頭字語

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頭字語(とうじご、: acronym, : initialism)とは、主にヨーロッパ言語のアルファベットにおける略語の一種で、複数の単語から構成された合成語の頭文字を繋げて作られた語のこと。

概要

その読み方によって次の2種類に分類されることもある(括弧内のカタカナは日本語的な発音例)。

イニシャリズム(initialism
頭文字を一字ずつアルファベットの名のままで読むもの。例: FBI(エフ・ビー・アイ)、OECD(オー・イー・シー・ディー)、WHO(ダブリュー・エイチ・オー)など。
アクロニム(acronym
連なったアルファベットを通常の単語と同じように発音して読むもの。例: AIDS(エイズ)、OPEC(オペック)、NATO(ナトー)など。

頭字語のなかには読み方が混同している例があり、例えばサービス指向アーキテクチャの頭字語である「SOA」は「エス・オー・エー」とも「ソーア」とも読まれており、イニシャリズムとアクロニムのどちらともいえる。また、シリアルATAを略して「SATA」と表記した場合に、日本語話者は「サタ」と読むことが多いが英語話者は主に「セイタ」と読むように、母語により読み方が変わる例もみられる。「できるだけ早く」の意味の「ASAP」[注釈 1]の場合、「アサップ」とも「エイエスエイピー」とも読める。

また、情勢の変化によって頭字語をそのままに構成単語を変更する例も見られる。さらには、暗に複数の意味を持たされたり、構成する語が公式には存在せず頭字語のみの語であるということにされる場合すらある(例:DVDDSRSSSQLなど、詳細は個々の記事参照)。

頭字語の例

NATO
North Atlantic Treaty Organization
OTAN
Organisation du Traité de l'Atlantique Nord

実際の他の頭字語の例については関連項目を参照。

頭字語の分類

それぞれの具体例については当該項目を参照。

バクロニム

製品名(商標)や組織名に頭字語を用いる際には、あらかじめ語呂や評判のよさそうな英単語に、構成単語をこじつけて頭字語とする例が少なくない。そうしたものは英語でバクロニムbacronym)と呼ばれる造語である。例として、新潟工科大学の「Niigata Education eXpasion Technology」の略語とされている「NEXT」については、「次の」を意味する英単語の next に対して構成単語をこじつけたという向きがある。

TLA

特に三文字頭字語を「TLA」呼ぶことがある。TLAという単語自体が three-letter acronym(3文字のアクロニム)ないし three-letter abbreviation(3文字の略語)に由来するイニシャリズムの頭字語であり、TLAでもある。

再帰的頭字語

頭字語の正式名称にその頭字語自身が含まれている例があり、それを再帰的頭字語という。例えば「PINK」という単語に「PINK Is Not Khaki」(ピンク色はカーキ色ではない)という意味を持たせるといった、主にソフトウェアの分野でよく用いられる言葉遊びの一種である。

HTMLによる頭字語のマークアップ

HTML4で acronym 要素が導入され、頭字語の元の単語の表記を title 属性で付けられるようになった。しかし、略語を表す abbr 要素と機能が重複することから、HTML5では acronym 要素は廃止され、abbr 要素に一本化された。

記述例
<abbr title="World Wide Web">WWW</abbr>は「World Wide Web」の頭字語である。

注釈

  1. : as soon as possible

関連項目

外部リンク