空港連絡鉄道

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空港連絡鉄道(くうこうれんらくてつどう)とは、旅客空港都市とを結ぶ鉄道である。本記事では軌道を含む。空港アクセス鉄道ともいう。

本記事では、空港と直結した鉄道駅である空港駅についても述べる。

Contents

概要

空港は広大な敷地を必要とし、さらにその周囲に高層建築物や山岳がないことが必要であることから、多くは大都市の郊外に立地する。そのため、大都市中心部との間の交通手段が必要となる。航空交通がさほど発達せず、また自家用車の保有も少なく道路の交通渋滞が余り無い状態の頃(日本では1960年代まで)は、リムジンバスが主な連絡手段であった。

ところが1970年代半ば以降になると、大型機の就航と増便に伴う航空旅客の増大や慢性的な道路混雑により、空港連絡にも大量輸送手段が求められるようになってきたため、関西国際空港中部国際空港といった新たに設置された基幹空港では計画の段階から道路と並んで空港連絡の鉄道を用意する様になり、従来の空港でも鉄道路線の新設や延長などをしているところが増えている。輸送量が限定され、それほど大量の輸送力が求められない場合はモノレール新交通システムが採用される事もある。空港連絡輸送に用いられる車両については、スーツケースなど大型荷物の置場を設置するなどの配慮がなされている。

これらの事情により、利用者の少ない空港では、近隣に既存の鉄道がある場合でも、空港連絡の輸送手段とみなされていない場合がある。


アジア

日本

空港への軌道系アクセスは、日本においては1964年昭和39年)9月17日に開業した東京モノレール東京モノレール羽田空港線(現正式名称)を起源とする。以後、渋滞がなく定時性が保てる事、バスなど他の交通機関に比べて輸送力が大きい事、また環境負荷が少ない事などの理由から、日本各地にて計画は立てられたものの費用などの問題で時間が掛かり、ごく一部を除き1990年代に入ってから開業した路線が増えた。現在も各地で開業・建設・計画・構想が進んでいる。

空港へ連絡するという特殊な事情から、専用車両が充当されたり、特別な列車種別や運行経路が設定される場合もある。また、建設費償還のため加算運賃が設定される例があるほか、特急料金指定席が設定される例もある。

北海道

新千歳空港
連絡列車
朝晩以外は全て快速「エアポート」として運行。

日中時間帯は毎時4本15分間隔で運行されている。札幌行き2本、小樽行き(札幌経由)2本である。

沿革
1980年(昭和55年)10月1日 - 日本国有鉄道(国鉄)が千歳線上に旧・千歳空港へのアクセスを目的として千歳空港駅を開設。国鉄初の空港アクセス鉄道となった。
1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、JR北海道に継承。
1988年(昭和63年)9月26日 - 千歳空港-新千歳空港間の支線工事を着工。
1992年平成4年)7月1日 - 新千歳空港ターミナルビルの供用開始に合わせて、千歳線千歳空港駅から新千歳空港駅に至るまでの路線が開業。なお、これによりそれまでの千歳空港駅は南千歳駅と改称。
2016年(平成28年)3月26日 - 遅延時、ダイヤの乱れの影響が広域に波及するのを抑えるため、特急「スーパーカムイ」の直通運転(札幌 - 新千歳空港間は快速「エアポート」として運転)を廃止。

東北地方

花巻空港
連絡列車
普通。路線記事を参照。
沿革
1988年(昭和63年)3月13日 - 二枚橋駅を花巻空港駅に改称。
2009年(平成21年)4月9日 - 花巻空港ターミナルビルの移転により、アクセスの役割を果たさなくなる。
2013年(平成25年)10月1日 - 岩手県交通が運行する盛岡バスセンター - 花巻空港間の高速バスが当駅を経由するようになる[1][2]

花巻空港の近くに位置することから、1988年に二枚橋駅から駅名改称したが、当時のターミナルビルまでは約2km離れており、路線バスまたはタクシーへの乗り換えが必要であった。その後、2009年4月にターミナルビルが滑走路を挟んだ反対側、駅から約3.8km離れた位置に移転したにも関わらず、路線バスの経路は変更されなかったため(旧ターミナルビル前を通過)、空港駅とは名ばかりでアクセスが困難となった。このため、鉄道利用者が花巻空港を利用するためには、花巻駅発着の路線バスを利用するか盛岡バスセンター発着(盛岡駅経由)の高速バスを利用するしかなかった。しかし、2013年10月に花巻駅発着の路線バスが廃止された代わりに、盛岡バスセンター発着の高速バスが当駅を経由するようになったため、バスへの乗り換えが必要ではあるが再びアクセスの役割を担うことになった。

なお、釜石線似内駅の方が近くに位置するが(約2.8km)、同駅は運行本数そのものが少なく、駅前を経由するバスや、待機するタクシーも無い。

仙台空港
連絡列車
仙台空港アクセス線」(快速・普通列車仙台駅 - 仙台空港駅間毎時2 - 3本程度)
沿革
2007年(平成19年)3月18日 - 東北本線名取駅より分岐する形で、仙台空港線と仙台空港駅を開業。開業時より東日本旅客鉄道(JR東日本)と相互直通運転を開始。
その他
仙山線との直通運転が臨時列車にて数回行われた。
仙台空港線が開業するまで、東北本線の館腰駅には「仙台空港口」という副駅名が付けられていた。2010年(平成22年)3月までは館腰駅から仙台空港までの連絡バスが設定されており、同駅は空港の玄関駅に位置づけられていた。

関東地方

成田国際空港

LCC専用の第3ターミナルのみ鉄道駅が無い。

連絡列車(JR東日本)
特急「成田エクスプレス」・快速など。
連絡列車(京成)
スカイライナー」・「アクセス特急」(成田スカイアクセス経由)・「快速特急」(京成本線経由)など。各路線の記事も参照。
沿革
1966年昭和41年)7月4日 - 新空港の建設予定地が現在地に決定する。
1971年(昭和46年)1月18日 - 成田新幹線全国新幹線鉄道整備法に基づき基本計画決定。同年4月1日に整備計画決定。
1972年(昭和47年)2月10日 - 成田新幹線の工事実施計画認可、1974年(昭和49年)2月に着工。
1978年(昭和53年)5月20日 - 新東京国際空港が開港。
1978年(昭和53年)5月21日 - 京成電鉄が成田空港駅(現・東成田駅)までの路線を開業させ、「スカイライナー」の運行を開始。ただし当時のターミナルビル(現在の第1ターミナル)とは800mほど離れており、その区間は連絡バスが運行されていた。徒歩でのアクセスも可能であった。
1982年(昭和57年)5月31日 - 新東京国際空港アクセス関連高速鉄道調査委員会が運輸省(当時)に対してA・B・C案を答申。
1983年(昭和58年)5月 - 成田新幹線、沿線自治体・住民の建設反対運動激化により進展困難、工事を凍結。
1984年(昭和59年)11月1日 - 運輸省がB案ルート(成田新高速鉄道、現・京成成田空港線(成田スカイアクセス))を推進する旨を発表。
1986年(昭和61年) - 成田新幹線の計画を断念、1987年(昭和62年)3月31日国鉄分割民営化により基本計画が失効。
1987年(昭和62年) - 成田空港アクセス鉄道問題解決への動きが一向に進展しない事により、当時の運輸大臣(現・国土交通大臣)・石原慎太郎1999年2012年の間は東京都知事)が、建設中止になった成田新幹線(東京 - 成田空港間)の路盤の一部を活用して、JR東日本と京成電鉄がそれぞれ分岐・延伸して成田空港に乗り入れさせる『上下分離方式案』を指示[3]、後に着工。
1991年平成3年)3月19日 - 現在の成田空港駅が開業し、JR東日本と京成電鉄が共有して乗り入れ開始、これにより、それまでの京成電鉄の成田空港駅は東成田駅に改称した。JR東日本が特急「成田エクスプレス」と快速「エアポート成田」の運行を開始。
1992年(平成4年)12月3日 - この3日後の6日、新たに「第2ターミナル」が開業することとなったため、それに先立つこの日、JR東日本と京成電鉄の両方に空港第2ビル駅が開設された。東成田駅と第2ターミナルの間に、長さ500mの地下連絡通路が設けられる。
1998年(平成10年)11月18日 - 京急空港線に羽田空港ターミナルビルに直結する(新)羽田空港駅(現・羽田空港国内線ターミナル駅)が開業し、同日より京成本線・押上線、都営浅草線、京急本線・空港線経由で同駅とを結ぶ空港間連絡列車が設定される。
2004年(平成16年)4月1日 - 新東京国際空港公団が民営化され、成田国際空港となる。
2010年(平成22年)7月17日 - 北総鉄道千葉ニュータウン鉄道成田高速鉄道アクセス成田空港高速鉄道から線路・施設を借用(上下分離方式)して運行する新ルート、京成成田空港線(成田スカイアクセス)が開業。これに伴い、従来京成本線経由で東京国際空港とを結んでいた京成電鉄の空港間直通連絡列車は、平日下り5本・上り3本(土休日は京成本線経由列車は運行されない)となり、大半の列車が成田空港線経由に変更された。またスカイライナーが新型となり(京成AE形電車 (2代))、一部区間で新幹線を除く在来線の列車速度としては最高の時速160km/h運転を開始。日暮里駅 - 空港第2ビル駅間を最速36分で結び、従来の京成本線経由のスカイライナーに比べて、およそ15分の時間短縮となった。
東京国際空港(羽田空港)
連絡列車(京急)
エアポート快特・快特・エアポート急行など。路線記事を参照。
連絡列車(モノレール)
空港快速・区間快速など。路線記事を参照。
沿革
1956年昭和31年)4月20日 - 京急穴守線(現・空港線)に(旧)羽田空港駅が開業。しかしながら名前だけで、そこからバスやタクシーなどに乗り継ぐ必要があった。
1964年(昭和39年)9月17日 - 東京モノレール羽田線(当時)が羽田駅(当時の空港ターミナル付近)まで開業。日本初の空港アクセス鉄道となった。
1991年平成3年)1月22日 - 羽田空港の沖合展開工事の進捗に伴い、京急空港線の(旧)羽田空港駅を休止。
1993年(平成5年)4月1日 - 京急空港線の(旧)羽田空港駅を少し東へ移設し、羽田駅と改称して営業再開。
1993年(平成5年)9月27日 - 羽田空港の新ターミナル開業に伴い、東京モノレール羽田線を(新)羽田空港駅まで延伸。また、それまでの羽田駅を移設し京急空港線羽田駅と接続させたため、京急ルートでの空港アクセスが誕生。同時に東京モノレール羽田線の羽田整備場駅を整備場駅に改称。
1998年(平成10年)11月18日 - 京急空港線も(新)羽田空港駅まで路線延長、同時に羽田駅を天空橋駅に改称。同駅開業と共に、京急空港線・京急本線、都営浅草線、京成押上線・京成本線経由で成田空港とを結ぶ空港間連絡列車が設定される。
2004年(平成16年)12月1日 - 空港第2ターミナル(全日本空輸などが使用)が開業。それまでのターミナルは第1ターミナル(日本航空などが使用)となり、東京モノレール羽田線を羽田空港第2ビル駅まで延長すると共に羽田空港駅を羽田空港第1ビル駅に改称。なお、京急線の羽田空港駅は新ターミナル側の階段及び改札口の供用を開始した。
2010年(平成22年)7月17日 - 京成成田空港線の開業に伴い、従来京成本線経由で成田空港とを結んでいた京急線の空港間連絡列車は、日中の大半の列車が成田空港線経由に変更され、両空港間の移動時間が短縮された。なお、夜間帯の空港間連絡列車については京成本線経由とした。
2010年(平成22年)10月21日 - 近距離国際線用の滑走路とD滑走路の完成及び国際線新旅客ターミナルビル開業に伴い、東京モノレール羽田空港線羽田空港国際線ビル駅、京急空港線羽田空港国際線ターミナル駅が開業。同時に京急線の羽田空港駅を羽田空港国内線ターミナル駅に改称。[4]東京モノレール羽田線は正式路線名を東京モノレール羽田空港線に改称。
新線計画
JR東日本が計画している羽田空港アクセス線は、羽田空港から東京貨物ターミナル駅まで新線を建設、そこから休止中の東海道貨物線(大汐線)を活用して田町駅付近で東海道本線と合流、上野東京ラインを介して宇都宮線高崎線常磐線方面に直通する「東山手ルート」、大井町駅付近で東京臨海高速鉄道りんかい線と合流、新宿駅方面に向かう「西山手ルート」、東京テレポート駅でりんかい線と合流、新木場駅京葉線方面に向かう「臨海部ルート」の計3ルートを建設するとしている[5]
東京急行電鉄東急多摩川線矢口渡駅から蒲田駅京急蒲田駅を経て京急空港線の大鳥居駅に至るまでの「新空港線(蒲蒲線)」の建設計画がある。大田区では、第1段階として、京急蒲田駅まで東急線と同じ狭軌(1067mm)で建設し、東急東横線東京メトロ副都心線からの直通列車を含む東急多摩川線全列車を乗り入れ。さらに第2段階として京急蒲田駅から大鳥居駅までを京急線と同じ標準軌(1435mm)で建設し、フリーゲージトレイン等で京急空港線に乗り入れるという計画案を示している[6]
その他
京急線では、羽田・成田両空港間を移動する旅客に考慮し、京急・都営・京成線経由で成田空港駅または空港第2ビル駅との間を利用する場合、大人90円、子ども50円がそれぞれ割引となる空港連絡特殊割引制度を設けている。
羽田との航空路線がある各地の空港の搭乗ロビーには京急・東京モノレールそれぞれの乗車券の自動券売機が設置されているケースが多い。現に両者の競争は激しく、数々の割引乗車券が存在する。なお、JR北海道の一部駅のタッチパネル式券売機では東京モノレールの浜松町もしくは京急の品川までの乗車券が購入できる。

中部地方

中部国際空港(セントレア)
連絡列車
ミュースカイ・特急・準急など。路線記事及び名鉄特急を参照。
沿革
2005年(平成17年)1月29日 - 同年2月17日の開港を前に、常滑線常滑駅から延伸する形で、中部国際空港駅が先行開業。
その他
東海旅客鉄道武豊線乙川駅から分岐させて中部国際空港駅まで延伸する計画が存在していたが、2018年現在は事実上頓挫している。
また、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線金城ふ頭駅から海底トンネルか海上橋を建設して中部国際空港まで延伸する計画も存在したが、建設費(当時公表された推定総工費2000億円)が大きくなるため撤回された。その後、名鉄常滑線新舞子駅までの延伸が再検討されている(事業費は約800億円と試算)[7]

近畿地方

大阪国際空港(伊丹空港)
連絡列車
普通。路線記事を参照。
沿革
1997年(平成9年)4月1日 - 大阪モノレール線を延伸する形で、大阪空港駅が開業。
その他
関西国際空港
連絡列車(JR西日本)
特急「はるか」関空快速・シャトルなど。路線記事を参照。
連絡列車(南海)
特急「ラピート」空港急行・普通
沿革
1994年(平成6年)6月15日 - 同年9月4日の開港を前に、JR関西空港線と南海空港線が関西空港駅まで先行開業。特急「ラピート」などは開港日から運転を開始。
神戸空港
連絡列車
快速など。路線記事を参照。
沿革
2006年(平成18年)2月2日 - 同月16日の空港開港を前に、市民広場駅から延伸する形で、神戸空港駅まで先行開業。快速列車の運行開始。

中国・四国地方

米子空港
連絡列車
快速「みなとライナー」・普通。路線記事を参照。
沿革
2008年(平成20年)6月15日 - 空港滑走路延長に伴う同線の経路変更と同時に、従来の大篠津駅を移転の上、改称する形で米子空港駅が開業。
  • なお、1955年(昭和30年)の美保飛行場における民間航空路開設から1980年(昭和55年)に空港ターミナルビルが現在地に移転するまでの間は、空港ターミナルが大篠津駅に隣接する位置にあった。
その他
米子空港駅の移転設置前は、隣の中浜駅、それに移転前の大篠津駅がそれぞれ空港近傍の駅となっていた。
山口宇部空港
  • 草江駅 - JR西日本 宇部線 (空港から約600m、徒歩8分) 駅や空港での案内表示はあるものの、県道を横断する必要があるなど道順がわかりにくいこともあり、長らくアクセスとしては機能していなかったが、昨今では空港の公式ウェブページにおいても徒歩約10分と表記され、「JR時刻表」(交通新聞社)にも最寄り駅として掲載されるようになっている。

九州・沖縄地方

福岡空港
連絡列車
普通。JR筑肥線筑前前原西唐津方面からの直通便あり。路線記事を参照。
沿革
1993年(平成5年)3月3日 - 既存路線を延長する形で福岡空港駅が開業。同時に1号線を空港線に、2号線を箱崎線に改称。
その他
駅は空港東側の国内線ターミナル寄りの地下にあり、空港西側の国際線ターミナルへは国内線ターミナル前からシャトルバス(無料)により連絡されている。
宮崎空港
連絡列車
特急・普通。一部は日豊本線からの乗り入れ。路線記事を参照。
沿革
1996年(平成8年)7月18日 - 日南線に新設された田吉駅から分岐する形で、宮崎空港線と宮崎空港駅が開業。
那覇空港
連絡列車
普通。路線記事を参照。
沿革
2003年(平成15年)8月10日 - モノレール線の開業と同時に、那覇空港駅が開業。

かつて存在していたアクセス駅

  • 千歳空港駅(JR北海道千歳線)
    • 1980年昭和55年)10月1日に開業。旅客ターミナルビルとは連絡橋で結ばれた。新千歳空港および新千歳空港駅が開業した1992年(平成4年)7月1日南千歳駅へ改称。現在は新千歳空港駅からの直通列車がない区間への乗換駅として機能する。
  • 羽田駅(東京モノレール羽田線)
    • 1964年(昭和39年)9月17日に開業。羽田空港の旅客ターミナルが沖合に移転される前、その地下に設けられた。1993年(平成5年)9月27日実施の旅客ターミナル移転により羽田駅から新たに設けられた羽田空港駅(2004年12月1日に羽田空港第1ビル駅へ改称)へ空港連絡駅が変更され、それと共に羽田駅は移転の上で京急線との接続駅へと変容し、1998年(平成10年)11月18日には天空橋駅と改称した。

かつて存在した空港近傍の駅

計画中(計画断念)の空港アクセス

函館空港
函館市電湯の川電停からの延長案につき、2009年に市の第1回交通事業経営計画検討会議において当時の交通局長から、市民から要望はあるが採算から見て困難との回答があった[10]。また、空港近傍を通過予定だった鉄道路線として戸井線がある。
新潟空港
成田国際空港
成田新幹線の建設工事に着手したものの、沿線住民の反対運動から整備断念となった。成田新幹線の東京駅として計画された場所が、現在京葉線の駅として使用されており、また成田空港付近の工事の遺構の大部分は成田空港高速鉄道に受け継がれている。
東京国際空港
茨城空港
静岡空港(富士山静岡空港)
名古屋飛行場(県営名古屋空港/小牧空港)
1992年策定の運輸政策審議会答申第12号名古屋圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画についてでは、名鉄小牧線味美駅から支線を分岐させて空港に乗り入れる名鉄名古屋空港線の計画が示されていた。
関西国際空港
広島空港
山陽本線白市駅から分岐して新線を敷設し、広島空港へ乗り入れようとする計画があった[11]広島県は空港アクセスが高速バスやタクシーに依存しており、山陽自動車道が通行止めになる事も多いので、安定したルートとして計画推進に熱心であったが、地元の自治体は建設費の負担に消極的であった。これは距離は短いとはいえ、登山鉄道並みの急勾配のため、多額の建設費が見込まれるためである。
当初はHSST方式により、広島空港と広島市内を結ぶ壮大な構想もあった[† 1]が、2001年(平成13年)に断念し、通常の鉄道路線(全長約8km・直流電化1500V・単線・総事業費約340億円)に変更された。
その後、広島県は西日本旅客鉄道(JR西日本)に資金負担を求めたが、安易な資金負担に応じない会社方針であること、山陽本線のダイヤが錯綜すること、東海道・山陽新幹線と競合する航空路線に協力し難いこと、採算性がないことを理由に拒否された。その後JR西日本と接続しない単独路線の建設や、運行車両を広島県が保有してJR西日本にリースするを計画したが、JR西日本の協力も得られず赤字経営が予想されるとして、2006年(平成18年)9月に計画の凍結が発表された。また藤田雄山広島県知事が、翌10月の広島県議会で事実上断念する発言をしており、将来状況が激変しない限り、現時点では実現する可能性はない。
第3の案として、空港から5kmの地点を通る山陽新幹線に新駅設置案(この場合駅からシャトルバスを運行する必要性が生じる)も出されたが、新規路線よりも経費は減るものの、新幹線の優位性が薄れる事から、当時のJR西日本社長・垣内剛は「ライバル(旅客機)に塩は送れない」と発言しており、また県当局も「新幹線新駅を検討したこともなければ、将来するつもりもない」としており、実現性が限りなく無い[12]
高松空港
高松琴平電気鉄道琴平線に2006年(平成18年)7月29日、連絡バスとの接続駅の空港通り駅が開設されたが、鉄道は乗り入れていない。空港敷地付近を経由する鉄道として塩江線があった(やや東側を経由)が、開港より約半世紀前の1941年に廃止となっている。
松山空港
1995年に愛媛県が策定した総合交通政策では新交通システムもしくはモノレールの建設が挙げられていた[13]。その後、伊予鉄道松山市内線の延伸も一部で提案されるようになっており、2014年2月の県定例会で中村時広知事は、延伸を「将来の夢」と述べた議員の質問に対してそれに賛同しながら「実現には、多額の経費や事業採算性を初め、克服すべき多くの課題を有している」「今後、主体となる松山市や伊予鉄道などと連携しながら、将来の目指すべき交通体系の一つとして、その夢の実現の可能性を追求していきたい」と答弁した[14]
高知空港(高知龍馬空港)
土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)の開業に際し、アクセス鉄道を建設するプランを高知県庁で調査検討した。2001年に「プロジェクトとしての有意性は高いとの結果は得られたが、現在の補助制度では事業採算性が確保されず、空港アクセス鉄道の事業化は困難」との結論に至り、実現しなかった[15]
北九州空港
熊本空港
九州新幹線全線開業に向けての計画として豊肥本線の電化区間にある三里木駅から分岐して9.8kmの新線を敷設し、熊本空港へ乗り入れようとする計画が検討されていたが、2008年に目標の半分程度しか利用が見込めず断念され[16]肥後大津駅からの無料送迎車の運行で対応することとなった[17]。 その後利用者の増加を背景として2017年12月に蒲島郁夫知事が鉄道アクセス計画の再検討を表明し[17]、2018年に検討を再開し2022年の新空港ターミナル完成時を目標にJR新線・モノレール・熊本市電延伸・道路整備で比較検討を行うとした[16]

大韓民国

中華人民共和国

香港

マカオ

台湾(中華民国)

カンボジア

タイ王国

マレーシア

シンガポール

インドネシア

インド

アフリカ

モロッコ

南アフリカ共和国

オセアニア

オーストラリア

北アメリカ

アメリカ合衆国

カナダ

メキシコ

南アメリカ

ブラジル

中東

イスラエル

アラブ首長国連邦

トルコ

ヨーロッパ

イギリス

イタリア

オーストリア

オランダ

ギリシア

ジョージア

スイス

スウェーデン

スペイン

ポルトガル

デンマーク

ドイツ

ノルウェー

フィンランド

フランス

ブルガリア

ベルギー

ポーランド

リトアニア

ロシア

主な国際空港と都心との距離・所要時間

  • 時間は最短所要時間、または、乗り継ぎ時間を含めたおおよその所要時間。
都市 / 都心駅 空港 / 空港駅 距離 時間 使用列車・路線
日本の旗 札幌 / 札幌駅 新千歳空港 / 新千歳空港駅 46.6km 37分 JR logo (hokkaido).svg快速エアポート
日本の旗 仙台 / 仙台駅 仙台空港 / 仙台空港駅 17.5km 17分 JR logo (east).svg&25px仙台空港アクセス線
日本の旗 東京 / 東京駅 成田国際空港 / 成田空港駅 79.2km 59分 JR logo (east).svg成田エクスプレス[20]
日本の旗 東京 / 東京駅 東京国際空港 / 羽田空港国内線ターミナル駅 21.3km 30分 品川駅Keikyu logo small.svg.png京急空港線JR logo (east).svg山手線ほかとを乗り継ぎ[21]
日本の旗 名古屋 / 名鉄名古屋駅 中部国際空港 / 中部国際空港駅 39.3km 28分 18px名古屋鉄道ミュースカイ
日本の旗 大阪 / 阪急梅田駅 大阪国際空港 / 大阪空港駅 13.3km 29分 蛍池駅18px大阪高速鉄道大阪モノレール線阪急宝塚本線とを乗り継ぎ[22]
日本の旗 大阪 / 新大阪駅 関西国際空港 / 関西空港駅 60.7km 45分 JR logo (west).svgはるか[23]
日本の旗 福岡 / 天神駅 福岡空港 / 福岡空港駅[† 2] 05.8km 11分 Fukuoka City Subway Logo.svg.png福岡市地下鉄空港線
日本の旗 那覇 / 県庁前駅 那覇空港 / 那覇空港駅 05.9km 13分 18px沖縄都市モノレール線
中華民国の旗 台北 / 台北車站駅 台湾桃園国際空港 / 機場第一航廈駅機場第二航廈駅 40km 35分 18px桃園捷運機場線
大韓民国の旗 ソウル / ソウル駅 仁川国際空港 / 仁川国際空港駅 58km 43分 Korail logo.svg.pngKORAIL空港鉄道
中華人民共和国の旗 北京 / 東直門駅 北京首都国際空港 / 3号航站楼駅 28.1km 35分 18px北京地下鉄機場線
中華人民共和国の旗 上海 / 人民広場駅 上海浦東国際空港 / 浦東国際空港駅 41.6km 40分 竜陽路駅18px上海トランスラピッド18px上海軌道交通2号線とを乗り継ぎ[24]
香港の旗 香港 / 香港駅 香港国際空港 / 機場駅 31.7km 24分 18px香港MTR機場快線
タイ王国の旗 バンコク / フワランポーン駅 スワンナプーム国際空港 / スワンナプーム駅 60分 18pxエアポート・レール・リンクマッカサン駅18pxメトロ・ブルーラインペッチャブリー駅との乗継時間20分を含む[25]
マレーシアの旗 クアラルンプール / クアラルンプール中央駅 クアラルンプール国際空港 / クアラルンプール国際空港駅 57.6km 28分 18pxKLIAエクスプレス
スウェーデンの旗 ストックホルム / ストックホルム中央駅 ストックホルム・アーランダ空港 / アーランダ北駅 39.0km 20分 18pxアーランダエクスプレス
ノルウェーの旗 オスロ / オスロ中央駅 オスロ空港 / オスロ空港駅 48.1km 19分 18pxフリートーゲ
ドイツの旗 フランクフルト・アム・マイン / フランクフルト中央駅 フランクフルト空港 / フランクフルト空港近距離駅 10km 11分 18pxSバーン8号線または9号線
フランスの旗 パリ / パリ北駅 シャルル・ド・ゴール国際空港 / シャルル・ド・ゴール空港第2TGV駅 25km 29分 18pxRER B3線
イギリスの旗 ロンドン / パディントン駅 ヒースロー空港 / ヒースロー中央駅 24km 15分 18pxヒースロー・エクスプレス
アメリカ合衆国の旗 シカゴ / ワシントン駅English版 オヘア国際空港 / オヘア駅English版 37km 40分 18pxシカゴ・LブルーラインEnglish版
アメリカ合衆国の旗 アトランタ / ファイブポインツ駅English版 アトランタ国際空港 / 空港駅English版 14km 16分 18pxアトランタMARTAノース・サウス線
アメリカ合衆国の旗 ロサンゼルス / ユニオン駅 ロサンゼルス国際空港 / アヴィエーション/ラックス駅 27km 60分 18pxグリーンラインブルーラインレッドライン
アメリカ合衆国の旗 シアトル / インターナショナル・ディストリクト駅 シアトル・タコマ国際空港 / シータック/空港駅 21km 38分 18pxセントラル・リンク

脚注

脚注

  1. 1995年に広島市企画調整局(当時)企画・編集の元出版された漫画「2020年沙理菜の夏-ひろしま未来家族-」では、2020年までにこの構想が実現したという設定でHSST方式による空港アクセス鉄道が登場する。
  2. 地下鉄駅は国内線第一ターミナルへの到着となり、国際線へ行く場合は空港内連絡バスに乗車して、5分程掛けて国際線ターミナルへと移動する必要がある。

出典

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  2. 10月1日(火) 『いわて花巻空港』発着路線バスに関する重要なお知らせ (PDF) - 岩手県交通、2013年8月、2013年9月19日閲覧。
  3. どうなる、こうなる首都圏の鉄道網--(最終回)成田新線・新交通編 - 1 / 2 Business Media 誠 2008年11月7日
  4. 10月21日(木)京急線「羽田空港国際線ターミナル」駅 開業! 2010年5月14日 京浜急行電鉄報道発表資料
  5. 大野雅人 (2014年8月20日). “羽田アクセス総取りか、JR新線3ルートの全貌(1/3)”. 日経コンストラクション. 日経BP. . 2016閲覧.
  6. 大田区新空港線「蒲蒲線」整備促進区民協議会 資料 平成26年活動状況『新空港線「蒲蒲線」整備案説明資料』 (PDF)”. 大田区 (2015年1月19日). . 2016閲覧.
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  8. 阪急電鉄、伊丹空港線を検討 梅田駅から直結 - 日本経済新聞、2017年9月1日
  9. 阪急「大阪空港」への新線検討、梅田から直結で利便性高まる - 産経WEST、2017年9月1日
  10. 第1回函館市交通事業経営計画検討会議会議録 - 函館市交通局
  11. 広島空港のアクセス鉄道断念 議論が広がらなかった中国新聞 2006年10月9日
  12. 中国新聞2004年7月11日「時流」
  13. 愛媛県議会2003年12月10日定例会における県企画情報部長および2011年10月3日の総務企画委員会における県交通対策課長の答弁による(愛媛県議会会議録検索システムにて確認可能)。
  14. 平成26年第336回愛媛県定例会(2014年2月27日、上記会議録検索システムにて確認可能)
  15. 高知県議会企画建設委員会(2001年3月14日)における県交通政策課長の答弁による( 高知県議会会議録検索システムより確認可能)。
  16. 16.0 16.1 熊本日日新聞 空港アクセス 議論再燃 JR延伸、モノレール敷設… 民営化で熊本県が検討 多額の費用(2018年7月16日、2018年7月27日閲覧)
  17. 17.0 17.1 朝日新聞 熊本)JR、空港への延伸 「選択肢排除せず検討」知事(2017年12月21日、2018年7月27日閲覧)
  18. A ride to the airport on Phnom Penh’s latest mode of public transport - The Phnom Penh Post 2018年4月10日
  19. Airport train gives inaugural ride - Khmer Times 2018年4月11日
  20. 成田エクスプレス(JR東日本)
  21. 電車・モノレール/路線図(羽田空港ターミナル BIG BIRD)
  22. 主要地域からのルート(大阪国際空港)
  23. アクセス情報(関西国際空港)
  24. People's Square Youth Hostel (YHA CHINA)
  25. THAI RAILWAY GUIDE - EFFECTIVE 24 MAY 2014 (PDF) (FAHRPLANCENTER)

関連項目