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− | '''合成樹脂'''(ごうせいじゅし、{{lang-en-short|[[w:synthetic resin|synthetic resin]]}})とは、人為的に製造された、[[高分子]]化合物からなる物質を指す。合成でない[[天然樹脂]]には[[植物]]から採った[[ロジン]]や天然[[ゴム]]等があり、[[鉱物]]質では[[アスファルト]]が代表例である。合成樹脂から紡糸された繊維は[[合成繊維]]と呼ばれ、合成樹脂は[[可塑性]]を持つものが多い。 | + | '''合成樹脂'''(ごうせいじゅし、{{lang-en-short|synthetic resin}})と |
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− | 「プラスチック」 ({{lang-en-short|[[w:plastic|plastic]]}}) という表現は、元来「[[可塑剤|可塑性物質]]」 ({{lang-en-short|[[w:plasticisers|plasticisers]]}}) という意味を持ち、主に金属結晶において開花したものを基盤としており、「合成樹脂」同様日本語ではいささか曖昧となっている。合成樹脂と同義である場合や、合成樹脂がプラスチックと[[エラストマー]]という2つに分類される場合、また、原料である合成樹脂が成形され硬化した完成品を「プラスチック」と呼ぶ場合あるいは印象的なイメージなど、多様な意味に用いられている<ref>桑嶋幹・木原伸浩・工藤保広著、『プラスチックの仕組みとはたらき』、秀和システム、2005年7月11日第1版第1刷発行、ISBN 4798011088</ref><ref>斉藤勝裕著、『へんなプラスチック、すごいプラスチック』、技術評論社、2011年5月25日第1版第1刷発行、ISBN 9784774146478</ref>。よって、英語の学術文献を書く場合、「plastic」は全く通用しない用語であることを認識すべきで、「resin」(樹脂、合成樹脂)などと明確に表現するのが一般的である。
| + | 天然樹脂に対する名称。合成高分子のうち,合成繊維,合成ゴム以外のものをいうが,皮膜など区別が明確でないものが多く,合成高分子全体を意味することもある。可塑性をもっており,加工しやすく,軽く,電気や熱の絶縁性のよいものが多い。合成樹脂として,フェノール樹脂,メラミン樹脂のような[[熱硬化性樹脂]],ポリエチレン,ポリ塩化ビニル,ポリスチレンのような[[熱可塑性樹脂]]など,用途に応じて非常に多くの種類が生産されている。 |
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− | == 概説 ==
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− | 合成樹脂は、主に[[石油]]を原料として製造される。[[金型]]などによる成形が簡単なため、大量生産される各種[[日用品]]や工業分野、医療分野の製品などの原材料となる。製品の使用目的や用途に合わせた特性・性能を有する樹脂の合成が可能であり、現代社会で幅広く用いられている。
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− | 一般的な特徴としては
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− | * 電気を通さない([[絶縁体]])
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− | * 水に強く腐食しにくい。
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− | * 比較的熱に弱い
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− | 等が挙げられる。
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− | しかし現在では、使用目的に応じてこれらの性質に当てはまらないプラスチックも開発されている。
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− | * ナノテクノロジーによる、ミクロン単位の微弱電流ゴム素材
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− | * [[微生物]]によって分解される、[[生分解性プラスチック]]
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− | * [[難燃性]]プラスチック
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− | などが製品化されている。
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− | また、以前は再利用が難しくよくゴミの最終処分場に混じっていたプラスチックだが細かく分解して熱を加える事により元の原油として再利用が可能になっている。この事を[[油化]]と言う。
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− | == 合成樹脂の化学 ==
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− | === 高分子 ===
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− | 合成樹脂は高分子化合物の一種である。例えば、ポリエチレンは炭素2個の[[エチレン]]を多数繋いだ[[重合体]]であり、この場合のエチレンは「[[モノマー]]」と呼ばれ、ポリエチレンは「ポリマー」と呼ばれる。「モノ」は1つ、「ポリ」はたくさんを意味する[[接頭辞]]である。モノマーを繋げていく反応を[[重合反応]]と呼び、モノマーが繋がっている個数を重合度と呼ぶ。エチレン500個が繋がったポリエチレン(炭素数1000)の重合度は500である。重合度が大きくなるにつれ、より硬くより強い樹脂になる。ポリエチレンは熱をかけると融けて流動するので、その状態で成型する。流動し始める温度(融点)は分子量が大きくなるほど高くなる。分子量が一定以上に大きくなると、熱をかけても流動せず、さらに温度を上げると分解する。
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− | [[アルカン]]の炭素数を増やしていくと(余った手には水素のみ結合している)下記のように室温での状態が気体→液体→柔らかい固体→硬い固体と変化する。
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− | * 炭素数1 [[メタン]] — 気体
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− | * 炭素数2 [[エタン]] — 気体
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− | * 炭素数3 [[プロパン]] — 気体
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− | * 炭素数8 [[オクタン]] — 液体、[[ガソリン]]の成分
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− | * 炭素数20以上 [[パラフィン]] — 柔らかい固体、パラフィン[[蝋|ワックス]]の成分
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− | -->
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− | === 共重合とポリマーアロイ ===
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− | 用途によって、2種類以上のモノマーを使用して合成樹脂を作ることがある。これを共重合と呼ぶ。例えば自動車の内装に多用されている[[ABS樹脂]]は、[[アクリロニトリル]]-[[ブタジエン]]-[[スチレン]]樹脂の略称で高い強度と耐衝撃性を有する。硬いが衝撃に弱く割れやすいアクリロニトリル樹脂とスチレン樹脂の性能と、柔らかいが衝撃に強いブタジエン樹脂の性能を組み合わせ、強度と耐衝撃性を両立させている。アロイとは日本語で合金と呼ばれるもので、金属の華々しい開発に樹脂開発者が憧れて命名されたと言われている。
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− | 共重合はモノマーの配列の仕方によって、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合に分類される。ランダム共重合はモノマーがランダムに結合した物。ブロック共重合は単一モノマーでできたある程度の長さのポリマー同士が縦に繋がっているもの。グラフト共重合は[[注連縄]]に似ている。単一モノマーで出来た長いポリマーの所々に違う種類のポリマーがぶら下がっている。
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− | 共重合は、2種類以上のモノマーが化学的に結合して出来ているが、[[ポリマーアロイ]]は異種の単独ポリマー同士を混合して製造する(アロイは[[合金]]のこと)。ポリマーアロイの例として耐衝撃性ポリスチレンがある。ポリスチレンは上記のように硬くて割れやすいが、少量のゴムを混合することにより割れにくい性質を持たすことができた。
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− | == 歴史 ==
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− | [[1835年]]に[[クロロエチレン|塩化ビニル]]と[[ポリ塩化ビニル]]粉末を発見したのが最初といわれる。初めて商業ベースに乗ったのは、[[1869年]]にアメリカで開発された[[セルロイド]]である。これは[[ニトロセルロース]]と[[樟脳]]を混ぜて作る熱可塑性樹脂だが、植物の[[セルロース]]を原料としているので半合成プラスチックと呼ばれることがある。セルロイドはもともと、[[アフリカゾウ]]の乱獲による[[象牙]]の不足を受けた[[ビリヤード]]・ボール会社の公募によって商品化されたものであり、ビリヤードボールをはじめ[[フィルム]]や[[おもちゃ]]などに大量に使用されたが、非常に燃えやすく、また劣化しやすい性質があるため次第に使用されなくなった。
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− | 本格的な合成樹脂第一号は、[[1909年]]にアメリカの[[レオ・ベークランド]]が工業化に成功した[[ベークライト]](商品名)といわれている。[[フェノール]]と[[ホルムアルデヒド]]を原料とした熱硬化性樹脂で、一般にはフェノール樹脂と呼ばれている。その後、[[パルプ]]等の[[セルロース]]を原料として[[レーヨン]]が、[[石炭]]と[[石灰石]]からできる[[カーバイド]]を原料にポリ塩化ビニルなどが工業化された。戦後、[[石油化学]]の発達により、主に[[石油]]を原料として多様な合成樹脂が作られるようになる。日本では、1960年代以降、日用品に多く採用されるようになる。
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− | 1970年代には工業用部品として使用可能な[[エンジニアリングプラスチック]]が開発され、1980年代には更に高度なスーパーエンジニアリングプラスチックが使用されるようになった。これらの合成樹脂は[[金属]]に代わる新たな素材として注目されている。
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− | 1970年頃までは「プラスチックス」という表記が見られた。これはアメリカでも同様で、"plastics" という「形容詞+s」で集合名詞としていたが、名詞であるという意識が高まり、"s" が抜け落ちた。その時期は日本より約10年早い。(なお、 形成外科を plastic surgery というように、形容詞 plastic の原義は「形をつくる」「成型による」「成型可能な」といった意味である)
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− | == 合成樹脂の分類 ==
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− | === 熱硬化性樹脂 ===
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− | 熱硬化性樹脂 ({{lang-en-short|[[w:Thermosetting plastic|Thermosetting resin]]}}) は、加熱すると重合を起こして高分子の網目構造を形成し、硬化して元に戻らなくなる樹脂のこと。使用に際しては、流動性を有するレベルの比較的低分子の樹脂を所定の形状に整形し、その後加熱等により[[重合]]反応させて硬化させる。[[接着剤]]や[[パテ (材料)|パテ]]でA液(基剤)とB液(硬化剤)を混ぜて使うタイプがあるが、これは熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂で、混合により重合反応が起こっている。熱硬化性樹脂は衝撃後圧縮強度(CAI 強度)が低いため、[[靭性]]や成型に時間を要するので[[生産性]]においては[[熱可塑性樹脂]]に劣るものの硬くて熱や[[溶剤]]に強いので、電気部品やテーブルといった[[家具]]の表面処理、[[灰皿]]、焼き付け[[塗料]]、[[炭素繊維強化プラスチック]]などに使用される。 | |
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− | * [[フェノール樹脂]] (PF)
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− | * [[エポキシ樹脂]](EP)
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− | * [[メラミン樹脂]](MF)
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− | * [[尿素樹脂]](ユリア樹脂、UF)
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− | * [[不飽和ポリエステル樹脂]] (UP)
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− | * [[アルキド樹脂]]
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− | * [[ポリウレタン]](PUR)
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− | * 熱硬化性[[ポリイミド]](PI)
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− | など
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− | === 熱可塑性樹脂 ===
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− | 熱可塑性樹脂 ({{lang-en-short|[[w:Thermoplastic|Thermoplastic resin]]}}) は、[[ガラス転移温度]]または[[融点]]まで加熱することによって軟らかくなり、目的の形に成形できる樹脂のこと。一般的に、熱可塑性樹脂は切削・研削等の機械加工がしにくい事が多く、加温し軟化したところで金型に押し込み、冷し固化させて最終製品とする[[射出成形]]加工等が広く用いられている。[[熱硬化性樹脂]]よりも[[靭性]]が優れ、成形温度は高いが短時間で成形できるので[[生産性]]が優れる。 | |
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− | 熱可塑性樹脂を用途により分類すると、
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− | ==== 汎用プラスチック ====
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− | 家庭用品や電気製品の外箱(ハウジング)、雨樋や窓の[[サッシ]]などの建築資材、フィルムやクッションなどの梱包資材等、比較的大量に使われる。
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− | * [[ポリエチレン]] (PE)
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− | ** [[ポリエチレン|高密度ポリエチレン]](HDPE)
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− | ** [[ポリエチレン|中密度ポリエチレン]](MDPE)
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− | ** [[低密度ポリエチレン]](LDPE)
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− | * [[ポリプロピレン]] (PP)
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− | * [[ポリ塩化ビニル]] (PVC)
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− | ** [[ポリ塩化ビニリデン]]
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− | * [[ポリスチレン]] (PS)
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− | * [[ポリ酢酸ビニル]] (PVAc)
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− | * [[ポリウレタン]](PUR)
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− | * [[テフロン]] — (ポリテトラフルオロエチレン、PTFE)
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− | * [[ABS樹脂]](アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)
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− | * [[AS樹脂]]
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− | * [[アクリル樹脂]] (PMMA)
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− | など
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− | ==== エンジニアリング・プラスチック ====
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− | {{main|エンジニアリングプラスチック}}
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− | 家電製品に使われている[[歯車]]や[[軸受け]]、CDなどの記録媒体等、強度や壊れにくさを特に要求される部分に使用される。略して'''エンプラ'''とも呼ばれる。
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− | * [[ポリアミド]] (PA)
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− | ** [[ナイロン]]
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− | * [[ポリアセタール]] (POM)
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− | * [[ポリカーボネート]] (PC)
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− | * [[変性ポリフェニレンエーテル]](m-PPE、変性PPE、PPO)
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− | * [[ポリエステル]] (PEs)の内、
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− | ** [[ポリエチレンテレフタラート|ポリエチレンテレフタレート]] (PET)
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− | <!--* ポリエチレンテレフタレート・ガラス樹脂入り (PET-G) --- 情報が怪しい-->
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− | ** グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート (GF-PET)
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− | ** [[ポリブチレンテレフタレート]] (PBT)
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− | * 環状ポリオレフィン (COP)
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− | など
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− | ==== スーパーエンジニアリングプラスチック ====
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− | {{main|エンジニアリングプラスチック}}
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− | 特殊な目的に使用され、エンプラよりもさらに高い熱変形温度と長期使用出来る特性を持つ。略してスーパーエンプラとも呼ばれる。
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− | * [[ポリフェニレンスルファイド]] (PPS)
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− | * [[ポリテトラフロロエチレン]](PTFE)一般的にテフロンと呼ばれる。
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− | * [[ポリスルホン|ポリサルフォン]] (PSF)
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− | * [[ポリエーテルサルフォン]] (PES)([[w:Polyethersulfone|Polyethersulfone]])
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− | * [[非晶ポリアリレート]] (PAR)
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− | * [[液晶ポリマー]] (LCP)
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− | * [[芳香族ポリエーテルケトン樹脂|ポリエーテルエーテルケトン]] (PEEK)
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− | * 熱可塑性[[ポリイミド]] (PI)
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− | * [[ポリアミドイミド]] (PAI)([[w:Polyamide-imide|Polyamide-imide]])
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− | など
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− | == 形状記憶樹脂 ==
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− | 形状記憶樹脂は[[形状記憶合金]]と同様に塑性変形された樹脂が所定温度以上に加熱されるともとの形状にもどるという特異な性質を備える樹脂で形状記憶合金に比べて軽量で廉価であり、変形時の形状の自由度が形状記憶合金よりも高いなどの特徴を備える<ref>{{cite journal|和書|author=入江正浩|url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/63/6/63_353/_pdf |title=形状記憶樹脂 |journal=色材協会誌 |volume=63 |issue=6 |date=1990 |page=353-359 |format=PDF}}</ref><ref>入江正浩. "形状記憶ポリマーの開発と応用,(1989), 1." シーエムシー.</ref>
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− | == 複合材料 ==
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− | 合成樹脂を用いた[[複合材料]]の一種として[[繊維強化プラスチック]]がある。繊維強化プラスチックの代表的なものにガラス繊維強化プラスチック (GFRP) と[[炭素繊維強化プラスチック]] (CFRP) がある。[[ガラス繊維]]は引っ張り強度がプラスチックよりはるかに強いので、成型部品の強度向上によく使用される。[[炭素繊維]]の強度はガラス繊維より更に強いが高価なので、CFRPは軽くて強い(高価な)素材として[[航空機]]等に使用されている。
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− | == 合成樹脂の性能 ==
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− | * [[化学反応|反応]]
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− | ** [[重合|重合度]]
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− | ** [[高分子|架橋点間分子量]]
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− | * [[耐熱性|耐熱性能]]
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− | ** [[ガラス転移点]]
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− | ** [[熱重量分析|熱分解]]
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− | ** [[難燃性]]
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− | ** [[荷重たわみ温度]]
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− | * 機械的性能
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− | ** [[粘弾性]]
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− | ** [[弾性率]]
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− | ** [[靭性]]
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− | ** [[応力-ひずみ曲線|応力とひずみ]]
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− | ** [[アイゾット衝撃試験|耐衝撃性]]値
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− | * 電気的性能
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− | ** [[体積固有抵抗]]
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− | ** [[誘電率]]、[[誘電正接]]
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− | * その他
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− | ** 耐薬品性
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− | ** [[加水分解|加水分解性]]
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− | ** [[熱伝導]]
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− | ** [[透過性|透過]]
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− | == 主要用途 ==
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− | * 各種日用品([[家具]]、[[台所]]、[[食器]]、[[風呂]]、[[トイレ]]、[[洗濯]]、[[掃除]]、など)
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− | * [[繊維]]原料
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− | * [[接着剤]]
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− | * [[包装]]材料
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− | ** [[ペットボトル]]
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− | ** [[ポリ袋]]
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− | * [[機械]]の筐体・機構部品
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− | ** [[電子機器]]/小型[[機械]]
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− | ** [[家庭用電気機械器具|家電]]製品
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− | ** 小型[[船]]の船体
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− | * [[自動車]]などの内装
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− | * [[農業]]用[[フィルム]]
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− | * [[建築材料]]
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− | など、日常生活のあらゆる場面で使われている。
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− | ==環境への影響==
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− | [[ファイル:Albatross chick plastic.jpg|thumb|275px|この[[コアホウドリ]]のひなは、親鳥によりプラスチックを与えられ、それを吐き出すことができなかった。そして飢えか窒息により死亡した。]]
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− | {{main|太平洋ゴミベルト}}
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− | 太平洋ゴミベルト<ref>http://www.youtube.com/watch?v=jWMbKqMsjlQ</ref>は、北太平洋の中央(およそ西経135度から155度、北緯35度から42度の範囲<ref>Dautel, Susan L. "Transoceanic Trash: International and United States Strategies for the Great Pacific Garbage Patch," 3 Golden Gate U. Envtl. L.J. 181 (2009)</ref>)に漂う海洋ごみの海域である。浮遊したプラスチックなどの破片が北太平洋循環の海流に閉ざされ、異常に集中しているのが特徴の海域である。太平洋ゴミベルトの面積はテキサス州の2倍に相当する<ref>http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=68541809</ref>。
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− | プラスチックは海洋生物にとって最大の脅威となっている。海洋生物がゴミを食べ物と間違えて食べることにより、結果として海洋生物が大量のポリスチレンを摂取してしまう。このため、ポリスチレンが海中で分解されなくても、魚や海洋ほ乳類の消化管で分解される可能性がある<ref>{{cite web|url=http://wired.jp/2009/08/24/%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E6%B4%8B%E3%82%B4%E3%83%9F%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%EF%BC%9A%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E6%BF%83%E7%B8%AE%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%A8/|title=太平洋ゴミベルト:プラスチックの濃縮スープとなった海(動画)|accessdate=2014-11-10}}</ref>。
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− | == 関連団体 ==
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− | * [[日本プラスチック工業連盟]]
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− | * [[米国プラスチック工業協会]]([[:en:Society of the Plastics Industry|Society of the Plastics Industry]]、略称SPI)
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− | == 出典 ==
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− | <references />
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− | == 関連項目 ==
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− | * [[リサイクル]]
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− | ** [[:en:Plastic recycling]]
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− | ** [[:en:Recycling of PET Bottles]]
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− | * [[樹脂識別コード]]
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− | * [[プラズマ]](プラスチックと語源が同じ)
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− | == 参考文献 ==
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− | * 井上俊英他著 『エンジニアリングプラスチック』 高分子学会編集、共立出版、2004年。 ISBN 4-320-04370-7
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− | == 外部リンク ==
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− | * [http://www.pwmi.or.jp/ プラスチックとプラスチックリサイクル]
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− | * [http://www.jpif.gr.jp/ 日本プラスチック工業連盟]
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− | * [http://www.plaken.com/index.htm 日本プラスチック加工研究会]
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− | * [http://weblearningplaza.jst.go.jp/cgi-bin/user/top.pl?next=lesson_list&type=simple&field_code=36&course_code=688 プラスチックの基礎知識] (技術者Web学習システム)
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| {{合成樹脂}} | | {{合成樹脂}} |
| {{プラスチック}} | | {{プラスチック}} |
| + | {{テンプレート:20180815sk}} |
| {{DEFAULTSORT:こうせいしゆし}} | | {{DEFAULTSORT:こうせいしゆし}} |
| [[Category:材料]] | | [[Category:材料]] |
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