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北木島 | |
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座標 | 東経133度32分11秒北緯34.38194度 東経133.53639度 |
面積 | 7.49 km² |
海岸線長 | 18.3 km |
最高標高 | 226 m |
最高峰 | バックリ山 |
所在海域 | 瀬戸内海 |
所属諸島 | 笠岡諸島 |
所属国・地域 | |
北木島(きたぎしま)は岡山県笠岡市の笠岡諸島に属する、瀬戸内海の有人島。笠岡港から南に約15kmの地点にある。
Contents
地勢
日本国内の有人島としては小さい部類に入るが、笠岡諸島では最大の島である。島の北側に金風呂(かなふろ)と豊浦、東側に大浦の港があり、港の周辺には集落が形成されている。 島の岩盤は中生代白亜紀の花崗岩[2][3]からなり、島から産出する石材は北木石のブランド名で流通している。丁場と呼ぶ石切り場は良質の石を求めて地下深く掘られており、採掘をやめた丁場には水が溜まって写真(本頁下のギャラリー)のような丁場湖の景観を見せる。
丁場湖
北木島では、地表近い花崗岩は水分の影響を受け岩石中の鉄分が酸化して赤みがかった錆石となっている。錆石の下には酸化されていない新鮮な花崗岩が地下深くまで続いている[4]。北木島の丁場では良質な白い花崗岩を求めて地下深くまで採掘を行い、多くの丁場で海面比マイナス数十メートルまで掘り進んだ。採掘を終えた丁場では、垂直に彫られた深い穴に水を湛えた池が残され、興味深い風景となっている。
歴史
海の見える小高い丘の上に古墳が3箇所現存しているので、古墳時代から人が住んでいたと思われる。享徳2年1453年に書かれた、真鍋氏系図(南東にある真鍋島に由来する豪族の系図)には「柴ノ島」とあるが、戦国末期と推定される書状には「北木」と書かれており、真鍋氏の一族が住んでいた[5]。江戸時代は1619年から備後福山水野氏の領地となったが、1698年以降は幕府領となった[6]。江戸時代1834年の天保郷帳では北木島の取れ高は約224石とされている[7]。しかし江戸時代の検地帳では島の田畑のランクは低く、島の経済は漁業に依存していた[8]。
石材の島としての北木島
北木島を含む瀬戸内海の島々は良質の花崗岩を産出している。江戸幕府が豊臣氏を滅ぼした後に建造した、大阪城の石垣の巨石も小豆島などから切り出した花崗岩が使われている。この大阪城の建造に際し北木島からも石垣に用いられる石材を搬出したとされる[9]。江戸時代末の1863年には、京都を異国の侵略から守るために建造された「西宮お台場砲台」の石材を供出[10]。1879年には横浜正金銀行の石材を受注[11]、1896年には北木島の石材を使用した日本銀行本店が竣工し、建築用石材としての北木石の名が広まる[12]。1932年には靖国神社の大鳥居と大石灯籠の石材を積み出した[13]。第二次世界大戦をはさむしばらくの期間、石材産業は一次衰退したが、戦後の復興・経済成長期には再度著しく発展した。最盛期の1957年には花崗岩を採掘する丁場の数が127箇所あった[14]。
その後、中国からの安価な輸入石材に押されて石材の産出量は減少し、最盛期に127あった採石業者は2017年時点で丁場は2社に減っている[15]。 島の北木中学校に「北木石記念室」が設置されており、花崗岩の石材の見本や、かつての丁場(石切り場)で使用された機械・道具類が収蔵・展示されている。そのうち明治から昭和後期まで使われた道具類が平成26年に登録有形民俗文化財に登録された[16]。平成27年度に「北木島採石場及び採石跡地の景観と石切り文化 生活道路から見えた丁場跡」は、優れた素材・技術を活かした高い品質を持つ「かさおかブランド」として笠岡市より認定された[17]。2017年4月に民間会社の採石場に、削岩などの作業風景や約70メートル下の谷底を見下ろせる展望台が設置された[注釈 1][18]。
産業
島では北木石とよばれる極めて良質の花崗岩が産出し、その石を利用し大坂城や福山城の石垣や明治神宮神宮橋、靖国神社の大鳥居などが造営されたほどの名石である。現在でも採石と漁業が主な産業である。
文化
島内を走る県道
(ただし、本路線は北木島の北~東岸に沿って通っている路線であるために、島内一周道路にはなっていない。)
ギャラリー
- Kitagi 2015 10k kitagi 001.JPG
採石場。
- Kitagishima Quarry lakes 01 1.jpg
丁場湖(テンプレート:Location dec)。
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丁場湖(テンプレート:Location dec)。
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丁場湖(テンプレート:Location dec)。
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丁場湖(テンプレート:Location dec)。
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丁場湖(テンプレート:Location dec)。
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丁場湖(テンプレート:Location dec)。
アクセス
・笠岡港〜金風呂港または、豊浦港
- 笠岡住吉港から大浦港 最速36分 大人 1,410円 各島経由(楠港) 55分 大人 790円 三洋汽船
- フェリー笠岡伏越港 約50分 大人520円(子供260円)瀬戸内クルージング金風呂丸、有限会社大福丸、有限会社えびすフェリー(廃業)
出身の人物
- 大悟(お笑い芸人、千鳥)
関連項目
脚注
注釈
出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 北木島 (笠岡市・笠岡諸島地域) - 岡山県HP 岡山県の離島
- ↑ 元気ユニオンin北木 編 (1996, p. 81)
- ↑ 200万分の一日本地質図第5版 独立行政法人産業技術研究所 地質調査総合センター
- ↑ 元気ユニオンin北木 編 (1996, p. 152)
- ↑ 藤井駿 編 (1988, p. 826)
- ↑ 藤井駿 編 (1988, pp. 826-827)
- ↑ 藤井駿 編 (1988, p. 1011)
- ↑ 藤井駿 編 (1988, p. 827)
- ↑ 藤井駿 編 (1988, p. 827)
- ↑ 元気ユニオンin北木 編 (1996, p. 135)
- ↑ 元気ユニオンin北木 編 (1996, p. 136)
- ↑ 元気ユニオンin北木 編 (1996, p. 137)
- ↑ 元気ユニオンin北木 編 (1996, p. 137)
- ↑ 元気ユニオンin北木 編 (1996, p. 178)
- ↑ 【クローズアップ】かげりゆく地方創生、民間主導で光明も/岡山県笠岡市・衰退した採石場 観光資源に『日刊工業新聞』2017年10月9日(中小・ベンチャー・中小政策面)
- ↑ 北木島の石工用具 - 笠岡市
- ↑ 平成27年度かさおかブランド(観光部門)認定 - 笠岡市
- ↑ 18.0 18.1 “笠岡・北木島の採石場に絶景展望台 29日から一般開放 岡山”. 産経ニュース. (2017年4月20日) . 2017閲覧.
- ↑ 北木島の流し雛(きたぎしまのながしびな) - 笠岡市
参考文献
- 元気ユニオンin北木 編 『ふるさと読本「北木を語る」-島と石と人の営みと』 元気ユニオン in 北木、1996年。
- 藤井駿 編 『「岡山県の地名」日本歴史地名大系34』 平凡社、1988年。ISBN 9784582490343。