阿佐海岸鉄道阿佐東線

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阿佐東線(あさとうせん)は、徳島県海部郡海陽町海部駅から高知県安芸郡東洋町甲浦駅に至る阿佐海岸鉄道鉄道路線である。四国旅客鉄道(JR四国)牟岐線とともに「阿波室戸シーサイドライン」の愛称がつけられている。駅ナンバリングの路線記号は「AK」(Asa-Kaigan lineの略)。

概要

改正鉄道敷設法により「高知県後免ヨリ安芸、徳島県日和佐ヲ経テ古庄附近ニ至ル鉄道」として建設されていた旧日本鉄道建設公団建設線「阿佐線」のうち、徳島県側の一部区間を完成させて開業した路線である。高知県側の一部区間(阿佐西線)は阿佐線として2002年7月1日開業し、土佐くろしお鉄道によって運営されている。

踏切はなく、全線がトンネルや高架線・盛土区間になっている。甲浦駅で室戸岬・土佐くろしお鉄道阿佐線の奈半利駅安芸駅へ向かう高知東部交通のバスと接続している。

終点の甲浦駅では室戸方面への延伸を考慮して高架橋が途切れる形で終わっているが、延伸の見通しは立っていない。代わりに線路と道路を直通できるDMVの導入を検討しているとの報道がなされ[1]2017年2月にDMVを2020年までに導入することが正式に決定した[2]。DMVはJR四国牟岐線阿波海南駅から甲浦駅まで線路を走行し、甲浦駅から先は高架線を下りて一般道路を走行する計画としている[2]

路線データ

運行形態

普通列車が1時間あたり1本程度運行されている。海部駅 - 甲浦駅間運転の列車のほか、宍喰駅にある車庫への運用の都合で、宍喰駅 - 甲浦駅間および宍喰駅 - 海部駅間の区間運転列車もある。ワンマン運転を行っている。

また、朝の2往復がJR四国牟岐線の牟岐駅まで相互直通運転を行っており、車両はJR四国のキハ40系阿佐海岸鉄道の車両が1往復ずつ使用されている。この直通運転は2008年3月15日のダイヤ改正で一時中止されたが、要望が多いことから2009年12月1日より再開された[4][5]。阿佐海岸鉄道側の直通車両は、再開時点ではASA-300形のみの使用だったが、後にASA-100形の習熟運転も行われたことから、2010年3月以降はASA-100形も使用されている。

2011年3月12日改正では、直通運転の本数は変わりないものの、JR四国のキハ185系で運転されていた朝の1往復が、牟岐駅から特急「剣山3号」となって阿波池田まで直通していた折り返しの上り列車が時刻を繰り上げて牟岐発の運転となった(特急「剣山3号」はこの改正で阿南発に変更、2012年3月17日改正で牟岐線部分が廃止)ことに伴い、徳島運転所のキハ40形の1両編成となった。

利用状況

年間の利用状況は以下の通り。

年度 輸送人員(千人) 平均輸送人員(人/日) 出典
定期券 定期外利用者 合計
2015 4 40 44 106 [6]
2016
2017

歴史

国鉄再建法施行により1980年に工事が凍結されていたが、この時点でほとんど完成していたことから1988年に徳島県などが阿佐東線の第三セクター会社での引き受けを決定し、阿佐海岸鉄道を設立して工事再開した。なお、国鉄の分割民営化(JR発足)以降に建設工事の凍結が解除された唯一の鉄建公団ローカル線である。

年表

  • 1992年平成4年)3月26日:海部 - 甲浦間が開業[7]。特急「うずしお」が甲浦まで乗り入れ開始。普通列車が朝・夜の4往復を除いて牟岐線牟岐 - 甲浦間直通(うち1往復は徳島 - 甲浦直通)運転。
  • 1994年(平成6年):宍喰 - 甲浦間の区間運転列車を新設。
  • 1998年(平成10年)3月14日:特急「剣山」が乗り入れ開始。
  • 1999年(平成11年)3月13日:特急「うずしお」の系統分割に伴い、代わって特急「むろと」が乗り入れ開始。
  • 2001年(平成13年)3月3日:普通列車が朝の2往復を除いて阿佐東線内運転に。特急「むろと」の乗り入れ廃止。
  • 2002年(平成14年)7月1日:「阿波室戸シーサイドライン」の愛称使用開始[8]
  • 2006年(平成18年)3月18日:牟岐線接続のない列車の一部を土曜日・休日運休にする。
  • 2008年(平成20年)3月15日:特急を含む牟岐線直通列車の運行を一時中止。同時に朝の始発を繰り上げ。
  • 2009年(平成21年)12月1日:牟岐線直通列車の特急「剣山」(甲浦 - 海部 - 牟岐間は普通列車として運行)の乗り入れを一時的に再開。
  • 2011年(平成23年)3月12日:特急「剣山」の乗り入れ廃止。

駅一覧・接続路線

阿佐東線内では海部駅をのぞき営業列車同士の交換はできない。

駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 所在地
AK28 海部駅 - 0.0 四国旅客鉄道:牟岐線 (M28) 徳島県海部郡海陽町
AK29 宍喰駅 6.1 6.1  
AK30 甲浦駅 2.4 8.5   高知県安芸郡東洋町

脚注

  1. “線路も道路も走れるDMV、徳島県10年以内に営業運行”. 朝日新聞(朝日新聞デジタル) (朝日新聞社). (2016年2月13日). オリジナル2016年2月13日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160213072104/http://www.asahi.com/articles/ASJ285H1VJ28PUTB00R.html . 2016年5月3日閲覧. 
  2. 2.0 2.1 “阿佐海岸鉄道、線路・道路両用車両を20年までに導入”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2017年2月4日). http://www.nikkei.com/article/DGXLZO12516500T00C17A2LA0000/ . 2017閲覧. 
  3. 阿佐東線の駅紹介 - 阿佐海岸鉄道
  4. 阿佐海岸鉄道との相互乗入れについて JR四国 2009年11月25日
  5. JR四国との直通運転を再開 阿佐海岸鉄道 阿佐鉄ニュース 2009年11月24日
  6. 鉄道の輸送実績の推移 2.民鉄の事業者別輸送実績(平成27年度) - 四国運輸局、2016年10月5日閲覧
  7. 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「交通2001」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  8. 「鉄道記録帳」、『RAIL FAN』第49巻第10号、鉄道友の会、2002年10月号、 22頁。

関連項目