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− | {{Otheruses}}
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− | {{出典の明記|date=2013年1月}}
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− | [[File:Stone IMAG1030.JPG|thumb|250px|石]]
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− | '''石'''(いし、stone)は、[[岩石|岩]]より小さく、[[砂]](sand)よりも大きい、[[鉱物]]質のかたまり<ref name="koujien">広辞苑第六版【いし 石】</ref>。
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− | == 概説 ==
| + | '''石'''(いし、stone) |
− | [[File:Big_stones_on_ground.jpg|thumb|right|250px|石]]
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− | [[Image:Stones white.jpg|thumb|right|250px|つやのある石。たまいし(玉石)。]]
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− | [[広辞苑]]の説明の1番目のものから解説すると、石というのは、[[岩]]より小さく、[[砂]](sand)よりも大きい、[[鉱物]]質のかたまりのことである<ref name="koujien" />。
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− | 何らかの原因で[[岩]]が割れていくらか小さくなったものである。特に小さな石は小石(英語ではpebble)と呼ばれる。(なお、石より小さいが砂よりも大きいのは[[砂利]](gravel)などと呼ばれる。)
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− | 広辞苑では2番目に、材質・材料としての石(=[[石材]])を挙げている<ref name="koujien" />。
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− | 3番目には、宝石や特定の鉱物加工品を挙げており、具体的には次のものを挙げている<ref name="koujien" />。
| + | 1 岩石の小片。岩よりも小さく、砂よりも大きなもの。 |
− | * 時計の軸受け用の宝石<ref name="koujien" /> →下の「[[#時計の軸受け]]」で詳説
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− | * ライターの発火用の合金<ref name="koujien" />
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− | * [[碁石]]<ref name="koujien" />
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− | * [[硯]]<ref name="koujien" />
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− | * [[墓石]]<ref name="koujien" />
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− | 山などでは自然と石が転げ落ちることが起きている。これを[[落石]](らくせき)と言う。
| + | 2 広く、岩石・鉱石のこと。 |
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− | *他
| + | 3 土木工事や建築などに使う石材。 |
− | **[[医療]]において、「石ができた」と言うと[[結石]]のことを指しており、より具体的には[[胆石]]、[[膀胱結石]]などである。
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− | **俗に、[[トランジスタ]]や[[集積回路]](IC)のことを「石」と呼ぶ。→[[#半導体や集積回路]]
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− | == 性質 ==
| + | 4 宝石や、時計の部品に用いる鉱石、ライターの発火合金などの俗な言い方。 |
− | 概して言えば、[[木]]より硬いものが多い(傾向がある)。別の言い方をすると[[硬度]](の値)は木よりも高い。
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− | == 自然界での位置付け ==
| + | 5 碁石。 |
− | 18世紀では、[[生命]]と物質の概念の区分けは現代人と異なっていて、鉱物も自然界の一連の生命の階梯の一番下に位置づけられていた<ref name="seimeiwodonoyouni">山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』講談社、2011年</ref>。たとえば、18世紀の博物学における分類体系においては大抵、「[[動物界|動物]]界」「[[植物界]]」「[[博物学|鉱物界]]」が並置されていたのである<ref name="seimeiwodonoyouni" />。分類学の父とされるリンネの著書『自然の体系』(1735年)はその典型で、冒頭で次のように定義してみせた。
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− | :「自然物は鉱物界、植物界、動物界の三界に区分される。鉱物は成長する。植物は成長し、生きる。動物は成長し、生き、[[感覚]]を持つ」<ref name="seimeiwodonoyouni" />。
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− | 19世紀初頭にラマルクがそれとは異なった線引きを主張したことで、人々の概念の区分けに変化が生じた<ref name="seimeiwodonoyouni" />。ラマルクの1809年の書『動物哲学』においては、「動植物と鉱物の間には越えられない断絶がある」と強調し、彼独自の線引きの学問「biology(生物学)」を提案し、やがてそれが人々に受け入れられ定着したことで、概念枠が徐々に変化したのである。
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− | なお[[君が代]]の中にも、「さざれいしのいわおとなりて」([[さざれ石]]が大きな岩となって)と石が成長する様が描かれている。
| + | 6 胆石。結石。 |
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− | == 神話・信仰と石 ==
| + | 7 硯(すずり)石。 |
− | [[メデューサ]]神話では、人が恐怖で石になる。
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− | 古代から何らかの[[境界]]を表すものとして石がおかれることがあった。([[イギリス]]の[[ストーンヘンジ]]や[[ストーンサークル]]などがその例として挙げられる)
| + | 8 墓石。 |
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− | 石は古く人間の一生([[人生]])というタイムスケールの中では、意図的に壊そうとでもしない限り、大きな変化の起こらない、より長い時間を存在する(ともすれば永久不変の)存在だと考えられてきた。このため石は永遠性の象徴として崇められ、[[民俗学]]上ではこういった思想が世代を超えて受け継がれる原始宗教と結びついていったとも考えられている。
| + | 9 じゃんけんで、握りこぶしで示す形。ぐう。じゃんけん |
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− | [[不老不死]]に憧れを抱いた者の中に[[鉱物]]を永久不変の元として捉え、それら鉱物から「不老不死のエッセンス」を抽出すればいわゆる「不老不死の薬」が作れると考えた者もいた。こういった者の中には不老不死の妙薬として、鉱物から抽出される水銀を服用して中毒死した者も記録に残されており、また[[錬金術]]において不老不死研究の過程でも、少なからず鉱物に永遠性の象徴を求めていったケースが見られる(→[[水銀]])。
| + | 10 紋所の名。四つ石、丸に一つ石、石畳車(いしだたみぐるま)などがある。 |
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− | 日本の[[神社]]には、通常の神とは別に石が祀られていることも多い。また、日本には[[夜泣き石]]の伝説がある。[[陰陽石]]といわれる男女を表す石もあり、[[殺生石]]は「[[妖怪]]の祟り」をもたらすとされる。
| + | 11 かたい、冷たい、無情なもののたとえ。 |
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− | [[宝石]]には伝説がつきまとうことがある。特に[[ホープダイヤモンド]]のそれは有名である。
| + | 12 劣ったもののたとえ。 |
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− | == 用途 ==
| + | 13 石だたみ。敷石。 |
− | === 建材 ===
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− | {{See also|建材|石材}}
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− | {{中央|<gallery widths="180px" heights="180px">
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− | ファイル:Eisengebirge, Mauerwerk.JPG|石を積んだものを「[[石積み]]」と言い、特に「壁」状にしたもの「垣」にしたものを「[[石垣]]」と言う。
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− | ファイル:Anyoin03 1024.jpg|[[太山寺安養院庭園|安養院庭園]]の石組
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− | ファイル:Notre_Dame_buttress.jpg|ヨーロッパの建物の多くは石によって出来ている。この写真は[[ノートルダム大聖堂 (パリ)|フランス、パリのノートルダム大聖堂]]。石を加工し建物を作る職人を[[石工]]という。
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− | </gallery>}}
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− | === 時計の軸受け ===
| + | 14 石御器(いしごき)のこと。茶碗。 |
− | [[画像:Watch stone.jpg|thumb|right|200px|腕時計の中の石(ルビー)]]
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− | 機械式[[時計]]の歯車の軸受けに、[[摩耗]]に強い石([[宝石]])が使われる。耐摩耗性に優れ[[硬度]]が高い[[結晶]]から[[削り出し|削り出した]]軸受けを使う。より具体的には[[ルビー]]や[[サファイア]]などから削り出す。軸受けに宝石を使っている数が多いほど、概して耐久性と長期的な精度が良くなるので、機械式時計の性能を表すのに「n 石」と表現する場合がある(nは[[自然数]])。たとえば「17石時計」や「21石時計」などと呼んでおり、時計の盤面に「17 jewels」などと表記されている。この数が、長期間の使用でも精度が変化しにくいことを表す目安となっている。手巻き[[腕時計]]では17石、自動巻腕時計では21石を使っていれば十分な性能を発揮する<ref>『腕時計大百科』グリーンアロー出版社 ISBN 4-7663-3146-X </ref>。なおアナログ式クオーツ時計においては可動部が少ないため、石の数は機械式時計に比べて少ない (安価なものに関してはないものも多い)。
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− | === 武器・兵器としての石 ===
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− | 石は投げつけることで相手を傷つけたり殺したりすることができる。[[古代]]から[[狩猟]]に使われたり、[[戦闘]]の[[武器]]・[[兵器]]として使われた。
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− | 石はありふれていたので、人は戦う時、とりあえず手近にある石を手にとる、ということをしてきた歴史があるのである。[[日本]]では手で投石する戦闘行為を「[[印地]]」(いんじ)といい、熟練者を「印地打ち」と称した。[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]には[[石合戦]]などの行事が行われていた、石つぶて隊とも。
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− | やがて何らかの機構を使って手で投げるよりも遠くへ飛ばそうとするようになり、多くの国で[[投石器]]・[[カタパルト (投石機)|カタパルト]]・[[バリスタ (兵器)|バリスタ]]・[[石弓]]・[[弩]](石も跳ばせる様にした物)などが開発され、[[投石]]専門の[[投石兵]]が組織された。
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− | [[File:David_von_Michelangelo.jpg|thumb|150px|ダビデ像。(ミケランジェロ作。16世紀。フィレンツェ、アカデミア美術館。)左肩に投石帯をのせている。]]
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− | 古代イスラエルの[[ダビデ]]は、石でゴリアテを倒したとされる。そのダビデの姿を描いたミケランジェロの有名な[[ダビデ像 (ミケランジェロ)|ダビデ像]]は左肩に帯状のものをのせているが、これは投石のための道具である。
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− | なお、闘いで石を手にとる、という行為は古代や中世で終わったわけではない。現代でも例えばパレスチナの人々は、彼らを迫害するイスラエル人と闘おうとする場合、銃などを手に入れられない代わりに地面に落ちている石を拾い投げつけて抗議行動を行った([[第一次インティファーダ]])。
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− | === スポーツ ===
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− | [[カーリング]]には[[花崗岩]]で作られた「ストーン」が用いられる。
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− | === 碁石 ===
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− | [[囲碁]]や[[連珠]]では、黒と白の[[碁石]]を用いる。このうち、黒石は[[那智黒石]]という石から作られている。なお、白石のほうは、高価なものでは[[ハマグリ]]の貝殻から作られているものが多い。安価なものでは黒・白ともに[[プラスチック]]や硬質[[ガラス]]など、石以外の素材で作られることもある。
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− | 「[[布石]]」「[[定石]]」「[[捨て石]]」といった語は、石を使う囲碁の用語として生まれ、のちに転用されたものである。
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− | 囲碁の伝統の影響で、[[オセロ (遊戯)|オセロ]]に使われる樹脂製のものも「石」と呼ばれる。
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− | === 食 ===
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− | 石焼として鉄板のように使用することがある。
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− | また、アフリカのケニアでは、odowa と呼ばれる石を食用とする。この石は歯よりも柔らかく、歯を磨く効果もあるという。味は塩みも甘みもなく、食感が楽しめる。鉄分が含まれるため、鉄分が不足しやすい妊婦などが好む<ref>[http://news.bbc.co.uk/2/hi/7596067.stm Why Kenyan women crave stones](BBC 参照日:2018.5,15)</ref>。
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− | == 半導体や集積回路 ==
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− | [[半導体]]を使う製品では、古くより[[ラジオ]]などの性能を表すのに[[真空管]]の本数を示して「5球ラジオ」のように呼んでいたことに倣い、[[トランジスタラジオ]]などの性能を示すのにトランジスタの個数を示して「5石ラジオ」のように呼んだ。これにはトランジスタの原料である[[シリコン]]が[[石英]]や[[長石]]と同じ[[珪素]]化合物であることも関連している。 [[鉱石ラジオ]]では分波のために鉱石をひとつ使うが、これは様々な代用品が使われることもあった。
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− | なお現在でも古くからパーソナルコンピュータ([[PC/AT互換機]])などを扱っていた人の間で、[[ジャーゴン]]として[[CPU]]や[[Graphics Processing Unit|GPU]]などを「石」と称する場合がある。
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− | == 脚注 ==
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− | {{脚注ヘルプ}}
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| == 関連項目 == | | == 関連項目 == |
− | {{Commonscat|Stones}}
| + | *[[岩石]] |
− | {{Wikiquote}}
| + | *[[鉱物]] |
− | {{Wiktionary}}
| |
− | *[[岩石]]、[[岩石の一覧]] | |
− | *[[鉱物]]、[[鉱物の一覧]] | |
| *[[鉱石]] | | *[[鉱石]] |
| *[[隕石]] | | *[[隕石]] |
− | *[[宝石]]、[[宝石の一覧]]、[[誕生石]] | + | *[[宝石]] |
| *[[石材]] | | *[[石材]] |
| *[[墓石]] | | *[[墓石]] |
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| [[Category:石|*]] | | [[Category:石|*]] |
| [[Category:武器]] | | [[Category:武器]] |