海軍大将

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海軍大将(かいぐんだいしょう)は、海軍階級の一。海軍中将の上に位置する。一般に将官の最高位であり、海軍軍人の最高位である。 英呼称である“admiral”はアラビア語で「海の司令官」を意味するアミール・アルハル“amīr al-baḥr”に由来する。

概要

海軍大将(:英:Admiral、:仏:Amiral)は、通常は海軍で最高位の将官である。ただし、元帥上級大将などの階級を置く制度をもつ国もあり、例えばアメリカ海軍では海軍元帥が最高階級となる。またロシア海軍ではロシア連邦元帥が制度上の最高位であるが、これは連邦軍共通の階級であるため海軍のみとしては海軍上級大将が最上位である。

一方フランスにも元帥が存在するが、これはフランス元帥という称号であって階級ではない。さらに大日本帝国にも元帥は存在したが、ただ1人の例外(陸軍元帥西郷隆盛)を除いて陸海軍ともに称号として存在しており、例えば元帥号を贈られた東郷平八郎の階級はあくまで海軍大将であり、元帥海軍大将と呼ばれる。

また、小規模な海軍では大将がない場合もある。例えば、アイルランド海軍では海軍代将が最上級である。

海上自衛隊の最上階級である海将は、海軍中将に相当するが、統合幕僚長又は海上幕僚長たる海将は海軍大将に相当し、特別の階級章が定められている等している。

なお陸軍、空軍、海兵隊の将官が将軍と称されるのに対し、海軍の将官は特に提督と称される。また他の海軍将官の階級と区別して表現したい場合はFull Adimralと表現する。

大日本帝国海軍大将一覧

日本海軍の海軍大将は西郷従道の進級から塚原二四三井上成美の進級まで合計77名。71名は人事異動に基づく定期進級である。残る6名のうち川村純義は病死後に、遠藤喜一南雲忠一高木武雄山縣正郷伊藤整一は第二次大戦中に戦死した中将に対して、生前の戦功と戦死に対する顕彰として大将に特進したものである。なお、名前が太字のものは元帥、補職について名称の変更があるものは代表的なもので統一している。表中の略語の意味は次の通りである。

GF連合艦隊 CF支那方面艦隊 F艦隊 AF航空艦隊
横鎮
横須賀鎮守府 呉鎮呉鎮守府 佐鎮佐世保鎮守府 舞鎮舞鶴鎮守府 旅鎮旅順鎮守府

姓名 肖像 進級時期 出身 海軍省 軍令部 司令長官
西郷従道 60px 1894年(明治27年)10月3日 鹿児島・草創 大臣
樺山資紀 60px 1895年(明治28年)5月10日 鹿児島・草創 大臣,次官
軍務局長
部長
伊東祐亨 60px 1898年(明治31年)9月28日 鹿児島・草創 軍務局長 部長 GF
井上良馨 60px 1901年(明治34年)12月24日 鹿児島・草創 軍務局長 部長 常備艦隊
横鎮
東郷平八郎 60px 1904年(明治37年)6月6日 鹿児島・草創 部長 GF
舞鎮
山本権兵衛 60px 1904年(明治37年)6月6日 鹿児島・2期 大臣
軍務局長
有栖川宮威仁親王 60px 1904年(明治37年)6月28日 皇族・草創
川村純義 60px 1904年(明治37年)8月12日 鹿児島・草創 海軍卿
海軍大輔
柴山矢八 60px 1905年(明治38年)11月18日 鹿児島・草創 常備艦隊
佐鎮、呉鎮、旅鎮
鮫島員規 60px 1905年(明治38年)11月18日 鹿児島・草創 常備艦隊
横鎮、佐鎮
日高壮之丞 60px 1908年(明治41年)8月7日 鹿児島・2期 常備艦隊
舞鎮
片岡七郎 60px 1910年(明治43年)12月1日 鹿児島・3期 1F,3F
舞鎮
上村彦之丞 60px 1910年(明治43年)12月1日 鹿児島・4期 軍務局長 次長 1F,2F
横鎮
伊集院五郎 60px 1910年(明治43年)12月1日 鹿児島
英海大
部長,次長
作戦部長
1F,2F
出羽重遠 60px 1912年(明治45年)7月9日 福島・5期 軍務局長 次長 1F,2F,4F
佐鎮
瓜生外吉 60px 1912年(大正元年)10月16日 石川
アナポリス
作戦部長 佐鎮,横鎮
斎藤実 60px 1912年(大正元年)10月16日 岩手・6期 大臣,次官
軍務局長
三須宗太郎 60px 1913年(大正2年)9月25日 滋賀・5期 次長 旅鎮,舞鎮
島村速雄 60px 1915年(大正4年)8月28日 高知・7期 部長 2F
佐鎮
加藤友三郎 60px 1915年(大正4年)8月28日 広島・7期 大臣,次官
軍務局長
1F
呉鎮
吉松茂太郎 60px 1916年(大正5年)12月1日 高知・7期 作戦部長 GF,2F
呉鎮
藤井較一 60px 1916年(大正5年)12月1日 岡山・7期 次長 1F
横鎮,佐鎮
八代六郎 60px 1918年(大正7年)7月2日 愛知・8期 大臣 2F
佐鎮,舞鎮
加藤定吉 60px 1918年(大正7年)7月2日 東京・10期 2F
呉鎮
山下源太郎 60px 1918年(大正7年)7月2日 山形・10期 部長,次長
作戦部長
GF
佐鎮
名和又八郎 60px 1918年(大正7年)7月2日 福井・10期 2F
横鎮,舞鎮
村上格一 60px 1918年(大正7年)7月2日 佐賀・11期 大臣 3F
呉鎮
東伏見宮依仁親王 60px 1918年(大正7年)7月2日 皇族
仏海兵
2F
横鎮
有馬良橘 60px 1919年(大正8年)11月25日 和歌山・12期 作戦部長 3F
山屋他人 60px 1919年(大正8年)11月25日 岩手・12期 次長 GF,2F
横鎮
財部彪 60px 1919年(大正8年)11月25日 宮崎・15期 大臣,次官 横鎮,佐鎮,舞鎮
黒井悌次郎 60px 1920年(大正9年)8月16日 山形・13期 3F
舞鎮
栃内曽次郎 60px 1920年(大正9年)8月16日 岩手・13期 次官
軍務局長
GF
佐鎮
野間口兼雄 60px 1920年(大正9年)8月16日 鹿児島・13期 軍務局長 3F
横鎮,舞鎮
伏見宮博恭王 60px 1922年(大正11年)12月1日 皇族
独海大
総長 2F
佐鎮
鈴木貫太郎 60px 1923年(大正12年)8月3日 千葉・14期 次官
軍務局長
部長 GF,2F,3F
呉鎮
竹下勇 60px 1923年(大正12年)8月3日 鹿児島・15期 次長
作戦部長
GF
呉鎮
小栗孝三郎 60px 1923年(大正12年)8月3日 石川・15期 軍務局長 3F
舞鎮
岡田啓介 60px 1924年(大正13年)6月11日 福井・15期 大臣,次官 GF
横鎮
井出謙治 60px 1924年(大正13年)6月11日 静岡・16期 次官
軍務局長
佐鎮
加藤寛治 60px 1927年(昭和2年)4月1日 福井・18期 部長,次長 GF,2F
横鎮
安保清種 60px 1927年(昭和2年)4月1日 佐賀・18期 大臣,次官 作戦部長 横鎮,呉鎮
百武三郎 60px 1928年(昭和3年)4月2日 佐賀・19期 佐鎮
谷口尚真 60px 1928年(昭和3年)4月2日 広島・19期 部長 GF,2F
呉鎮
山本英輔 60px 1931年(昭和6年)4月1日 鹿児島・24期 GF
横鎮
大角岑生 60px 1931年(昭和6年)4月1日 愛知・24期 大臣,次官
軍務局長
2F
横鎮
山梨勝之進 60px 1932年(昭和7年)4月1日 宮城・25期 次官 呉鎮,佐鎮
小林躋造 60px 1933年(昭和8年)3月1日 広島・26期 次官
軍務局長
GF
野村吉三郎 60px 1933年(昭和8年)3月1日 和歌山・26期 次長 3F
横鎮,呉鎮
中村良三 60px 1934年(昭和9年)3月30日 青森・27期 2F
呉鎮,佐鎮
末次信正 60px 1934年(昭和9年)3月30日 山口・27期 次長
作戦部長
GF,2F
横鎮
永野修身 60px 1934年(昭和9年)3月30日 高知・28期 大臣 総長,次長 GF
横鎮
高橋三吉 60px 1936年(昭和11年)4月1日 東京・29期 次長 GF,2F
藤田尚徳 60px 1936年(昭和11年)4月1日 東京・29期 次官 呉鎮
米内光政 60px 1937年(昭和12年)4月1日 岩手・29期 大臣 GF,2F,3F
横鎮,佐鎮
百武源吾 60px 1937年(昭和12年)4月1日 佐賀・30期 次長
作戦部長
3F
横鎮,佐鎮
加藤隆義 60px 1939年(昭和14年)4月1日 広島・31期 次長
作戦部長
2F
呉鎮
長谷川清 60px 1939年(昭和14年)4月1日 福井・31期 次官 CF,3F
横鎮
及川古志郎 60px 1939年(昭和14年)11月15日 岩手・31期 大臣 総長
作戦部長
海上護衛,CF,3F
横鎮
塩沢幸一 60px 1939年(昭和14年)11月15日 長野・32期 5F
横鎮,佐鎮
吉田善吾 60px 1940年(昭和15年)11月15日 佐賀・32期 大臣
軍務局長
GF,CF,2F
横鎮
山本五十六 60px 1940年(昭和15年)11月15日 新潟・32期 次官 GF
嶋田繁太郎 60px 1940年(昭和15年)11月15日 東京・32期 大臣 総長,次長
作戦部長
CF,2F
横鎮,呉鎮
豊田貞次郎 60px 1941年(昭和16年)4月4日 和歌山・33期 次官
軍務局長
佐鎮
豊田副武 60px 1941年(昭和16年)9月18日 大分・33期 軍務局長 総長 GF,2F,4F
呉鎮
古賀峯一 60px 1942年(昭和17年)5月1日 佐賀・34期 次長 GF,CF,2F
横鎮
近藤信竹 60px 1943年(昭和18年)4月29日 大阪・35期 次長
作戦部長
CF,2F,5F
高須四郎 60px 1944年(昭和19年)3月1日 茨城・35期 南西方面,1F,4F,5F,第2遣支
野村直邦 60px 1944年(昭和19年)3月1日 鹿児島・35期 大臣 海上護衛,第3遣支
呉鎮
沢本頼雄 60px 1944年(昭和19年)3月1日 山口・36期 次官 第2遣支
呉鎮
遠藤喜一 60px 1944年(昭和19年)5月3日 東京・39期 9F,第1遣支
南雲忠一 60px 1944年(昭和19年)7月8日 山形・36期 中部太平洋方面,1AF,3F,
呉鎮,佐鎮
高木武雄 60px 1944年(昭和19年)7月8日 福島・39期 6F
高雄警備府
山縣正郷 60px 1945年(昭和20年)3月17日 山口・39期 4南遣
伊藤整一 60px 1945年(昭和20年)4月7日 福岡・39期 次長 2F
塚原二四三 60px 1945年(昭和20年)5月15日 山梨・36期 次長 11AF
横鎮
井上成美 60px 1945年(昭和20年)5月15日 宮城・37期 次官
軍務局長
4F

歴史上における著名な提督(世界)

関連項目