芦原温泉駅

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芦原温泉駅(あわらおんせんえき)は、福井県あわら市にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)北陸本線である。

概要

当駅は(旧)金津町の中心部に位置する同地区の主要駅・代表駅である。

事務管コードは▲541434[1]を使用している。

優等列車の特急「しらさぎ」・「サンダーバード」の停車駅(速達のサンダーバードは通過)であり、芦原温泉東尋坊などの観光地など、県北地域への玄関口となっている。

主要駅であることから、朝晩を中心に当駅から福井・武生方面へ折り返す普通列車も設定されている。

沿革

  • 1897年明治30年)9月20日 - 鉄道院の福井駅 - 小松駅間延伸により、金津駅(かなづえき、一般駅)として開業。
  • 1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称制定、北陸本線所属駅となる。
  • 1911年(明治44年)12月15日 - 鉄道院三国線三国駅まで開業。後の1913年大正2年)1月1日三国駅の構内扱いとして三国線を海岸へ延長の上で三国港荷扱所(現在の三国港駅)が開設される。
  • 1929年昭和4年)8月14日 - 永平寺鉄道金津駅が開業(共用駅)。永平寺鉄道線の金津 - 新丸岡(後の本丸岡駅)間開業。同年12月10日永平寺口(後の東古市駅)まで延長、永平寺鉄道線全通。
  • 1934年(昭和9年)3月1日 福井 - 金津 - 三国港間に、三国線直通のガソリンカー(気動車)を運転開始、後に武生まで延長運転。蒸気機関車列車も併用運行。
  • 1940年(昭和15年)11月1日 軍備によるガソリン消費規制から三国線直通のガソリンカーが廃止され、元の蒸気機関車列車に置き換える。
  • 1944年(昭和19年)
    • 10月11日 三国線が国有鉄道線としては休止[2]。三国線の芦原駅休止。三国線の三国 - 三国港間は営業権を京福電気鉄道(同年1月11日平行区間の電車三国 - 東尋坊口間休止)に貸与。
    • 12月1日 - 永平寺鉄道が京福電気鉄道に合併、同社の永平寺線となる。
  • 1946年(昭和21年)8月15日 - 国鉄が三国線の金津 - 芦原間営業再開。三国線の列車が京福芦原 - 三国港間へ乗り入れ(一部列車による片乗り入れ)。
  • 1969年(昭和44年)9月18日 - 京福電気鉄道永平寺線 金津 - 東古市間廃止。京福の駅としては廃駅となる。
  • 1972年(昭和47年)
    • 3月1日 - 国鉄三国線廃止。三国線廃止に伴い日本国有鉄道の芦原駅廃止。京福電気鉄道の芦原駅を芦原湯町駅に改称。三国線代替路線として国鉄バス金津三国線が開業。
    • 3月15日 - 三国線芦原駅廃止に伴い金津駅を芦原温泉駅に改称。
    • 11月 - 3代目の現駅舎に改築。
  • 1986年(昭和61年)11月1日 - 荷物の取扱を廃止。
  • 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道(JR西日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅となる。
  • 2015年平成27年)5月19日 - 市民からの要望で建設されていたエレベーターが完成[3]。8月にはホームと駅舎をつなぐ二機目も竣工[3]
  • 2015年(平成27年)10月 - 駅校舎内の設備をリニューアルする。自動券売機が最新型のものに更新されたほか、土産物主体の売店として「セブン-イレブン おみやげ処 芦原店」が進出する。
  • 2018年(平成30年)9月15日 - 交通系iCカードICOCA」の利用が可能となる[4]

駅構造

島式ホーム2面4線を有し、待避設備を備えた地上駅で、橋上駅舎を持つ。当駅は福井地域鉄道部管理の直営駅である。

建設中の未成路線である北陸新幹線の停車予定駅であり、地元自治体が駅周辺の整備を進めている[5]

駅構内にはみどりの窓口みどりの券売機・タッチパネル式自動券売機(交通系iCカード決済可能)・有人改札口・交通系iCカード専用簡易型自動改札機・発車標・化粧室・売店が設置されている。

当駅には現在の駅舎が完成した当初からバリアフリー設備が一切なかったが、2009年10月に地元住民や観光業者の声を受けて、芦原温泉の女将で構成された親睦団体「若草会」が市長に駅にエレベーターを設置の要望書を提出し、陳情した[6]。それを踏まえてJR西日本は6年後の2015年にJR北陸本線の整備事業の一環としてエレベーターの新設を発表[7]。その後、2台のエレベーターが整備され供用が開始された。

線路は、内側2線が本線、外側2線が待避線の構成である。なお、運転指令上では1番のりばから順に「下り1番線」「下り本線」「上り本線」「上り1番線」とされている。特急列車は上下本線(2・3番のりば)を、福井方面からの折り返し列車は1番のりばをそれぞれ使用する。

1番のりばの西側には三国線のホームが現在も残っている。

2018年3月17日からは4番のりばが使用停止し、4番のりばへの線路とのりばの番号が撤去された。

のりば

のりば 路線 方向 行先 備考
1・2 北陸本線 下り 金沢方面
3 上り 福井大阪米原方面 当駅始発は1番のりば
4 設備撤去 廃止

ギャラリー

貨物取扱

JR貨物の駅は車扱貨物の臨時取扱駅となっており、貨物列車の発着はない[8]。貨物設備もなく、専用線も当駅には接続していない。

かつては、正式な貨物駅を兼ねる駅で北陸本線と三国線と京福電鉄永平寺線との貨車の受渡しが行われていた。また、駅北側にあった明星セメントセメントサイロへ続く三国線と並行する専用線があり、セメント輸送が行われていたが、1988年(昭和63年)に廃止された。それ以外に駅東側にある福井化学工業(旧:西野製紙)金津工場への専用線が伸びており、化学薬品の輸送を行っていたが、1982年(昭和57年)に廃止された。この専用線は1969年(昭和44年)に廃止された京福電鉄永平寺線の線路の一部を転用したもので、永平寺線時代は京福金津付近の専用線を介して行われていたが、永平寺線廃止以降は、京福金津駅構内の線路も含め専用線に転用された。

売店

設置から長らく「おみやげ処 芦原」が株式会社JRサービスネット金沢福井支店により運営されていたが、2014年のJR西日本とセブンイレブン・ジャパンとの業務提携を受けて、2015年10月に「セブン-イレブン おみやげ処 芦原」としてリニューアルオープンした。

駅周辺にコンビニエンスストアが整備されるのは、2010年(平成22年)に閉店したファミリーマート芦原温泉駅前店以来となった。

利用状況

「福井県統計年鑑[9]」によると、2016年(平成28年)度の1日平均乗車人員1,822人である。

近年の1日平均乗車人員は以下の通り。

年度 1日平均
乗車人員
1997年(平成09年) 2,243
1998年(平成10年) 2,158
1999年(平成11年) 2,065
2000年(平成12年) 2,020
2001年(平成13年) 2,137
2002年(平成14年) 2,034
2003年(平成15年) 2,048
2004年(平成16年) 2,030
2005年(平成17年) 2,048
2006年(平成18年) 2,030
2007年(平成19年) 1,994
2008年(平成20年) 1,941
2009年(平成21年) 1,824
2010年(平成22年) 1,770
2011年(平成23年) 1,761
2012年(平成24年) 1,768
2013年(平成25年) 1,775
2014年(平成26年) 1,674
2015年(平成27年) 1,799
2016年(平成28年) 1,822

駅周辺

駅前には土産物店や飲食店・商店が若干数軒を連ねるが、駅前ロータリーを除いては閑散としている。

当駅の駅名にある「芦原温泉」は、当駅から西に5kmの地点にあり、路線バス・タクシーや旅館による送迎車との結節点となっている。

また温泉街へはえちぜん鉄道三国芦原線あわら湯のまち駅」の方が近い。

あわら市は2023年の北陸新幹線金沢〜福井間開業に向けて、2006年より駅整備計画をもとに駅周辺を整備している[5]

「駅から始まる 暮らし、出会い、賑わいのまち」をテーマに、当地への定住環境の向上や広域交通ターミナルの強化、広域拠点及び玄関口として都市機能の強化、老朽化した駅舎の整備などに取り組んでいる[5]

その一環として地元住民と観光客が相互交流を図る施設である「aキューブ」が整備され、2015年3月にオープンしている[10]

駅周辺には市役所などの公共施設のほか、教育機関が若干数所在する。

路線バス

駅前にロータリーが設置されており、バス乗場は出入口となる信号寄りから1番、2番、タクシー乗場を挟んで3番の順に設置されている。

当駅からの路線は京福バスが運行しており、芦原温泉・東尋坊・丸岡城永平寺といった観光地などへの路線が発着している。

  • 1番乗場
  • 2番乗場
  • 3番乗場
    • [86] 長屋線 あわら市役所・金津高校・長屋経由 丸岡バスターミナル(坂井市丸岡町) 行き
    • [89] 金津高校線 金津高校 直行
    • [91] 金津・本荘線 あわら市役所・金津高校・本荘駅前・三国総合支所・三国観光ホテル経由 三国駅(坂井市三国町) 行き
その他の路線など

あわら市が、小松空港金沢駅行き無料バスを運営している。

  • KANAZAWARA号:あわら湯のまち駅・芦原温泉駅 ⇔ 小松空港・金沢駅西口(あわら観光へ運行委託)

季節運行として、以下の路線が京福バスにより運行されている。

  • あわら恐竜号 : 勝山恐竜博物館 行き(2014年は7月19日 - 8月31日の毎日運行)
  • 芝政ワールド線 : 芝政ワールド 行き(2014年は7月19日 - 8月31日の毎日運行)
  • 越前すいせん号 : 越前岬水仙ランド・東尋坊 行き(2014年は1月4日 - 2月16日の運行、予約制[11]

公営競技の送迎バスは、以下の路線が運行されている。

廃止路線

あわら市コミュニティバスは廃止され、利用者事前登録制・デマンド型の乗合タクシーとなった。

なお、運行最終期は以下の路線が運行されていた。

  • 観光コース : 金津創作の森・吉崎北潟湖畔公園経由 あわら湯のまち駅 行き
  • 北ルート1号線 : 坪江北部・細呂木東部方面循環
  • 北ルート2号線 : 吉崎・細呂木方面(一部循環)
  • 南ルート1号線 : 坪江南部・劔岳方面循環
  • 南ルート2号線 : 市役所 行き / 本荘方面 あわら湯のまち駅 行き

隣の駅

※特急「サンダーバード」「しらさぎ」「ダイナスター「おはようエクスプレス」「おやすみエクスプレス」(うち、「サンダーバード」は一部通過)の隣の停車駅は各列車記事を参照のこと。

西日本旅客鉄道
北陸本線
丸岡駅 - 芦原温泉駅 - 細呂木駅

建設中の路線

西日本旅客鉄道
北陸新幹線
加賀温泉駅 - 芦原温泉駅 - 福井駅

かつて存在した路線

日本国有鉄道
三国線
金津駅 - 芦原駅
京福電気鉄道
永平寺線
金津駅 - 菅野駅

脚注

  1. 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
  2. 「運輸通信省告示第483号」『官報』1944年10月5日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  3. 3.0 3.1 JR芦原温泉駅のエレベータ、やっと1機目が完成しました。”. あわら市観光協会公式facebook. . 2016閲覧.
  4. “イコカ福井県内導入は9月15日 福井駅と敦賀駅は先行で自動改札”. 福井新聞. (2018年5月31日). オリジナル2018年6月4日時点によるアーカイブ。. https://archive.li/lM5VM . 2018閲覧. 
  5. 5.0 5.1 5.2 芦原温泉駅周辺整備基本計画書 (PDF)”. あわら市土木部都市整備課. . 2016閲覧.
  6. JR芦原温泉駅にエレベーター設置を・・・あわら市長に要望”. 若草会公式ホームページ. . 2016閲覧.
  7. 特急「サンダーバード」のサービス向上に向けた取り組みについて”. JR西日本 West Japan Railway Company (2015年1月28日). . 2016閲覧.
  8. 『貨物時刻表 平成27年3月ダイヤ改正』、鉄道貨物協会、2015年、 112-115頁。
  9. 福井県統計年鑑
  10. JR芦原温泉駅西に市民と観光客の交流拠点 「aキューブ」プレオープン”. JR西日本 West Japan Railway Company/福井新聞 (2015年3月8日). . 2016閲覧.
  11. 越前すいせん号 - 京福バス

参考文献

  • 『坂井の鉄道博覧展』坂井市 みくに龍翔館 2006年8月
  • 『京福電気鉄道 88年回顧録 越前線写真帖』京福電気鉄道 2003年
  • 寺田裕一『私鉄の廃線跡を歩く III』JTBパブリッシング 2008年
  • 南正時『失われた鉄道100選Ⅱ』淡交社 1997年11月

関連項目

外部リンク


テンプレート:北陸本線

JRグループ 北陸新幹線東日本旅客鉄道 東京 - 高崎 - 上越妙高 Shinkansen-E.png / 西日本旅客鉄道 上越妙高 - 金沢 Shinkansen jrw.svg
東京 - 上野 - 大宮 - 熊谷 - 本庄早稲田 - )高崎 - 安中榛名 - 軽井沢 - 佐久平 - 上田 - 長野 - 飯山 - 上越妙高 - 糸魚川 - 黒部宇奈月温泉 - 富山 - 新高岡 - 金沢
未開業区間:金沢 - 小松 - 加賀温泉 - 芦原温泉 - 福井 - 南越(仮称) - 敦賀 - 東小浜(小浜市付近駅。仮称) - 京都 - 松井山手(京田辺市付近駅。仮称) - 新大阪

テンプレート:三国線 テンプレート:京福電気鉄道永平寺線