「マンゴー」の版間の差分

提供: miniwiki
移動先:案内検索
(植物学上の特徴と分布)
 
 
(同じ利用者による、間の3版が非表示)
1行目: 1行目:
{{Redirect|菴摩羅|数の単位|阿摩羅}}
+
 
 
{{生物分類表
 
{{生物分類表
 
|名称 = マンゴー
 
|名称 = マンゴー
5行目: 5行目:
 
|画像= [[File:Mango_and_cross_section_edit.jpg|250px]]
 
|画像= [[File:Mango_and_cross_section_edit.jpg|250px]]
 
|画像キャプション = マンゴー
 
|画像キャプション = マンゴー
|界 = [[植物界]] [[:w:Plantae|Plantae]]
+
|界 = [[植物界]] [[Plantae|Plantae]]
|門 = [[被子植物門]] [[:w:Magnoliophyta|Magnoliophyta]]
+
|門 = [[被子植物門]] [[Magnoliophyta|Magnoliophyta]]
|綱 = [[双子葉植物綱]] [[:w:Magnoliopsida|Magnoliopsida]]
+
|綱 = [[双子葉植物綱]] [[Magnoliopsida|Magnoliopsida]]
|目 = [[ムクロジ目]] [[:w:Sapindales|Sapindales]]
+
|目 = [[ムクロジ目]] [[Sapindales|Sapindales]]
|科 = [[ウルシ科]] [[:w:Anacardiaceae|Anacardiaceae]]
+
|科 = [[ウルシ科]] [[Anacardiaceae|Anacardiaceae]]
|属 = [[マンゴー属]] ''[[:w:Mangifera|Mangifera]]''
+
|属 = [[マンゴー属]] ''[[Mangifera|Mangifera]]''
 
|種 = '''マンゴー''' ''M. indica''
 
|種 = '''マンゴー''' ''M. indica''
 
|学名 = ''Mangifera indica'' L.
 
|学名 = ''Mangifera indica'' L.
16行目: 16行目:
 
|英名 = Mango
 
|英名 = Mango
 
}}
 
}}
'''マンゴー'''(檬果、芒果、学名: ''Mangifera indica'')は、[[ウルシ科]]マンゴー属の[[果物|果樹]]、またその[[果実]]。'''菴羅'''(あんら)、'''菴摩羅'''(あんまら)ともいう。マンゴーの栽培は古く、[[紀元前]]の[[インド]]で始まっており、[[仏教]]では、聖なる樹<ref>アソカノキ(無憂樹)、インドボダイジュ(インド菩提樹)、サラノキ(沙羅双樹)、マンゴーとエンジュを加えて「仏教五木」」</ref>とされ、[[ヒンドゥー教]]では、マンゴーは万物を支配する神「[[プラジャーパティ]]」の化身とされている。
+
'''マンゴー'''(檬果、芒果、学名: ''Mangifera indica''
 
 
==植物学上の特徴と分布==
 
[[ファイル:Mango flower.jpg|thumb|left|マンゴーの花]]
 
[[ファイル:Carica papaya 1 (Piotr Kuczynski).jpg|thumb|アーウィン種の果実]]
 
[[ファイル:Large mango.jpg|thumb|200px|ペリカンマンゴー種の果実]]
 
 
 
原産地は[[インド]]から[[インドシナ半島]]周辺と推定されている。そのうち、単胚性(一つの種から一個体繁殖する)の種類はインドの[[アッサム地方]]からチッタゴン高原([[ミャンマー]]国境付近)辺りと考えられ、多胚性(一つの種から複数の個体が繁殖する)の種類は[[マレー半島]]辺りと考えられている。インドでは4000年以上前から栽培が始まっており、[[仏教]]の経典にもその名が見られる。現在では500以上の品種が栽培されている。インド・[[メキシコ]]・[[フィリピン]]・[[タイ王国|タイ]]・[[オーストラリア]]・[[台湾]]が主な生産国で、日本では[[沖縄県]]・[[宮崎県]]・[[鹿児島県]]・[[和歌山県]]・[[熊本県]]で主に栽培されている。
 
 
 
マンゴーの木は常緑高木で、樹高は40メートル以上に達する。開花と結実時期は地域により差がある。枝の先端に萌黄色の複総状[[花序]]を多数付ける。花は[[総状花序]]と呼ばれる小さな花が房状で咲く状態になり、開花後に強烈な腐敗臭を放つ。この腐敗臭により受粉を助ける[[クロバエ科]]などの[[ハエ]]を引寄せている。マンゴーの原産地の熱帯地域は、[[ミツバチ]]にとって気温が高すぎるため、マンゴーは受粉昆虫としてハエを選んだと考えられている(日本のハウス栽培では受粉を助ける昆虫としてミツバチをビニールハウス内に飼っている)。果実は系統によって長さ3-25センチ、幅1.5-15センチと大きさに開きがあり、その形は広卵形とも勾玉形とも評される。果皮は緑色から黄色、桃紅色などと変異に富むが、果肉は黄色から橙紅色で多汁。果皮は強靱(きょうじん)でやや厚く、熟すと皮が容易に剥けるようになる。未熟果は非常に酸味が強いが、完熟すると濃厚な甘みを帯び、[[松脂]]に喩えられる独得の芳香を放つ。
 
{{Clearleft}}
 
===マンゴーとかぶれ===
 
マンゴーは[[ウルシオール]]に似たマンゴールという[[接触性皮膚炎]](かぶれ)の原因となる物質が含まれており、高率にかぶれを引き起こすため注意が必要である。痒みを伴う[[湿疹]]などのかぶれ症状は食べてから数日経って発症・悪化する場合があり、[[ヘルペス]]などと[[誤診]]されることもある。
 
 
 
==食材としての利用==
 
[[ファイル:Mango pudding.JPG|thumb|left|[[マンゴープリン]]]]
 
{{栄養価 | name=マンゴー(生)| water =83.46 g| kJ =250| protein =0.82 g| fat =0.38 g| carbs =14.98 g| fiber =1.6 g| sugars =13.66 g| calcium_mg =11| iron_mg =0.16| magnesium_mg =10| phosphorus_mg =14| potassium_mg =168| sodium_mg =1| zinc_mg =0.09| manganese_mg =0.063| selenium_μg =0.6| vitC_mg =36.4| thiamin_mg =0.028| riboflavin_mg =0.038| niacin_mg =0.669| pantothenic_mg =0.197| vitB6_mg=0.119| choline_mg =7.6| vitB12_ug =0| vitA_ug =54| betacarotene_ug =640| lutein_ug =23| vitE_mg =0.9| vitD_iu =0| vitK_ug =4.2| satfat =0.092 g| monofat =0.14 g| polyfat =0.071 g| tryptophan =0.013 g| threonine =0.031 g| isoleucine =0.029 g| leucine =0.05 g| lysine =0.066 g| methionine =0.008 g| phenylalanine =0.027 g| tyrosine =0.016 g| valine =0.042 g| arginine =0.031 g| histidine =0.019 g| alanine =0.082 g| aspartic acid =0.068 g| glutamic acid =0.096 g| glycine =0.034 g| proline =0.029 g| serine =0.035 g| right=1 | source_usda=1 }}
 
 
 
熟した実を中心にある種に沿って切り、生のまま食用にするのが一般的だが、[[ジュース]]・[[ピューレ]]・[[缶詰]]・[[ドライフルーツ]]などにも加工される。[[香港]]では果肉またはピューレに[[ゼラチン]]・砂糖・[[生クリーム]]など、ほかの材料を合わせた[[マンゴープリン]]が有名である。そのほか、[[ムース (食品)|ムース]]・[[ケーキ]]・[[シャーベット]]・[[スムージー]]・[[グミ]]などの洋生菓子も盛んに作られている。また、未熟果を[[塩漬け]]・甘酢漬け・[[チャツネ]]にする。東南アジアでは未熟果に[[唐辛子]]入りの砂糖塩につけて食したり、炒め物などの料理に使用したりする。栄養面では、特に[[ビタミンA]]やβ-[[カロテン]]が多い。
 
 
 
地域によっては[[パパイヤ]]のようにマンゴーの未熟果実を野菜として、おやつとして食する文化が一般的である。[[タイ王国|タイ]]と[[ベトナム]]では緑色の未熟果実が庶民のおやつとして食べられている。これには塩をつけて食べる。ほとんど甘みはなく、未熟な果実の鮮烈な酸味と歯ごたえを楽しむ。[[台湾]]では小ぶりのマンゴーの未熟果実を丸ごとシロップ漬けにしたおやつが食べられている。[[インド]]ではマンゴーの未熟果実を乾燥させ粉末にしたものは[[アムチュール]]([[:en:Amchoor|en]])と呼ばれ、酸味付けのスパイスとして使用される。[[ガラムマサラ]]にアムチュールを加えた複合スパイスは{{仮リンク|チャットマサラ|en|Chaat masala}}と呼ばれ、[[インド料理]]では広く使用される。
 
{{Clearleft}}
 
 
 
==品種==
 
===アップルマンゴー===
 
果皮が赤色の品種の総称で代表的品種はアーウィン種。日本での栽培の96.5%がこの品種である。[[シャープ]]の副社長だった[[佐々木正]]が高校時代に品種改良で作ったとする説が広まっているが、これはリンゴにマンゴーを接木する研究をしていた話が間違って伝えられたと思われる。実際にはアーウィン種はアメリカ・フロリダ州において育種選抜されたもの。
 
 
 
===キーツマンゴー===
 
果皮が緑色の品種。アップルマンゴーより後の時期に出荷される。アップルマンゴーに比べ、一本の木に多く実がならず、熟する時期が確認しづらい上に大きくて買い手が少なく、流通量は少ない。
 
 
 
===ペリカンマンゴー===
 
日本で売られるペリカンマンゴーは主にフィリピン産である。正式な品種名は「カラバオ」である。外観は黄色く、他の品種と比べると酸味がやや強い。名前は実が扁平で、[[ペリカン属|ペリカン]]のクチバシに形が似ていることに由来する。
 
 
 
==各国のマンゴー==
 
 
 
===インド===
 
インドは世界最大のマンゴー生産国。年間収穫量は約160万トンで、世界各国に輸出する。4000年以上前から栽培が始まっており、現在では500以上の品種が栽培されている。マンゴーの王と呼ばれるアルフォンソ・マンゴーは、3月から5月にかけて実り始め7月頃に終わる。甘く特有の香りがある。[[雨期]]の数ヵ月前に数日間雨が降り、その雨により一気に熟する。この雨をマンゴー・レインと呼び、[[デカン高原]]では4月中旬から5月初旬に降る。雨期が始まる6月中旬で、アルフォンソ・マンゴーの季節は終わる。デーヴガル産のアルフォンソ・マンゴーが最高だと言われ、実が大きく味が濃い。2006年より条件付で日本への輸入が解禁された。現在輸入できる品種はアルフォンソ種・ケサー種・チョウサ種・バンガンパリ種・マリカ種・ラングラ種である。なお[[ベンガル地方]]で古くからマンゴーの葉のみを食べさせた[[牛]]の[[尿]]から黄色[[顔料]][[インディアンイエロー]]を製造していたが、牛が飢餓状態になるため[[動物虐待]]として1908年に取引が禁止された。
 
 
 
===日本===
 
[[ファイル:Mango_no_tabekata.JPG|thumb|left|花切りにしたマンゴー]]
 
 
 
日本では露地栽培により果実を実らせることが難しいため、農家ではビニールハウス栽培を採用している。ハウス栽培を行う目的は高い気温の確保ではなく、マンゴーの開花時期が日本の雨季と重なるため、水に弱いマンゴーの花粉を雨から守ることで受粉をさせ、結実させるためである<ref>[http://www.ntv.co.jp/megaten/library/date/05/07/0703.html 所さんの目がテン番組HP マンゴー]</ref>。
 
  
日本では[[植物防疫法]]によって、侵入を警戒する農業大害虫の[[ミバエ]]類が発生している国・地域からのマンゴーの生果実の輸入は原則として禁止されている。しかし、輸出国において果実に寄生する対象[[ミバエ]]類の完全殺虫処理技術等が確立されれば、各国より申請された品種について日本側([[農林水産省]])が検討し、問題無いとの結論に至ったものは殺虫処理などの条件を付して日本への輸入が認可されるようになった。殺虫処理技術には飽和水蒸気による果実の加熱処理である蒸熱処理や温水に果実を漬ける温湯浸漬という工程が用いられることが多い。これら条件付き輸入解禁により、1990年代後半ごろから全国のスーパーなどの小売店でフィリピン産などのマンゴー果実が安価で売られ、また菓子などの加工物の原材料としても幅広く用いられるようになり、一気に代表的な熱帯産果物の一種として日本の社会に浸透した。
+
ウルシ科の常緑高木。
  
日本では写真の花切りがマンゴーの切り方として定着している。切り方は中央の平たい種をさけ、魚を3枚におろすように包丁を入れ、切った面にさいの目状に切り目を入れる。そして両手で皮を押して果肉を反り返すと花のような形になる。
+
南アジア,マレー半島の原産で,現在では重要な果樹として熱帯地方で盛んに栽培されている。幹の高さ 10~30m,暗褐色の樹皮をもつ。
{{Clearleft}}
 
===タイ===
 
マンゴーは[[タイ語]]でマムアンといい、タイでの旬は4月から7月である<ref name="Bangkok">JTB『るるぶ タイ・バンコク 2015年版』2014年、34頁</ref>。もち米とともに調理したカオニャオマムアンはタイの名物料理である<ref name="Bangkok" />。
 
  
タイでは60種類以上の品種が栽培されているが、条件付で日本への輸入が解禁されたのが1987年で、現在日本へ輸入できるマンゴーはナムドクマイ種・ナンカンワン種・ピムセンダン種・ラッド種・マハチャノ種の計5種類のみである。外国産のマンゴーではメキシコ、フィリピンについで3番目の輸入量である。
+
葉は互生し長さ 10~15cmの長楕円形で先がとがり,縁に鋸歯はない。長い総状花序に無数の小さな花がつく。
  
日本人には糖度の高さと肌理細かな食感が特徴のナムドクマイ種が最も好まれ、日本に輸入されているタイ産マンゴーのほとんどを占めている。ナムドクマイとはタイ語で「花のしずく」という意味で、しずく状のマンゴーの形が名前の由来である。
+
独特の香りがある虫媒花で,両性花と雄花があり,緑色の萼片と黄白色の花弁が各5枚ある。両性花ではおしべは退化し1個のみが成熟して花粉を生じる。
  
===台湾===
+
果実はゆがんだ楕円状球形で熟すると橙黄色になる。果肉は生食のほかに缶詰,干菓子,酒などに造られる。
台湾語で「ソァイアー」(檨仔)と呼ばれる。
 
  
==脚注==
+
種子は薬用,材は堅牢で家具,樹皮から得るゴム質はアラビアゴムの代用にされることもある。
{{脚注ヘルプ}}
 
{{ウィキポータルリンク|果物|[[画像:Illustration des fruits en pays Bassa.jpg|50px|Portal:果物]]}}
 
<references />
 
  
== 関連項目 ==
+
熱帯の街路樹,庭園樹としても使われ,日本でも[[南西諸島]][[小笠原諸島]]でわずかにつくられている。
{{Commons&cat|Mango|Mango}}
 
{{Wikispecies|Mangifera}}
 
* [[マンゴープリン]]
 
* [[マンゴー (ライフゲーム)]]
 
  
 
{{Herbs & spices|state=collapsed}}
 
{{Herbs & spices|state=collapsed}}
  
{{Normdaten}}
+
{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{DEFAULTSORT:まんこお}}
 
{{DEFAULTSORT:まんこお}}
 
[[Category:ウルシ科]]
 
[[Category:ウルシ科]]

2018/8/29/ (水) 21:56時点における最新版


マンゴー(檬果、芒果、学名: Mangifera indica

ウルシ科の常緑高木。

南アジア,マレー半島の原産で,現在では重要な果樹として熱帯地方で盛んに栽培されている。幹の高さ 10~30m,暗褐色の樹皮をもつ。

葉は互生し長さ 10~15cmの長楕円形で先がとがり,縁に鋸歯はない。長い総状花序に無数の小さな花がつく。

独特の香りがある虫媒花で,両性花と雄花があり,緑色の萼片と黄白色の花弁が各5枚ある。両性花ではおしべは退化し1個のみが成熟して花粉を生じる。

果実はゆがんだ楕円状球形で熟すると橙黄色になる。果肉は生食のほかに缶詰,干菓子,酒などに造られる。

種子は薬用,材は堅牢で家具,樹皮から得るゴム質はアラビアゴムの代用にされることもある。

熱帯の街路樹,庭園樹としても使われ,日本でも南西諸島小笠原諸島でわずかにつくられている。




楽天市場検索: