常備軍
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常備軍(じょうびぐん)とは、
- 戦時・平時を問わず組織される軍隊。この項で記述する。
- 明治6年 - 明治22年における日本陸軍の役種の一つ。後年の「現役」等に相当する。役種#明治6年-明治22年を参照。
古代の西欧やオリエントでは、多くの国では常備軍は最低限で、戦争のたびに傭兵を募ったか、あるいはスパルタやゲルマン人のように国民皆兵的であったが、平時を含めて市民を中核とした一定の常備軍を保持し続けた例には古代ローマ(共和政ローマおよび帝政ローマ)がある。
中世の封建制となると、西欧では再び平時にはほとんど組織されず、戦争のたびに封建的騎士団が召集されて戦いの中心となっていたが、絶対王政期になると、平時から傭兵を中心とした軍が組織され、戦時に備えた。その後、国民国家の成立に伴い、傭兵制に変わって徴兵制や志願兵制に基づく国家の軍隊(常備軍)が組織されるようになった。
近代ヨーロッパで最初の常備軍となったのは、帝政ロシア(モスクワ大公国、ロシア帝国)における「ストレリツィ」(銃兵隊)であった。オスマン帝国のイェニチェリをモデルにそれまでのモンゴル・タタール式の士族軍にかわる軍隊として創設され、16世紀から18世紀初頭までおかれた。他にプロイセン王国の常備軍が知られている。徴兵制による常備軍の創設は、17世紀のスウェーデン(バルト帝国)の陸軍で、軍事史における軍事改革の画期的な成果の一つであるとされている。
なお、世界で常備軍を持たない国は約20か国である(→軍隊を保有していない国家の一覧)。