川辺郡

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兵庫県川辺郡の位置(緑:猪名川町 薄黄:後に他郡に編入された区域)

川辺郡(かわべぐん)は兵庫県摂津国)の。古くは河辺郡とも書いた(出羽国羽後国秋田県河辺郡とは異なる)。

人口30,543人、面積90.33km²、人口密度338人/km²。(2018年4月1日、推計人口

以下の1町を含む。

郡域

1879年明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記1町のほか、概ね下記の区域にあたる。

  • 川西市の全域
  • 伊丹市の大部分(旧武庫郡時友村、西昆陽村だった部分を除く)
  • 尼崎市の大部分(中央・園田・小田・立花の各地区。東海道本線以南の蓬川以東、水堂町二丁目、南武庫之荘二丁目、同三丁目、武庫之荘東二丁目、富浜町以東および武庫之荘三丁目・水堂町四丁目・西立花二丁目・同三丁目の各一部)
  • 宝塚市の大部分(武庫川以北)
  • 三田市の一部(後の高平村
  • 大阪府豊能郡豊能町の一部(旧横地村だった部分)

このうち、尼崎市、三田市、大阪府豊能町を除く3市1町は「阪神北部広域行政推進協議会」が置かれてお互いに行政上の交流を図っている。

歴史

古代

和名類聚抄』に記される郡内の

  • 雄家郷(おべ)
  • 山本郷(やまもと)
  • 為奈郷(いな)
  • 郡家郷(ぐんが)
  • 楊津郷(やないづ)
  • 余戸郷(あまるべ)
  • 大神郷(おおむち)
  • 雄上郷(おべのかみ)

式内社

延喜式神名帳に記される郡内の式内社

テンプレート:摂津国河辺郡の式内社一覧
神名帳 比定社 集成
社名 読み 付記 社名 所在地 備考
凡例を表示

近世以降の沿革

  • 慶応4年
    • 2月 - 幕府領(代官支配)が大坂裁判所司農局の管轄となる。
    • 4月 - 岡部藩が藩庁を移転して三河半原藩となる。
    • 5月2日1868年6月21日) - 大坂裁判所司農局の管轄地域が大阪府司農局の管轄となる。
    • 5月24日1868年7月13日) - 旗本領が大阪府司農局の管轄となる。
    • 6月8日(1868年7月27日) - 大阪府司農局の管轄地域が大阪府北司農局の管轄となる。
  • 明治2年
  • 明治3年(1870年
    • 3月 - 一橋徳川家領・田安徳川家領が兵庫県の管轄となる。
    • 10月14日(1870年11月7日) - 飯野藩領が兵庫県の管轄となる。
    • 12月 - 大洲藩預地が兵庫県の管轄となる。
  • 明治4年(2町185村)
  • 明治6年(1873年) - 田中村(現・尼崎市)が口田中村、清水村(現・尼崎市)が南清水村、酒井村(現・伊丹市)が口酒井村にそれぞれ改称。
  • 明治7年(1874年)(2町172村)
    • 上原村・下原村が合併して原村となる。
    • 北少路村・昆陽口村・中少路村・円正寺村・外城村・高畑村・外崎村・野田村・植松村・大広寺村・上外崎村・下市場村が伊丹町に合併。
  • 明治9年(1876年) - 下肝川村・上肝川村が合併して肝川村となる。(2町171村)
  • 明治10年(1877年) - 北畑村・南畑村・北畑南畑立会新田が合併して切畑村となる。(2町169村)
  • 明治12年(1879年1月8日 - 郡区町村編制法の兵庫県での施行により、行政区画としての川辺郡が発足。郡役所が伊丹町に設置。
  • 明治13年(1880年) - 尼崎村葭島が改称して大洲村となる。
  • 明治14年(1881年) - 岡院村・曼陀羅寺村が合併して御園村となる。(2町168村)
  • 明治16年(1883年) - 東長洲村・中長洲村が合併して長洲村となる。(2町167村)
  • 明治18年(1885年) - 安場村が武庫郡川面村に、辻村・伊丹坂村・野村が北村にそれぞれ合併。(2町163村)

町村制以降の沿革

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1.伊丹町 2.神津村 3.園田村 4.小田村 5.尼崎町 6.立花村 7.稲野村 8.小浜村 9.長尾村 10.川西村 11.多田村 12.東谷村 13.中谷村 14.西谷村 15.六瀬村 16.高平村(桃:尼崎市 紫:伊丹市 橙:宝塚市 赤:川西市 黄:三田市 緑:猪名川町)
  • 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。▲は飛地を除く。△は飛地のみ。(2町14村)
    • 伊丹町 ← ▲伊丹町、北村、北河原村、天津村[16]、▲大鹿村、△千僧村(現・伊丹市)
    • 神津村 ← 西桑津村、東桑津村、中村、下河原村、小坂田村、▲岩屋村、▲口酒井村、森本村、△田能村(現・伊丹市)
    • 園田村 ← ▲田能村、法界寺村、穴太村、富田村、椎堂村、上食満村、中食満村、下食満村、瓦宮村、小中島村、猪名寺村、南清水村、口田中村、若王寺村、上坂部村、森村[17]、御園村、戸ノ内村、△善法寺村、△岩屋村、△口酒井村(現・尼崎市)
    • 小田村 ← 久々知村、下坂部村、▲善法寺村、高田村、額田村、神崎村、西川村、浜村、次屋村、潮江村、長洲村、杭瀬村、梶ヶ島村、常光寺村、西長洲村、金楽寺村、今福村、大物村[一部](現・尼崎市)
    • 尼崎町 ← 尼崎町、別所村、▲竹谷新田[18]、大洲村、大物村[大部分]、△西難波村(現・尼崎市)
    • 立花村 ← 塚口村、東富松村、七松村、尾浜村、三反田村、水堂村、大西村、栗山村、上ノ島村、東難波村、▲西難波村、△竹谷新田(現・尼崎市)
    • 稲野村御願塚村、南野村、野間村、池尻村、昆陽村、新田中野村、▲寺本村、山田村、▲千僧村、堀池村、△大鹿村、△伊丹町、武庫郡△時友村、△西昆陽村(現・伊丹市)
    • 小浜村 ← 安倉村、小浜村、米谷村、武庫郡川面村、見佐村(現・宝塚市)
    • 長尾村 ← 鴻池村、荻野村、荒牧村、山本村、▲平井村、中筋村、中山寺村、△寺畑村(現・宝塚市)
    • 川西村 ← 栄根村、加茂村、▲寺畑村、小花村、小戸村、出在家村、滝山村、火打村、萩原村、久代村、久代新田村(現・川西市)
    • 多田村 ← 矢問村、東多田村、平野村、新田村、多田院村、芋生村、柳谷村、若宮村、赤松村、虫生村、石道村、満願寺村、西多田村(現・川西市)
    • 東谷村 ← 笹部村、見野村、東畦野村、西畦野村、山原村、山下村[19]、下財屋敷村[19]、一庫村、黒川村、▲横路村、国崎村(現・川西市)
    • 中谷村 ← 広根村、銀山町、村上新田村、猪淵村、肝川村、差組村、上野村、柏梨田村、紫合村、南田原村、北田原村、北野村、原村、内馬場村、民田村、上阿古谷村、下阿古谷村(現・猪名川町)
    • 西谷村 ← 上佐曽利村、下佐曽利村、香合新田[20]、大原野村、長谷村、芝辻新田村、波豆村、境野村、玉瀬村、切畑村、△平井村、△寺畑村(現・宝塚市)
    • 六瀬村 ← 木間生村、栃原村、木津村、槻並村、万善村、林田村、笹尾村、清水村、清水東村、仁頂寺村、鎌倉村、島村、杉生村、西畑村、柏原村(現・猪名川町)
    • 高平村 ← 末吉村[21]、布木村、河原村、十倉村、田中村、酒井村、片古村、下村、木器村、上槻瀬村[22]、下槻瀬村[22]、市ノ瀬村[22]、波豆川村(現・三田市)
    • 寺本村の一部(飛地)が武庫郡武庫村、横路村の一部(飛地)が大阪府能勢郡吉川村のそれぞれ一部となる。
  • 明治29年(1896年
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川辺郡役所(伊丹町)
  • 大正5年(1916年)4月1日 - 尼崎町が立花村の一部(東難波・西難波)と合併して尼崎市が発足し、郡より離脱。(1町13村)
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 大正14年(1925年10月1日 - 川西村が町制施行して川西町となる。(2町12村)
  • 大正15年(1926年7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 昭和10年(1935年)時点での当郡の面積は278.50平方km、人口は152,587人(男74,698人・女77,889人)[23]
  • 昭和11年(1936年)4月1日 - 小田村が尼崎市と合併し、改めて尼崎市が発足、郡より離脱。(2町11村)
  • 昭和15年(1940年11月10日 - 伊丹町・稲野村が合併して伊丹市が発足し、郡より離脱。(1町10村)
  • 昭和17年(1942年2月11日 - 立花村が尼崎市に編入。(1町9村)
  • 昭和22年(1947年3月1日(1町7村)
    • 神津村が伊丹市に編入。
    • 園田村が尼崎市に編入。
  • 昭和26年(1951年3月15日 - 小浜村が町制施行・改称して宝塚町となる。(2町6村)
  • 昭和29年(1954年
    • 4月1日 - 宝塚町が武庫郡良元村と合併して宝塚市が発足し、郡より離脱。(1町6村)
    • 8月1日 - 川西町・多田村・東谷村が合併して川西市が発足し、郡より離脱。(4村)
  • 昭和30年(1955年

変遷表

脚注

  1. 領主から年貢免除の特権を与えられた土地。
  2. 下記のほか《東畦野/滝山/東多田/見野/新田/矢間/西多田》立会新田が記載されている。
  3. 記載は銀山村。
  4. ○紫合村・紫合村枝郷に分かれて記載。
  5. ○上阿古谷村・上阿古谷村枝郷に分かれて記載。
  6. ○木津村・○木津村枝郷に分かれて記載。
  7. 記載は清水村枝郷。
  8. 「旧高旧領取調帳データベース」には記載なし。
  9. 「旧高旧領取調帳」には記載なし。
  10. 「旧高旧領取調帳」には兵庫県管轄と記載されているが、本項では「角川」によった。
  11. 11.0 11.1 幕府領分の記載は「青山下野守領分」だが、本項では「角川」によった。
  12. 記載は「北村枝郷・辻村」。
  13. 記載は尼ヶ崎村。
  14. 神崎村・神崎村枝郷に分かれて記載。
  15. 西桑津村(飯野藩領)・桑津村流作(幕府領)に分かれて記載。
  16. 北河原村のうち。本項では村数に数えない。
  17. 上坂部村のうち。本項では村数に数えない。
  18. 西難波村のうち。本項では村数に数えない。
  19. 19.0 19.1 笹部村のうち。本項では村数に数えない。
  20. 上佐曽利村のうち。本項では村数に数えない。
  21. 河原村のうち。本項では村数に数えない。
  22. 22.0 22.1 22.2 槻瀬村のうち。本項では3村を合わせて1村として数える。
  23. 昭和10年国勢調査による。国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能。

参考文献

関連項目