年齢のとなえ方に関する法律

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年齢のとなえ方に関する法律
日本の法令
法令番号 昭和24年5月24日法律第96号
効力 現行法
種類 民法
主な内容 年齢のとなえ方について
関連法令 民法など
条文リンク 総務省法令データ提供システム
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年齢のとなえ方に関する法律(ねんれいのとなえかたにかんするほうりつ、昭和24年5月24日法律第96号)は、日本法律である。年齢の数え方について、それまでの数え年から満年齢に変更するために制定された。所管は法務省である。1950年1月1日施行。

内容

  • 本文
    • 第1項 この法律施行の日以後、国民は、年齢を数え年によつて言い表わす従来のならわしを改めて、年齢計算に関する法律(明治35年法律第50号)の規定により算定した年数(一年に達しないときは、月数)によつてこれを言い表わすのを常とするように心がけなければならない。
    • 第2項 この法律施行の日以後、国又は地方公共団体の機関が年齢を言い表わす場合においては、当該機関は、前項に規定する年数又は月数によつてこれを言い表わさなければならない。但し、特にやむを得ない事由により数え年によつて年齢を言い表わす場合においては、特にその旨を明示しなければならない。
  • 附則(抄)
    • 第1項 この法律は、昭和二十五年一月一日から施行する。
    • 第2項 政府は、国民一般がこの法律の趣旨を理解し、且つ、これを励行するよう特に積極的な指導を行わなければならない。

背景

本法の制定理由には、終戦直後の時代背景があった。以下、当時の国会議事から制定理由を4点挙げる。

  1. 「若返る」ことで日本人の気持ちを明るくさせる効果
    • 従来の「数え年」から「満年齢」に変更することは、一種の日本人たちの若返り法になる。当時の日本では税金その他の生活についても何となく暗い気持ちになっていたところ、せめて年齢だけでも若返るというようなことは、明るい気持ちがするものである。予算を伴わないで国民の気持ちが明るくなるということは、政治上で大事な点である。
  2. 正確な出生届の促進
    • 「数え年」の場合、特に12月生まれの者はすぐに2歳に勘定されてしまう。それが嫁入り等に大きな関係を持つため、しばしば正確な届出をしないということが当時現実に行われていた。生れた時から正直にやって行く、合理的にやっていく、国民生活の態度を最初からそういう形にすることは、これからの日本にとって非常に大事である。
  3. 国際性向上
    • 「数え年」では諸外国の慣行や国際的統計とも合致せず、国際的文化交流その他国際生活に支障を来すことになる。
  4. 配給における不合理の解消
    • 配給量のカロリー計算は満年齢を基準としているが、実際の配給は便宜上「数え年」で行われていた。

(昭和24年5月13日衆議院文部委員会における山本有三参議院議員(提案者)の趣旨説明から)

このうち、当時切実だった理由は4の「配給」の問題であった。実際、例えば12月に子供が生まれ翌年2月に「2歳だ」という理由でキャラメルが配給されることなどはよくあった。当然のことながら、生後2か月の乳児にキャラメルを支給しても無意味である。また、「満年齢」では50代であるのに「数え年」では60代という理由で配給量を減らされるなどの問題も起きていた。

関連項目