ローマ教皇庁

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(ローマきょうこうちょう、Curia Romana)

ローマ教皇を補佐する機関。初期においてローマ司教はローマ市内の司祭団,近隣地区の司教団によって補佐されたが,4世紀にはローマ地区教会会議が定期的にもたれるようになった。その後常設的な諸補佐機関が漸次設置され,その全教会に対する影響力を強めた。 11世紀の叙任権論争に関する改革の結果,教皇の中央集権が確立され,Curia Romanaが設置されるにいたる。聖省,官署,裁判所を基本的な3機関とする形に整備されたのは 16世紀以降である。それ以後も時代の要求に従って改組が行われ,1917年の教会法で機構として定められた。 62~65年に開催された第2バチカン公会議の結果,現代社会へ適応するため大幅に改組され,さらに 1988年の改革を経て,現在では国務省のほかに9省,6官署,3裁判所を基本に,事務局などが設置されている。これらは教皇の委託を受けて機能するもので,あくまで教皇の補佐機関である。教皇はまたバチカン市国の主権者という世俗権をもち,その権限を教皇庁が扱い,バチカン市国の統治,諸外国との外交などは国務省が管轄している。