東京メトロ南北線

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南北線(なんぼくせん)は、東京都品川区目黒駅から北区赤羽岩淵駅を結ぶ東京地下鉄(東京メトロ)が運営する鉄道路線鉄道要覧における名称は7号線南北線である。

路線名の由来は、東京を南北に貫くことから。車体および路線図や乗り換え案内で使用されるラインカラーは「エメラルド」(#00ada9)、路線記号はN

概要

1968年昭和43年)の都市交通審議会答申第10号において、東京7号線は、「目黒方面より飯倉片町永田町市ケ谷駒込及び王子の各方面を経て赤羽方面に至る路線」として示された。1972年(昭和47年)の答申第15号では、将来の検討対象とされていた埼玉方面への延伸区間が川口市中央部浦和市東部間と改められた。その後1985年(昭和60年)の運輸政策審議会答申第7号では、目黒 - 清正公前(現:白金高輪駅)間を都営三田線と共用するものとされ、また埼玉県内は鳩ヶ谷市中央経由で東川口から浦和市東部へと変更された。このうち、目黒 - 赤羽岩淵間が南北線として順次開業しており、また赤羽岩淵 - 浦和美園間は埼玉高速鉄道線として開業している。

7号という路線番号が示すように、計画そのものは1960年代になされていたが、着工は大幅に遅れ、1991年平成3年)に部分開業、2000年(平成12年)に全線開業した。後発路線のため、全体的に地中深い駅が多いのが特徴である。

当初の建設計画では第1期工事区間を駒込 - 赤羽岩淵間、第2期工事区間を目黒 - 駒込間としていたが、第2期工事区間を溜池山王 - 駒込間(その1)、目黒-溜池山王間(その2)に分割したため、実際は3区間に分けて建設された。第1期区間は順調に建設がされたが、第2期区間は埋蔵文化財の発掘や住民の反対運動で建設は遅れ、当初の全線開業予定の1995年(平成7年)9月から2000年(平成12年)9月へと大きく延期されることとなった[1]

また、第2期開業にあたっては駒込駅 - 溜池山王駅までを一気に開業させる予定であった。しかし、銀座線の新駅設置工事や丸ノ内線千代田線の既設路線交差部において難工事となったため、工期に時間を要することとなった。

本路線の建設費用は総額5,604億円である。内訳は土木関係費が4,136億4,517万9,000円、電気関係費が590億8,743万6,000円、車両関係費が302億4814万円、その他が574億1,924万5,000円となっている。

本路線の路線名称は営団地下鉄職員より社内公募を行ったもので、応募は3,830通(341線名)があった。選考の結果、「南北線」が1,741通と約半数を占め、また本路線が地理上から、ほぼ南北に貫通していること、東西線に対比して南北方向の路線として最もふさわしい路線名称であることから「南北線」という路線名称が選ばれた。

飯田橋駅 - 永田町駅間では有楽町線と並行しているが、有楽町線が麹町経由であるのに対して南北線は四ツ谷経由であることが異なっている。

路線データ

テンプレート:東京メトロ南北線路線図

新しい技術の導入

本路線の建設にあたっては、社会環境の大きな変化から、地下鉄の建設は経済性や採算性だけでは時代に合わなくなってきていることから「21世紀を指向する便利で快適な魅力ある地下鉄」を目指し、「7号ビジョン」と呼ばれる新しいコンセプトを基に建設をした[1]

この7号ビジョンとしては「利便性の向上・快適性の向上」・「ワンマン運転の実施」・「ホームドアの設置」・「建設費・運営費の削減」を目指したものとした。

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六本木一丁目駅のホームドア

前述のコンセプトに基づき、全線でATOによる自動運転とワンマン運転を実施しており、全駅にホームドアシステムを装備する。2015年現在東京地下鉄では唯一の天井までほぼ完全にホームを被う半密閉式フルスクリーンタイプ(ナブテスコ[2])を採用した路線である[3]。ただし東急管理の目黒駅のみ目黒線や東京メトロ他線と同様に可動式ホーム柵(京三製作所[4])を採用している。

このホームドアの開口幅は、ATO装置の定位置停止精度が前後 350 mm としていることから、最大の誤差を考慮した車両のドア幅 (1,300 mm) より 700 mm 広い 2,000 mm としている。

ファイル:P1000260.JPG
乗務員用扉付近のホームドア

ホームドアの開閉は左右扉がおのおのスライドする。ただし、先頭および最後尾車両の乗務員室寄りのドア片側は乗務員用扉との干渉を防ぐため2段スライドし開扉時の収納幅が約半分となる。各駅のプラットホームは、将来の8両化に対応できるよう延長 170 m が確保されている。ただし、現時点で不要な2両分のホームは使用せず、壁としている駅もある。

白金台・白金高輪・溜池山王・永田町の各駅は8両分設置済みだが、これ以外の駅は6両分しか設置されていない。そのため、未使用部分が後楽園王子の両駅は赤羽岩淵寄り、その他の駅は目黒寄りにあり、ホームドアの設置スペースと非常開ボタン(一部の駅のみ)が準備されているが、壁によって仕切られているため、立入りはできない(ただし、市ケ谷駅はエレベーター通路のみ使用している)。

本路線の変電所は7か所で(ただし、1か所は将来の8両化時に設置)、将来的に予定されている8両編成による2分30秒運転にも対応できる[1]。変電所は赤羽岩淵・王子・駒込・新後楽園・新四ツ谷・東六本木・白金があり、このうち王子・新四ツ谷・白金変電所には営団初の電力回生用インバータを設置している。

南北線の最初の区間である駒込 - 赤羽岩淵間の開業時、他の営団地下鉄路線と全く連絡のない独立路線だったため、前述の都内の地下鉄では初めてのワンマン運転・ホームドア設置に加え、各種の実験的な試みがなされている。後のパスネットの基となるプリペイド乗車カードNSメトロカード」(1996年に「SFメトロカード」へ移行)を当初から導入した[5]

ファイル:東京メトロ南北線 東大前駅 ふれあいコーナー.JPG
東大前駅構内にある「ふれあいコーナー」

また、赤羽岩淵・志茂・王子・駒込の各駅では「ふれあいコーナー」を設け、休憩用の椅子やテーブル、給茶機を設置して、お茶が自由に飲めるようになっていた。その後の路線延伸で、本駒込・東大前・市ケ谷・溜池山王・麻布十番の各駅においても同様のスペースが設けられたが、現在は本駒込・東大前・溜池山王の3駅にしかなく、給茶機も撤去されている。

路線建設

各駅区間は泥水加圧式シールド工法で建設されており、ほとんどの区間が複線シールド構造を採用しているが、一部区間では単線シールド構造を採用している。また、駅部は基本的に開削工法によって建設されているが、白金台駅および永田町駅は駅シールド工法によって建設された。永田町駅はメガネ形駅かんざし桁工法と呼ばれる単線シールドトンネル間にホームを建設し、「かんざし桁」を用いて両ホームを接続する工法を用いている。

特に白金台駅および麻布十番駅付近の建設ではシールドトンネル掘削において「世界初」、「世界最大」となる技術を採用した。

白金台駅の建設では世界初となる「着脱式泥水三連型駅シールド工法」を採用した。これは白金高輪駅 - 白金台駅にある白金換気所の立坑から複線シールドトンネルを掘削し、白金台駅部手前で両端に駅シールドマシンを装着し、三連形駅シールド機に改造して白金台駅部を掘削、駅終端部で複線シールド機に復元し、また複線シールド機として次の目黒駅まで掘削するものである。

また、白金高輪駅 - 麻布十番駅の掘削では複線の本線と留置線(麻布十番駅付近にある留置線・3線区間 363.8 m)を3線同時に掘削する大断面シールド工事に世界最大(当時)の「抱き込み式親子泥水シールド工法」を採用した。これは3線シールド機(親機・外径 14.18 m)に複線シールド機(子機・外径 9.70 m)を内蔵したもので、麻布十番駅付近の留置線を3線シールド機で掘削し、その後は子機を使用した複線シールド機により白金高輪駅まで掘削を行うものである。

この2つの技術を採用したことで、経済性に優れ、また環境保全対策に優れたものとして社団法人土木学会より平成10年度技術賞を受賞し、高く評価された[1]

沿革

  • 1962年(昭和37年)10月16日 第7号線、目黒 - 赤羽町間、約 22.5 km の地方鉄道敷設免許を申請。
  • 1972年(昭和47年)10月24日 1962年(昭和37年)に申請した区間の経由地を一部変更する免許申請の追伸がされる。
  • 1983年(昭和58年)3月31日 既申請区間を目黒 - 岩淵町間21.0キロに変更して免許申請の追伸をする。
  • 1984年(昭和59年)4月20日 第7号線、目黒 - 岩淵町間の地方鉄道免許が交付される[5]
  • 1986年(昭和61年)
    • 1月21日 駒込 - 岩淵町間の建設工事が認可[5]
    • 2月1日 駒込 - 岩淵町間の建設工事に着手[5]
  • 1988年(昭和63年)8月5日 溜池 - 駒込間の建設工事が認可[5]
  • 1989年(平成元年)4月5日 溜池 - 駒込間の建設工事に着手[5]
  • 1991年(平成3年)
    • 4月5日 目黒 - 溜池間の建設工事が認可[5]
    • 6月27日 第7号線を「南北線」という路線名称にすることを発表[5]
    • 7月1日 第7号線を「南北線」という路線名称に決定。
    • 11月22日 目黒 - 溜池間の建設工事に着手。
    • 11月29日 駒込 - 赤羽岩淵間 (6.3 km) 開業[5]。9000系4両編成での運転[5]
  • 1993年(平成5年)8月27日 - 台風11号による集中豪雨により建設中の市ヶ谷駅構内が冠水する[6]
  • 1995年(平成7年)3月20日 - 地下鉄サリン事件の影響で午前の運転を休止、午後から再開。
  • 1996年(平成8年)
  • 1997年(平成9年)9月30日 溜池山王 - 四ツ谷間 (2.2 km) 開業[9]
  • 2000年(平成12年)9月26日 目黒 - 溜池山王間 (5.7 km) 開業(全線開通)[10]東京急行電鉄(東急)目黒線と相互直通運転開始[10]
    • これに伴うダイヤ改正は9月22日に実施され、9月25日までは「予行運転」として新規開業区間は回送列車として運転。そのため9月22日より9000系が目黒線の営業列車に、東急3000系が南北線の営業列車にそれぞれ使用開始。
  • 2001年(平成13年)
    • 3月28日 埼玉高速鉄道線と相互直通運転開始。
  • 2004年(平成16年)4月1日 帝都高速度交通営団の民営化により東京地下鉄(東京メトロ)に承継。
  • 2008年(平成20年)6月22日 東急目黒線武蔵小杉 - 日吉間延伸開業に伴って、相互直通運転を日吉まで延長。
  • 2015年(平成27年)3月10日 - 3月13日 全駅統一で使用されていた発車サイン音を、白金台 - 赤羽岩淵間各駅でそれぞれ異なるものへ変更(白金台駅・白金高輪駅の都営三田線列車および赤羽岩淵駅の埼玉高速鉄道線列車を含む)[11]

運賃計算の特例

目黒 - 白金高輪間は東京都交通局が第二種鉄道事業者となり、都営三田線と共用で営業している。このため、運賃計算方法も同区間については東京地下鉄・東京都交通局間の協議により以下のように定められている。

  1. 目黒駅 - 白金高輪駅 - 麻布十番駅以遠
    • 東京メトロの定める運賃による
  2. 目黒駅 - 白金高輪駅 - 三田駅以遠
  3. 目黒駅 - 白金高輪駅相互間の場合
    • 東京メトロ・都営地下鉄のうち利用者に有利な扱いをする特定区間となっており、現行ではより低額な東京メトロの運賃表を一律に適用している。また、定期券回数券は当該区間に通用するものを両者で同額により発行している。また、白金高輪 - 目黒間は都営三田線の一部として、「東京都シルバーパス」「都営まるごときっぷ」などの都営地下鉄に利用可能な乗車券で乗車できる(他の東京メトロ線には不適用)。

運行形態

目黒駅から東急目黒線日吉駅まで、赤羽岩淵駅から埼玉高速鉄道線(埼玉スタジアム線)の浦和美園駅までそれぞれ相互直通運転を実施している。また、先述の通り白金高輪駅 - 目黒駅間は都営三田線との共用区間のため、三田線の列車も走行する。そのため、白金高輪駅発着の電車は同駅で都営三田線の東急目黒線直通電車と接続するようになっており、また逆の列車もある。

2006年9月25日より東急目黒線直通列車の一部が東急線内にて急行列車としての運行を開始したが、その後も南北線(および相互直通運転をしている埼玉高速鉄道線)内は全列車が各駅停車となっている。なお、南北線内での種別表示については目黒方面行きの急行列車のみ行われ、当初は各駅停車においては行先のみ表示されていたが、2018年頃より一部列車で「各停」「各駅停車」と表示するようになった。

2009年6月6日より埼玉高速鉄道線の日中ダイヤがパターン化されたことに伴い、日中は鳩ヶ谷駅・浦和美園駅発着の列車が交互に運転されるようになった。また、これに伴い、日中に鳩ヶ谷駅発着の急行列車が運転されるようになった。

2017年3月25日より夜間の列車を中心に埼玉高速鉄道線に直通せずに赤羽岩淵駅で目黒方面に折り返す運用が数往復設定され、その後2018年3月30日より日中時間帯の一部列車にも赤羽岩淵駅で目黒方面へ折り返す運用が増えた。

6両編成化など

四ツ谷駅延伸開業を控えた1996年(平成8年)2月3日日曜日(休日ダイヤ運転日)より4両編成から6両編成での運転を開始した。

当時の駒込駅 - 赤羽岩淵駅間のダイヤでは休日ダイヤでの運用本数が最も少なく、終日4本運用であった。そこで、2月3日から新規開業用に6両編成で新製した第09 - 13編成と4両から6両編成化した予備車両を用いて営業線用の車両を6両編成に置き換え、4両編成の車両は6両編成化の組み換え後に、順次営業運転に復帰させるという形がとられた。

なお、当初の予定では目黒駅への延伸開業時に8両編成化をする計画であった[12][13]。しかし、当初の利用者数の見込みが53万人であったのに対し、全線開業時の利用者数が半分以下の26万人程度と想定を大きく下回った[12]ため、8両化に難色を示し、需要動向や運転計画の見直しを行い、当面は6両編成で運用することとなった[14]。なお、8両編成化は今後の需要動向および神奈川東部方面線との絡み(および相模鉄道〈相鉄〉への相互直通運転)から検討を進めることとなった[1](相鉄では全列車が8両および10両編成であり、6両編成の列車が設定されておらず、また6両固定編成を1編成も所有していない数少ない大手私鉄となっている[15])が、2018年7月の時点では南北線の8両編成化の計画は、同年6月に8両編成化を決定し、相鉄との直通運転を構想から計画へと一段進めた都営地下鉄三田線と共用する白金高輪駅および白金台駅を除き存在していない。

臨時列車など

主に行楽日となる休日を中心に臨時列車みなとみらい号」が横浜高速鉄道みなとみらい線元町・中華街駅と埼玉高速鉄道線浦和美園駅の間に運転されていた。これには東急5080系が運用に就き、東京地下鉄の9000系は運用されていない(2007年春の運転分までは埼玉高速鉄道2000系が充当された)。

2006年8月運転分までの停車駅は、当線と埼玉高速鉄道線・東急目黒線内が各駅停車、東横線とみなとみらい線が急行運転だったが、目黒線が急行運転を開始した後の同年12月運転分からは当線と埼玉高速鉄道線内が各駅停車、東急目黒線・東横線とみなとみらい線内が急行運転になった。

なお、2005年2月11日に都営三田線高島平駅から「みなとみらい号」が運転された際には、王子神谷駅 - 白金高輪駅間で接続臨時列車「みなとみらいリレー号」が9000系を使用して運転された。

また、2006年まで東京湾大華火祭の開催日にも有楽町線新木場駅へ直通する臨時列車「レインボー号」が運転されていたが、こちらは9000系の転落防止器具取り付け車が運用にあたっていた。

埼玉スタジアム2002Jリーグの試合やFIFA(国際サッカー連盟)主催サッカー国際試合が開かれる際は、通常鳩ヶ谷駅発着の列車を浦和美園駅発着への変更、浦和美園駅発の市ケ谷駅や麻布十番駅で折り返す臨時列車の増発が行われる。

車両

自社車両

  • 9000系
    • 車両は独自の乗降促進音(発車サイン音)と2段表示式LEDによる車内案内表示装置(半蔵門線08系や7000系副都心線対応車でも採用)を持つため、東京地下鉄の中でも特殊な存在となっている。なお、5次車の車内案内表示装置に関しては10000系と同じく液晶ディスプレイ (LCD) に変更した(ただし、ドア1か所あたりに案内用の1台のみで、広告用は未設置)。
    • 東急目黒線が東急東横線と並走する田園調布駅 - 日吉駅間では、東横線に乗り入れる副都心線用車両(7000系・10000系)と顔を合わせるシーンが見られる。なお、東横線が日比谷線との相互直通運転を行っていた2013年3月15日までは、日比谷線用の03系と顔を合わせるシーンも見られた。

乗り入れ車両

共用区間走行車両

  • 東京都交通局(都営地下鉄)

列車番号と車両運用

どの列車がどの車両で運転されるかは列車番号で判別できるようになっており、列車番号末尾アルファベットの「S」が東京地下鉄車両(30S - 78Sの偶数番号)、「M」が埼玉高速車両(80M以降の偶数番号)、「K」が東急車両(01K - 29K)となっている(「T」は都交通局車両で31T以降の奇数)。また、列車番号が6桁の数字で組み立てられる目黒線内では上3桁が運用番号を表し、300番台は東京地下鉄車両、500番台は埼玉高速車両、200番台は東急車両となっており(400番台は都交通局車両)、例えば「30S」は目黒線内は「330」となる。一般の利用者は列車番号を『MY LINE 東京時刻表』(交通新聞社)の列車番号欄で確認することができる。

なお、東急車両の運用は三田線運用と南北線・埼玉高速線運用とで別々に組まれ、奇数番号が三田線運用、偶数番号が南北線・埼玉高速線運用となっている。また各社局間の走行距離調整の関係上、埼玉高速車両と東急車両は目黒線に乗り入れない列車(白金高輪折り返しなど)にも使用されている。

また2015年3月改正ダイヤでは、東京地下鉄車両は1本が東急の奥沢車庫で夜間留置となる「外泊運用」が組まれている。

駅一覧

BYR color wheel.svg この節ではを扱っています。閲覧環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。
  • 駅番号はA線方向(目黒から赤羽岩淵の方向)に増加。
  • 色はステーションカラーを示す(目黒駅を除く)。
  • 駅所在地はすべて東京都内。


駅番号 駅名 駅間キロ 累計キロ 接続路線 所在地
N-01 - 目黒駅[* 1] - 0.0 東京急行電鉄MG 目黒線 (MG01)(日吉駅まで直通運転)
都営地下鉄三田線 三田線 (I-01)(共用)
東日本旅客鉄道JY 山手線 (JY 22)
品川区
N-02   白金台駅[* 2] 1.3 1.3 都営地下鉄:三田線 三田線 (I-02)(共用) 港区
N-03   白金高輪駅[* 2] 1.0 2.3 都営地下鉄:三田線 三田線 (I-03)(改札内連絡)
N-04   麻布十番駅 1.3 3.6 都営地下鉄:大江戸線 大江戸線 (E-22)
N-05   六本木一丁目駅 1.2 4.8  
N-06   溜池山王駅 0.9 5.7 東京地下鉄銀座線 銀座線 (G-06)(改札内連絡)、
丸ノ内線 丸ノ内線国会議事堂前駅:M-14)・千代田線 千代田線(国会議事堂前駅:C-07)
千代田区
N-07   永田町駅 0.9 6.6 東京地下鉄:有楽町線 有楽町線 (Y-16) ・半蔵門線 半蔵門線 (Z-04)、
銀座線 銀座線(赤坂見附駅:G-05)・丸ノ内線 丸ノ内線(赤坂見附駅:M-13)
N-08   四ツ谷駅 1.3 7.9 東京地下鉄:丸ノ内線 丸ノ内線 (M-12)
東日本旅客鉄道:JC 中央線(快速)(JC 04)・ JB 中央・総武線(各駅停車)(JB 14)
新宿区
N-09   市ケ谷駅 1.0 8.9 東京地下鉄:有楽町線 有楽町線 (Y-14)
都営地下鉄:新宿線 新宿線 (S-04)
東日本旅客鉄道:JB 中央・総武線(各駅停車)(JB 15)
N-10   飯田橋駅 1.1 10.0 東京地下鉄:東西線 東西線 (T-06)(改札外連絡) ・有楽町線 有楽町線 (Y-13)
都営地下鉄:大江戸線 大江戸線 (E-06)
東日本旅客鉄道:JB 中央・総武線(各駅停車)(JB 16)
N-11   後楽園駅 1.4 11.4 東京地下鉄:丸ノ内線 丸ノ内線 (M-22)
都営地下鉄:三田線 三田線(春日駅:I-13)・大江戸線 大江戸線(春日駅:E-07)
文京区
N-12   東大前駅 1.3 12.7  
N-13   本駒込駅 0.9 13.6  
N-14   駒込駅 1.4 15.0 東日本旅客鉄道:JY 山手線 (JY 10) 豊島区
N-15   西ケ原駅 1.4 16.4   北区
N-16   王子駅 1.0 17.4 東日本旅客鉄道:JK 京浜東北線 (JK 36)
東京都交通局SA 都電荒川線(東京さくらトラム)王子駅前停留場:SA 16)
N-17   王子神谷駅 1.2 18.6  
N-18   志茂駅 1.6 20.2  
N-19   赤羽岩淵駅[* 2] 1.1 21.3 埼玉高速鉄道SR 埼玉高速鉄道線(埼玉スタジアム線)(SR19)(浦和美園駅まで直通運転)
  1. 目黒駅は他社接続の共同使用駅で、東京急行電鉄の管轄駅である。
  2. 2.0 2.1 2.2 白金台駅・白金高輪駅・赤羽岩淵駅は他社接続の共同使用駅で、東京地下鉄の管轄駅である。

車両搬入と連絡線

本路線最初の区間(駒込駅 - 赤羽岩淵駅)の開業時には、他路線との接続がないことから、9000系車両は最初に綾瀬検車区に搬入し、受取検査・整備等を実施、その後千代田線で性能確認のための試運転を実施した。

そして、綾瀬検車区よりトレーラー王子検車区まで道路輸送をし、同検車区でクレーンを用いて地下の南北線へと搬入された。(4両編成で搬入された第01 - 08編成が該当する)営団地下鉄で、道路輸送・クレーンによる地下への車両搬入は1964年(昭和39年)に東西線の最初の開業区間である高田馬場 - 九段下間開業時以来、27年ぶりである。なお、1995年以降に増備された2次車以降は次に述べる連絡線を経由して搬入された。

市ケ谷駅の四ツ谷寄りに有楽町線との連絡線が存在する。南北線や埼玉高速鉄道の車両が点検整備のために新木場CRや、さらに有楽町線桜田門駅から千代田線霞ケ関駅へ向かう連絡線を経て綾瀬工場へ向かう場合に使われる。また、東京湾大華火祭での新木場行臨時列車や半蔵門線8000系車両の新木場CRへの回送にも利用される。東急東横線副都心線の直通運転開始前の関連各社の試運転用車両の回送も、この連絡線を介して行われた[16]

2007年11月30日12月7日放送のテレビ朝日の番組『タモリ倶楽部』では、9000系による特別列車「タモリ倶楽部号」として王子検車区から有楽町線・千代田線を経由して綾瀬工場まで走らせる企画を放送したが、その際にこの連絡線が紹介されている。

発車サイン音

南北線では開業時から発車サイン音を使用しており、当初はA線・B線で統一されていた。2015年3月10日から13日にかけて、各駅ごとにその駅周辺の地域をイメージした異なる発車サイン音に変更された(東急が管理している目黒駅を除く)[11]

各駅の曲名は以下の通り。

駅名 A線(赤羽岩淵方面) B線(目黒方面)
白金台駅 1:銀のしずく 2:テラコッタ
白金高輪駅 1:つかの間の(都営三田線西高島平方面)
2:躍動する都会(南北線赤羽岩淵方面)
3:エメラルド・グリーン(南北線側ホーム)
4:素敵なお店(都営三田線側ホーム)
麻布十番駅 1:ミントベル 2:カリンの実
六本木一丁目駅 1:さざ波 2:陽だまり
溜池山王駅 3:poco a poco 4:天然水
永田町駅 5:明日への階段 6:希望の夜明け
四ツ谷駅 3:午後のひととき 4:ソフィアの鐘の音
市ケ谷駅 3:明るい水辺 4:オアシス
飯田橋駅 5:坂のある街 6:水の戯れ
後楽園駅 3:Take Me Out to the Ball Game(A) 4:Take Me Out to the Ball Game(B)
東大前駅 1:花咲く学び舎 2:銀杏の並木道
本駒込駅 1:Next Step 2:屋敷のある街
駒込駅 1:ビスマス 2:ツツジ、咲く
西ケ原駅 1:桜並木を望んで 2:風のゆくえ
王子駅 1:地図を広げて 2:ノッカー
王子神谷駅 1:小さなオルゴール 2:いつもの駅で
志茂駅 1:時のしらべ 2:月は南に
赤羽岩淵駅 1:ティー・スプーン 2:リズムガーデン
  • 上表の数字は各駅の番線を表す。

各駅の発車サイン音のイメージコンセプトは以下の通り。

  • 白金台駅 - 永田町駅 : 大使館が多く国際的な雰囲気があり、都会的なスタイリッシュさをイメージ。
  • 四ツ谷駅 - 東大前駅(後楽園駅を除く) : 大学・高校・神社などが多く、緑豊かな都心をイメージ。
  • 後楽園駅 : 東京ドームの最寄駅であることから、野球にちなんだ楽曲を採用。
  • 本駒込駅 - 赤羽岩淵駅 : 桜、バラ、宿場町、川、江戸から近代への歴史をイメージ。

延伸計画(都心部・品川地下鉄構想)

東京7号線としての南北線は既に全線開業しているが、白金高輪駅 - 品川駅を結ぶ「都心部・品川地下鉄構想」があり、南北線との直通が想定されている。

2014年7月、東京都が公表した「品川駅田町駅周辺まちづくりガイドライン2014」では、品川駅を東西に貫く鉄道新線を検討することが盛り込まれた[17]

2015年7月10日、東京都は「広域交通ネットワーク計画について ≪交通政策審議会答申に向けた検討のまとめ≫」[18]を発表。その中の「整備について検討すべき路線」のひとつとして、「都心部・品川地下鉄構想」が盛り込まれた[19]。当時の東京都知事舛添要一は、「都市集積の進む品川と都心部との間はあまり便利が良くないので、それを結ぶ路線を今後検討すべき路線として抽出した」[20]と説明している。

2016年4月20日、国土交通省交通政策審議会による答申「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について[21]では、「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」として取り上げられている。

東京メトロは、2015年7月には東京新聞の取材に対して、「近隣にある南北線の他の駅はトンネル構造上、分岐が難しい。白金高輪止まりとなっている電車を品川へ流すことができるので、運行面も合理的な場所だ」[22]とコメントしている。一方で、答申発表後の日本経済新聞の取材には「新線の整備に関して、大きなリスクを負う整備主体にはなりえない」ともコメントしている[23]。今後の新線開業については、東京メトロ発足当時は、副都心線以降は行わない方針であったが、2017年に就任した第3代社長の山村明義は「今後新線建設に対する協力を求められる場合には、東京地下鉄の都市鉄道ネットワークの一部を構成する事業者としての立場から、当社の経営に悪影響を及ぼさない範囲内において行う」という方針であるとも語っており、この都心部・品川地下鉄構想からの新線建設の再開を示唆している[24]

なお、現時点では白金高輪駅 - 品川駅間の地下鉄の路線の運営主体は、南北線の支線として東京メトロでの運営とするのか、または三田線の支線として東京都交通局での運営とするのか、あるいは白金高輪駅 - 目黒駅間と同様に共用区間とするのかまでは未定である。

その他

  • 半蔵門線と同じく線内に地上区間が存在せず、すべての駅が地下にある。この2路線以外の東京メトロの路線はどの路線にも地上駅が最低1つはある[25]
  • 目黒以外の各駅に6色のステーションカラーを3駅ずつ配置し、それをホームドア、エスカレーターのベルト、メディアウォール(駅ごとにテーマが異なる)、ベンチ(折り畳み式)などに配色している。配置駅は、黄色が白金台・四ツ谷・駒込、橙色が白金高輪・市ケ谷・西ケ原、赤色が麻布十番・飯田橋・王子、紫色が六本木一丁目・後楽園・王子神谷、青色が溜池山王・東大前・志茂、緑色が永田町・本駒込・赤羽岩淵である。なお、これらのステーションカラーの配色は原色・中間色・原色・中間色・原色の順となる。(例:白金台(黄色)白金高輪(橙色)麻布十番(赤色)六本木一丁目(紫色)溜池山王(青色)…)
  • 1994年の開業3周年記念イベントでは、南北線専用の一日乗車券として「南北線3周年フリーきっぷ」という特別企画乗車券が発売された。

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 帝都高速交通営団「東京地下鉄道南北線建設史」参照。
  2. ナブコ プラットホームドアシステム
  3. 他社の地下鉄路線での採用例は1997年に開業した京都市営地下鉄東西線のみである。
  4. 株式会社 京三製作所 2009年3月期決算説明会 (PDF)
  5. 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9 『鉄道ジャーナル』通巻414号、p.144
  6. 『帝都高速度交通営団史』 東京地下鉄株式会社、2004-12。
  7. 鉄道ファン2004年9月号参照。
  8. 『鉄道ジャーナル』通巻414号、p.145
  9. 「営団地下鉄南北線 四ッ谷-溜池山王間延伸開業」、『鉄道ファン』第37巻第12号、交友社1997年12月、 69-71頁。
  10. 10.0 10.1 “営団南北線・都営三田線 目黒延伸、全線が開業”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2000年9月27日) 
  11. 11.0 11.1 南北線の発車メロディをリニューアル! (PDF)
  12. 12.0 12.1 “6両か、8両か 都と営団が対立 地下鉄2線の目蒲線乗り入れ”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 15(夕刊). (1999年6月5日) 
  13. YOKOHAMA NAVYBLUE TRAIN相模鉄道20000系が2月11日にデビュー - @DIME、2018年2月2日発信。
  14. 東急側と東京都交通局側は8両編成化をこの時主張したが、営団側は輸送人員の伸び悩みを、埼玉高速鉄道側はそれに加えて財政的事情から8両編成化に難色を示し、議論の結果、当面は6両編成で東急目黒線に乗り入れることとなった。
  15. 6両固定編成では暫定も含めて、他には2003年より京阪、2017年より西鉄でも存在しなくなった。
  16. 東急東横線・東京メトロ副都心線相互直通運転に向けた車両改修ならびに各種確認試験について東京急行電鉄株式会社 鉄道事業本部運転車両部車両課 前野良輔の『鉄道車両工業』467号への寄稿
  17. 東京大改造「新東京」名乗るのは品川か新駅か (2/4)”. 日経コンストラクション. 日経BP (2014年8月27日). . 2016閲覧.
  18. 広域交通ネットワーク計画について ≪交通政策審議会答申に向けた検討のまとめ≫”. 東京都. . 2016閲覧.
  19. “都が新しい地下鉄構想 臨海部発と品川発の2路線”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2015年7月11日). http://www.asahi.com/articles/ASH7B5F07H7BUTIL02T.html . 2016閲覧. 
  20. 知事の部屋/記者会見(平成27年7月10日)”. 東京都 (2015年7月10日). . 2016閲覧.
  21. 東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(答申) (PDF)”. 東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会. 国土交通省 (2016年4月20日). . 2016閲覧.
  22. 東京新聞2015年7月11日付朝刊1面
  23. “オリパラSelect 品川に初の地下鉄 六本木と結びにぎわい創出 首都圏鉄路、交通審答申から(4)”. NIKKEI STYLE (日本経済新聞社・日経BP). (2016年5月26日). http://style.nikkei.com/article/DGXMZO02229140S6A510C1L83000?channel=DF220420167266 . 2016閲覧. 
  24. 東京メトロの山村明義社長が課題や方針を語る「私も地下で迷う」 - ライブドアニュース、2017年9月4日6時0分発信、2018年4月22日閲覧。
  25. ただし、副都心線の地上駅は有楽町線との共用区間の和光市駅であり、単独区間(小竹向原 - 渋谷間)に限れば副都心線も地上駅は存在しないことになる。

参考文献

  • 「MY LINE 東京時刻表」各号(交通新聞社)
  • 帝都高速度交通営団「東京地下鉄道南北線建設史」
  • 交通新聞社「鉄道ダイヤ情報」2001年2月号 - 特集「東京急行電鉄2001」
  • 交友社鉄道ファン」2004年9月号 - 特集「東京メトロ」
  • 鉄道ジャーナル社鉄道ジャーナル」2010年11月号
  • 佐藤信之、2001、「◎鉄道・軌道整備に対する助成制度の概要◎事例紹介28 東京を貫く11番目の地下鉄路線 帝都高速度交通営団南北線について」、『鉄道ジャーナル』(通巻414号)、鉄道ジャーナル社、2001年4月 pp. 144-146

関連項目

外部リンク

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