チーマー
チーマー(teamer[1])は、日本で集団で徒党を組み、街でたむろしたり恐喝や窃盗や暴力などの反社会的行為などを行う者。集団としてはチームやチーマーグループなどと呼ばれる[2]。チーマーという言葉は、「仲間、組織、集団」などを意味する“team”(チーム)に、“-er”をつけた造語(和製英語)である[1]。不良少年のスタイルとしては、従来からあるヤンキーや暴走族、または後発のカラーギャングとは、いくつかの点から区別されている(後述)。
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概要
1980年代後半から1990年代前半頃に、東京の渋谷で中学生や高校生[3]の不良少年少女達が、アメリカ映画『ウォリアーズ』『アウトサイダー』などに影響されて、ストリートギャングを模倣したグループを作った事が発端となっている[4]。彼らは、渋谷センター街などでたむろしてグループ同士で抗争を行ったり、一般人に喧嘩を売る、パーティー券などの押し売りをする、等を行うようになり[5]、こうした若者やそのグループが自らのグループを「チーム」と呼んでいたことからチーマーと呼ばれるようになった。初めは渋谷でみられた事象だけを指していたが、後にそれ以外の地域の類似グループもそう呼ばれるようになる[5][6][7]。一説によるとチーマーという言葉は1989年に作られたとされている[1]。初期のチーマーは裕福な家庭の若者で構成されていたが、徐々に暴走族に入るような富裕層以外の若者も影響され、チーマーとして活動するようになったと言われる。
1992年から1993年頃の渋谷では、店舗が軒並み閉店した深夜の渋谷センター街を大量のチーマーが占拠する事態に発展していた。なお、1990年前後には深夜営業を行う店舗が多かった渋谷センター街が、同時期に先述のように軒並み閉店する状況に変化したのは、チーマーの流行により多発したトラブルの影響によるものである。
他の不良グループとの違い
ヤンキーや暴走族も集団で徒党を組み街でたむろすることはあるが、これらとチーマーとの違いは主にメンバー達が好むファッションにあると考えられる。
チーマーは、リーバイス501などのジーンズやエンジニアブーツ、古着などの、いわゆるアメカジ(初期は「渋カジ」とも)と呼ばれるストリートファッションを好むものが多く[4]、ロン毛でヘアバンドをするのがトレンドであったなど[8]、都会的でおしゃれであるとされ[2]、ジャージなどのオーバーサイズの服にリーゼントやパンチパーマなどの髪型を好むヤンキーとは一線を画していた。また、チーム毎のジャンパーなどを着ることはあるが[4]、暴走族のような特攻服を着ることはない(しかし、暴走族のようにバイクでの暴走行為をすることはある[2][6])。
また、米国のストリートギャングの模倣であるという点[9]など、カラーギャングとはよく似ているが、チーマーが主にハードロックやサーフィンなどを好み白人系のサブカルチャーから影響を受けているのに対し、カラーギャングは有色人種系ストリートギャング(クリップスやブラッズなど)に影響を受け、同じ色の服やバンダナを着用し、西海岸風のヒップホップ系ファッションやローライダーなどの自動車を好む傾向にある。
バイカー(バイカーギャング)は、アメリカのヘルズ・エンジェルスなどのモーターサイクルギャングの影響を受け、アメリカンバイクに乗った集団である。
2000年代以降の動向
チーマーはヒップホップの流行などに伴い、1990年代後半から2000年代前半にカラーギャングに代わり[9]、2000年代後半にはカラーギャングも激減していった。しかし、チーマーも完全にいなくなったわけではなく、2009年2月にも東京都大田区内で約100人のチーマーが確認されている[2]。
元チーマーを公言している有名人
渋谷区出身の俳優・東幹久は渋谷で有名なチーマーとして芸能界にスカウトされた。スポーツ界では、格闘家の高谷裕之が過去にチーマーであったことを明らかにしている[10]。
チーマーを題材とする作品
映画
テレビドラマ
漫画
小説
脚注・出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 石山宏一 (2007年2月27日). “現代用語を英語にする100選 58: チーマー cliques of homeboys”. eigoTown.com. 英語タウン・ドット・コム. . 2009年5月17日閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 “暴走族vsチーマー 少年12人逮捕”. MSN産経ニュース. 産経デジタル (2009年2月27日). . 2009年5月17日閲覧.
- ↑ “渋谷アンダーグラウンド 〜街を作った男達の20年”. NONFIX. フジテレビジョン. . 2009年5月17日閲覧.
- ↑ 4.0 4.1 4.2 “株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ 野尻佳孝氏インタビュー”. GREEキャリア. グリー. . 2009年5月17日閲覧.
- ↑ 5.0 5.1 “チーマーの意味 国語辞典”. goo辞書. エヌ・ティ・ティ レゾナント. . 2009年5月17日閲覧.
- ↑ 6.0 6.1 “チーマー 広島県内で摘発相次ぐ”. 中国新聞. 中国新聞社 (2001年10月31日). . 2009年5月17日閲覧.
- ↑ 石田真一 (2001年12月19日). “愛知では暴走族=チーマー=ギャングだった!? 県警が実態を公表”. Response. アイ・アール・アイ コマースアンドテクノロジー. . 2009年5月17日閲覧.
- ↑ “【原宿スナップ】90年代「チーマー」再来!?男性にヘアバンドが人気、フォークロアスタイルの予兆も”. nikkei TRENDYnet. 日経BP (2008年9月5日). . 2009年5月17日閲覧.
- ↑ 9.0 9.1 “ことば:カラーギャング”. 毎日jp. 毎日新聞社. . 2009年5月17日閲覧.
- ↑ 格闘技イベント「K-1」や「HERO'S」の煽り(選手紹介)VTR内で。