100円の範囲で可能な限り質にこだわった商品構成に変更した。これにより「矢野の100円ショップは商品がいい」と評判を呼び、全国から引き合いが増えるようになった[2]

スーパーマーケットのオーナーからテナントでの出店を誘われたことが、現在のザ・ダイソーのルーツとなる。100円商品は安価で品質は劣るという先入観を払拭するため、仕入れ原価が100円に近いものや原価割れしている商品も100円として販売する手法を取った。また、テナント形式の店舗により、顧客はいつでも来店して買い物することができ、商品に問題があった場合は店舗にクレームを申し入れられるようになったため、移動販売に比べて格段の信頼を得ることにもつながった。それらの理由により、屋内の店舗形式による100円ショップを展開していく大きな原動力となった。

1991年3月、同社初めての直営100円均一ショップを、香川県高松市丸亀町商店街内に開店する[3]。創業時初期は商店街等への出店が多かった。また店舗にはNo.○○とナンバリングをしており、小倉魚町店(No.16)等、現在もその時期の外装で営業する店舗も存在する。

店舗展開

バブル崩壊後の平成不況時代(失われた10年)において、消費者の購買意欲が低下している経済状況がチャンスとなり、安価な商品を求める当時の消費者のニーズに応えた。

また生活に関わる雑貨品を中心に、多岐にわたるジャンルの商品を陳列し、「100円ショップ=多数のジャンルの商品がある」とのイメージを付加した。安価の魅力の他に、一度の来店で多様なジャンルの雑貨が購入できる利便性が、来店者数増加・売り上げ拡大の要因ともなる。

付加価値の高い商品を多く揃えられた背景には、

  • 平成大不況時代において商品の原価や原材料の市中価格は著しい低水準価格であったこと
  • 製造メーカーや卸売業者から大量の商品・商材を、現金取引で行うことで、通常より仕入れコストを抑えていたこと

が要因である。

そして、積極的な出店を展開し、豊富な商品の品揃えの中で100円均一というスタイルが、近所の評判やメディアを通じて知名度を一気に上げ、ザ・ダイソーは全国区レベルの小売業に成長する結果となった。絶大なる知名度と大不況時代の国民からの支持により、売り場面積1,000 - 2,000坪超の超大型店舗や、アジアアメリカ合衆国を中心とした日本国外への出店も実現した。

製造メーカーが生産した商品でも、製造メーカー名を伏せて大創産業の社名のみと自社のロゴ(「素材発信」や「ザ○○」など)を明記して自社オリジナル商品仕様にすることにより、単なる小売業ではなく商品開発・管理が特化している企業となり、消費者からは「ダイソーのオリジナル商品」の呼称も多く見受けられるようになり、商品開発力をも持ち合わせる店舗として捉えられることにもなった。

バブル崩壊後の平成不況時代の末期ごろから、「高額商品」という呼称で100円以上の商品の販売が開始された。当初は150円や200円などの、従来の100円商品に多少の付加価値を加えた程度の商品が多く、100円ショップの概念を打ち壊して批判を受けたり疑問を抱かれる不安材料があったものの、100円ショップブームが終焉して経営不振になることを懸念したため、脱・100円ショップ路線を模索する形で実施に踏み切った。これは創業者であり社長である矢野の創業以来の考えであった。

結果的には極端な来店者数の減少を招くことなく、豊富な商品ラインナップにより来店する客が多いことを機軸にして、高額商品を自然な形で定着することができた。

社名

創業当時、「会社の規模はまだまだ小さいけど、名前だけは大きな物にしよう」という意気込みから、「きくる」を「大創」としたのが社名の由来である[4]

沿革

  • 1972年昭和47年) - 矢野博丈が家庭用品の販売を目的として矢野商店を創業[1]
  • 1977年(昭和52年) - 株式会社大創産業として法人化[1]
  • 1987年(昭和62年) - 「100円SHOPダイソー」の展開に着手[1]
  • 1997年平成9年) - 通産大臣賞「貿易貢献企業賞」を受賞[1]
  • 2001年(平成13年)- 2009年(平成21年) - 台湾をはじめ、世界各国に出店[1]
  • 2015年(平成27年)10月27日 - 100円ショップオレンジを展開する中部商会の全株式を取得し、完全子会社化[5]

歴代社長

  • 矢野博丈
  • 矢野靖二(博丈の次男) - 広島県出身で、1995年に吉備国際大学(社会)を卒業後、スーパーマーケットチェーンのイズミに入社。2015年に大創産業に入社し、2016年より副社長、2018年3月より現職。[6]

取扱商品

商品アイテム数

取り扱いアイテム数は数十億点に及ぶと顧客にアピールしている。加えて新商品販売についても積極的にアピールしている。豊富なバリエーションの商品陳列により、再来店しても飽きることなく、新鮮味を帯びた店舗雰囲気の維持に意欲的である。

地域限定商品

日本コカ・コーラの飲料はウエスト社製品を扱っているため、ウエスト社管轄エリア外店舗でウエスト社限定品を購入することができる。

品質管理

100円商品の特徴である耐久性・品質の劣化等を抑えるために品質管理や変更も行われる。そのために店舗のスタッフは、取り扱い商品について客から寄せられた意見・要望、または自身が気づいた点を商品情報として記入することを業務の中でされ、本社から週に一度の提出を求められる店舗もある。

高額商品

税抜き150円以上の商品は「高額商品」として扱われ、300円までは50円刻み、以降は100円刻みとなる(表記した価格はいずれも税抜き価格)。高額商品の登場や拡大によって、日常生活に関わる雑貨類の取り扱い領域が拡大した。

値札や価格表示がない商品は原則として100円商品となり、高額商品には○○円商品であることを示すラベルや値札タグを商品に取り付けている。また、会計の時に高額商品は高額商品であることの確認がある。これらのラベル・タグは、白地に赤色でおおよそ統一されている。(2016年2月頃までは赤地に黄色もしくは白色の書体であった。)

出版物

大創 出版(或いは創美出版)として、冊子形態の書籍を刊行し、店内で販売している。累計発行部数は2億冊を超える[7]

  • クロスワードマガジン Vol.1 - 16
  • パズルランド Vol.1 - 14
  • パズルワールド Vol.1 - 26
  • クロスワードチャレンジ Vol.1 - 15
  • 漢字&ナンプレチャレンジ Vol.1 - 5
  • 懸賞パズルマガジン Vol.1 - 22
  • 懸賞クロスワードマガジン Vol.1 - 22
  • 懸賞パズルミラクル Vol.1
  • 懸賞クロスワードミラクル Vol.1 -
  • 懸賞ナンプレマガジン Vol.1 -
  • 懸賞ナンプレマガジンDX Vol.1 - 2
  • 懸賞まちがいさがしマガジン Vol.1 -
  • 懸賞てんつなぎマガジン Vol.1 -
  • ダイソーコミックシリーズ(絶版)
  • ダイソーミステリーシリーズ(絶版)
  • ダイソーミニ辞典シリーズ
  • ダイソー小説シリーズ(絶版)

発売元がダイソー(大創産業)である商品

パッケージが製造会社名の入ったものではなくダイソー独自の商品番号とダイソー専用パッケージに入って販売されている商品の一部は、ダイソー以外の100円ショップ(セリアキャンドゥワッツなどの有名な店舗や全国展開していない業者の店舗)で、製造元企業の名前が入ったパッケージで販売されていることがある。一例として、丸七社の小物電化製品(100円販売のランタン懐中電灯ヘッドフォンなど)や、サナダ精工株式会社の調理器具類(プラスチック製ボウルや食品用密閉容器など)などが挙げられる。

ダイソーセレクト

2013年から始まった、ダイソーのプライベートブランド。食品が中心のブランドであるが、ポケットティッシュなど一部の日用雑貨なども「ダイソーセレクト」として販売されている。

店舗

出店店舗の詳細は公式サイト「店舗情報」を参照。ただし全ての店舗が掲載されているわけではない。四十七都道府県すべてに店舗が存在する。

面積1,000坪以上の店舗

2,000坪以上の店舗は店名に「ギガ」を冠する。

地域名 店舗名(面積)
北海道
  • 該当なし(最も売り場面積の大きい店舗は札幌南1条店の800坪)
東北地方
関東地方
中部地方
近畿地方
中国地方
  • 該当なし
四国地方
  • 該当なし
九州・沖縄地方
  • 大牟田北店(1,250坪)

ダイソービズ

POSシステム

電子マネーへの対応

一部店舗では各種電子マネーが利用可能である。イオン系の商業施設にテナントとして入居している店舗ではWAONSuica等のJR系IC乗車券(及び相互利用可能なIC乗車券)・IDQUICPayが、福岡県内の3店舗(チャチャタウン小倉店・博多バスターミナル店・天神MMT店)ではnimoca(及び相互利用可能なIC乗車券)・Edyが利用可能となる。

クレジットカードへの対応

一部店舗ではクレジットカードが利用可能である。

不祥事

下請法違反

2012年3月27日、下請会社に支払う代金を不当に減額したとして、公正取引委員会から下請法違反で勧告を受ける[8]

2014年に2度目の勧告。公正取引委員会が大創産業に対し調査を行ってきたところ、下請代金支払遅延等防止法(下請法)第4条第1項第4号(返品の禁止)及び同項第5号(買いたたきの禁止)の規定に違反する行為が認められたため、2014年7月15日、下請法第7条第2項の規定に基づき、勧告を行う。[9]

商標権侵害裁判

2012年に韓国でダイソー(다이소)を運営する大創アソン産業(日本の大創産業と韓国のアソン産業合弁会社)が、ダイソーと同様に生活用品や雑貨を販売している「ダサソー」(다사소韓国語の方言で「全部買ってください」の意味。仮処分申請を受けて「ダサヨー」(다사요)に改名)を相手に、商標使用禁止などを求める裁判を起こした。一審はダイソー側の敗訴となったが、二審では逆転勝訴。高裁判決では、「ダサソーの標章は外見や呼称、観念などを総合的に観察すると、取引上、一般消費者や取引業者がダイソーと誤認、混同する恐れがある」とし、「ダサソーがダイソーの周到性に便乗しようとする意図が推断できる」とも指摘した[10]。2015年、韓国の最高裁判所である大法院によってダイソー側の勝訴が確定した[11][12]。2017年、水原地方裁判所はダサソー側の敗訴確定後もダサソー名で営業を続けたとして、経営者に500万ウォンの罰金刑を言い渡したと公表した[13]

発癌性物質

同社が2015年8月から発売開始したマニキュアの新製品について、全148商品のうち26商品から、発癌性物質の一つであるホルムアルデヒドが検出されたとして、同社は発売を中止し自主回収を実施した[14]

その後、同年10月22日に全商品の検査の終了を受け、ホルムアルデヒドが検出された製品が当初の26商品から76商品に拡大したことを発表するとともに、万全を期すために、発売中止と自主回収の対象品をホルムアルデヒドが検出されなかった製品を含む全種類に拡大した。併せて、問い合わせの電話が繋がらない、質問内容に対する回答が曖昧、店頭での不遜な対応に客から叱りを受けるなど、返金の際に不適切な対応があったとして謝罪している[15]

著作権侵害

子会社の大創出版が2017年12月に刊行し、ダイソーの店舗で発売していた「トリックアートギャラリー」「トリックアートミュージアム」の2冊について、立命館大学教授北岡明佳が考案した作品5点を無断転載していたことが2018年3月16日に明らかになった。北岡が同年2月下旬に「著作権侵害に該当する」として大創出版に警告書を送付。これを受けて大創出版は北岡に対して著作権侵害を認め謝罪すると同時に発売の中止と店舗からの回収を発表した。大創出版は「絵には著作権はないと誤解していた」と釈明している[16][17]

白髪染めから有害物質検出など

台湾で製造され、京都市の化粧品メーカー・サンパルコが輸入し、ダイソーの店舗で販売していた白髪染め3製品から、日本の基準で配合が認められていない有害物質のホルムアルデヒドが検出されたことが2018年4月13日に判明し、サンパルコが自主回収することを発表した。回収は200万個に及ぶという[18][19]。またサンパルコはダイソー向けに発売していたファンデーションなど75品目についても必要な成分を表示していなかったとして自主回収することも合わせて発表した[19]

並列店舗

ダイソー&アオヤマ

ファイル:Daiso&aoyama.jpg
ダイソー&アオヤマ上尾店
埼玉県上尾市
ファイル:Speed Nishi-Otsu.JPG
ダイソー&スピード西大津店
滋賀県大津市

ダイソー&アオヤマ 100YEN PLAZAは、広島県福山市に本社を構える「洋服の青山」を運営する青山商事と、大創産業が合弁で設立した100円ショップ。株式会社青五(せいご)が運営している。社名は青山商事創業者の青山五郎に由来している。

2009年7月現在、北海道から沖縄県までの各地に青山併設店舗、青山の不採算店舗をリニューアルした単独店舗など141店舗を展開している。

取り扱い商品は直営のザ・ダイソーと同一であるが、100円超の高額商品は原則として取り扱っていない。ただし売り場のレイアウト方法は直営店と趣が異なり、陶器やグラスなどの陳列量が比較的多かったり、生活消耗品などの雑貨が多いなど、バラエティあふれる豊富さを重視するよりも、主婦を意識した生活密着型の店舗であることが特徴である。

出店地域

ダイソー&スピード

近畿地方および関東地方ではやまや関西[20]との提携による「ダイソー&スピード」と称するディスカウントスーパーマーケットとの並列店舗がある。

ローソンストア100との共同店舗

首都圏のローソンストア100の一部店舗では、かつて店内にダイソーコーナーを設けてダイソー商品の販売を行っていた。これらの店舗ではローソンストアの商品と一緒に会計ができ、ダイソー商品でもローソンストアで導入しているPontaサービスも受けることができる。なお、ダイソーのホームページにはこれらの店舗の記載がなかった(併設店舗についてはローソンストア100が『ローソンマート』に転換されるなどした際にダイソーコーナーは無くなっている)。

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「official-company-info」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  2. ダイソー「100円ショップ」躍進の秘密に迫る--その1 富士通 2000年9月6日
  3. 会社概要
    1号店が手狭になったため、至近にあった家電量販店エイコー高松店跡に移転オープンし、店舗名も「高松中央店」となった。なお、エイコーはデンキのダイナマイトの前身となる家電販売会社である。その後も外壁に当時のロゴ跡が残っている。元1号店はしばらくの間後述する高額商品のみを扱う店舗として営業していたが、のちに閉店した。
  4. ダイソー豆知識(ダイソー公式サイト)。なお、社名に「創」の字と、会長である池田大作の「大」の字があるために、創価学会との関連があるのではないかとの噂が一部であるが、会社は取材に対してこれを否定している(学会員も親近感!? "学会系"と噂の企業を直撃!(前編) サイゾー 2008年6月9日)。
  5. 静岡の100円ショップ、ダイソー子会社に 円安で収益厳しく 日本経済新聞
  6. 大創産業、創業来初の社長交代 次男の矢野靖二副社長が昇格  :日本経済新聞
  7. ダイソー「100円本」のクオリティがすごすぎる! 100円で作れるワケを中の人に聞いてみた、ウレぴあ総研、2015年6月7日 10:30。
  8. ダイソー、下請け代金を不当減額…公取委勧告 読売新聞 2012年3月27日
  9. (平成26年7月15日)株式会社大創産業に対する勧告について 公正取引委員会 平成26年7月15日
  10. 「ダイソー」と「ダサソー」が争う商標権侵害…「模倣天国」韓国が進める“知財保護”の皮肉 産経新聞 2014年10月1日
  11. ダイソーの勝訴が確定 「ダサソー」は類似商標=韓国、聯合ニュース、2015年10月16日 19:06。
  12. 韓国大法院で「ダイソー」側の勝訴確定、「ダサソー」は類似商標、知財情報局、2015年10月20日。
  13. 「ダサソー」経営者に罰金刑50万円 韓国地裁 ダイソー類似商標で営業続け起訴、産経ニュース、2017年2月26日 22:15更新。
  14. マニキュア商品から発がん物質 ダイソーが販売中止 産経新聞 2015年10月18日
  15. エスポルールネイルお詫びと回収のお知らせ (PDF) - 大創産業株式会社 2015年10月22日(2015年11月26日閲覧)
  16. ダイソーの「錯視」本に著作権侵害…販売を中止(2018年3月16日時点のアーカイブ) - 読売新聞、2018年3月16日配信、2018年3月17日閲覧
  17. 錯視アート本販売中止 立命館大教授の作品無断掲載”. 日刊スポーツ (2018年3月16日). 2018年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2018閲覧.
  18. 100均ショップの「白髪染め」に有害物質 京都の化粧品メーカー自主回収 産経新聞 2018年4月13日
  19. 19.0 19.1 “ダイソーで販売の白髪染めに有害物質 200万個回収”. サンケイスポーツ. (2018年4月13日). http://www.sanspo.com/geino/news/20180413/sot18041317040014-n1.html . 2018閲覧. 
  20. これまで、株式会社スピードが運営していたが2010年1月1日に楽市株式会社に吸収合併して商号変更

関連項目

外部リンク