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ブライトライン(英語: Brightline)は、アメリカ合衆国の民間旅客鉄道All Aboard Florida社が運行しているマイアミ中央駅 - ウェストパームビーチ駅を結ぶ旅客鉄道であり、アムトラックのアセラ・エクスプレスに継いでアメリカ史上2番目となる高速列車である。2020年後半までにマイアミ - オーランド間約240mile(約390km)を3時間で結ぶ計画となっており全線開業時には年間530万人の利用が見込まれている[1]。
概況
フロリダ州では過去2回高速鉄道計画が検討され頓挫に至っている。まず、2000年11月の州民投票で公営高速鉄道の導入が決定したが、その後費用負担をめぐり2004年11月の州民投票で否決されている[2]。次に、フロリダ州がバラク・オバマ政権の鉄道助成金約20億ドルを利用しタンパ - オーランド間(約130km)に高速鉄道を敷設するFlorida High Speed Corridor計画を推進していたが[3]、2011年2月リーマンショックによる財政難を理由に計画が中止された[4]。
2012年3月フォートレス・インベストメント・グループ傘下のFlorida East Coast Industries社(略称・FECI)は代替案として時速200km/h以下の旅客鉄道に変更し、既存路線195mile(313km)を流用しつつブレバード郡ココア - オーランド間40mile(64km)を新設する民間高速鉄道計画「All Aboard Florida(AAF)Project」を発表した[5]。FECI社はフロリダ州に不動産王ヘンリー・モリソン・フラグラーが設立した二級鉄道フロリダ・イースト・コースト鉄道(略称・FEC)でインターモーダル輸送や石灰岩運搬といった貨物鉄道事業を行っておりこの路線を用いるというものであった。
2014年に事業会社All Aboard Florida社が設立され、連邦鉄道局の鉄道復旧改善融資(略称・RRIF)から17.5億ドルの借入れが決まると3回目にしてようやく事業化に至り[6]、2018年1月13日ウェストパームビーチ駅 - フォートローダーデール駅間で先行開業し、[7]2018年5月19日マイアミ中央駅まで延伸した。
沿革
- 2000年11月 - フロリダ州民の投票により高速鉄道設置が義務付けられる
- 2004年11月2日 - オーランドからタンパ間にジェットトレインを導入する計画が住民投票で否決される
- 2007年5月9日 - フォートレス社がフロリダ東海岸産業とFlagler Developmentを35億ドルで買収した[8]
- 2010年11月22日 - 新幹線輸出のためJR東海ら日本国内11社がフロリダ高速鉄道の応札を決定[9]
- 2011年2月17日 - リック・スコット州知事によってフロリダ高速鉄道計画が中止される[10]
- 2012年3月22日 - FECI社が「All Aboard Florida(AAF)Project」を発表[11]
- 2014年9月11日 - シーメンスの車両が採用される[12][13]
- 2017年3月29日 - フォートレス社がフロリダ・イーストコースト鉄道貨物事業(FEC)を21億ドルでGrupo Mexicoへ売却[14]
- 2018年1月13日 - ブライトラインがフォートローダーデール駅 - ウェストパームビーチ駅間で開業。[15]
- 2018年5月19日 - ブライトラインがマイアミ中央駅まで延伸。[16]
停車駅
- マイアミ中央駅:2018年5月19日開業予定
- フォートローダーデール駅:2018年1月13日新設
- ウェストパームビーチ駅:2018年1月13日新設
- オーランド駅:2021年開業予定
車両
車両はシーメンス・モビリティの新型機関車"チャージャー"が用いられている。新設区間の最高速度は時速125マイル (201km/h) だが、既設区間であるマイアミ - ウエストパームビーチ間の最高速度は、法規制により時速79マイル (127km/h) から100マイル (160km/h) に制限される[17]。
脚注
- ↑ “フロリダ州日系企業連絡会議ニュース(3月号)”. 在マイアミ日本国総領事館 (2017年6月15日). . 2018閲覧.
- ↑ “Derailed: Florida Amendment for $25B Bullet Train Bites Dust in Vote”. Site Selection Magazine (2004年11月8日). . 2018閲覧.
- ↑ “フロリダ高速鉄道こぼれ話”. インフラ投資ジャーナル (2010年11月26日). . 2018閲覧.
- ↑ “米フロリダ高速鉄道、計画中止に JR東海の受注頓挫”. 日本経済新聞 (2011年3月5日). . 2018閲覧.
- ↑ “Information Regarding All Aboard Florida (AAF) Project”. TCRPC. . 2018閲覧.
- ↑ “All Aboard Florida seeks federal loan”. Orlando Sentinel (2013年3月18日). . 2018閲覧.
- ↑ “マイアミとオーランドを結ぶ高速列車が今週の最初の部分旅行を開始する”. モンキー ・ ビジネス ニュース (2018年1月8日). . 2018閲覧.
- ↑ “Florida East Coast to go private in $3.5B deal”. jacksonville.com (2007年5月9日). . 2018閲覧.
- ↑ “JR東海、フロリダ高速鉄道に応札へ 新幹線を輸出”. 日本経済新聞 (2010年11月22日). . 2018閲覧.
- ↑ “JR東海、フロリダの悪夢”. 日経ビジネス (2011年3月2日). . 2018閲覧.
- ↑ “Florida East Coast Industries, Inc. Announces Plans for Private Passenger Rail Service in Florida”. Business Wire (2012年3月22日). . 2018閲覧.
- ↑ “Brightline Selects Siemens as Train Manufacturer”. Synaptic Digital (2014年9月11日). . 2018閲覧.
- ↑ “Siemens to build trains in US for private Fla. railway”. CNBC (2014年9月11日). . 2018閲覧.
- ↑ “Grupo Mexico to buy Florida East Coast Railway $2.1 billion”. reuters (2017年3月29日). . 2017閲覧.
- ↑ “First ride: Aboard Florida’s new Brightline train”. USA TODAY (2018年1月12日). . 2018閲覧.
- ↑ “Brightline’s inaugural West Palm-to-Miami trip draws crowd, celebration”. MyPalmBeachPost (2018年5月19日). . 2018閲覧.
- ↑ “First look: New Florida passenger train unveiled”. USA TODAY (2017年1月11日). . 2018閲覧.