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(しん、: vyāpāda : byāpādaまたは: dveṣa : dosa、英語:ill-will)は、仏教が教える煩悩のひとつ[1]瞋恚(しんに)ともいう。怒り恨みと訳され、(自分)に背くことがあれば必ず怒るような、害意、敵愾心、「自分がないがしろにされた」という思いである(自己愛憤怒[1]

仏教においては、

  • 人間の諸悪・苦しみの根源と考えられている三毒[1]三不善根のひとつ
  • 瞑想修行を邪魔する5つの煩悩、五蓋のうちの2つめ

瞋恚を断つ方法としては、パーリ仏典中部(Majjhima Nikāya)の62番目の経典である大ラーフラ教誡経(Mahārā­hu­lovāda­sutta)に例が示されている。この中で、釈迦は息子の羅睺羅(ラーフラ)に以下のように説いている。

Mettaṃ, rāhula, bhāvanaṃ bhāvehi. Mettañhi te, rāhula, bhāvanaṃ bhāvayato yo byāpādo so pahīyissati.[2]

- ラーフラ、慈悲の瞑想を深めなさい。というのも、慈悲の瞑想を深めれば、ラーフラ、どんな瞋恚も消えてしまうからです。

— 大ラーフラ教誡経

脚注・出典

  1. 1.0 1.1 1.2 中村元 『ブッダの言葉』 新潮社、2014年8月29日、Chapt.4。ISBN 978-4103363118 
  2. SuttaCentral (https://suttacentral.net/pi/mn62)

関連項目

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