寺島しのぶ

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寺島 しのぶ(てらじま しのぶ、Shinobu Terajima1972年昭和47年)12月28日 - )は、日本の女優である。本名、寺島 グナシア 忍(てらじま ぐなしあ しのぶ、Shinobu Ghnassia Terajima)。旧姓、寺島 忍(てらま しのぶ)。東京都出身(出生は京都府京都市)。トップコート系列・アプティパ所属。

2003年公開の『赤目四十八瀧心中未遂』で第27回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を、『ヴァイブレータ』では東京国際映画祭女優賞を受賞。2010年には、『キャタピラー』で、1964年の左幸子、1975年の田中絹代に次ぎ日本人として35年ぶりにベルリン国際映画祭世界三大映画祭の1つ)の銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞した。

人物

青山学院大学文学部卒業。身長163cm、スリーサイズはB80/W60/H83。足のサイズは22.5cm。

父は歌舞伎役者の七代目尾上菊五郎、母は女優富司純子、父方の祖父は七代目尾上梅幸、母方の祖父は東映俊藤浩滋プロデューサー、は歌舞伎役者の五代目尾上菊之助という演劇・俳優一家に生を受け、大学在学中より舞台テレビドラマを中心に活躍している。2010年(平成22年)、ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞した。

  • CNNの「まだ世界的に名前は売れていないが、演技力のある日本の俳優7人」の一人に選ばれた。

経歴

生い立ち

小学校より青山学院で過ごし、中学時代はバレーボール部に、高校時代はハンドボール部に所属しエースを務めるなどで活躍した。また、高校時代は寺島がボーカルで楽器隊は男子生徒のバンドを組んで学園祭でレベッカなどをカバーして演奏していた。

男社会である歌舞伎の家系に生まれたことで、自分の存在に対して複雑な気持ちを抱きながら子供時代を過ごしたという。事実、『情熱大陸』では、男に生まれていたら、歌舞伎役者になりたかったと語っている。女優になってからも、母と比較されて悩み続けた[1]。また、幼少期はジャガー横田クラッシュギャルズに憧れ、プロレスラーになりたかった。弟を相手にジャイアントスイングで脚を抱えては振り回し、技の研究に余念がなかったという[2]。その後、父親にもプロレス技をかけていたが、手加減せずに父親は向かいあった。何度やっても勝てないため、悔し泣きしたこともあった。そして、その日をきっかけに父娘の関係がギクシャクしだしたという。

女優として

父親の親友であった太地喜和子の勧めで女優を志し、大学在学中だった1992年(平成4年)に文学座に入団した。1996年(平成8年)に退団したが、その際には同劇団の看板女優、杉村春子から「フリーになっても頑張って」とエールを送られたという[3][4]。その後は、蜷川幸雄江守徹久世光彦といった演劇界の大御所に度々起用され、着実に演技の幅を広げ、それに伴う数多くの演劇賞を受賞した。

2000年(平成12年)、『シベリア超特急2』で映画デビュー。2003年(平成15年)に公開された映画赤目四十八瀧心中未遂』と『ヴァイブレータ』での演技が認められ、第27回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を始め、日本国内外で10以上の映画賞を受賞した。大胆なラブシーンについては、母の純子から猛反対を受け、絶縁寸前まで追い込まれたものの、最終的には、「女優なんだからしょうがないだろう」という父親の一声で、収まったという[5]。舞台に関しても、第3回バッカーズ演劇奨励賞を受賞した。

2008年(平成20年)には、シアタークリエ『私生活』の演技で平成20年度(第63回)文化庁芸術祭賞(演劇部門・関東参加公演の部)優秀賞を受賞する。


2010年には、若松孝二監督の映画『キャタピラー』で、1964年の左幸子、1975年の田中絹代に次ぎ日本人として35年ぶりにベルリン国際映画祭世界三大映画祭の1つ)の最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞[6]

2018年5月29日から6月3日までドイツ・フランクフルトで開催された第18回ニッポン・コネクションにて、主演作『オー・ルーシー!』が観客によって選ばれるニッポン・シネマ部門の最優秀作品賞にあたるニッポンシネマアワードを受賞。あわせて寺島本人がニッポン名誉賞を受賞した[7]

私生活

2007年(平成19年)2月26日、日本在住のユダヤ系フランス人アートディレクター、ローラン・グナシア(Laurent Ghnassia)と結婚した[8]。グナシアには、既に別の女性との間に一人娘がおり、実子として認知しているという[8]。国際結婚となるが、夫婦の共通の言語は「心と心で伝わる英語」「シングリッシュ(心グリッシュ)」とコメントして話題となった[9]

2012年9月12日、男子を出産。歌舞伎俳優にしてもいいと語っている。[10][注釈 1]

十一代目市川海老蔵が姉弟の幼馴染。海老蔵も彼女に飛び膝蹴りを食わされたことがあるという。

苗字の読みは以前、「てらしま」であったが、結婚を報告した文書で「Terajima」と表記して以降「てらじま」となる。母は自分の映画を自身に見せることもなく、今までも見たことがない。文学座に入る時、太地喜和子に「あなた、絶対にお母さんの映画は見ない方がいいわ。女優を辞めたくなるから」と言われたことが理由。「ジョークかもしれないけど、それが子どもながらに頭に残って、見ちゃいけないと思うようになってしまった」という[11]

2015年2月23日WOWOW生放送された「第87回アカデミー賞授賞式」では、作品賞監督賞脚本賞撮影賞を受賞した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(放送当時日本では未公開〈2015年4月10日上映予定〉)のラストシーン及び助演女優賞に輝いた『6才のボクが、大人になるまで。』のオチについて堂々とネタバレを話し、大顰蹙を買う騒ぎがあった[12]

出演

テレビドラマ

映画

舞台

ウェブ

  • 大人の女性のためのトラベル・ウェブ・マガジン『旅色』(2009年)

Webドラマ

ドキュメンタリー

CM

著作

  • 『体内時計』主婦と生活社、2003年12月 ISBN 978-4391128840
    • 『体内時計+』ポプラ文庫、2008年10月 ISBN 978-4591105443
  • 柳美里対談集 沈黙より軽い言葉を発するなかれ』創出版、2012年8月 ISBN 978-4904795194

脚注

注釈

  1. ただし混血の歌舞伎俳優には、十五代目市村羽左衛門という前例がある。

出典

  1. 2004年3月7日放送「情熱大陸
  2. 2010年8月5日放送「5LDK」より本人談
  3. “寺島しのぶ 〜タレント名鑑〜”. スポニチ Sponichi Annex 芸能 (スポーツニッポン新聞社). オリジナル2010年5月22日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100522174523/http://www.sponichi.co.jp/entertainment/meikan/ta/terashima_shinobu.html . 2010閲覧. 
  4. “[特別企画]狩野良規×寺島しのぶ・世界が称賛した女優を形作る、演じる姿勢と過去・現在・未来(2/3) : 青山学院スタイル2009”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). オリジナル2010年5月9日時点によるアーカイブ。. https://archive.is/20100509173641/http://www.yomiuri.co.jp/adv/agu2009/special_interview/page2.htm 
  5. 2010年8月25日放送「ワイドスクランブル」・『山本晋也の人間一滴』より本人談
  6. “寺島しのぶ受賞に喜び爆発!早朝ホテルで「奇声」”. スポニチ Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2010年2月22日). オリジナル2010年2月25日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100225215943/http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2010/02/22/01.html . 2010閲覧. 
  7. “「オー・ルーシー!」ドイツの映画祭で大賞に、寺島しのぶは名誉賞贈られる”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2018年6月4日). https://natalie.mu/eiga/news/285116 . 2018閲覧. 
  8. 8.0 8.1 “神前キスにVサイン…寺島しのぶ挙式”. スポニチ Sponichi Annex 芸能 (スポーツニッポン新聞社). (2007年4月27日). オリジナル2007年5月3日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070503021111/http://www.sponichi.co.jp/entertainment/special/2005kekon/KFullNormal20070427059.html . 2008閲覧. 
  9. 寺島しのぶ“シン(心)グリッシュ婚”会見の一問一答!(eltha)2010年2月21日閲覧
  10. “歌舞伎初のハーフ役者?寺島しのぶ 男児出産「親飛び越えて」”. スポニチ Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2012年9月12日). http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2012/09/12/kiji/K20120912004098420.html . 2016閲覧. 
  11. 雑誌「創」より柳美里との対談での本人談
  12. “寺島しのぶに映画ファン大激怒 日本未公開オスカー作品のラストをネタバレ”. Yahoo!ニュース. 東スポWeb (Yahoo Japan). (2015年2月23日). オリジナル2015年2月24日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150224144513/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150223-00000068-tospoweb-ent 
  13. 湊かなえ、三浦しをん、角田光代の短編小説を、オムニバスドラマ化。『女性作家ミステリーズ 美しき三つの嘘』”. とれたてフジテレビ (2015年11月25日). . 2015閲覧.
  14. 永作博美&土屋太鳳&鈴木京香、人気女性作家の短編ドラマに出演!”. シネマカフェ (2015年11月25日). . 2016閲覧.
  15. 寺島しのぶ、整形逃亡犯・福田和子の実録ドラマに主演「なかなか踏ん切りが…」”. ORICON STYLE (2016年2月23日). . 2016閲覧.
  16. 寺島しのぶ主演『OH LUCY! (オー・ルーシー!)』ドラマ版の放送が決定しました!”. NHK公式サイト (2017年8月22日). . 2017閲覧.
  17. “長谷川博己:テロリストに立ち向かう! TBS新春ドラマ「都庁爆破!」に豪華キャスト集結”. MANTANWEB. (2017年11月13日). https://mantan-web.jp/article/20171112dog00m200024000c.html . 2017閲覧. 
  18. リリー・フランキー×池松壮亮×橋本愛×寺島しのぶ!盲目の学者が奇跡を起こす『シェル・コレクター』新映像”. シネマトゥデイ (2015年9月22日). . 2015閲覧.
  19. リリー・フランキー主演「シェル・コレクター」、場面写真に離島で橋本愛と並ぶ姿”. 映画ナタリー (2015年11月6日). . 2015閲覧.
  20. “編集者と声を出せなくなった作家の友情描く福間健二監督作「秋の理由」が今秋公開”. 映画ナタリー. (2016年4月5日). http://natalie.mu/eiga/news/182296 . 2016閲覧. 
  21. “塩谷瞬、小林多喜二役抜てきに涙「彼が遺した魂を演じる」”. ORICON STYLE. (2016年8月23日). http://www.oricon.co.jp/news/2077205/full/ . 2016閲覧. 
  22. “阿部サダヲ「かわいい」岡田将生とボーイズラブ舞台”. (2016年3月17日). http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1617725.html . 2016閲覧. 
  23. “「アルカディア」開幕、「日本最高峰のメンバーが集結した舞台」と井上芳雄”. ステージナタリー. (2016年4月6日). http://natalie.mu/stage/news/182474 . 2016閲覧. 
  24. 池松壮亮、寺島しのぶと過激官能シーン!三浦大輔演出dTVドラマ「裏切りの街」で共演”. 映画.com (2016年1月20日). . 2016閲覧.
  25. NHKスペシャル「戦後70年 ニッポンの肖像 - 戦後70年を越えて - 日本人は何ができるのか」(日本放送協会)、2015年8月14日閲覧
  26. ザ・プレミアム(日本放送協会)、2015年12月28日閲覧

外部リンク

テンプレート:日本アカデミー賞最優秀主演女優賞



テンプレート:報知映画賞主演女優賞


テンプレート:日本映画批評家大賞主演女優賞