高尾駅 (東京都)

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高尾駅(たかおえき)は、東京都八王子市高尾町[1]および初沢町にある、東日本旅客鉄道[1](JR東日本)・京王電鉄[2]である。

概要

高尾山および真言宗の名刹「高尾山薬王院有喜寺」から「高尾」と名付けられたのが由来である。

なお、国鉄開業時の駅名「浅川」は開業当時の所在地である東京府南多摩郡浅川村に由来する。浅川村は1927年町制施行後、1959年に八王子市に編入された。駅名も1961年に現在の高尾駅に改称された。

乗り入れ路線

JR東日本の中央本線[1]と、京王電鉄の高尾線[2]が乗り入れ、接続駅となっている。駅番号は京王電鉄がKO52、JR東日本がJC 24[1][3]

JR中央本線は当駅を境にして運行形態が変化するため、東京方面の快速電車および甲府方面への普通列車中距離電車)の多くが当駅を始発・終着駅としており、当駅以東の中央線八王子・東京方面は電車特定区間となる。同じ路線ではあるが、当駅以西へ運転する電車列車は、東京駅など快速電車区間から直通する列車も含め全ての列車番号が「M」表記となる他、当駅以東を中央線(運転形態の詳細については該当記事を参照のこと)、当駅以西を「中央本線」と区別して案内している。ただし立川駅豊田駅八王子駅発着の中距離列車(甲府方面からの普通列車)については一部を除き高尾以東であっても列車番号はM表記のままである。

中距離列車は以前は新宿駅まで直通していたが、現在は「ホリデー快速富士山」など臨時列車を除きすべて立川駅までの乗り入れである。新宿乗り入れ廃止に伴い、大月駅まで直通する東京駅発着の快速電車が増発傾向にある。また富士急行線河口湖駅まで直通する中距離列車(当駅発着)・快速電車(東京発着)も朝夕に運転されている。現行ダイヤでは東京方面・甲府方面ともに当駅折り返しの列車が多く設定されている。その一方で、特急については当駅発着となる「成田エクスプレス」を除いて全列車通過となるが、ダイヤが乱れた場合は臨時停車をする場合がある。過去の中央線の高架化工事の際も臨時停車していた。

歴史

駅構造

JR東日本

島式ホーム2面4線と通過線1線の計2面5線を持つ地上駅。JR管轄の北口駅舎に接する単式ホームの東京寄りを切り欠いて1番線が設置されている。また留置線が1番線北側に4線、通過線南側に1線設置されており、夜間滞泊の設定がある。

1番線が電車発着線、2番線が上り本線、3番線が上り待避線、4番線が下り待避線、ホームのない通過線が下り本線となっている。この通過線は中央本線での輸送障害発生時の満線対策のために4番線南側の留置線1線を切り替えたもので、下り特急列車貨物列車のみが使用する。1番線には上り中央線快速電車のうち当駅始発の一部のみが使用するが、2 - 4番線は方向・種別にかかわらず使用しており、発車番線は列車ごとに異なっている。

1番線を除きホーム有効長は12両である。これは工事時の特急臨時停車に対応するためである。なおJR中央線は、2020年代前半(2021年度以降の向こう5年以内)をめどに東京駅 - 大月駅間のオレンジ帯で運行する列車に2階建てグリーン車を2両連結させ12両編成運転を行う。なお、1番線と北側にある留置線4線・西八王子寄りにある引き上げ線1線の12両編成対応改築工事については言及されていない[5][6]

北口駅舎と駅舎東側跨線橋の間にある発車標は、2007年2月まで1番線・2番線それぞれの発車案内だったが、翌3月から1番線側が上り東京方面の発車・番線案内に、2番線側が下り甲府・松本方面の発車・番線案内にそれぞれ変更された。なお、大文字の「番線」や「上り」「下り」のシールを貼付して、誤乗を防止するように対応していたが、2012年3月から2番線の発車標が北口側に移設され、階段の登り口に上段が東京方面先発、下段が甲府・松本方面先発の細長い発車標が新規に取り付けられた。

関東の駅百選に選定されている社寺風デザインの北口駅舎は、大社線大社駅を設計した曽田甚蔵が設計、1927年昭和2年)に竣工した2代目である。これは、元々大正天皇の大喪列車の始発駅として新宿御苑に設置された仮設駅舎 (995m2) を移築したもので、初代駅舎の木造平屋建て90m2から木造平屋建て298m2と大規模になった。この駅舎は2010年春に改修され、飲食店や雑貨販売店が入居するようになった[7]

直営駅(一部業務委託駅)で、みどりの窓口自動券売機(指定席券売機併設)・自動改札機自動精算機を設置している。駅舎内部には飲食店が出店しており、改札内外双方から利用できるようになっている。売店はKIOSK改札外の駅舎内部に、NewDaysminiが3・4番線ホーム上にある。

跨線橋は北口駅舎西側のホーム甲府寄りと中央部(エスカレーター設置)の2か所に設置されており、このうち中央部のみが南口・京王高尾線に通じる。エレベータは設置されていない。トイレは北口改札内大月寄りに設置されており、2000年代に入ってから改修されたが、多機能トイレは設置されていない。

3・4番線ホーム東京寄りには高尾山に因む天狗の石像がある。また、2番線ホームの屋根支柱には太平洋戦争中の米軍による機銃掃射の弾痕が残っている。

のりば

番線 路線 方向 行先 備考
1 JC 中央線 上り 八王子立川新宿東京方面 一部列車のみ
2 - 4  
下り 相模湖大月甲府方面

JR線鉄道配線図

東日本旅客鉄道(JR東日本) 中央本線 高尾駅の構内配線略図

八王子立川
新宿東京
方面
東日本旅客鉄道(JR東日本) 中央本線 高尾駅の構内配線略図
大月甲府
小淵沢塩尻
松本 方面
凡例
出典:以下を参考に作成。
* 「中央線高尾駅改良で下り通過線が完成」、鉄道ジャーナル社、『鉄道ジャーナル』、第37巻5号(通巻第439号)、
2003年5月、88頁。

:下り通過列車のルート


京王電鉄


京王 高尾駅
配線図

狭間駅

5 6


STRg STRf
ABZg+l ABZgr
STR+BSl STR+BSr
STR+BSl STR+BSr
STR+BSl STR+BSr
ABZg+l STRr
STR

高尾山口駅

島式ホーム1面2線を有する高架駅である。のりば番号はJR東日本からの続番のため、京王電鉄の他の駅とは付番が逆になる。

当駅より終点である高尾山口駅までは単線となる。

トイレは2階改札口内に設置し、ユニバーサルデザインの一環としての「だれでもトイレ」を併設している。2007年度にエレベーターが設置された。

のりば

番線 路線 方向 行先 備考
5 KO 高尾線 上り 北野高幡不動調布新宿方面
6 下り 高尾山口 最終電車は5番線から発車
  • 一部の列車を除き、上りの快速・各停は北野駅で京王八王子駅始発の特急・急行と、特急・準特急・急行は各停と相互接続されている。
  • 日中では特急(土休日は準特急)と各停が1時間当たり3本ずつ計6本(概ね10分間隔)、交互に設定されている。
  • 平日朝に当駅始発の各停が2本設定されている。

改札口

南口

駅南口は高尾線開通時より当時の京王帝都電鉄管理による日本国有鉄道(国鉄)との合同改札だった。その後、1990年代後半の改札口分割により京王電鉄・JR東日本それぞれの専用改札口と中間改札が設置された。中間改札には乗り換え客用に加えて、駅北口へ行き来する京王高尾線利用者用が2基ある。

改札口の管理は京王電鉄である。京王とJR東日本、それぞれの自動券売機が置されている。JR東日本の券売機ではSuicaおよびSuicaと相互利用可能なICカード(PASMOkitacaTOICAICOCASUGOCAはやかけんnimoca)へのチャージが可能である。京王の券売機ではPASMOとSuicaへのチャージが可能である。

北口

改札口の管理はJR東日本である。JR東日本と京王、それぞれの自動券売機が設置されており、JR東日本の券売機でも京王の片道乗車券を購入できる。なお、ここから京王高尾線を利用するには中間改札を通らなければならない。

改修計画

駅周辺は線路が街の南北を分断している。駅利用者以外が南北両口を行き来するには入場券を購入の上JR改札内を通るか(定期入場券も発売)、駅東側の町田街道あるいは駅西側の初沢踏切を大きく迂回することになる[8]

そのため八王子市の全体計画案により、北口の広場を整備してJRの橋上駅舎と自由通路を新設することになっている。上述の社寺風デザインの北口駅舎は、かつての皇室専用の駅であった東浅川駅跡の東浅川保健福祉センターの第二駐車場へ移築されることになっている[9]

駅周辺

北口

ロータリーの北側を国道20号甲州街道)が東西に通じ、高尾駅前交差点を境に東側は片側2車線のイチョウ並木、西側は片側1車線となる。また、南浅川を挟んで山地が迫るため、大規模な住宅・商業施設は少なく、環境施設や墓地などが多い。

南口

京王高尾線開業以前は住宅・商業施設ともに少なかったが、その後の宅地開発や大学の移転が進んでおり、ロータリーの南側に住宅、東側に商業施設が多くなっている。

バス路線

高尾駅北口」乗り場は、北口の土産物店前に1・2番乗り場が設置されており、西東京バス京王バス南(高01のみ)の路線バスが乗り入れている。敷地が狭いため、ターンテーブルが設けられている。2009年12月1日から新宿駅西口(後に新橋駅)発高尾駅北口経由恩方車庫行の深夜急行バスが西東京バスにより運行を開始した(降車専用)。

また、甲州街道・高尾駅前交差点付近にも停留所が設けられており、西東京バスに加えて京王電鉄バス(高02系統)や神奈川中央交通西(八07系統)の路線が停車する。

高尾駅北口

高尾駅入口

  • 山01:高尾山口駅行 / 京王八王子駅行

高尾駅前

  • 八07相模湖駅行 / 八王子駅
  • 高尾駅北口3番乗り場と高尾駅入口・高尾駅前バス停は同じ位置にある。
  • さらに4番乗り場があり、八王子城跡行が出ていたが、現在は廃止となり、スクールバス乗り場となっているが、墓参の季節に臨時バス停として使用されることがある。

高尾駅南口

高尾駅南口」乗り場は、ロータリーに1番から5番まで設置されており、京王電鉄バス・京王バス南・西東京バスの路線バスや、東京空港交通・京王バス南・西東京バス共同運行の羽田空港行、成田空港行の高速バス空港連絡バス)の他、関西方面からの夜行高速バス(到着便の降車扱いのみ)が乗り入れている。

  • 1番乗り場
  • 2番乗り場
    • 高22:館事務所行
    • 急行:穎明館構内行
    • 高28:グリーンヒル寺田行
  • 3番乗り場
  • 4番乗り場
  • 5番乗り場
    • 元八02:恩方営業所行
    • 元八03・04:京王八王子駅行
    • はちバス西南部コース:さくら台団地・松子舞団地方面行

その他

  • 当駅 - 新宿駅間は中央線と京王線が競合する区間である。京王は新宿まで360円と設定しているため、JR東日本では当駅から吉祥寺 - 新宿間各駅まで特定運賃(どの駅までも550円)を設定している。京王電鉄の構内にはJRと競合する区間の普通運賃を比較するポスターが掲出されていた。ただし、比較区間の始点は、当駅ではなく、高尾山口駅である。
  • 中央線下り最終電車の到着時刻は午前1時37分である。これは高崎駅とともに、列車の到着時刻としては日本で最も遅かったが、2016年3月のダイヤ改正でJR神戸線西明石行き最終電車の終点到着時刻が午前1時38分に繰り下げられたため、日本一遅い列車の到着時刻の座を明け渡し、現在ではJR東日本で最も遅い列車の到着時刻となった。
  • 中央線上り最終電車が午前0時31分に出発[10]した後、下り電車で寝入ったまま到着する乗客も多いが、駅周辺には宿泊施設が少ない。このため2014年以降、忘年会シーズンである12月の金曜日深夜(正確には土曜日未明)、西東京バス八王子駅北口まで「救済バス」を運行している[11]
  • かつては、リアカーに「特別快速」の札を付けた物があり、泥酔状態の酔客を改札まで運んでいた、という話がある。

隣の駅

JR logo (east).svg 東日本旅客鉄道
JC 中央線(中央本線)
通勤特快(上りのみ、当駅まで各駅に停車)
八王子駅 (JC 22) ← 高尾駅 (JC 24)相模湖駅
中央特快・通勤快速(下りのみ)・快速・各駅停車(緩行線直通、早朝・夜間の一部列車のみ)・普通(大月駅以西直通または当駅始発大月方面行き)
西八王子駅 (JC 23) - 高尾駅 (JC 24) - 相模湖駅
  • なお、当駅から相模湖方では優等列車や臨時列車を除き、列車番号上では「普通」扱いとなる。
32px 京王電鉄
KO 高尾線
特急・急行
めじろ台駅 (KO50) - 高尾駅 (KO52) - 高尾山口駅 (KO53)
準特急・区間急行・快速・各駅停車
狭間駅 (KO51) - 高尾駅 (KO52) - 高尾山口駅 (KO53)

脚注

出典

JR・私鉄の1日平均利用客数
JR東日本の1999年度以降の乗車人員
東京都統計年鑑

関連項目

外部リンク

 東日本旅客鉄道 中央線(快速)中央本線(東京 - 立川 - 高尾 - 大月 - 塩尻) JC
東京 - 神田 - 御茶ノ水 - 四ツ谷 - 新宿 - 中野 - 高円寺 - 阿佐ケ谷 - 荻窪 - 西荻窪 - 吉祥寺 - 三鷹 - 武蔵境 - 東小金井 - 武蔵小金井 - 国分寺 - 西国分寺 - (東所沢・大宮方面<<)国立 - 立川(>>拝島方面) - 日野 - 豊田 - 八王子 - 西八王子 - 高尾 - 相模湖 - 藤野 - 上野原 - 四方津 - 梁川 - 鳥沢 - 猿橋 - 大月(>>河口湖方面) - 初狩 - 笹子 - 甲斐大和 - 勝沼ぶどう郷 - 塩山 - 東山梨 - 山梨市 - 春日居町 - 石和温泉 - 酒折 - 甲府 - 竜王 - 塩崎 - 韮崎 - 新府 - 穴山 - 日野春 - 長坂 - 小淵沢 - 信濃境 - 富士見 - すずらんの里 - 青柳 - 茅野 - (普門寺信号場) - 上諏訪 - 下諏訪 - 岡谷 - みどり湖 - 塩尻( - 広丘 - 村井 - 平田 - 南松本 - 松本 >>長野方面
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