青梅鉄道公園
青梅鉄道公園(おうめてつどうこうえん、英称:Ome Railway Park)は、東京都青梅市勝沼2丁目155番地にある公園。JR青梅線・青梅駅が最寄駅である。
概要
鉄道開業90周年記念事業として1962年(昭和37年)10月19日、青梅駅北東の永山公園の一角に開園した鉄道公園である。過去に使用された実物の鉄道車両11両を屋外に展示しているほか、鉄道模型運転や企画展示が実施される記念館も設けられている。1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道(JR東日本)が運営を継承し、1997年(平成9年)4月からは関連組織の財団法人交通文化振興財団が運営を受託していた。2009年(平成21年)4月からはJR東日本の関連組織の公益財団法人東日本鉄道文化財団が運営を受託している。
施設名が示すように、「博物館」ではなく「公園」としての位置づけであり、開園当初は入場料が無料で、展示されている鉄道車両に自由に立ち入ることが可能であった。しかし長年にわたる屋外展示により保存車両の荒廃が進んだことから1997年(平成9年)にいったん休園し、展示車両の補修整備を実施し、それ以後は小学生以上一律100円の入場料を収受している。
現代の観点ではどちらかと言えば小規模ではあるが、国鉄最後の新造蒸気機関車で特異なスタイル・運用でも有名なE10形や、準鉄道記念物で最寄となる青梅線・南武線での最後の運用に注目が集まったED16形直流電気機関車などを展示しているほか、新幹線0系電車の展示があることでも知られている。廉価な入場料設定もあり手軽な行楽スポットとして人気を博しているほか、かつては特撮番組の撮影にも使用されていた。
長らく車両はすべて露天展示であったが、2007年に上屋を設置する工事がおこなわれ、現在はほとんどの車両(新幹線0系電車以外)には屋根がかけられている。
2010年(平成22年)9月23日、青梅鉄道公園の園長に7年前からこの公園に住み着いている三毛猫でメスの「のら」が任命された[1]。
展示車両
- 110 (国鉄110形蒸気機関車) - 1962年9月10日入園、鉄道記念物
- 日本の鉄道開業時に新橋 - 横浜間を走った10両の機関車のうちの1両。
- 2221 (国鉄2120形蒸気機関車) - 1962年11月10日入園
- 明治時代を代表する貨物・勾配線用タンク機関車B6クラスの1両。
- 5540 (国鉄5500形蒸気機関車) - 1962年11月13日入園
- 明治時代を代表する旅客用テンダ機関車。
- 8620 (国鉄8620形蒸気機関車) - 1962年11月13日入園
- 大正時代を代表する旅客用テンダ機関車8620形の初号機。
- 9608 (国鉄9600形蒸気機関車) - 1963年1月8日入園
- 大正時代を代表する貨物用テンダ機関車9600形の日本国内に現存する最若番機。
- C11 1 (国鉄C11形蒸気機関車) - 1963年1月8日入園
- 昭和時代を代表する汎用タンク機関車C11形の初号機。
- D51 452 (国鉄D51形蒸気機関車) - 1972年12月20日入園
- 昭和時代を代表する貨物用テンダ機関車D51形(デゴイチ)の1両。
- E10 2 (国鉄E10形蒸気機関車) - 1963年1月8日入園
- 国鉄最後の新製蒸気機関車E10形の1両。
- ED16 1 (国鉄ED16形電気機関車) - 1980年10月14日入園、準鉄道記念物、重要文化財(重要文化財指定は2018年度予定[2][3])
- 国鉄の初期の標準型電気機関車として量産されたED16形の初号機。
- 0系22-75 (新幹線0系電車・22形制御電動車) - 1985年3月入園
- クモハ40054 (クモハ40形電車) - 2007年5月入園
過去の展示車両
- スシ28 102(国鉄スハ32系客車)
- マイテ39 11(国鉄スハ32系客車) - 1963年9月29日入園
- C51 5(国鉄C51形蒸気機関車) - 1962年1月6日入園
- 1982年9月12日夜、台風18号に伴う大雨のため当時展示されていた場所の地盤が崩落して転覆・損傷したが修復され、展示位置を一部変更した。2007年5月、鉄道博物館へ移送され静態保存されている。なお同機が展示されていた場所に現在はクモハ40054が展示されている。
- 開園初期、展示された数台の蒸気機関車は圧縮空気により汽笛を吹鳴することができた。
利用案内
- 開園時間:3月〜10月 10:00〜17:30(入園は17:00まで):11月〜2月 10:00〜16:30(入園は16:00まで)
- 休園日:月曜日(祝日・振替休日・都民の日の場合は開園し、翌日の火曜日休園となる。)
- 入園料
- 小学生以上:個人 100円/団体 50円(20名以上で適用)
70歳以上・障害者手帳所持者は無料
アクセス
鉄道
バス
脚注
- ↑ 青梅鉄道公園に三毛猫園長 (読売新聞、2010年9月24日付)※ 現在はWebアーカイブサイト「archive.is」内に残存
- ↑ “2両の電気機関車(ED40 形式 10 号および ED16 形式 1 号)が国の重要文化財指定へ (PDF)”. 東日本旅客鉄道 (2018年3月9日). 2018年3月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2018年3月11日閲覧.
- ↑ “JR東日本保存の電気機関車2両が,国の重要文化財に指定される”. railf.jp(鉄道ニュース). 交友社 (2018年3月10日). . 2018年3月11日閲覧.
- ↑ 藤田吾郎「食堂車の保存車・廃車体」 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』2005年5月号 No.761 p30より
参考文献
- 荻原二郎「青梅鉄道公園一べつ」
- 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』1962年12月号 No.139 p47
- 寺澤秀治 写真、斉藤博貴 構成「全国博物館巡り 第3回 東京・青梅鉄道公園」
- 学習研究社『鉄道ナビ』2001年11月 Vol.4 p106〜p111
- RJ FLASH「保存車両と遊具が共存 40周年を迎えた青梅鉄道公園」
- 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』2002年12月号 No.434 p102
関連項目
- 秩父鉄道車両公園
- 鉄道博物館の一覧
- 開運!なんでも鑑定団 - かつて、番組企画「出張なんでも鑑定団」の収録が行われた。
- 天賞堂 - 本館1階にある16番ゲージ鉄道模型ジオラマの製作を担当した。
外部リンク
- 青梅鉄道公園 (東日本鉄道文化財団サイト内)
- 青梅鉄道公園 三毛猫園長の1日に密着 YouTube TOKYO MX