大館能代空港

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大館能代空港(おおだてのしろくうこう、: Odate-Noshiro Airport)は、秋田県北秋田市にある地方管理空港である。 愛称はあきた北空港であるが、愛称の使用範囲は限定的である[1][注 1]。また、ターミナルビルや駐車場などの施設は道の駅大館能代空港と兼用になっている。

概要

秋田県北部の鷹巣盆地の中央に位置し、大館市(車で約25分)・能代市(車で約40分)などを主な利用圏とする。周囲に白神山地十和田湖八幡平など豊かな観光資源に恵まれた観光拠点空港である。大館能代空港インターチェンジが開通し、東北道と直結したことにより、弘前市も利用圏に入った。[3]

秋田空港青森空港の中間にあり、ほかに首都圏まで直通する公共交通機関はJR奥羽本線寝台列車しかなかった[注 2]

そのため、在来線と秋田新幹線を乗り継いでも約5時間もかかっており、直行便の運行により約1時間への短縮を目指したものであった[5]

これを受け、県が事業費約457億をかけて[6]北秋田郡鷹巣町(現・北秋田市)大野台に建設し[7]1998年(平成10年)7月18日に開港した[8][9]

滑走路は11/29方向に2000mで、平行誘導路は無く、滑走路両端にターニングパッドを備える。計器着陸装置(ILS)は滑走路11にカテゴリーIが設置されている。天候不順による欠航・遅延も多く[注 3]、青森空港と同様に霧に弱い空港として知られるが、青森空港が設置したカテゴリーIIIの設置には費用対効果の面から消極的であると河北新報などで報じられた。

年間利用客数は、開業当初から秋田県の空港建設計画書にある40万人の予測を大幅に下回っており[5]、ピークの2002年(平成14年)度には年間約17万人が利用したが以後減少した。2013年(平成25年)度は国内116,936人[10] で、東北地方で最も利用客が少ない空港である。

そのため、設置者である秋田県は毎年5億円を超える赤字補てんを続けていると見られている[11]

歴史

  • 1987年
    • 8月 - 3市15町村で県北空港建設促進期成同盟会を設立。
    • 9月 - 秋田県議会は高速交通体系等整備促進特別委員会を設置。
  • 1989年平成元年)8月 - 県北空港調査専門委員会を設置。
  • 1990年(平成2年) 4月 - 空港名を大館能代空港に決定。
  • 1991年(平成3年)11月29日 - 第6次空港整備五箇年計画の予定事業組入れが閣議決定[12]
  • 1993年(平成5年)12月27日 - 運輸省により、大館能代空港設置を許可[7]
  • 1994年(平成6年)10月21日 - 大館能代空港起工式があり、本体工事が開始[13]
  • 1995年(平成7年)11月 - 大館能代空港ターミナルビル株式会社設立。
  • 1997年(平成9年)3月 - 大館能代空港利用促進協議会がアンケートを県民に募集した結果「あきた北空港」に愛称を決定[1]
  • 1998年(平成10年)
    • 2月 - 本体工事完成。
    • 7月18日 - 供用開始[8][9]。同時にエアーニッポンが東京国際空港線、大阪国際空港線の各路線を通年運航として就航。新千歳空港線を夏期(6月 - 10月)運航として就航。
  • 1999年(平成11年)
    • 11月 - 新千歳空港線が運休[14]
    • 12月 - 大阪国際空港線が冬期(12月 - 2月)運休になる(2005年3月まで)。
  • 2005年(平成17年)
  • 2009年(平成21年)4月 - RAG(リモート)空港となる。[14]
  • 2010年(平成22年)
    • 5月25日 - 搭乗率が低迷している大阪国際空港線を2011年1月4日をもって運休することを発表した。
    • 7月12日 - 大館能代空港利用促進協議会は到着便の利用者にレンタカー割引キャンペーンを実施(2011年2月28日まで)[15]
    • 9月12日 - 敷地内の空港入口交差点付近に第3駐車場を増設し、空港ターミナルビル・シンボルゾーン・駐車場を含む一帯を道の駅大館能代空港として開駅[16]。同時に道路標識で使用していた愛称をすべて正式名称「大館能代空港」に変更する。
  • 2011年(平成23年)
  • 2012年(平成24年)1月 - 新たな進入方式(RNP-AR方式)の導入[14]
  • 2016年(平成28年)11月3日 - 広島空港発のフジドリームエアラインズ(FDA)チャーター便初就航。
  • 2017年(平成29年)2月8日 - ほじょ犬・ペット犬専用トイレ供用開始。

施設

空港ターミナルビルは滑走路北側に1棟で、地上3階建て。大館能代空港ターミナルビル株式会社が運営している。内部は国内線用の設備のみ持ち、国際線の設備は特に備えていない。秋田杉を主とする木材を随所に使用し「森の空港」を演出。色調的にも周囲の環境と調和するカラーでデザインされている。ボーディングブリッジは1基を備える。

旅客ターミナル

送迎デッキの一部を含むほぼ全域で公衆無線LANFREESPOT・無料)が利用可能。

道の駅大館能代空港

テンプレート:道の駅

道の駅大館能代空港(みちのえき おおだてのしろくうこう)は、秋田県北秋田市脇神字カラムシ岱にある秋田県道324号大館能代空港東線道の駅である。

大館能代空港ICから直線で約500mのところに空港ターミナルビルがあり、周辺の駐車場・「ほじょ犬・ペット犬専用トイレ」・シンボルゾーン [18] と共に道の駅施設になっている。

ターミナルビルの営業時間外は、新たに増設された第3駐車場と、屋外トイレが24時間利用できる。

空港と道の駅を同一施設で運営しているのは、ほかに能登空港がある。

ターミナルビル

営業時間 7:45 - 18:30 無線LAN(無料)

1F
  • 喫煙室(屋外)
  • 郵便ポスト(屋外)
  • たばこ自動販売機・飲料自動販売機
  • 記念スタンプ・公衆電話1台・授乳室
  • オープンカフェ ピッコロ 8:00 - 18:00
    • スタンプブック・東北ロードマップ・道の駅「全国地図」・新聞・産直品 販売
  • マッサージコーナー(ロビー中央のコインロッカーコーナー奥にあり 両替はピッコロで出来る)
    • 全身マッサージ機・足もみ機
2F
  • 道の駅「登録証」を出発ロビー 物産紹介コーナーに掲示
  • レストラン・ポートワン 9:00 - 18:00 (ラストオーダー17:30)
    • コイン式インターネット2台 7:45 - 18:30 
  • 売店・ANA FESTA、(道の駅「グッズ」) 9:00 - 18:15
    • スマートフォン充電器 3台・両替機・冷凍食品自動販売機 HOT MENU
  • 道の駅「記念きっぷ」・有料コピー・有料FAX・切手・はがき・印紙は、ターミナルビル(株)事務室で販売
3F
  • 飲料自動販売機コーナー
  • 送迎デッキ 無料(森吉山白神山地が一望できる。有料の双眼鏡が2台ある。)
  • メモ台付き椅子3台・電源コンセント(この場所以外での電源コンセント使用はできない)

シンボルゾーン

利用時間(7:45 - 18:30)

  • 芝生広場
  • 休憩施設 - ベンチ
  • ステージ兼用デッキ
  • 園路広場(噴水池含 )
  • 水景施設 - カスケード、噴水
  • モニュメント - 白神山地 母神像

駐車場

7日間まで無料。8日以上駐車する場合はターミナルビル内のインフォメーションカウンターで申し込み手続きが必要。最大20日まで。

第1と2駐車場の間に、白神山地 母神像のモニュメントがある。

  • 第1・2駐車場(道の駅利用者も可)・バス、タクシー専用駐車場(7:30 - 19:45)
    • 普通車 364台
    • タクシー 10台
    • バス 6台
    • 二輪 2台
    • 身障者用 4台(第1駐車場・屋根付き)
  • 第3駐車場(道の駅) - 飲料自動販売機・身障者用トイレが24時間利用できる。
    • 普通車 18台
    • 大型車 5台
    • 身障者用 2台
  • 臨時駐車場(イベント時や、第1・2駐車場満車時に開放。 冬期は雪寄せ場として使用)

大館能代空港周辺ふれあい緑地

大館能代空港周辺の緑地の利用増進を図り、ゆとりのある県民生活のため、秋田県大館能代空港周辺ふれあい緑地を、空港西側の脇神に設置した。

出入り口は、秋田県道24号鷹巣川井堂川線の川口南交差点と空港地下道の中間付近東側にあり、県道の東側にふれあいプラザゾーン、西側にセンターゾーンとクロスカントリースキーコースがある。またセンターゾーン の北西側には伊勢堂岱遺跡がある

指定管理者は、株式会社 友愛ビルサービス 県北支店。

  • 営業時間 9:00 - 19:00
  • 休園日 毎週水曜日及び年末年始(12月29日から1月3日)
    • 冬期 1・2月は、毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)

ふれあいプラザゾーン

  • 冬期閉鎖
  • 駐車場 - 展望園地29台、スポーツ広場84台 大型車2台、臨時駐車場 400台
  • トイレ - RC造平屋建 男:小3大2、女:3、バリアフリー:1
  • 展望広場
    • スカイテラス - 空港の40分の1の型をした展望台
  • スポーツ広場 - ストリートバスケットコート 2面 ・壁打テニスコート 2面
  • 遊具広場 - コンビネーション遊具、ターザンロープ、ラーダー、 ブランコ、シーソー、鉄棒

センターゾーン

  • 駐車場 284台 大型車4台
  • トイレ - 木造平屋 男:小1 大1、女(バリアフリー):1
  • 多目的広場 - ターゲットバードゴルフ・グランドゴルフ他
  • クロスカントリー雪上車車庫 - スノーモービル2台 ・圧雪車1台
  • センターハウス・ステージ棟(有料)[19]
    • 研修室・会議室・温水シャワー・コインロッカー・男女更衣室・屋外ステージ
  • テニスコート2面 - 砂入人工芝、ナイター設備付 冬期(12月~3月)は休業

クロスカントリースキーコース

  • 申込み必要
  • クロスカントリースキー 3コース(2.0㎞、2.5㎞、3.0㎞) 組合せにより、5.0㎞コース、7.5㎞コースなども可
  • ローラースキーコース(ナイター設備付)

拠点・焦点都市としている航空会社

今のところ、就航していない。

就航路線

国内線

ファイル:Odate Noshiro Airport 2016-7-16-2.jpg
ANAチェックインカウンター

運休中の路線

アクセス

自動車

高速道路
空港アクセス道路

バス

リムジンバス(秋北タクシー
シャトルバス(岩手県北バス
  • 安比・八幡平エリア宿泊者限定 予約制 - 冬季のみ運行
    • 大館能代空港⇔安比高原 - 約1時間40分

乗合タクシー

空港型乗合タクシー

※空港発便で空席がある場合は、予約なしで乗車可能となるケースもある。

  • 大館市内・能代市内方面
    • 要前日予約(第一タクシーサービス、第一タクシー)
観光型乗合タクシー

※玉川便は国道341号線冬季閉鎖中は花輪地区までの運行。

  • 森吉山方面 - 森吉山周遊タクシー [23]
    • 通年運行(たかのす・ひかりタクシー、丸宮タクシーほか)

鉄道

その他

  • 能代VOR/DME,大館ILSが整備されているものの、保守官所は、仙台空港事務所システム運用管理センターである。

脚注

注釈

  1. 県道の路線名に愛称が使われていたが、2012年4月にあきた北空港西線・東線から大館能代空港西線・東線に変更され[2]、公共施設などでは愛称が一切使われなくなっている。
  2. 1989年平成元年)3月から東京方面の高速バスあり[4]
  3. 欠航などに対応するため、秋田県知事は 2010年5月17日の定例記者会見 で「欠航時の別の空港への振り替えやレンタカー費用の助成などのため3800万円を予算に計上し、空港の活性化をしたい」と発言している。
  4. ANAウイングスの機材・乗務員で運航。

出典

  1. 1.0 1.1 “「分かりやすく」「変更で効果は」大館能代空港の愛称 「あきた北」変更か維持か 県北の商工団体 認知度向上へ議論”. 北鹿新聞 (大館市: 北鹿新聞社). (2016年1月23日) 
  2. 県道路線の認定に関する告示の一部改正 (PDF) 」 、『秋田県公報』第2372号、秋田県、2012年、 6頁。
  3. “大館能代空港利用促進協総会 弘前市が新加入 県境越え広域連携”. 北鹿新聞社. (2018年5月16日). http://www.hokuroku.co.jp/publics/index/51/detail=1/b_id=703/r_id=1179/ 
  4. 国際興業株式会社社史編纂室編集 『国際興業五十年史』 国際興業、1990年5月。
  5. 5.0 5.1 川口満 『ずさんな需要予測で県民にのしかかる赤字負担』 週刊金曜日 (週刊金曜日) (2001年5月18日)
  6. 杉浦一機 『空港大改革 日本の航空競争力をどう強化するか』 中央書院、2002年2月。ISBN 978-4887321083
  7. 7.0 7.1 『地方自治年鑑 1994年版』 第一法規出版、1994年11月。ISBN 978-4474004337
  8. 8.0 8.1 自治研修協会地方自治研究資料センター 『地方自治年鑑 1999年版』 第一法規出版、2000年2月10日。ISBN 978-4-474-00937-0
  9. 9.0 9.1 『読売年鑑 1999年版』 読売新聞社、1999年3月。ISBN 978-4643990010
  10. “管内空港の利用状況概況集計表(平成25年度速報値)” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省東京航空局, http://www.cab.mlit.go.jp/tcab/img/statistics/pdf/riyou_h25nendo.pdf 
  11. 諏訪雄三 『公共事業を考える 市民がつくるこの国の「かたち」と「未来」』 新評論、2001年1月。ISBN 978-4-7948-0510-2
  12. 『地方自治年鑑 1992年版』 第一法規出版、1992年9月。ISBN 978-4474015692
  13. 『地方自治年鑑 1995年版』 第一法規出版、1995年10月。ISBN 978-4474005174
  14. 14.0 14.1 14.2 14.3 14.4 Odate-Noshiro Airport 業務概要 2016 主な経過 p2 閲覧
  15. 15.0 15.1 1000円レンタカーキャンペーン - 大館能代空港利用促進協議会
  16. 道の駅「大館能代空港」”. 秋田魁新報社 (2010年9月29日). . 2013年12月5日閲覧.
  17. 台湾・復興航空チャーター便…ようこそ大館能代空港へ”. 大館能代空港ターミナルビル株式会社. 2012年2月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2011年3月22日閲覧.
  18. Odate-Noshiro Airport 業務概要 2016 各ゾーン施設 p5 閲覧
  19. 秋田県大館能代空港周辺ふれあい緑地条例平成11年3月19日 条例第36号(平成26年4月1日施行) 閲覧
  20. 20.0 20.1 大館能代空港管理事務所 (2017-06). Odate-Noshiro Airport業務概要2017 (Report). http://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/1759. 
  21. 大館能代空港リムジンバス - 秋北タクシー
  22. 空港乗合タクシー - 秋北タクシー
  23. 公共交通”. 北秋田市. . 2018閲覧.

関連項目

外部リンク