大都市近郊区間 (高速道路)
大都市近郊区間(だいとしきんこうくかん)とは、高速自動車国道の特別料金区間の一つである。東京および大阪の近郊において、1kmあたりの料金が普通区間の2割増に設定されている。
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概要
1972年(昭和47年)3月の道路審議会答申において、「建設費等が著しく高く、その利用による受益がきわめて大きい区間」の一つとして、割高な料金を設定することが適当とされ[1]、同年10月1日の料金改定で導入された[2]。
2014年(平成26年)4月1日現在、普通車・消費税抜きで、普通区間24.6円/kmに対し、29.52円/kmとなっている[3]。
一覧
事業許可で定められてる大都市近郊区間は次のとおり[4][5][6]。営業路線名に置き換えて記す。
- 東京近郊
- 東北自動車道:川口JCT - 加須IC
- 関越自動車道:練馬IC - 東松山IC
- 常磐自動車道:三郷IC - 谷田部IC
- 東関東自動車道:湾岸市川IC - 成田IC
- 新空港自動車道:成田IC - 新空港IC
- 東名高速道路:東京IC - 厚木IC
- 首都圏中央連絡自動車道:海老名南JCT - 久喜白岡JCT
- 新東名高速道路:海老名南JCT - 厚木南IC
- 中央自動車道:高井戸IC - 八王子IC
- 東京外環自動車道:東名JCT(仮称) - 高谷JCT
- 大阪近郊
均一制区間は含まれていないが、東京外環自動車道、近畿自動車道および阪和自動車道については、大都市近郊区間の料金水準を基に均一料金の額が設定されている[1][7]。ETC割引制度においては、これらに加えて西名阪自動車道と一部の一般有料道路も含んでいる。
首都圏における料金水準統一
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)および、その内側のNEXCO管理の一般有料道路、並びに首都高速道路については、2016年(平成28年)4月1日から、東京外環自動車道は2017年2月26日から、原則として首都圏大都市近郊区間の料金水準に統一された[8][9]。しかし、これらの道路が高速自動車国道に編入されたわけではなく、ターミナルチャージは一律150円を徴収し[10]、端数処理は高速自動車国道と別に行い、長距離逓減制も適用されない。
この料金適用により、「横浜横須賀道路(44円/km)」と「首都圏中央連絡自動車道(43.20円/km)」では、高速道路料金が 29.52円/km へと値下げになった。一方、この料金計算適用によって通行料金が大幅値上げになってしまう「第三京浜道路」「横浜新道」「京葉道路」「東京外環自動車道」については「激変緩和措置」によって、それぞれ独自の料金体系となっており、さらに路線によっては均一制や区間制も残されている[11]。この激変緩和措置により、国土交通省のめざした「発・着地点が同一ならどのルートを経由しても同一料金」の原則は崩れている。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 “国土交通省及び道路関係四公団への追加資料要求(質問)及び回答 (PDF)”. 道路関係四公団民営化推進委員会第45回会合 配布資料5. 首相官邸. pp. 91–94 (2003年8月3日). . 2015閲覧.
- ↑ 公益財団法人 高速道路調査会 経済・経営研究部会 高速道路の料金制度に関する研究委員会 (2015-05-29) (PDF). 「高速道路の料金制度に関する研究委員会」報告書 -有料道路制度と負担のあり方について-(平成27年5月) 本編・資料編 (Report). 資料1-3 . 2015閲覧..
- ↑ 36.6円/kmと記している資料があるが、これは東名高速道路の大都市近郊区間全線(東京IC - 厚木IC間)の普通車料金(1,280円)をそのまま同区間の距離(35.0km)で除したものであり、ターミナルチャージと消費税を含んでいる(国土幹線道路部会 中間答申に関するデータ集(2015年7月30日)p.17 (PDF) )。
- ↑ “料金の額及びその徴収期間 (PDF)”. 高速自動車国道北海道縦貫自動車道函館名寄線等に関する事業について 平成28年3月1日付け. 東日本高速道路. p. 98. . 2016閲覧.
- ↑ “料金の額及びその徴収期間 (PDF)”. 高速自動車国道中央自動車道富士吉田線等に関する事業変更について 平成28年3月1日付け. 中日本高速道路. pp. 73,75. . 2016閲覧.
- ↑ “料金の額及びその徴収期間 (PDF)”. 高速自動車国道中央自動車道西宮線等に関する事業許可 平成26年3月14日付け. 西日本高速道路. pp. 40,41. . 2015閲覧.
- ↑ 中央自動車道(1979年8月1日 - 2016年3月31日)も同様。
- ↑ “首都圏の新たな高速道路料金”. 東日本高速道路. . 2016閲覧.
- ↑ “平成28年4月1日(金)午前0時から首都圏の高速道路料金が変わりました。”. 日本高速道路保有・債務返済機構. . 2016閲覧.
- ↑ 一般有料道路を除く。
- ↑ これによりターミナルチャージも課されない。