テーテュース
提供: miniwiki
2017/10/23/ (月) 19:06時点におけるja>月下薄氷による版 (脚注、参考文献追加ほか)
テーテュース(古希: Τηθύς, Tēthȳs, 羅: Tethys)とは、ギリシア神話の女神である。長母音を省略してテテュスとも表記される。
神話
ウーラノスとガイアの娘で、ティーターン神族の1人。オーケアノス、コイオス、クレイオス、ヒュペリーオーン、イーアペトス、クロノス、テイアー、レアー、テミス、ムネーモシュネー、ポイベーと兄弟[1]。またオーケアノスの妻で、3,000人の河神の息子と、オーケアニデスと総称される3,000人の海や泉、地下水の女神の母である[2][3][4]。
ホメーロスによれば彼女の住まいは大地の果てにあるとされる。またテーテュースとオーケアノスはヘーラーをクロノスから匿って育てたが、オーケアノスと喧嘩をして以来、両者は離れて暮らしているといわれる[5][6]。ヒュギーヌスもテーテュースをヘーラーの乳母と呼んでいる。ヒュギーヌスによると星座になったカリストー(おおぐま座)が海に沈むのを禁じたのはテーテュースである[7]。
なお、ギリシア神話にはテーテュース(Tethys)とは別にテティス(Thetis)という名前のニュムペーが登場する。
脚注
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)
- ヘシオドス『神統記』廣川洋一訳、岩波文庫(1984年)
- ホメロス『イリアス(下)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)
関連事項
自然科学の分野にはテーテュース神に因む呼称があり、「テティス」「テチス」「テテュス」などと呼ばれる。
- テティス海(テチス海、テテュス海)はテーテュース神の名を冠した太古の海洋であり、古地中海の一つ。
- テティス獣類(de:Tethytheria、テティテリア)は、テティス海で進化した古代の哺乳類群の名称。長鼻目、海牛目、および、重脚目。
- 軟体動物であるメリベウミウシ科(Tethydidae)の1種にTethys 属がある(ウィキスピーシーズ参照)。
- テティス (衛星) は、土星の衛星の一つである。