「西高東低」の版間の差分

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[[Image:Weathermap eastasia 1.png|thumb|right|240px|西高東低の気圧配置の例]]
 
'''西高東低'''(せいこうとうてい)とは、地域の[[東]]に[[低気圧]]、[[西]]に[[高気圧]]が存在している[[気圧配置]]を指す。[[極地]]側の寒冷地帯からの[[風]]が吹き込みやすくなり、[[北半球]]ではこの場合、北よりの風(北西風)が吹き込む。
 
  
本項では注記しない限り[[日本列島]]に対する気圧配置について記述する。
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'''西高東低'''(せいこうとうてい)
  
== 概要 ==
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中国大陸など日本の西方に高気圧が,日本の東海上に低気圧がある[[気圧配置]]型。冬の代表的な気圧配置で,その特徴は,日本を通る等圧線がだいたい南北方向に走り,しかも等圧線の間隔が狭いことである。主風向は北西。冬季シベリアに発達した寒気が大規模に極地方から大陸へ南下し,さらにアジア東岸に流れ出すために起こる。この気圧配置のときは日本海側は雨か雪になり,太平洋側は晴天になる。持続性があるため,日本海側では雨や曇雨天が続き,太平洋側は晴天続きの天気になる。中国北東部や朝鮮半島でいわれる[[三寒四温]]は,この気圧配置をもたらす大陸高気圧の勢力に 1週間程度の周期の強弱があることを示している。([[南高北低の気圧型]]
[[天気図]]上では、東の低気圧と西の高気圧に挟まれて、[[等圧線]]が幾重にも南北に走っている特徴的な図になる。
 
* 特に[[日本]]の一帯においては、北方に'''シベリア寒気団'''(→[[シベリア高気圧]])を控えているため、冬には強い寒気が押し寄せる状態になる。この高気圧は、大陸性の高気圧のため乾燥しているので日本の冬は乾燥することになる。そのため日本では、'''西高東低'''の気圧配置を「冬型の気圧配置」と呼び、専ら冬の天候を説明する際に用いる。
 
* 典型的にこの季節の気候は、[[日本海]]側では大雪(時に[[豪雪]]や[[風雪]])、[[瀬戸内海]]側と[[太平洋]]側では降水のない日が続く。
 
* '''西高東低'''の気圧配置になると日本では、厳しい冷え込みが訪れるとともに、[[日本海]]を渡ってきた[[中国大陸|大陸]]からの風が海上で水蒸気を蓄えて山脈にぶつかるため、[[日本海側気候]]の地域(北日本日本海側 - [[山陰地方]])では[[雨]](地上の気温が0℃未満または地上の気温が0℃以上であっても、850hPa天気図(目安として上空1500mの気温などを表す天気図)で-6℃未満,または500hPa天気図(目安として上空5500mの気温などを表す天気図)で-30℃未満で[[雪]]、同じく-36℃未満で大雪、同じく-42℃未満で[[豪雪]])となり、[[太平洋側気候]]・[[瀬戸内海式気候]]・[[中央高地式気候]]の3地域では山を越えて乾燥した吹き下ろしの風([[からっ風]]など)が強くなる([[風向]]・[[風力]]によっては山脈を越えて3地域でも降水がある)。このため3地域では冬になると空気が乾燥し[[火災]]が起きやすくなる。また[[南西諸島]]では降水日数(1mm以上の降水が観測される日)がやや多くなり、[[山口県]]北部 - [[九州]]北部の日本海側 - [[東シナ海]]側にかけても降水日数がやや多くなる。
 
* 西高東低型のうち、等圧線が日本付近で南北に何本も走るパターンを「山雪型」と言い、山間部で大雪が降りやすくなる。これに対し、等圧線が日本海で袋状に湾曲するパターンは「里雪型」と呼ばれ、平野部で大雪となりやすい。また中上層に強い寒気が流れ込むと日本海(特に[[日本海寒帯気団収束帯|JPCZ]]や秋田沖付近)で非常に不安定で寒冷な[[極低気圧]]が発生することがある。この低気圧は活発な[[積乱雲]]を伴っており、この低気圧が陸地に上陸すると平地でも多大な降雪をもたらし、時として雷や霰を伴うこともある。
 
* また、西高東低型のうち,シベリア高気圧の勢力が強いため相対的に等圧線の間隔が狭まり、高気圧から押し出されるように季節風が吹く場合を「押しの季節風」型。逆に日本東海上の低気圧が発達しこの場合も相対的に等圧線が狭まり、低気圧に引き込まれるような形で季節風が吹く場合を「引きの季節風型」。さらに、高気圧・低気圧双方とも強まって季節風が吹く場合の「押しの季節風と引きの季節風の混合型」という<ref>大塚龍蔵『天気図の見方手引 <small>やさしい天気図教室</small>』(クライム、2006年新改訂版) ISBN 4-907664-58-3</ref>。現在では「押しの季節風型」を「持続型」、「引きの季節風型」を「瞬発型」と呼ぶ事もある。「瞬発型」の場合、低気圧が発達しながら日本付近を足早に通過する場合が多く、各地に暴風や大雪(雨)をもたらし,東北地方太平洋側・[[中京圏]]・[[京阪神]] - [[山陽地方]]・[[北四国|四国北部]]地方などでも降雪(雨)をもたらす可能性もある反面、「持続型」に比べると暴風などの荒天が一時的である事が名前の由来となっている。
 
  
[[気象]]以外の分野では、[[統計]]結果などの分布について[[東日本]]と[[西日本]]、あるいはある地域の東部と西部に明示的な差が現れたときに、この言葉を流用したりあるいは逆に「'''[[東高西低]]'''」<ref>[[連続テレビ小説|NHK連続テレビ小説(朝ドラ)]]では、年度前半の東京本部制作の場合、東京([[AK]])の方が大阪([[BK]])より視聴率が高いことから、比喩として「東高西低」という言葉が用いられているが、年度後半の大阪制作の場合は、東京より大阪の方が視聴率が高いため、「西高東低」となる。</ref>などと言う。
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{{テンプレート:20180815sk}}
 
 
== 気象以外で使用される表現 ==
 
[[Image:China 100.78713E 35.63718N.jpg|thumb|right|240px|'''中国大陸'''の衛星地図]]
 
[[Image:South America satellite orthographic.jpg|thumb|right|180px|'''南アメリカ大陸'''の衛星地図]]
 
一般に「西高東低」は気象条件を表すのに用いられる言葉だが、世の中の情勢を表す表現として使用されることもある。
 
 
 
=== 公営競技 ===
 
[[公営競技]]においては、上位ランクの選手・競走馬などの層の厚さや高額賞金競走の優勝者の本拠地の勢力図において、西日本側が優勢になっている状況を指して専門紙などのマスコミなどが「西高東低」と表現することがある。
 
 
 
[[中央競馬]]においては、人馬の拠点が東日本は[[茨城県]]の[[美浦トレーニングセンター]]、西日本は[[滋賀県]]の[[栗東トレーニングセンター]]の2箇所に集約管理されており、所属馬はそれぞれ「関東馬」「関西馬」と呼ばれる。ここ20年ほどは東西を比較すると、重賞勝利数・獲得賞金額・G1タイトル数などの成績面で関西馬が関東馬を圧倒する状況が続いており、この事を指して、「西高東低」という表現が用いられることがある('''詳細については[[美浦トレーニングセンター#長期低迷|美浦トレーニングセンター]]を参照''')。過去、1980年代前半までは逆に関東が成績が良かった時代もあり、「'''東高西低'''」という表現がされたこともある。
 
 
 
また、[[競艇]]でも2000年代後半以降、西日本の選手が大きなタイトル戦において優勢となり、準優勝戦や優勝戦の枠の多くを占める状況が続いており、競馬と同様に「西高東低」という文言がスポーツ新聞や競艇専門紙において記事やコラムで使用される事が見られる<ref>[http://www.nikkansports.com/race/kka/derby/2009/news/p-rc-tp1-20091013-554893.html 関東勢敗退、西高東低の壁厚く…/競艇 - SG 第56回全日本選手権] ([[日刊スポーツ]] 2009年10月13日付)</ref>。
 
 
 
=== 九州 ===
 
[[九州]]の交通網の整備は、[[九州自動車道]]や[[九州新幹線]]が着々と整備されているのに対し、[[日豊本線]]([[佐伯駅|佐伯]]以南[[延岡駅|延岡]]以北、[[宮崎駅|宮崎]]以南)は手付かずで、将来的な施策の予定も立てられていない。また、[[東九州自動車道]]もようやく具体的な建設および計画が進捗しているのが現状である。これについて宮崎県の経済界などからは、「西高東低である」との指摘がある<ref>[http://www.b-post.com/news/times_news/20050531.html 新直轄方式と料金収集で建設促進] (南日本産業タイムズ、2005年5月28日付)</ref><ref>[http://www.shinkokudo.gr.jp/toyama/past/12top.html 新国土形成研究会トップ懇談会記録] (2000年8月2日)</ref>。
 
 
 
=== 愛知県 ===
 
[[愛知県]]においての西高東低とは、[[三河国|三河地方]]より[[名古屋市|名古屋]]・[[尾張国|尾張地方]]に政策や投資が偏ることをいう<ref>{{Cite web |url= http://www.chunichi.co.jp/article/senkyo/aichi-chiji2015/news/CK2015011702000221.html |title= 東三河の有権者冷ややか「争点なし」「選択肢なし」 |publisher= 中日新聞 |accessdate= 2016-01-20}}</ref>。
 
 
 
=== ヒップホップ ===
 
[[ヒップホップ]]ミュージックにおける[[1990年代]]は、[[ウエスト・サイド|アメリカ西海岸]]([[ロサンゼルス]]など)から発せられるサウンドが、発祥地であった[[イースト・コースト|アメリカ東海岸]]([[ニューヨーク]])を凌駕するほど人気を博していたことから、こう例えられる。
 
 
 
=== 地形 ===
 
[[中国大陸]]、[[東アジア]]の地勢は西に山脈が多く、東に平地が広がることから、『西高東低の地形』と表現される。また、南北・両[[アメリカ大陸]]も同地形に該当する。[[南アメリカ大陸]]は[[アンデス山脈]]、[[北アメリカ大陸]]は[[ロッキー山脈]]を中心に、『西高東低の地形』を形成している。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Wikibooks|気象学}}
 
{{ウィキポータルリンク|気象と気候}}
 
* [[気圧配置]]
 
* [[日本海寒帯気団収束帯]]
 
 
 
 
 
{{気象現象}}
 
 
{{DEFAULTSORT:せいこうとうてい}}
 
{{DEFAULTSORT:せいこうとうてい}}
 
[[Category:天気図]]
 
[[Category:天気図]]
 
[[Category:冬]]
 
[[Category:冬]]

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西高東低(せいこうとうてい)

中国大陸など日本の西方に高気圧が,日本の東海上に低気圧がある気圧配置型。冬の代表的な気圧配置で,その特徴は,日本を通る等圧線がだいたい南北方向に走り,しかも等圧線の間隔が狭いことである。主風向は北西。冬季シベリアに発達した寒気が大規模に極地方から大陸へ南下し,さらにアジア東岸に流れ出すために起こる。この気圧配置のときは日本海側は雨か雪になり,太平洋側は晴天になる。持続性があるため,日本海側では雨や曇雨天が続き,太平洋側は晴天続きの天気になる。中国北東部や朝鮮半島でいわれる三寒四温は,この気圧配置をもたらす大陸高気圧の勢力に 1週間程度の周期の強弱があることを示している。(南高北低の気圧型



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