石灰岩

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石灰石の採石場.テネシー州,アメリカ合衆国

石灰岩(せっかいがん、: limestone[1]

炭酸カルシウムを主成分とする堆積岩の総称。石灰質の殻をもつ生物の遺骸を主とする生物起源と,化学的沈殿によるものがあり,普通,両者が混っている。生物起源のものは,化石の種類により,貝殻石灰岩,有孔虫石灰岩,サンゴ石灰岩,フズリナ石灰岩などと呼ぶ。化学成分上,マグネシウムがカルシウムと置き換えられた程度により,苦灰質石灰岩 magnesian limestone,白雲岩質石灰岩 dolomitic limestoneと呼ばれる。ヨーロッパでよく用いられる白亜は灰色,灰白色の細粒柔軟な泥灰質の石灰岩の一種で,イギリス,フランスの白亜系に多い。近年石灰岩の組織の研究が進み,石灰岩の生成機構も次第に明らかになりつつある。純化学的に炭酸カルシウムの沈殿が起るのは,炭酸カルシウムが飽和状態にある熱帯の浅海で,水温,塩分濃度が高く,海水がかく乱されて,長さ1~10 μm ぐらいの核になる結晶ができる条件が好適といわれる。これはメキシコ湾口のバハマバンクで判明したことで,地質時代の石灰岩の堆積環境も類似のものとみられる。日本の石灰岩は大部分古生代後期の地層に含まれ,盛んに採掘されている。外国では石灰岩が石油の母岩となるものが少くない。工業,化学的分野では,普通,石灰石と呼ぶ。



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  1. 文部省編 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会、1984年。ISBN 4-8181-8401-2。