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スティルインラブ(2000年5月2日 - 2007年8月2日)とは、日本の競走馬、繁殖牝馬である。
2003年に桜花賞、優駿牝馬、秋華賞を優勝。メジロラモーヌ以来となる史上2頭目の牝馬三冠を達成し、同年のJRA賞最優秀3歳牝馬に選出された[1]。
戦績
2・3歳時
2002年11月30日、阪神競馬場第3競走の牝馬限定新馬戦に出走[2]。2着のキタノスザクに3馬身1/2差をつけて勝利する[2]。この新馬戦には、後に秋の天皇賞を制したヘヴンリーロマンスも出走していた[2]。
翌2003年の初戦、紅梅ステークスでシーイズトウショウなどの実績馬を下して2勝目を挙げ、一躍クラシック候補に[3]。しかし、次走桜花賞トライアルのチューリップ賞では直線行き場を失い、残り100mで追い上げるが2着[4]。
そして迎えた桜花賞では、エアグルーヴの仔・アドマイヤグルーヴと並ぶ単勝オッズ3.5倍になったが、支持率の差で2番人気に[5]。鞍上の幸英明はチューリップ賞の失敗を踏まえ直線馬群を割って抜け出し、2着のシーイズトウショウに1馬身1/4差をつけて勝利する[5]。続く優駿牝馬でも、またもアドマイヤグルーヴの2番人気になるが、2着のクイーンカップ優勝馬チューニーに1馬身1/4差をつけ優勝[6]。
秋初戦、ローズステークスでアドマイヤグルーヴの5着と大敗し、本番の秋華賞では3度アドマイヤグルーヴの2番人気となる[7]。しかしここでもアドマイヤグルーヴの猛追を振り切り、メジロラモーヌ以来の牝馬三冠を達成した[7]。続くエリザベス女王杯では宿敵アドマイヤグルーヴにハナ差で敗れるも、同年のJRA賞では最優秀3歳牝馬を受賞[8]。
4歳以降
4歳は金鯱賞から始動。直線伸びず8着に敗れる[9]。続く宝塚記念は出走馬中唯一の牝馬として出走するも8着に[10][11]、北九州記念では負担斤量が響いたか12着に[12]、1番人気で臨んだ府中牝馬ステークスでは前を交わせず3着に[13][14]、復活の期待されたエリザベス女王杯も勝ち馬と同位置にいながら伸びず9着に敗れた[15][16]。
5歳になっても現役を続け、前年と同様に金鯱賞を走り6着[17]。続く宝塚記念では同じ牝馬で1つ年下のスイープトウショウの9着に敗れた[18]。なお、ライバルのアドマイヤグルーヴはクビ差の8着であった[18]。その後、府中牝馬ステークスでは出遅れて最下位17着[19]。エリザベス女王杯を前に引退が決まり、2006年1月7日に京都競馬場で引退式が行われた[20]。
結局、三冠を達成した秋華賞以降、スティルインラブが勝利を挙げることはなかった[17]。
競走成績
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | 騎手 | 斤量 | 距離(馬場) | タイム (上り3F) |
タイム 差 |
勝ち馬/(2着馬) | |||
2002. | 11. | 30 | 阪神 | 2歳新馬 | 16 | 8 | 15 | 1.7 | (1人) | 1着 | 幸英明 | 53 | 芝1400m(良) | 1.22.2 (35.3) | -0.6 | (キタノスザク) | |
2003. | 1. | 19 | 京都 | 紅梅S | 15 | 3 | 5 | 4.1 | (2人) | 1着 | 幸英明 | 54 | 芝1400m(良) | 1.22.1 (34.3) | -0.1 | (モンパルナス) | |
3. | 8 | 阪神 | チューリップ賞 | GIII | 16 | 3 | 6 | 1.7 | (1人) | 2着 | 幸英明 | 54 | 芝1600m(稍) | 1.36.0 (35.9) | 0.1 | オースミハルカ | |
4. | 13 | 阪神 | 桜花賞 | GI | 17 | 5 | 9 | 3.5 | (2人) | 1着 | 幸英明 | 55 | 芝1600m(良) | 1.33.9 (35.1) | -0.2 | (シーイズトウショウ) | |
5. | 25 | 東京 | 優駿牝馬 | GI | 17 | 2 | 3 | 5.6 | (2人) | 1着 | 幸英明 | 55 | 芝2400m(良) | 2.27.5 (33.5) | -0.2 | (チューニー) | |
9. | 21 | 阪神 | ローズS | GII | 12 | 8 | 11 | 1.9 | (1人) | 5着 | 幸英明 | 54 | 芝2000m(良) | 2.02.0 (35.1) | 0.5 | アドマイヤグルーヴ | |
10. | 19 | 京都 | 秋華賞 | GI | 18 | 8 | 17 | 3.2 | (2人) | 1着 | 幸英明 | 55 | 芝2000m(良) | 1.59.1 (34.9) | -0.1 | (アドマイヤグルーヴ) | |
11. | 16 | 京都 | エリザベス女王杯 | GI | 15 | 3 | 5 | 3.0 | (1人) | 2着 | 幸英明 | 54 | 芝2200m(良) | 2.11.8 (35.3) | 0.0 | アドマイヤグルーヴ | |
2004. | 5. | 29 | 中京 | 金鯱賞 | GII | 12 | 7 | 10 | 9.2 | (5人) | 8着 | 幸英明 | 57 | 芝2000m(良) | 1.59.1 (36.2) | 1.6 | タップダンスシチー |
6. | 27 | 阪神 | 宝塚記念 | GI | 15 | 6 | 11 | 42.3 | (10人) | 8着 | 幸英明 | 56 | 芝2200m(良) | 2.12.6 (35.9) | 1.5 | タップダンスシチー | |
7. | 18 | 小倉 | 北九州記念 | GIII | 13 | 5 | 6 | 6.8 | (4人) | 12着 | 幸英明 | 58 | 芝1800m(良) | 1.45.3 (36.1) | 1.2 | ダイタクバートラム | |
10. | 17 | 東京 | 府中牝馬S | GIII | 16 | 3 | 5 | 2.9 | (1人) | 3着 | 幸英明 | 57 | 芝1800m(良) | 1.46.4 (33.9) | 0.2 | オースミハルカ | |
11. | 14 | 京都 | エリザベス女王杯 | GI | 18 | 7 | 15 | 5.1 | (3人) | 9着 | 幸英明 | 56 | 芝2200m(良) | 2.14.3 (34.6) | 0.7 | アドマイヤグルーヴ | |
2005. | 5. | 28 | 中京 | 金鯱賞 | GII | 10 | 6 | 6 | 28.6 | (4人) | 6着 | 幸英明 | 56 | 芝2000m(良) | 1.59.5 (33.8) | 0.6 | タップダンスシチー |
6. | 26 | 阪神 | 宝塚記念 | GI | 15 | 8 | 14 | 160.0 | (14人) | 9着 | 幸英明 | 56 | 芝2200m(良) | 2.12.7 (36.3) | 1.2 | スイープトウショウ | |
10. | 16 | 東京 | 府中牝馬S | GIII | 17 | 3 | 5 | 10.0 | (5人) | 17着 | 幸英明 | 57 | 芝1800m(良) | 1.48.2 (33.9) | 1.5 | ヤマニンアラバスタ |
- 出典: netkeiba[21]
繁殖牝馬として
競走馬引退後は北海道・下河辺牧場にて繁殖牝馬となった。2007年2月19日、初年度の配合相手であるキングカメハメハを父とする牡馬を出産[22]。
同年7月25日、小腸ねん転を原因とする急激な腹痛を発症し、開腹手術が行われた[23]。その後、28日に再び腹痛を起こして再手術[23]。8月1日に3度目の腹痛を起こし、2日の朝に死亡した[23]。死因は、小腸の一部が腸の中に滑り込み、腸が二重になってしまい腸閉塞を引き起こす腸重積とされた[23]。
産駒は結果として上記の牡馬1頭のみとなった[24]。唯一の産駒となった「スティルインラブの2007」は「ジューダ」という競走馬名で2010年3月にデビュー[25]。JRA、地方合わせ12戦2勝後に競走馬登録を抹消され、その後は相馬野馬追で活躍している[26][27]。
血統表
- 半兄、ビッグバイアモン(1996年ラジオたんぱ賞)[28]。*甥、ピサノパテック(2005年セントライト記念3着)[28]
- 甥、ザタイキ(2010年アーリントンカップ2着)[28]
- 従姉妹、ローブデコルテ(2007年優駿牝馬)[28]
脚注
- ↑ TURF HERO 2003、p.38、p.129
- ↑ 2.0 2.1 2.2 “2002年11月30日(土)5回阪神1日”. JBIS. . 2015閲覧.
- ↑ 軍司門隼夫. “スティルインラブvsアドマイヤグルーヴ”. 優駿. . 2015閲覧.
- ↑ TURF HERO 2003、p.155
- ↑ 5.0 5.1 TURF HERO 2003、p.30
- ↑ TURF HERO 2003、p.157
- ↑ 7.0 7.1 TURF HERO 2003、pp.158-159
- ↑ TURF HERO 2003、p.57, p.129
- ↑ “【金鯱賞】(中京)〜レコード決着!タップダンスシチー2連覇達成”. ラジオNIKKEI. (2004年5月29日) . 2015閲覧.
- ↑ “【宝塚記念】栗東レポート〜スティルインラブ”. ラジオNIKKEI. (2004年6月23日) . 2015閲覧.
- ↑ “宝塚記念全着順、払戻金”. netkeia. (2004年6月27日) . 2015閲覧.
- ↑ 柏木集保 (2004年7月19日). “重賞回顧 北九州記念”. netkeia. . 2015閲覧.
- ↑ “府中牝馬S】(東京)〜オースミハルカがゴール前で差し切り重賞連勝”. ラジオNIKKEI. (2004年10月17日) . 2015閲覧.
- ↑ “【府中牝馬S】(東京)〜レース後のコメント”. ラジオNIKKEI. (2004年10月17日) . 2015閲覧.
- ↑ 柏木集保 (2004年11月15日). “重賞回顧 エリザベス女王杯”. netkeia. . 2015閲覧.
- ↑ “エリザベス女王杯、アドマイヤグルーヴ2連覇”. netkeia. (2004年11月14日) . 2015閲覧.
- ↑ 17.0 17.1 “咲き誇れ、3つの大輪 スティルインラブ”. JRA. . 2015閲覧.
- ↑ 18.0 18.1 “第46回 宝塚記念”. JRA. . 2015閲覧.
- ↑ “【府中牝馬S】(東京)〜レース後のコメント”. ラジオNIKKEI. (2004年10月16日) . 2015閲覧.
- ↑ “スティルインラブ引退式 〜関係者コメント〜”. ラジオNIKKEI. (2006年1月7日) . 2015閲覧.
- ↑ “スティルインラブの競走成績”. netkeiba. . 2015閲覧.
- ↑ “牝馬三冠馬スティルインラブの初仔誕生~下河辺牧場”. JBBA (2007年2月20日). . 2015閲覧.
- ↑ 23.0 23.1 23.2 23.3 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「nikkei141910
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ “スティルインラブの2007”. JBBA. . 2015閲覧.
- ↑ “良血ジューダ敗れる、ネオポラリスがV/阪神新馬”. netkeia. (2010年3月7日) . 2015閲覧.
- ↑ 島田明宏 (2013年8月2日). “[http://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=44472 震災、原発事故を乗り越えて――。 侍たちが力強く生きる相馬野馬追]”. 文藝春秋. . 2015閲覧.
- ↑ “ジューダ”. JBIS. . 2015閲覧.
- ↑ 28.0 28.1 28.2 28.3 “スティルインラブ 牝系情報”. JBIS. . 2015閲覧.
参考文献
- 、2004、「スティルインラブ 三冠ストーリー」、『グラフ優駿 TURF HERO 2003』優駿3月号増刊、日本中央競馬会
外部リンク
表彰・GI勝ち鞍 |
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