日生エクスプレス
特急日生エクスプレス | |
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概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 特急列車 |
現況 | 運行中 |
地域 | 大阪府・兵庫県 |
運行開始 | 1997年11月17日 |
運営者 |
阪急電鉄 能勢電鉄 |
路線 | |
起点 | 梅田駅 |
終点 | 日生中央駅 |
営業距離 | 28.0 km |
使用路線 |
阪急: 宝塚本線 能勢:妙見線・日生線 |
車内サービス | |
クラス | 普通車 |
座席 | 普通車自由席 |
技術 | |
車両 |
阪急1000系 阪急8000系 阪急6000系 能勢電鉄6000系6002F |
軌間 | 1,435 mm |
電化 | 直流1,500 V 架空電車線方式 |
最高速度 |
100 km/h(宝塚本線) 70 km/h(妙見線) 80 km/h(日生線) |
日生エクスプレス(にっせいエクスプレス)は、阪急電鉄梅田駅 - 能勢電鉄日生中央駅間において、平日の朝夕ラッシュ時間帯に運転されている直通の特急列車の愛称。
この「日生エクスプレス」という愛称は、公募によって「イチロ・ニッセイ(イチロ・ニッサンをもじって)」「スターエクスプレス(日生→星)」などの多数の応募の中から選出・決定されたものである[1]。
ここでは、同列車の代替として2017年3月まで土曜日に運転されていた能勢電鉄の日生急行についても記述していく。
運行概況
阪急宝塚本線 - 能勢電鉄妙見線 - 能勢電鉄日生線の2社3路線を直通運転している。阪急の通常の特急列車と同様、特急料金なしで利用することができる。朝のラッシュ時間帯には上り列車(日生中央駅 → 梅田駅)のみ、夕方のラッシュ時間帯には下り列車(梅田駅 → 日生中央駅)のみが運行されている。基本的に8両編成で運転される。 宝塚本線と妙見線の連絡は、梅田行、日生中央行ともに川西能勢口駅3号線に入線し、乗務員の交替後スイッチバックして行う。
1997年11月の運行開始当時、阪急宝塚本線には梅田駅 - 宝塚駅間を結ぶ特急列車(以下本線特急)が別途設定されており、同線内での停車駅は特急「日生エクスプレス」と同一であった。しかし、2000年6月4日のダイヤ改正以降、本線特急は停車駅に新たに3駅が加えられる形で当初の2倍の6駅へと変更され、運転時間帯も含めて差別化が図られた。これにより、「日生エクスプレス」の名称は特急列車の愛称よりも種別としての位置づけに近くなった[2]。
また、同列車が運休日となる土曜日朝ラッシュ時間帯には、能勢電鉄内において停車駅が同じである日生急行日生中央発川西能勢口ゆきを2本を運行していた。日生急行は能勢電鉄の通常4両編成で運転され、川西能勢口到着後は回送や普通で日生中央方面へ折り返していた。なお英語で「Nissei Express」と示した場合は種別としての「日生急行」の方を指す。特急「日生エクスプレス」の英語表記は種別としての「特急」を指す「Limited Exp.」である。
特急「日生エクスプレス」運行以前のダイヤにも日生急行は存在した。停車駅は山下と畦野で、平野は通過であった。これは日生急行が妙見急行と比べて乗客数が多く、上り川西能勢口行きは平野での乗車が困難だったためとされている。1996年から1997年には阪急宝塚本線の特急と接続する下り日生中央行きの日生急行も設定され、これも平野通過だった。下り日生急行は1997年11月の特急「日生エクスプレス」設定とともに廃止された。特急「日生エクスプレス」も、運行開始当初は平野を通過予定だった。これは前述の乗客数の理由とは別に、当時は平野が用地の関係から、8両編成対応工事が困難だったためである。結局、地元の通過反対を受け、1番線と2番線のみ川西能勢口側の踏切脇までホームを8両編成に延伸した上で、特急「日生エクスプレス」は運行開始から平野に停車することとなった。
使用車両
2018年7月現在
- 阪急1000系電車(平井車庫所属全編成)
- 8両編成=1001F・1003F・1004F・1006F・1009F・1012F・1013F(全車ロングシート)
- 阪急8000系電車(平井車庫所属全編成)
- 8両編成=8004F・8005F・8006F・8007F(いずれも川西能勢口寄り2両はセミクロスシート)
- 阪急・能勢電鉄6000系電車
運行開始当初は、8両編成には8000系4編成のみが使用されていた(6011Fが検査等の予備車)。なお、上記の車両のうち、8両編成の車両は阪急用の列車無線アンテナのほかに能勢電鉄用の列車無線アンテナを装備しており、アンテナが2本ある(6008Fおよび1000系を除く)。 6008Fは2016年夏よりアンテナを装備し日生エクスプレスに充当されるようになった。
過去に使用された車両
- 阪急6000系電車
- 6006F・6012F・6024F
6006Fは2015年春から日生エクスプレスへの充当から一時撤退していたが、2016年9月より日生エクスプレスへの充当に復帰した。しかし、1006Fに防護無線を移設したため、2017年6月を最後に再度充当から撤退した。6012Fは2018年1月に4両編成化のうえ伊丹線に転用された。6024F+6014Fは8両編成のままであるが、それぞれ箕面線予備編成となっている。
- 阪急8000系電車
- 朝の梅田行きの増結車=8030F・8031F・8032F・8033F・8034F・8040F・8041F・8042F。
2015年3月21日のダイヤ改正で10両編成廃止に伴い運用から外れた。8031F - 8033Fは現在神戸線に移籍、8040F・8041Fは現在箕面線専用となっている。
- 阪急7000系電車
- 朝の梅田行きの増結車=7031F・7032F・7033F(検査等で増結車が欠けた場合、7025Fから捻出される事があった)
2015年3月21日のダイヤ改正で10両編成廃止に伴い運用から外れた。
停車駅
阪急宝塚本線 | 能勢電鉄妙見線 | 能勢電鉄日生線 | ||||||||||||||||
梅田駅 | - | 十三駅 | - | 石橋駅 | - | 池田駅 | - | 川西能勢口駅 | - | 平野駅 | - | 畦野駅 | - | 山下駅 | - | 日生中央駅 |
沿革
- 1996年3月24日 阪急電鉄・能勢電鉄 川西能勢口駅の高架駅舎が完成。
- 1997年11月16日 阪急電鉄・能勢電鉄 ダイヤ改正。川西能勢口駅3号線を使用開始。同日日生中央駅前交通広場で「特急日生エクスプレスまつり」が開催され、浜村淳・匠ひびきを招いたトークショーの他、貸切列車も運行された。
- 1997年11月17日 阪急8000系で特急「日生エクスプレス」の運行を開始。1日6本(上り3本、下り3本)運行(上下とも30分間隔)。
- 2000年6月4日 ダイヤ改正により増便しての運行を開始。1日7本(上り3本、下り4本)運行(上り15分間隔、下り20分間隔となる)。
- 2003年8月30日 ダイヤ改正により増便しての運行を開始。1日14本(上り7本、下り7本)運行(間隔は同じ)。使用車両に阪急6000系が、停車駅に池田駅が追加される。
- 2009年4月18日・19日・25日・26日 沿線で開催された「つるやオープンゴルフトーナメント」に合わせ、臨時特急「日生エクスプレス」を梅田駅 - 日生中央駅間で運転[4]。このうち25日・26日は、1997年の運行開始以来初めて上下線とも同時間帯に運行され、各線内で上下日生エクスプレス同士がすれ違った。
- 2009年10月31日・11月1日・3日・7日・8日・14日・15日 臨時特急「日生エクスプレス」を運転(日生中央9時台発梅田行き2本のみ)[5]。
- 2010年4月25日・26日・29日・5月1日・2日・3日・4日・5日・8日・9日 臨時特急「日生エクスプレス」を運転。このうち4月25日・26日は、沿線で開催された「つるやオープンゴルフトーナメント」に合わせ、日生中央行きも運行し、2年連続上下線とも同時間帯に運行され、各線内で上下日生エクスプレス同士がすれ違った。(その他の日は日生中央9時台発梅田行き2本のみ)
- 2010年10月30日~11月28日の土曜日・日曜日・祝日に臨時特急「日生エクスプレス」を運転を予定していたが、10月30日は台風の影響により、運行を取りやめた。よって、10月31日より運行を開始。これにより、10月31日~11月28日の約1ヶ月間毎日臨時特急「日生エクスプレス」が運行されることになる。(日生中央9時台発梅田行き2本のみ)
- 2011年3月19日~5月15日の土曜日・日曜日・祝日 臨時特急「日生エクスプレス」を運転。このうち4月25日・26日は、沿線で開催された「つるやオープンゴルフトーナメント」に合わせ、日生中央行きも運行し、3年連続上下線とも同時間帯に運行され、各線内で上下日生エクスプレス同士がすれ違う。この期間は日生中央9時台・10時台に各1本ずつ設定されている。
- 2015年3月21日 ダイヤ改正により、上り5便の川西能勢口~梅田間の10両編成を廃止。全14便が8両編成に統一。また、使用車両に阪急1000系追加。
- 2015年秋 利用者数の減少により、春・秋の行楽期特定日の梅田行き臨時特急日生エクスプレスの運行を取りやめた。
- 2017年11月17日には、運行開始20周年を迎え[8]、一部の車両に記念のヘッドマークが掲出された。
運用
- 全列車全区間8両編成。
- 梅田における夕方の発車ホームは4号線(急行は5号線発車で、宝塚・川西能勢口方面への優等列車が同一ホームから乗車できる)。
- 平日朝の上り特急車が梅田に到着した後は、第1便は準急箕面行き、第2・7便は普通雲雀丘花屋敷行き、第3~5便は回送(いずれも豊中で折り返して普通になる)、第6便は準急雲雀丘花屋敷行きとなる。
- 第3,5,7便は昼間も各駅停車、第4便は急行(ただし途中で梅田で普通列車と交換される)として運用される。前ダイヤの時とは異なり、これらの車両は車庫に入庫することなく夕方の下り日生エクスプレスに充当される。
- 第5便充当列車は日生中央に回送される前に雲雀丘花屋敷~梅田を各駅停車で一往復した後、雲雀丘花屋敷から日生中央に回送される。
- 平日夕方の下り特急車が日生中央に到着した後の運用は、2006年10月28日改正ダイヤと同様。ただし下り始発便(18:17発)と最終便(20:17発)は前ダイヤの時とは違い、異なる編成が使用される。
- 2015年3月21日のダイヤ改正で宝塚発川西能勢口行きの普通が新設されており、下りの第2便は日生中央から戻ってきた後、各駅停車で梅田に戻ると急行運用に入り、その後、川西能勢口行きに充当される。この列車は川西能勢口に到着後、同駅の6号線(引上線)に留置される。翌日が平日の場合、早朝に川西能勢口から日生中央まで回送され、留置線で待機の上、第6便の運用に就く。
- 先述の臨時特急「日生エクスプレス」は、基本的に平井車庫から日生中央(梅田)駅に回送され、梅田(日生中央)駅到着後は平井車庫まで回送される[9]。
2006年10月28日改正ダイヤ
(これ以前の運用については、「沿革」の項を参照)
- 平日朝の上り7本のうち、中間の5本は川西能勢口で梅田方に2両増結し、梅田までの区間で10両編成となった。
- 梅田における夕方の発車ホームは6号線(急行は4号線のため、隣のホームからの乗車)。
- 平日朝の上り特急車が梅田に到着した後は、第1便は急行宝塚行き、第2・6・7便は回送、第3~5便は通勤急行宝塚行き(雲雀丘花屋敷で増結車を切り離し)となった。
- 特に上り第2便は、回送として川西能勢口到着後、通勤急行梅田行き(川西能勢口8:27発)となり梅田到着後、平井車庫へ回送。それに対し、第6・7便はそのまま平井車庫へ回送された。
- 第1・3~5便はそのまま昼間も各駅停車として運用され、15~16時台に雲雀丘花屋敷で他の車両と入れ替えられ、夕方の運用に備えていた。
- 平日夕方の下り特急車が日生中央に到着した後は、能勢電鉄線内を回送。川西能勢口到着後、第1~6便は川西能勢口発の梅田行き普通電車となった。
- 特に下り始発便(梅田18:17発)は、普通電車として梅田到着後そのまま下り最終便(梅田20:17発)となった。
- 最終便(梅田20:17発)のみ日生中央到着後、翌日も平日の場合は乗客を全員降ろした後回送にならず、そのまま同駅の留置線に入って停泊し、翌日の第1便(日生中央6:40発)として運用された。
- 前日が土休日ダイヤである場合、上り第1便は平井車庫から回送され、20分ほど前に入線していた。
- 翌日が土休日ダイヤである場合、下り最終便は平井車庫へ回送された。
- 平日朝の上り最終便(日生中央8:17発)は、直前に日生中央駅に回送車で来るのではなく、6時台に日生中央駅2号線に到着し、留置線で待機していた。また上り第5便(日生中央7:43発)も6時台に日生中央駅1号線に到着し、留置線で待機していた。
備考
- 梅田(阪急)-日生中央(能勢電)間の直通運転であるため、車内アナウンスも両社で異なる。
- 川西能勢口でスイッチバックする関係で、1000系のLCD車内案内に表示される路線図は、同駅を過ぎると左右反転されて表示される。
- 夕方時間帯の日生中央行きでは川西能勢口駅だけでなく、池田駅でも宝塚方面行きへの乗り換え案内が放送される。これは川西能勢口駅において1号線(宝塚方面)ではなく3号線(梅田・日生中央方面)に入線するため、降車したホームで乗り換えができないからである。宝塚方面へ向かう乗客は、池田駅で降車してそのままホームで宝塚方面行き列車を待つか、川西能勢口駅で降車して階段を使って1号線ホームにいき宝塚方面行き列車に乗り換える必要がある。
- 2008年12月1日~2009年7月31日の間、8007Fに「エコトレイン 未来のゆめ・まち号」ラッピングが施行され、従来通り能勢電鉄に乗り入れた。これは「もみじ」や「王子動物園」のような小規模なものを除いたラッピング車としては初である。
脚注
- ↑ 愛称に冠されている「日生」は列車の乗り入れ先である能勢電鉄日生線や終着駅である日生中央駅にちなんだものであるが、この語は阪急日生ニュータウンの開発者である日本生命保険に由来するものである。
- ↑ 本線特急は2003年8月30日のダイヤ改正をもって廃止されており、2015年3月現在運行していない。
- ↑ 過去には増結予備として6024F(2連時代)が運用された事もある。また、検査などに伴う車両不足が発生した時、緊急で外付けの無線機を搭載した6013Fが運用に入り、能勢電鉄線内に入線した実績もある。
- ↑ 鉄道ファンrailf.Jp [1]
- ↑ 沿線各地にて臨時直通列車を運行します (PDF) - 阪急電鉄プレスリリース(2009年10月22日)
- ↑ 京都線のダイヤ改正について (PDF) - 阪急電鉄プレスリリース(2009年12月9日)
- ↑ 春の臨時列車運転のご案内 (PDF) - 阪急電鉄プレスリリース(2010年4月23日)
- ↑ 阪急8000系に特急「日生エクスプレス」運転開始20周年記念ヘッドマーク | 鉄道ニュース | 鉄道ファン・railf.jp
- ↑ 阪急電鉄 2008年8月30日改正 平日列車運行図表