多良間空港
多良間空港(たらまくうこう、英: Tarama Airport)は、沖縄県宮古郡多良間村(多良間島)にある地方管理空港である。
概要
宮古列島の南西端にあり、宮古島から西南西約67kmに位置する多良間島の西端に所在する。
2003年10月10日に旧空港から移転。滑走路を拡大した新空港の供用が開始された[1]。旧空港は、島の中心部から南方に位置し、琉球政府時代の1971年に主に急病人搬送のために建設された。しかし、滑走路が短かく大型の機材が就航できなかったため、増加する航空需要を満たすことができず、また、天候の影響を受け易く移転となった。なお、旧空港跡地は多良間村が中心となって太陽光発電を軸とした跡地利用計画を進め、2010年に沖縄電力によって太陽光発電設備が完成している[2]。旧ターミナルの建物は現存するも、資材倉庫となっている。
年間利用客数は、国内36,331人(2016年度)[3]。
沿革
- 1971年3月 - 滑走路780 mの緊急着陸場として建設[1]。
- 1971年12月12日 - 民間航空機の運航開始[1]。
- 1974年 - 滑走路を800 mに延長。第三種空港の多良間空港として供用開始。宮古空港線及び石垣空港線を開設。DHC-6(19席)が就航[1][4]。
- 2000年8月 - DHC-6が老朽化のため退役し、代わって小型のBN-2B(9席、1日7-9往復)が就航[4][1]。
- 2003年10月10日 - 新多良間空港が滑走路1,500 mにて供用開始し、DHC-8(39席、1日2往復)が就航[4]。旧空港廃止[1]。
- 2004年7月8日 - 多良間空港に名称変更[1]。
- 2006年3月 - RACによる石垣空港線廃止[5]。
- 2017年2月23日 - 宮古空港とを結ぶ便の運航機種が、DH1(ボンバルディアDHC8-Q100)から、DH4(ボンバルディアDHC8-Q400CC。50席、1日2往復)に更新された[6]。
施設
ターミナルに売店あり[7]。空港入口には交通安全を訴える「多良間まもる君(宮古島まもる君)」が設置されている。
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旧多良間空港ターミナル(2016年12月30日)
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多良間まもる君
- 多良間空港のボンバルディアDHC8-Q400CC機.jpg
多良間空港で、乗客が搭乗中のボンバルディアDHC8-Q400CC機
路線
- 琉球エアーコミューター (RAC)
2017年現在、琉球エアーコミューターにより宮古空港との間に1日2往復の定期便が運航している。なお、同区間はJALマイレージバンクのマイル積算対象外となっていたが、2012年7月18日搭乗分からマイル積算の対象となり、同区間は40マイルとなる[8]。
かつては石垣空港との間にもRACが就航していたが、2006年3月に廃止。RAC撤退後にはエアードルフィンが不定期便として夏期季節運航していた[10]。2013年10月には第一航空が多良間空港 - 石垣空港線を2015年10月を目途に運航開始する計画を表明[5]。しかし、2015年8月18日には台風の影響等で運航乗務員の訓練が遅れたため運航再開を12月1日に延期することが決定され[11]、さらに8月28日には同社の同型機が粟国空港でフェンスに衝突する事故を起こし、原因究明まで同型機の飛行ができない可能性があることから、就航時期は未定となった[12][13]。2016年8月には、第一航空が、2017年6月頃に操縦士等の要員補充を考えており、2年後以降に就航見通しがあるとの見解を示している[14]。
アクセス
- 民間の路線バス、タクシー等なし。宿泊施設の多くは、空港送迎を行っている。
- 村が道路運送法第78条に基づく自家用自動車有償旅客運送を行っており、航空機やフェリーの発着時刻に合わせ、多良間空港・多良間港(普天間地区・前泊地区)と村中心部の間で26人乗りの車両が運行されている[15][16]。
その他
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 多良間空港 沖縄県
- ↑ 太陽光発電設備完成、旧多良間空港で実験 宮古新報、2010年8月27日
- ↑ “平成27年空港管理状況調書” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省航空局
- ↑ 4.0 4.1 4.2 RAC、宮古=多良間線の航空機大型化を決定 (PDF) 日本トランスオーシャン航空、2003年7月25日
- ↑ 5.0 5.1 “再来年10月めどに運航/多良間-石垣線”. 宮古毎日新聞. (2013年10月10日)
- ↑ 新機材運航スタート/RAC宮古路線『宮古毎日新聞』2017年2月23日記事
- ↑ 多良間空港(空港情報) 日本航空
- ↑ 琉球エアーコミューター(RAC)ご利用時におけるJMBサービスでの取り扱い変更について 日本航空
- ↑ “エアードルフィン破産 負債総額は13億400万円”. 琉球新報. (2009年11月13日)
- ↑ 同社は2009年11月に自己破産を申請し経営破綻した。[9]
- ↑ “第一航空、12月1日就航”. 八重山毎日新聞. (2015年8月19日)
- ↑ “粟国空港事故で就航延期 第一航空(株)”. 八重山毎日新聞. (2015年8月30日)
- ↑ “第一航空の波照間・多良間就航再延期へ 操縦士訓練に遅れ”. 沖縄タイムス. (2015年8月29日)
- ↑ “第一航空、粟国便の来年7月再開意向を打診”. 沖縄タイムス. (2016年8月9日) . 2016-9-2閲覧.
- ↑ 沖縄総合事務局陸運事務所『平成27年版業務概況 (PDF) 』 p.35 「自家用自動車有償運送登録一覧表」
- ↑ アクセス・交通情報 多良間島ねっと
- ↑ 沖縄県離島空港の現況 沖縄県
外部リンク
- 多良間空港 沖縄県土木建築部
- 多良間空港(空港情報) 日本航空