横浜ゴム

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横浜ゴム株式会社(よこはまゴム、英文社名 : The Yokohama Rubber Co., Ltd.)は、古河グループタイヤゴムメーカー。2016年度のタイヤ販売額シェアで、日本国内ではブリヂストン住友ゴムに次いで第三位。世界では第八位である。[1]

ヨコハマタイヤのブランド名で知られる。ドイツコンチネンタルタイヤの販売元のひとつ(かつては総輸入元でもあったが同社の日本法人設立に伴い、販売代理店となる)。

主なブランド

自動車用タイヤ

乗用車用

  • ADVAN(アドバン)
    • 当初はレース指向のタイヤブランドであったが後の同社のブランド戦略により現在は以前のASPECやAVSに相当するコンフォート系やトータルバランス系も含む各カテゴリーのフラッグシップブランドとなっている。
    • SUPER GT世界ツーリングカー選手権(ワンメイク)に出場している車両にタイヤを提供している。往年のキャッチコピーは“Get A Step Ahead”だった。同項目も参照のこと。
    • ADVAN NEOVA、ADVAN Sport(AVS Sportの後継)、ADVAN dB(ASPEC dB→DNA dBの後継)、ADVAN S/T(AVS S/Tの後継/SUV用)が現行モデル。この他にSタイヤ等のモータースポーツ用タイヤも販売している。
    • なお、Sタイヤの名称が生まれた由来は本ブランドのA021に書かれていた「Semi Racing Tire」である。公道走行可能なのに「Racing」の表記は倫理上問題ありとの意見が社内外から出たため次期モデルA032からは「Racing」が消え「Semi」の略である「S」のみが残り現在の名称となった。
  • DNA(ディーエヌエー)
    • 1998年に国内メーカーとしては他社に先駆けて発売された低燃費志向のタイヤブランド。ただしこのコンセプトは先に発売されていたミシュラン社のグリーンタイヤ(当時)を意識したものである。DNAは 「Driving NVH Assessment」の略である。当初のDNA ES01/02は一部の低燃費車向け及びAVSブランドのコンフォート系の後継モデルだったが後にASPEC/GRAND PRIX/AVIDの主要な3ブランドがDNAブランドに吸収されたため2000年代の主力ブランドだった。
    • DNAブランドは基本的に国内専用であり、海外では同等のモデルがYOKOHAMAブランドやAVSブランドで販売されている(例:DNA S.drive→YOKOHAMA S.drive、DNA dB EURO→AVS dB)。
    • CMに巨大な風力発電施設を始めとした雄大な地球の風景を採用、MEGARYU(2006年)、MONKEY MAJIK(2007年)が歌うCMソングも話題になり、2005年にはDef TechがこのCMがきっかけでブレイクした。
    • DNA ECOS(現在は単に「ECOS」のブランド名で同社のエントリーモデルとなった)、DNA S.drive(現:S.drive。DNA GPの後継)が現行モデル。
    • なお、DNA ECOSは2012年現在は同社のエントリーモデルであるが2001年の発売当時は中級モデルの位置付けであったがその後実質的な後継モデルであるDNA Earth-1/BluEarth AE-01/BluEarth-A等が発売されたため、当時のエントリーモデルだったA200やAVIDシリーズの後継に充てられ低価格化して継続販売しているものである。こうした同一モデルを値下げしながらポジションを変え長期間販売することは国内のタイヤメーカーとしては珍しい(ピレリなどでは似たような例がある)。
    • 2010年以降は後述のBluEarthブランドの立ち上げおよび拡大展開に伴い徐々に展開が縮小されている。
    • 過去にはDNA ES01/02(初代モデル)、DNA Earth-1、DNA dB/DNA dB ES501、DNA dB EURO、DNA dB super E-spec(ハイブリッドカー向け)、DNA GP、DNA map-RV/DNA map(ミニバン用)、DNA GRAND map(大型ミニバン用)、DNA map-i(ローダウン車向け)等が発売された。
  • BluEarth(ブルーアース)
    • DNAシリーズに代わる新たな世界共通の中核ブランドとして登場。現在の主力ブランド。2010年7月に初代モデルのAE-01発売。なお英文の綴りは「Blue Earth」ではないので注意。
    • CMではブランド名にちなみ青空や水面の映像が多用されているほか、CM曲にはlecca(2010年)、Rake(2011年)、絢香(2012年)、秦基博(2013年)、ゆず(2014年)が起用された。
    • AE-01(値下げ前のDNA ECOSの後継)、RV-01/RV-02(DNA mapシリーズの後継)、BluEarth-A(DNA Earth-1の後継)、BluEarth-1(DNA dB super E-specの後継、ハイブリッドカー向け)が現行モデル。BluEarth-Aより、環境に配慮した小型ラベルに変更されている。
    • 新車向けにはダイハツ・ミライースがBluEarth A34、トヨタ・アクアの14インチ仕様がS73 BluEarthを装着。
    • 2015年秋、「BluEarth-A」の一部モデルにチェルシーFCとのパートナーシップを記念してクラブロゴをサイドパターンに刻んだ「チェルシーFCエディション」を設定し、タイヤガーデンおよびグランドスラム限定で受注販売している(日本の他、世界各地でも同様のキャンペーンを実施)。
  • GEOLANDAR(ジオランダー)
    • SUV(スポーツ用多目的車)用タイヤブランド。
    • M/T+、A/T-S、H/T-S、SUVが現行モデル。
  • PARADA(パラダ)
    • トレッドパターンに特徴のあるファッション性重視のブランド。一時は輸出向け専用になっていたが近年になってSUV用のPARADA Spec-Xとして国内向けが復活した。
  • iceGUARD(アイスガード)
    • スタッドレスタイヤ。ガーデックスの後継ブランド。かつてはCMキャラクターに織田裕二を起用していたが2011年にはロシアの絵本キャラクター・チェブラーシカを起用。また同年製のタイヤからは「BluEarthコンセプト」のラベルが添付されている。以降、CM曲には矢沢永吉(2012年)、GLAY(2013年)、スキマスイッチ(2014年)、久保田利伸(2015年)が起用された。
    • 最新モデルは2013年発売のiceGUARD Evolution(北海道限定発売)で、他にも現行商品としてiceGUARD BLACK、iceGUARD3x、iceGUARD5、iceGUARD iG30V(商用車用)がある。
    • 輸出用には「W-drive」というブランドがある。
過去のブランド
  • AVS(エイブイエス)
    • Advanced Vehicle Systemの略で、当時のADVANやASPECよりも上位のフラッグシップブランド。
    • 当初はコンフォート系とスポーツ系の2ライン用意されていたが、後にコンフォート系モデルはASPEC→DNAシリーズの上位モデルに吸収され末期はスポーツ系のみとなっていた。
    • 2005年のブランド戦略見直しにより国内向けAVSブランドはADVANに統合されAVS Sportの後継はADVAN Sport、AVS S/Tの後継はADVAN S/Tとなっている。
    • ↑により現在タイヤは輸出用のみ存在するが、同ブランドのアルミホイールは現在もカスタムカー愛好者などの間で人気が高い。
  • ASPEC(アスペック)
    • コンフォート志向のタイヤブランド。
    • 一般向けに発売された商品は1998年に発売された「ASPEC dB(デシベル)」及び同社初のミニバン専用タイヤの「ASPEC MV」が最後となっており、DNAシリーズの一つである「DNA dB」を経て現在はADVANブランドのひとつとなる「ADVAN dB」となっている。ミニバン専用タイヤもその後DNAシリーズに組み込まれ「DNA map-RV」→「DNA map」と経て「BluEarth」シリーズの「BluEarth RV-01(→RV-02)」となっている。
    • ただし、自動車メーカー向けにOEM供給している(新車に最初から取り付けてある)タイヤにはASPECのブランドは残っている。また、OEM用には単に「dB」としたブランドも用意されている。
  • GRAND PRIX(グランプリ)
    • ADVANの下に位置するスポーティーカー向けのタイヤブランド。
    • 1980年代末〜1990年代に掛けて「Europa」「M3」「M3R」「M5」「M7」「M7R」などが発売され人気を博したが、1999年にDNAシリーズに統合されて「DNA GP(GRAND PRIX)」となり、その後継モデルは「DNA S.drive」となっている。
    • なお、輸出用タイヤには「C-drive」「A-drive」というブランドもある。
  • AVID(エイビッド)
    • インチアップユーザー向けの低価格ロープロファイルタイヤブランド。現在はDNA ECOSの低偏平モデルが事実上の後継となっている。
    • ただし、海外向けのOEM供給タイヤにはAVIDのブランドは残っている(30系トヨタ・プリウスの北米仕様の15インチタイヤやGP・GJ型スバル・インプレッサの北米仕様16インチタイヤ等)。
  • INTECH(インテック)
    • 「GRAND PRIX」の下に位置する普及価格のラジアルタイヤとして1983年にデビュー。
    • かつてはポール・フレールニキ・ラウダらが、サーキットで走行テストするCMが話題になった。寺尾聰稲垣潤一もんたよしのりのCMソングも大ヒットした。その後「INTEC ORPHEUS」と改名した後に消滅。その後ASPECシリーズの下位モデルに統合された後、事実上の後継は「DNA ECOS」。
  • G.T.SPECIAL(ジー・ティー・スペシャル)
    • 1967年にヨコハマ初のラジアルタイヤとして発売。以降、ADVANの登場まではヨコハマタイヤの代名詞的ブランドとして使われた。なお旧型車両向けに近年まで製造されていた。
  • GUARDEX(ガーデックス)
    • 初代スタッドレスタイヤブランド。

トラック用

  • デリバリースター - 小型トラック用のタイヤブランド。後述の「JOB」に移行。
  • JOB(ジョブ) - 同上。
  • プロフォース - 大型トラック用のタイヤブランド。後述の「ZEN」に移行中で、現在は規模を縮小中である。
  • ZEN(ゼン) - 同上。

オートバイ用タイヤ

(現在は撤退し、製造機器や金型は大阪発祥メーカーのシンコータイヤに引き継がれている。)

  • プロファイヤー - 二輪車用バイアスハイグリップタイヤの草分け的存在。スクーター用から大排気量車用までラインナップ
  • ゲッター 二輪車用ラジアルハイグリップタイヤブランド。国内レース界ではチームゲッターとして活躍。

シンコータイヤに引き継がれたあと、プロファイヤーやゲッターのパターンでドラッグレースにタイヤを提供し、ワールドレコードを樹立し、アメリカ、日本、韓国で評価を得ている。

その他

主要事業所

1995年までは上尾工場(埼玉県上尾市)が存在したが、現在は「上尾物流センター」として機能している。

沿革

  • 1917年10月13日 - 橫濱電線製造(現在の古河電工)とアメリカ合衆国のBFグッドリッチの合弁で、横浜市に橫濱護謨製造株式會社として設立。
  • 1920年 - 横浜市平沼町に平沼工場完成。
  • 1929年 - 関東大震災で倒壊した平沼工場に代わり、鶴見区平安町に横浜工場が完成。
  • 1937年 - それまで「グッドリッチ」ブランドで売られていたタイヤを「ヨコハマ」ブランドに変更。
  • 1943年 - 三重工場完成。
  • 1946年 - 三島工場完成。
  • 1952年 - 平塚製造所第1期完成。旧横浜工場の機能を移転させる。
  • 1950年4月 - 東証大証の第一部に上場。
  • 1961年10月 - 名証の第一部に上場。
  • 1963年 - ハンコックタイヤと技術供与・技術提携[3]
  • 同年10月 - 商号を横浜ゴム株式会社に変更。新城工場完成。
  • 1969年11月 - アメリカにヨコハマタイヤコーポレーションを設立。
  • 1970年7月7日 - ハマゴムエイコム株式会社を設立。
  • 1973年7月 - アメリカのエイロクイップ社と合同で横浜エイロクイップを設立。
  • 1983年11月 - 株式会社スポーツコンプレックスを設立。
  • 1986年4月 - 株式会社ユアーズを設立。
  • 1988年11月 - 東洋ゴム工業とアメリカのゼネラルタイヤ社と合弁でGTYタイヤカンパニーをアメリカに設立。
  • 1989年10月 - アメリカのモホークラバーカンパニーを買収。
  • 1992年7月 - モホークラバーカンパニーをヨコハマタイヤコーポレーションと合併。
  • 1996年
    • 5月 - 株式会社アライズを設立。
    • 6月 - フィリピンに川鉄商事株式会社(現・JFE商事株式会社)と合弁でヨコハマタイヤ・フィリピンINC.を設立。
    • 7月 - タイ王国にヨコハマラバー(タイランド)CO.,LTDを設立。
  • 1997年11月 - ベトナム三菱商事やサザン・ラバー・インダストリー・カンパニーと合弁でヨコハマタイヤ・ベトナム・カンパニーを設立。
  • 2002年4月 - ドイツのコンチネンタル社と合弁でヨコハマコンチネンタルタイヤ株式会社を設立。
  • 2004年
  • 2005年11月 - 上海に横浜橡胶(中国)有限公司を設立。
  • 2006年
    • 1月 - 中国に横浜橡胶(中国)有限公司と山東躍馬胶帯有限公司の合弁で山東横浜橡胶工業有限公司を設立。
    • 4月 - 横浜橡胶(中国)有限公司の出資により、中国に蘇州横浜輪胎有限公司を設立。
  • 2007年1月 - インドにヨコハマ・インディアを設立。
  • 2009年
    • 3月 - 航空機用タイヤの生産・販売から撤退することを発表。
    • 7月 - 各地域ごとのタイヤ販売会社を統合し、「ヨコハマタイヤジャパン」を設立。
  • 2010年10月 - 各地域の工業用ゴム製品販売会社(横浜ゴムMBX)を統合し「横浜ゴムMBジャパン」を設立。
  • 2012年5月 - 2008年にロシアで自動車タイヤの生産を目的に設立されたヨコハマR.P.Z.(横浜ゴム80%、伊藤忠商事20%の出資)が、リペツク州リペツク特別経済区で新乗用車用タイヤ工場を完成して、5月30日に現地で開所式を開催した。ロシアは日本、米国、中国に次ぐ4番目に大きな市場となっていて、タイヤ販売会社Yokohama Russia L.L.C.を中心に大手卸売会社、小売店を通じて販売される[4]
  • 2013年12月 - 韓国大手のタイヤメーカー、クムホタイヤ(光州市)と技術提携の協議に入ることで基本合意したと発表。
  • 2016年
    • 3月 - オランダの農機・建機用タイヤメーカーであるATG(アライアンス・タイヤ・グループ)を買収[5]
    • 3月 - コンチネンタルAGとの合弁事業を解消し、ヨコハマコンチネンタルタイヤを清算。
  • 2017年 
  • 3月愛知タイヤ工業株式会社を買収 
  • 10月13日 - 創業100周年

主要関係会社

国内グループ企業

海外グループ企業

  • YOKOHAMA TIRE CORPORATION(アメリカ)
  • YOKOHAMA TIRE (CANADA) INC(カナダ)
  • YOKOHAMA TYRE AUSTRALIA PTY., LTD.(オーストラリア)(A.C.N.001-361 459)
  • YOKOHAMA EUROPE GmbH(ドイツ)
  • YOKOHAMA TIRE PHILIPPINES, INC.(フィリピン)
  • YOKOHAMA TYRE VIETNAM INC.(ベトナム)
  • HANGZHOU YOKOHAMA TIRE CO., LTD(中国)
  • YOKOHAMA TIRE MANUFACTURING(THAILAND) CO.,LTD.(タイ)
  • YOKOHAMA RUBBER(THAILAND) CO., LTD(タイ)
  • YOKOHAMA RUS (RUSSIA)

提供番組

現在

過去

関連項目

脚注

外部リンク