曲率形式

提供: miniwiki
移動先:案内検索

微分幾何学では、曲率形式(curvature form)は、主バンドル上の接続形式曲率を記述する。リーマン幾何学では、曲率形式は、リーマン曲率テンソルの代行物か一般化と考えることができる。

定義

G をリー代数 [math]\mathfrak g[/math] をもつリー群とし、P → B を主 G-バンドルとする。P 上のエーレスマン接続English版(Ehresmann connection)を ω とする。(エーレスマン接続は、P 上の [math]\mathfrak g[/math] に値を持つ 1-形式である。)

すると、曲率形式は P 上の [math]\mathfrak g[/math] に値を持つ 2-形式であり、

[math]\Omega=d\omega +{1\over 2}[\omega,\omega]=D\omega[/math]

により定義される。

ここで、[math]d[/math]外微分を表し、[math][\cdot,\cdot][/math][math][\alpha \otimes X, \beta \otimes Y] := \alpha \wedge \beta \otimes [X, Y]_\mathfrak{g}[/math] により定義され、D は共変外微分English版(exterior covariant derivative)である。別な表現をすると、

[math]\,\Omega(X,Y)=d\omega(X,Y) + [\omega(X),\omega(Y)] [/math]

である。

ベクトルバンドルの曲率形式

E → B をベクトルバンドルとすると、ω を 1-形式の行列とも考えることができるので、上の式は構造方程式

[math]\,\Omega=d\omega +\omega\wedge \omega [/math]

となる。ここに [math]\wedge[/math]ウェッジ積とする。さらに詳しくは、[math]\omega^i_{\ j}[/math][math]\Omega^i_{\ j}[/math] で、それぞれ ω と Ω の成分を表すとすると(各々の [math]\omega^i_{\ j}[/math] は通常の 1-形式で、各々の [math]\Omega^i_{\ j}[/math] は通常の 2-形式である)、

[math]\Omega^i_{\ j}=d\omega^i_{\ j} +\sum_k \omega^i_{\ k}\wedge\omega^k_{\ j}[/math]

となる。

例えば、リーマン多様体接バンドルに対して、構造群は O(n) であり、Ω は O(n) のリー代数に値をもつ 2-形式であり、反対称行列である。この場合には、曲率形式 Ω は曲率テンソルで記述すると、 [math]\,R(X,Y)=\Omega(X,Y),[/math] となる。

ビアンキ恒等式

[math]\theta[/math] が標構バンドル上のベクトルに値を持つ標準 1-形式であれば、接続形式 [math]\omega[/math]トーション [math]\Theta[/math] は、ベクトルに値を持つ 2-形式で、次の構造方程式によって定義される。

[math]\Theta=d\theta + \omega\wedge\theta = D\theta.[/math]

ここに、上記のように、D は共変外微分English版(exterior covariant derivative)である。

第一ビアンキ恒等式は、

[math]D\Theta=\Omega\wedge\theta[/math]

であり、第二ビアンキ恒等式は、

[math]\, D \Omega = 0 [/math]

で、より一般的な主バンドルのに任意の接続に対して有効である。

参考文献

関連項目