「ヒ化ガリウム」の版間の差分
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2018/9/30/ (日) 12:21時点における最新版
ヒ化ガリウム(ヒかガリウム、gallium arsenide)
化学式は GaAs。ガリウムヒ素ともいう。周期律表の第 III族元素のガリウム Ga と第V族元素のヒ素 As との金属間化合物で半導体。閃亜鉛鉱型構造の結晶格子 (格子定数 a=5.653Å ) をもち,融点 1238℃,比重 5.307,禁制帯幅 1.37eV ,電子の移動度 8500cm2/Vs ,正孔の移動度 420cm2/Vs 。半導体としてシリコンやゲルマニウムに比べて電子の移動度が著しく大きいため,直列抵抗と電子走行時間の小さいことが要求される高周波用トランジスタやダイオードの材料に適しており,禁制帯幅がシリコン,ゲルマニウムより大きいため,はるかに高温度まで半導体として使用できる。また,直接遷移型のエネルギー帯構造をもつため,電子と正孔の再結合による発光の効率が高く,発光ダイオードや半導体レーザーの材料に適し,伝導帯に約 0.36eV 離れた2つの谷 (エネルギーの極小点) があり,エネルギーの低い谷に比べてエネルギーの高い谷での電子移動度が非常に小さいため,2つの伝導帯谷間の電子遷移によって負性抵抗,いわゆるガン効果が生じる。これらの GaAs の特長を利用したショットキー・バリア・ダイオード,可変容量ダイオード,発光ダイオード,半導体レーザー,ガン効果ダイオードが次々と実用化されている。
脚注