下関駅

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下関駅の位置
下関駅の位置
下関駅の
位置
下関駅の位置
旧改札口(2010年5月22日)
新改札口(2015年5月2日)
旧西口(2010年5月22日)
新西口(2016年2月22日)

下関駅(しものせきえき)は、山口県下関市竹崎町四丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・九州旅客鉄道(JR九州)・日本貨物鉄道(JR貨物)山陽本線。旅客駅の施設そのものはJR西日本が管理しており、構内にJR貨物のヤードが存在する。事務管コードは▲800658[1]

概要

本州の最西端・下関市の中心駅であり、本州の瀬戸内海側を走る山陽本線、日本海沿岸を走る山陰本線、そして関門トンネルを通り九州へと渡る列車のジャンクションとして機能している。また、構内にはJR西日本下関総合車両所運用検修センターがある。

1987年国鉄分割民営化以降、当駅はJR西日本とJR九州の境界駅となった。路線としては当駅は山陽本線の中間駅であるが、当駅より本州側の神戸駅までがJR西日本、九州側の当駅 - 門司駅間の1駅間がJR九州の管轄となった。両社の会社境界は関門トンネルの下関側入口付近にあり、駅構内はJR西日本の所属になる。なお山陽本線は両方面ともJR貨物が第二種鉄道事業者として貨物営業を行っており、当駅構内に貨物施設も設けられている。またJR西日本に所属する山陰本線の終点は1駅隣の幡生駅を終点としているが、同駅を通る全列車が山陽本線経由で当駅に乗り入れている。

以前は「にちりん」「いそかぜ」等の特急列車、多数の東京大阪 - 九州間のブルートレインが発着していた。2009年3月14日(当駅基準)の下り「富士はやぶさ」を最後に当駅発着の定期優等列車は廃止された。

2017年(平成29年)6月17日に運行を開始した団体専用列車TWILIGHT EXPRESS 瑞風」において、1泊2日コースの発着駅となった[2][広報 1]

普通列車に関しては、JR九州の列車は本州側の直流電化と九州側の交流電化の両方に対応した415系電車で運転されており、門司駅を経由して鹿児島本線小倉駅まで直通する運転が大半を占め、一部の列車は小倉駅経由で日豊本線行橋宇佐方面や鹿児島本線博多方面へ乗り入れる。かつてはこれらの各路線に直通する普通列車が本州側の新山口駅(旧・小郡駅)から運行され、一部は宇部線経由列車も存在していた。また山陰本線の気動車列車が関門トンネルに入る運用もあったが、2005年10月のダイヤ改正で普通列車はすべて当駅で系統分割された。そして前述のブルートレインの廃止により、山陽本線も含めて当駅以降を直通運行する定期旅客列車は設定されていない。また、2009年3月までは当駅から九州側への列車の半数以上が日豊本線に直通していたが、2009年3月のダイヤ改正により、日中の日豊本線の列車は小倉駅始発が基本となり、当駅からの九州方面の列車は当駅 - 小倉駅間の折り返し運転が基本となった。また2017年4月現在長距離列車として、下関駅大分駅着の列車が設定されている。また、2018年3月17日にJR九州が予定していたダイヤ改定では下関ー門司駅間の普通列車の運行本数(平日)が1日当たり13本減便され112本となった。

下関駅はJR西日本の直営駅であり、山陽本線の厚狭駅 - 当駅間と山陰本線の小串駅 - 綾羅木駅間を管轄する下関地域鉄道部の最寄り駅でもある。また、下関駅構内の運行管理は当駅で行なっている運転取扱駅である。 また下関駅はJR西日本の管轄であり、ホーム・駅舎の管理および駅業務を同社が担当するがJR九州との境界駅であるため、JR九州の集札システム変更の影響を受けている(後述)。

2009年 - 2013年にかけて駅構内および駅周辺の大幅な改修工事が順次進められた(詳細後述)。

新幹線との接続

山陽新幹線は当駅を経由していないが、新幹線の停車駅である新下関駅とは山陽本線で9分、小倉駅とは山陽本線・鹿児島本線を用いて15分程度で連絡している。当駅でも新下関駅・小倉駅の新幹線時刻表が掲示されているが、全般的には全列車が停車する小倉駅への利用者が多い(遠回りとなる上り列車でも、特に広島岡山新大阪方面はその方が速達性に優れているため)。小倉駅から新幹線を利用する北九州市内発着の長距離切符や特別企画乗車券なども当駅で販売されている(この場合、門司までの乗車券大人220円が別途必要。当駅にその旨の掲示がある)。なお当駅の窓口はJR西日本管轄であるため、2枚きっぷ・4枚きっぷなどのJR九州独自の特別企画乗車券は発売されていない。

歴史

当時は現在より東、細江町に位置していた。駅名は、当時の市名である赤間関(あかまがせき)の略称、「馬関」に由来する。当初より、対九州・朝鮮半島連絡を担う拠点駅の位置づけをされ、関門連絡船関釜連絡船の発着駅となる。
ファイル:Shimonoseki stn070520.jpg
放火事件後の暫定復旧時の駅舎(2007年5月)
  • 2009年(平成21年) 3月14日 - JRグループダイヤ改正。この日の下り「富士はやぶさ」を最後に下関発着の優等列車全廃。普通列車(快速含む)のみ停車の駅となり、同時に当駅を跨いで運転される定期列車が全廃された。
  • 2011年(平成23年)3月5日 - ICカードSUGOCAの利用を開始。
  • 2014年(平成26年)3月16日 - 新駅舎(JR下関駅ビル)の使用開始[5]
  • 2015年(平成27年)3月22日 - 駅のリニューアル1周年にあわせ、振鈴(しんれい・ハンドベル)のレプリカが東西連絡通路に設置される。
  • 2017年(平成29年)6月17日 - 「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が運転を開始し、1泊2日コースにおいて当駅発着となる[2][広報 1]


駅構造

構内(2016年2月22日)
構内(2010年5月22日)
構内(2003年8月10日)

高架駅で、島式3面6線のホームを持つ。かつて長大編成の優等列車が多く発着していたためホームは長く、タイル張りの洗面所やレール造りの長い屋根、テルハの痕跡が全盛期を偲ばせる。

ホームからの階段は北端のみにある。各ホームからの階段からつながる中2階レベルに改札口。改札前が駅前人工地盤に直結された東西自由通路を兼ねたコンコースで、改札前の階段・エスカレーターをさらに降りた1階にも東西自由通路があり、地上出口は西口、東口、北口の計3ヶ所にある。中2階からホームへの階段は全てエスカレーターが併設されており(3,4番ホームから中2階間は下り限定運用、それ以外は基本的に上り限定運用)、エレベーターが全ホームの新下関駅側に設置されている。改札口は元々1階にあり、中2階が改札内コンコースとなっていたが、駅再開発に伴う駅舎改良工事[広報 2]にあわせて2012年3月に元々の位置から西口寄りに移動後、2013年5月に中2階レベルに移動している。

のりば

のりば 事業者 路線 方向 行先 備考
3 西日本旅客鉄道 山陰本線 下り 九州方面 終着となる列車の降車専用
4 山陽本線 下り
6 山陽本線 上り 新山口防府方面
7・8 朝の一部列車のみ
九州旅客鉄道 山陽本線 下り 九州方面
9 西日本旅客鉄道 山陰本線 上り 小串長門市方面

東端の1番線が下り通過線、西端の10番線が上り通過線となっており、機回し線の2・5番線と共にホームが無い。従ってホームは3・4番のりば、6・7番のりば、8・9番のりばとなる。なお、3・4番のりばはかつて本州から九州へ直通する列車が使用していたが、現在は基本的に3番のりばは山陰本線から、4番のりばは山陽本線新山口方面からそれぞれ到着し車庫(下関総合車両所)に引き上げる列車のみが使用する降車専用ホームとなっており、通常の乗降には残りの2面4線が多く用いられる。駅舎改良工事により4・6・7・8番ホームの一部(4両分)を電車用にかさ上げする工事が進められた[広報 2]結果、山陽本線の上り列車は6番のりば(一部7・8番のりば)発、山陽本線の下り列車は7・8番のりば発着、気動車を使用する山陰本線の列車は原則として9番のりば発に集約された。『TWILIGHT EXPRESS 瑞風』も3番のりば着・9番のりば発となる。なお、下関駅で折り返す観光列車『○○のはなし』に限り、上下とも6番のりば門司方のかさ上げされていないホームに停車する。

発車標は改札口正面に方向別の、ホーム階段上にホーム別のものが掲げられている。発車標は駅舎改良の際にLED式が用いられている[広報 2]。小倉方面と新山口・小串方面との乗り継ぎに配慮し、同一ホームでの乗り換えを原則とするダイヤとなっていることから、発車ホームは一定していない(一部例外あり)。なお、2011年3月までの発車標は1階改札口上・ホーム階段上に2列車表示タイプの幕式が設置され、中2階部分には改札口上の発車標をカメラで映し、列車の発着時刻が確認しやすいように表示するプラズマディスプレイが設置されていた。2011年3月にホーム上の発車標がLED式に変更された際に、中2階の発車標がカメラ表示からコンピュータ画面表示に切り替えられた後、2013年の改札口移設の際に中2階の発車標もLED式に変更された。

改札内のトイレは中2階(8・9番のりば行きエスカレータ横)、3・4番のりば門司駅側、8・9番のりば新下関駅側に、改札外のトイレは北口の脇にある。

三角屋根

ファイル:Shimonoseki stn former.jpg
下関旧駅舎(2002年8月22日)。

歴史節にもあるように、1942年(昭和17年)の関門トンネル開通に伴い駅東口に建てられた駅舎は、青い三角屋根が特徴となっていた。

市民や旅行者から愛着を持たれていたが、2006年(平成18年)1月に発生した下関駅放火事件により焼失。 古い建造物のため、幾度となく補修等が施され、焼失前は下関の町並みを壊さない暖かみのある青色だった。主要駅の木造建築による三角屋根としては、焼失時点で最古のものだったと言われている。新駅舎でも、正面デザインはガラスを使った三角屋根風となっている。

振鈴

ファイル:Departure Bell of Shimonoseki station.JPG
振鈴のレプリカ(2016年2月22日)

振鈴(しんれい)は、明治時代後期に駅で列車の発車の際に使われていた大型の鈴である。下関駅の振鈴は1901年の開業から代々引き継がれており、手振りの振鈴が現存するのは当駅だけとなっていた。 先述どおり、放火で当駅舎が焼損し、振鈴も行方不明となっていたが、3日後の1月10日にがれきの下から発見された。木製の箱や取っ手は焼失、金属製の部分はすすで黒こげになっていたものの、音色はそのまま残されていた。焼けた部分は、三角屋根の焼け残った柱の一部を切り出して加工・修復し、事件の資料として保管されている。2011年6月1日には、「電化50周年記念列車」発車の際に駅長により鳴らされた。2015年3月、駅のリニューアル1周年にあわせ、レプリカが東西連絡通路に設置された。

自動改札機・ICカード

2003年12月1日に自動改札機を初導入。既に自動改札機が普及していたJR九州線(小倉方面)の乗客を想定したものである。2011年3月5日よりJR九州線(小倉方面)に限りSUGOCAエリアに含まれる[広報 3]。SUGOCAチャージ機が改札内に存在する一方、JR西日本(ICOCA事業者、当駅はICOCAエリア外)が(旅客)駅業務全般を行っている関係で出札口・券売機でのSUGOCA取扱は行わない(精算窓口で不足額の現金処理のみ対応する)。ICOCAエリアにおいてICカードの履歴印字した場合当駅乗下車に限り事業者名ではなく駅名が印字される。

JR西日本系列店舗・自動販売機(セブンイレブンハートイン、自動販売機)およびyoumeマートではICOCA電子マネーを導入している[広報 4]

貨物駅

JR貨物下関駅は旅客駅の南側、下関港付近の下関市東大和町2丁目7-7に位置する。下関総合車両所運用検修センターの本線をはさんで向かい側(本線の東側)にある。

取扱貨物
駅構造
  • 2面のコンテナホーム、2本のコンテナ荷役線を有する。また営業窓口であるJR貨物下関営業所を併設する。
  • 下関港第二突堤へ続く構内側線が現存しているが、使用されていない。
  • 車両基地をU字状に回り込み、駅西側の岸壁に続く構内側線も存在する。この側線の終端付近が旧・下関港駅である。かつては港で陸揚げされた鮮魚を都市圏へ発送する機能を有していたが、こちらも現在使用されていない。

駅弁

かつては下関駅弁当株式会社が駅弁の製造・販売を手がけていた。同社は2010年(平成22年)7月に徳山駅弁当とともに小郡駅弁当と合併し、消滅した。過去に小郡駅弁当が販売していた主な駅弁は下記の通りである[6]

  • ふく寿司(土曜・休日のみ)
  • みすゞ潮彩弁当(土曜・休日のみ)

利用状況

1日の平均乗車人員は以下の通り[7]で、山口県の駅では最も乗車人員が多い。下関市の統計による2016年の年間利用客数は380万5249人[8]。ただし、2016年度の1日の平均運輸取扱収入ではJR西日本管内の駅で上位50番目までに入っておらず、新幹線停車駅で上位50駅に含まれる新山口駅(18位)、徳山駅(21位)、新下関駅(44位)より少ない[9]

乗車人員推移
年度 1日平均人数
1992 14,637
1999 12,791
2000 12,476
2001 12,125
2002 11,886
2003 11,970
2004 11,810
2005 11,602
2006 11,450
2007 11,324
2008 11,282
2009 10,857
2010 10,782
2011 10,584
2012 10,432
2013 10,541
2014 10,438
2015 10,595
2016 10,425

脚注

注釈

出典

  1. 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
  2. 2.0 2.1 広島敦史、宮山大樹 (2017年6月17日). “「瑞風」感動運んで 萩・下関、一番列車に歓迎の人波”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 夕刊 8 
  3. 「停車場改称」『官報』1902年5月15日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. 「鉄道記録帳2003年12月」、『RAIL FAN』第51巻第3号、鉄道友の会、2004年3月1日、 25頁。
  5. “「リピエ」にぎわい発信源に JR下関駅ビルにグランドオープン”. 山口新聞. (2014年3月17日). http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2014/0317/2p.html . 2014閲覧. 
  6. 『JR時刻表』2015年3月号、交通新聞社2015年、 265頁。
  7. 山口県統計年鑑
  8. 下関市(2016)『統計しものせき』。
  9. データで見るJR西日本2017:駅 (PDF) - 西日本旅客鉄道、2018年7月28日閲覧。

広報資料・プレスリリースなど一次資料

  1. 1.0 1.1 瑞風の旅・コース”. TWILIGHT EXPRESS 瑞風 MIZUKAZE. 西日本旅客鉄道. 2015年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016年7月9日閲覧.(山陽コース(上り))
  2. 2.0 2.1 2.2 “JR下関駅駅舎・東西連絡通路の完成およびJR下関駅ビル・リピエの開業について” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2014年1月6日), http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/01/page_5020.html . 2014閲覧. 
  3. “下関駅でSUGOCAサービスを開始します” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道株式会社/九州旅客鉄道株式会社, (2010年10月20日), http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1175021_799.html . 2010閲覧. 
  4. ICOCA電子マネー使えるお店検索(下関駅)”. . 2014閲覧.

外部リンク

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