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- スワジランド王国
- Umbuso weSwatini (スワジ語)
Kingdom of Swaziland (英語) - 国の標語:Siyinqaba
(スワジ語: "我々は巨大な要塞なり")
公用語 | スワジ語、英語 |
---|---|
首都 | ムババーネ |
最大の都市 | ムババーネ |
独立 - 日付 | イギリスより 1968年9月6日 |
通貨 | リランジェニ (SZL) |
時間帯 | UTC +2(DST:なし) |
ISO 3166-1 | SZ / SWZ |
ccTLD | .sz |
国際電話番号 | 268 |
スワジランド王国(スワジランドおうこく)、通称スワジランドは、アフリカ南部に位置する立憲君主制国家。イギリス連邦加盟国のひとつ。周囲を南アフリカ共和国とモザンビークに囲まれた内陸国でもある[2]。首都はムババーネ。
2018年に国名を「エスワティニ王国(Kingdom of eSwatini)」と改めることを宣言した[2]。
Contents
国名
正式名称は英語で、Kingdom of Swaziland(キングダム・オブ・スワジランド)。通称、Swaziland。国民・形容詞ともSwaziと表記。1968年に独立したがイギリス領時代の国名を変更せずそのまま継続した経緯があった。[2]
日本語の表記はスワジランド王国。通称はスワジランド。
国名は「スワジ人の国」という意味から付けられた。しかし現地語であるスワジと英語のランドの掛け合わせた言葉であるために一部の国民からの不満があったことを受けて[2]、2015年からスワジ議会でも国名変更について審議されていた[2]。
2018年4月19日、国王のムスワティ3世はマンジニで執り行った独立50周年記念式典での演説に於いて「私はこの国の名前を元に戻す」として、国名を現地語に則り「エスワティニ王国(Kingdom of eSwatini)」と改めることを宣言した。これはスワジ語で「スワジ人の場所」という意味になる[2]。
歴史
政治
スワジランドは国王を国家元首とする君主国で、形式的には立憲君主制だが実際には憲法で国王の強大な権力が保障されており、政府の要職の多くも王家が占めるなど、絶対君主制の様相を呈している。現行憲法は2005年7月に制定され、2006年2月8日に施行されたもの。
国王の位はドラミニ家により世襲されており、司法、立法、行政の三権の上に立ち軍隊の統帥権を持つ。国王の輔弼機関として王室諮問評議会が存在し、国王が幼少や病弱などの理由で政務を執る事が出来ない場合は王室の中から摂政が任命され、国王の権限を代行する。
行政府たる内閣は首相により率いられる。首相は国王が王室諮問評議会の助言をもとに下院議員の中から任命し、閣僚は首相の助言に基づき国王が任命する。首相職はスワジランド独立前年の1967年5月16日より存在する役職だが設置以来、ドラミニ家の人物が就任している(一時的な首相代行者は除く)。政府の要職もドラミニ家の人物か、もしくはそれに極めて近い人物に割り当てられている。
立法権は国王に属している。だが、リバンドラと呼ばれる両院制議会が存在し、国王の立法における諮問機関としての役割が与えられている。リバンドラは上院と下院により構成される。上院は定数30議席で、うち20議席が国王による任命枠、残り10議席は下院による選出枠である。下院は定数82議席だがそのうち12議席は現在空席となっており、実際には70議席で運営されている。55議席は民選枠、残り10議席は国王による任命枠、4議席は女性議員枠、1議席は司法長官の議席である。両院とも任期は5年。
下院選挙55議席の民選枠はスワジランドを構成する4地方(地方行政区分の項目参照)が選挙区割りとなっており、マンジニ地方に16議席、ホホ地方に14議席、シセルウェニ地方に14議席、ルボンボ地方に11議席が割り振られている。同様に女性議員枠も、4地方から各1名ずつが選出される。
スワジランドの政党はドラミニ家による王政を支持する王党派のインボコドボ国民運動(INM)以外は非合法でINMの党首はドラミニ家の人物。ングワネ民族解放会議(NNLC)と人民統一民主運動(PUDEMO)が国王専制に反対する実質的な野党勢力として機能しているが、政府による厳しい取締りを受けている。
司法機関は上級裁判所と最高裁判所を頂点としており、両裁判所とも裁判長は国王により任命される。
首都のムババーネには政府機関、上級裁判所、最高裁判所が存在し、王宮とリバンドラはロバンバにある。
スワジランドは、中華民国(台湾)を承認している唯一のアフリカの国である。
地方行政区分
スワジランドの地方行政区分は4地方(District)に分けられている。
主要都市
主要な都市はムババーネ(首都)、マンジニがある。
地理
内陸国で、西部には標高1200m以上の山地が広がる。地形は全般に西の高地から東の低地へと傾斜しており、もっとも標高の低い東端地域では標高150m程度にまで高度が下がる。降水量は標高とほぼ比例し、西部は年間降水量が1900mmにのぼる地域があるのに対し、東部の雨量は500mm程度にすぎない[3]。
降雨量と標高により、国土はハイベルト、ミドルベルト、ローベルトの3つに大きく分けられる。西部のハイベルトは雨量が多く、植林が進められている地域である。中部のミドルベルトは穀物栽培と畜産が行われ、降水量の少ない東部のローベルトは牧草地となっており牧畜が盛ん。
国自体の起伏が激しい上に降水量が多いため、植生が豊かで風景は変化に富んでいる。国土には東西に北からコマチ川、ムブルジ川、ウスツ川、イングワブマ川の4つの大きな河川が流れ、国土を潤している[3]。
経済
住民の約1%ほどの白人が経済の実権を握り、私有地の大半を保有。一般国民の生活水準は低く、電力の約80%を南アフリカからの輸入に依存している。国王の散財癖は有名で、国家予算も著しく圧迫されている。
かつては南アフリカでアパルトヘイトが実施されていたころ、スワジランドには経済制裁を潜り抜けるために南アフリカの企業が進出し、工業生産や貿易を行っていた。そのため、他のアフリカ諸国に比べれば工業の経済にしめる割合は高く、それなりに多角化された経済を持っている。
国民
民族
国民の大半はスワジ人が占めており、その他にズールー人や非アフリカ人もわずかにいる。
言語
公用語はスワジ語と英語。なお、スワジ語はシスワティ語とされることもあるが、接頭辞「シ」が民族名につくと言語名となるので、正しくはスワジ語またはシスワティであり、シスワティ語とするのは誤り。
宗教
宗教は、現地宗教(キリスト教と混合したもの)が40%、ローマ・カトリックが20%、イスラム教が10%などとなっている。
教育
保健
エイズ蔓延と治安による悪化の影響で2008年の平均寿命は男41歳・女43歳[6]、2007年の15〜49歳のHIV感染率は約25%である[7]。詳細についてはスワジランドにおけるHIV/AIDSを参照のこと。
文化
スワジランドでは一夫多妻制が認められていて、現国王のムスワティ3世は2013年時点で14人の妻を娶っている[8]。前代の国王であったソブーザ2世(1899年 - 1982年)も70人の妻を娶り、そこから生まれた王子・王女は210人にもおよんだ[9]。
日付 | 日本語表記 | 現地語表記 | 備考 |
---|---|---|---|
9月6日 | 独立記念日 |
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 IMF Data and Statistics 2009年7月18日閲覧([1])
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 “スワジランド、国名を「エスワティニ」に 英語排除し現地語回帰”. AFP BB NEWS Japan. 株式会社クリエイティヴ・リンク. (2018年4月20日) . 2018閲覧.
- ↑ 3.0 3.1 「週刊朝日百科世界の地理109 南アフリカ共和国・レソト・スワジランド」朝日新聞社 1985年11月24日 p11-244
- ↑ [2]
- ↑ [3]
- ↑ WHO>Countries>Swaziland 2009年7月18日閲覧 [4]
- ↑ WHO>Countries>Swaziland>HIV/AIDS epidemiological fact sheet 2009年7月18日閲覧 [5]
- ↑ 交通事故で王の花嫁候補38人が死亡し、スワジランドafpbb、2016年10月10日閲覧。
- ↑ Swaziland National Trust Commission. “Succession In Swazi Kingship”. Sntc.org.sz. . 2013閲覧.
関連項目
外部リンク
- 政府
- スワジランド王国王室(英語)
- スワジランド王国政府(英語)
- 日本政府
- 日本外務省 - スワジランド(日本語)
- 在スワジランド日本国大使館 - 在南アフリカ共和国日本国大使館が兼轄(日本語)
- 観光
- スワジランド政府観光局(英語)