日本高等学校野球連盟

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公益財団法人日本高等学校野球連盟
Japan High School Baseball Federation
団体種類 公益財団法人
設立 2011年(平成23年)4月1日
所在地 大阪府大阪市西区江戸堀一丁目22番25号
中澤佐伯記念野球会館
起源 全国中等学校野球連盟
:1946年(昭和21年)2月
-1947年(昭和22年)3月
全国高等学校野球連盟
:1947年(昭和22年)4月
-1963年(昭和38年)2月
財団法人日本高等学校野球連盟
:1963年(昭和38年)2月
-2012年(平成24年)3月31日
主要人物 会長 八田英二
活動地域 日本及び日本国外
活動内容 高校野球の統括
基本財産 土地8,532万120円
2016年(平成28年)2月29日現在
ウェブサイト http://www.jhbf.or.jp/
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公益財団法人日本高等学校野球連盟(にほんこうとうがっこうやきゅうれんめい、英語表記:Japan High School Baseball Federation)は、日本の高校野球(男子)の統轄組織で、47都道府県の高等学校野球連盟が加盟している。公益財団法人全日本大学野球連盟とともに、上部組織として公益財団法人日本学生野球協会を構成している。

略称は日本高野連(にほんこうやれん)または単に高野連(こうやれん)とも。

概要

戦前大阪朝日新聞社によって実施されていた全国中等学校優勝野球大会を運営する目的で1946年(昭和21年)に結成された全国中等学校野球連盟が母体となっている。

第二次世界大戦終結によって、1947年(昭和22年)に学制改革が実施され、旧制中等学校高等学校へ改組されると全国高等学校野球連盟と改称した。

さらに1963年(昭和38年)には文部省(現:文部科学省)から財団法人として認可され、同時に名称を改称した。

沿革

運営大会

組織構成

常任理事会と9の地区理事会で構成される全国理事会、評議員会、複数の委員会から構成。

  • 総務委員会
  • 財務委員会
  • 審議委員会
  • 審判規則委員会
  • 技術・振興委員会
  • 医科学委員会
  • プロアマ健全化委員会
  • 軟式部委員会
  • 佐伯記念国際交流委員会
  • 野球留学検討委員会
  • 選手権大会運営委員会
  • 選抜大会運営委員の仕事

歴代会長

氏名 在任時期 野球殿堂
初代 上野精一 1946年(昭和21年) - 1948年(昭和23年)
第2代 中澤良夫 1948年(昭和23年) - 1966年(昭和41年) 1991年(平成03年)
第3代 佐伯達夫 1967年(昭和42年) - 1980年(昭和55年) 1981年(昭和56年)
第4代 牧野直隆 1981年(昭和56年) - 2002年(平成14年) 1996年(平成08年)
第5代 脇村春夫 2002年(平成14年) - 2008年(平成20年)
第6代 奥島孝康 2008年(平成20年) - 2015年(平成27年)
第7代 八田英二 2015年(平成27年) - 現職

日本高野連による変革と社会貢献

  • 21世紀枠の創設による、結果だけではない努力の評価による高校球児全体への啓蒙(しかし“努力”の基準も不明瞭、との批判がある)。
  • 2003年(平成15年)の選抜大会からは新たに明治神宮大会枠希望枠を設けた。希望枠は2008年(平成20年)の選抜大会をもって廃止。
  • 2006年(平成18年)の選手権大会の始球式では、人命救助で社会貢献した久美浜高校野球部の4名を指名した[1]
  • グラウンドでプレーする部員(試合)を茶化す、パロディーなどで笑いにする、など教育の一環として行われている高校野球の目的から著しく逸脱していると判断した場合には連盟が媒体に直接抗議を行い、制作に協力した施設や事業主らに対し罰則を与えるなど、放送、出版における健全性を高める運動を行っている[2]

日本高野連に関する問題

応援への干渉

  • 1994年(平成6年)の選手権大会では、エイサーの衣装で県代表校の応援に駆け付けた者達が、「奇異」や「華美」だとして連盟から自粛を求められた。沖縄にとっての民族衣装であろうと大会にそぐわなければ警告対象になるという事であり、沖縄県民の反発の声が上がった。
  • 2001年(平成13年)の選手権大会には田中康夫長野県知事が地元の塚原青雲高校の応援に県のマスコットの着ぐるみを連れてきたが、それを中止させた。ただし、これはすでに全出場チームに禁止の通達が出されていたものであり、その通達を破った知事側に問題があるとの指摘もある。
  • 2011年(平成23年)の選手権大会では次のような出来事があった。大会直前に習志野高校(千葉)の吹奏楽部顧問教師・石津谷治法は次のように発言した。「相手校の応援団やベンチからもしょっちゅう『うるさい』と言われるが、最高の褒め言葉と思っている。相手ベンチに向けガンガンプレッシャーをかけていく。」ナインの背中を押すため、攻撃中は管楽器のベル(音が出る部分)をバッターボックスに向ける。相手校が「タイム」をかけてマウンドに集まれば、マウンドに向きを変える。石津谷によるとこれは「相手ベンチからの指示を聞こえなくしたり、マウンド上での会話をしにくくしたりする。気の弱いピッチャーなら、この爆音にやられて崩れる」とのこと。[3][4]これに対し、高野連はこれを問題視。習志野高校学校関係者や習志野高校野球部・小林徹監督を呼び出し厳重注意した。石津谷が甲子園に姿を見せることはなかった。[5]この習志野高校吹奏楽部の試合妨害問題については、高野連に対して「スタンドの生徒、吹奏楽、応援団が一体となってこその高校野球」「音で邪魔した証拠はない」と“干渉しすぎ”との意見がある。この指摘を経た2017年現在はタイムがかかった際やマウンドでの伝令の際は演奏を止めている。

ユニフォームへの干渉

  • 1999年(平成11年)の選抜大会で優勝した沖縄尚学高校のユニフォームに「文武両道」の文字が入っていたため、高野連は「好ましくない」として説明を求め、同校はユニフォームから「文武両道」の文字を外した。[6]

報道の自由への干渉

  • 読売新聞が2007年(平成19年)8月1日から8月3日にかけ、3回シリーズで連載した高野連の在り方や問題点を取り上げた特集記事「高野連ってなに?」[7]の内容について、高野連が読売新聞に対し、記事の訂正と謝罪を求めていると発表した。これに対して読売新聞では、訂正の必要はないとしている。[8]

収益

  • 選抜高等学校野球大会全国高等学校野球選手権大会の収益は大会出場校への旅費、滞在費、雑費に還元される。1校20人(選手18人、責任教師1人、監督1人)を限度とし、参加者にはその代表校の所在地から大阪までの往復普通乗車運賃(新幹線、特急、急行料金を含む)、汽船は普通二等の乗船運賃を支給。沖縄、南北北海道代表校は航空運賃が支給される。
  • 滞在費は抽選日から、その学校の試合終了した日までの日数に対し、1日1人3,000円が支払われる。前年度優勝校が全国大会に出場できなかった場合、優勝旗を返還する主将と同伴の責任教師に、規定による旅費、滞在費と滞在雑費(1人1日2,000円)が支給される。

公式戦への女性選手の出場

2012年(平成24年)時点では、規定で認めていない。しかし2008年(平成20年)、当時の渡海紀三朗文部科学大臣アメリカでは女子選手も一緒にプレーしているという事例を挙げた上で女子の公式戦出場について検討または女子の練習参加を認めるべきとの認識を示した。[9]
なお、1995年(平成7年)には全国高等学校女子硬式野球連盟という組織が別に作られ、2012年(平成24年)時点で全国で6校が加盟、全国大会も行われている。[10][11]

その他

  • 2005年(平成17年)の選手権大会において広島県代表校・高陽東高校の主将が広島市への原子爆弾投下の8月6日午前8時15分に開会式に備えて室内練習場に集合した全チームと共に黙祷をささげようと計画。8月4日に同行していた朝日新聞記者に対して他校に呼びかけて黙祷を行う意向を伝え、同社の担当部署は高野連との相談の結果「自校で黙祷することはかまわない」と学校側に返答した。記者がこれを「他校に呼び掛けることも可能」と判断し主将に伝えたが、記者の判断は高野連側には伝わっていなかった[12][13]。「大会本部の了承を得た」と理解した主将が開会式当日、ほかの代表校に呼びかけようとしたところ「全代表校に呼びかけるとの話は聞いていない」として田名部和裕参事が黙とうを制止[14]、同校の選手は待機中の列を外され、広島の方角に向かって自分たちだけで黙祷を行った(この際田名部が「原爆は広島だけのこと。この場でみんなを巻き込むのは良くない」と発言したとされたが、後にこの発言は誤報と判明[15])。選手を他校から離したことについて田名部は「落ち着かないだろうと考え、練習場の隅に案内した」と説明、朝日新聞社は社内の連絡ミスで黙祷の実現ができなかったことを謝罪した[16]。田名部は「広島のことも長崎のことも含めて、大会行事として(終戦記念日の)8月15日正午に黙祷しており、原爆の日の黙祷を全体の行事とするわけにはいかない。」との事であり確かに形式上問題は無かった。しかし、原爆の事を知識としてしか知らず実感のわかない世代が増えるにつれて、こういった黙祷は原爆の事を伝えていく上では行ってもいいのではないかとの反論が上がり、その結果高野連は2006年(平成18年)の選手権大会では原爆が投下された8時15分の前後に「静粛な時間」を設け、その間に黙祷を捧げることは任意とすることを決定した。同大会では広島代表の如水館高校が開会式前に黙祷を行った[17]
  • 2006年(平成18年)に行われた全国高等学校野球選手権秋田大会準決勝戦、本荘高校秋田高校戦で、秋田が雨天ノーゲーム狙いでの遅延行為を行い、本荘は敬遠の球を空振り三振する、試合を終了させるため3塁走者がホームスチールを仕掛けタッチアウトになるなどのプレーを行った。本荘は審判から緩慢プレーとして注意を受け、秋田県高野連は本荘への始末書の提出を求めたが秋田は処罰対象とならなかった。
  • 高野連が全国大会において過去に審判の誤審を認めた例は1984年(昭和59年)の選抜大会佐賀商業高校高島高校戦での判定1例のみである。なお、地方大会では多くの例がある。

日本高野連非加盟チーム

学校法人芦屋学園は2014年度(平成26年度)から中学・高校・大学一貫の硬式野球チーム「芦屋学園ベースボールクラブ」を創設して関西独立リーグ兵庫ブルーサンダーズ傘下の育成チームとして活動することになった[18][19][20]。日本高校野球連盟に加盟しないため甲子園大会などの公式戦への参加や高野連加盟校の野球部との試合はできないが、社会人クラブチームや専門学校チームと「チャレンジリーグ」を創設する予定で、また、プロアマ規定の適用はなく実力があれば学年を問わず関西独立リーグの試合にも出場できるという[21][22][23]

脚注

  1. 始球式は人命救助の野球部員4人 甲子園の開会式 - 第88回全国高校野球選手権大会” (2006年8月2日). . 2012閲覧. - asahi.com
  2. 岡村が高野連に“逆遺憾の意”
  3. 甲子園2011(週刊朝日2011.8.15増刊号)
  4. TBSラジオ 安住紳一郎の日曜天国「気の弱いピッチャーをビビらせる
  5. 週刊ポスト2012年8月10日号
  6. 実際には校訓などをユニホームに付けることを禁じる規定はなく(高野連が沖尚指導/「文武両道」の刺しゅうで 琉球新報1999年4月10日)、鹿児島実高校はユニフォーム左袖のエンブレム内に「不屈不撓」の文字を入れているが特に問題視はされていない。
  7. (上)憲章タテに巨大影響(中)税制優遇、収益還元(下)独自の組織論 変わるか - すべて読売新聞の記事より
  8. 高野連が読売新聞社に記事訂正求める 読売新聞サイト、2007年8月14日
  9. 2008年3月28日読売新聞
  10. http://www.girls-baseball.jp/gallery/
  11. 全国高等学校女子硬式野球連盟は日本高等学校野球連盟とは直接には全く関係が無い組織。
  12. 高陽東の原爆黙祷巡り混乱 社内連絡不備と本社が陳謝 asahi.com 2005年8月6日
  13. 高陽東の黙とうめぐりトラブル=大会主催者が関係者に謝罪 時事通信 2005年8月6日
  14. 甲子園で原爆忌の黙とうで行き違い、朝日新聞社が謝罪 読売新聞 2005年8月7日
  15. 原爆黙とう記事に誤り 高野連に謝罪、毎日新聞 47NEWS(共同通信社) 2005年8月8日
  16. 黙とう:甲子園での提案制止で田名部・高野連参事会見 毎日新聞 2005年8月7日
  17. 開会式は原爆投下の日重なる 如水館選手ら黙祷 asahi.com 2006年8月7日
  18. “芦屋学園、中高大で野球チーム独立L・兵庫傘下に”. 朝日新聞. (2013年10月3日). http://www.asahi.com/edu/articles/OSK201310030033.html . 2013閲覧. 
  19. “芦屋学園が独立リーグと連携=高野連に加盟せず-野球”. 時事通信. (2013年10月3日). http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013100200865 . 2013閲覧. 
  20. “兵庫BS芦屋学園に育成チームを開設へ”. デイリースポーツ. (2013年10月3日). http://www.daily.co.jp/hsbaseball/2013/10/03/0006389800.shtml . 2013閲覧. 
  21. “芦屋学園、中高大で野球チーム独立L・兵庫傘下に”. 朝日新聞. (2013年10月3日). http://www.asahi.com/edu/articles/OSK201310030033.html . 2013閲覧. 
  22. “芦屋学園が独立リーグと連携=高野連に加盟せず-野球”. 時事通信. (2013年10月3日). http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013100200865 . 2013閲覧. 
  23. “兵庫BS芦屋学園に育成チームを開設へ”. デイリースポーツ. (2013年10月3日). http://www.daily.co.jp/hsbaseball/2013/10/03/0006389800.shtml . 2013閲覧. 

関連項目

外部リンク

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