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{{Infobox_Disease |
 
  Name          = せん妄 |
 
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'''せん妄'''(譫妄、せんもう、英:delirium)は、意識混濁に加えて奇妙で脅迫的な思考や[[幻覚]]や[[錯覚]]が見られるような状態。健康な人でも寝ている人を強引に起こすと同じ症状を起こす。[[集中治療室|ICU]]やCCUで管理されている[[患者]]によく起こる<ref>{{cite web|url=http://merckmanuals.jp/home/%E8%84%B3%E3%80%81%E8%84%8A%E9%AB%84%E3%80%81%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E3%81%9B%E3%82%93%E5%A6%84%E3%81%A8%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87/%E3%81%9B%E3%82%93%E5%A6%84.html|title=せん妄 |accessdate=2015-08-22}}</ref>。
 
  
急激な[[精神運動興奮]]([[カテーテル]]を引き抜くなど)や、問診上明らかな[[見当識]][[障害]]で気がつかれることが多い。大手術後の患者(術後せん妄)、[[アルツハイマー病]]、[[脳卒中]]、代謝障害、[[アルコール依存症]]の患者にもみられる。通常は[[対症療法]]が行われる。[[振戦せん妄]]は、[[アルコール]]や[[ベンゾジアゼピン|ベンゾジアゼピン系薬物]]からの離脱によって起こり区別され、せん妄とは治療も異なる。
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'''せん妄'''(譫妄、せんもう、英:delirium)
  
==症状==
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それほど強くない意識障害に幻覚,妄想や運動不安が加わった精神状態。慢性のアルコール依存症,老人性精神病,糖尿病その他の症状精神病で多くみられ,心因反応の場合にも現れることがある。慢性アルコール依存症では振戦せん妄がみられる。これは,突然の断酒や大酒のあと,感染症にかかった際などに,手指の粗大な振戦とともに錯覚や幻覚が現れ,見当識を失い,思考も錯乱する状態である。数日の間に深い睡眠に入ったのち回復する。
「入院した途端、急にボケて([[痴呆]]のように見える)しまって、自分がどこにいるのか、あるいは今日が何月何日かさえもわからなくなってしまった。」というエピソードが極めて典型的である。通常はこういった障害は可逆的で退院する頃にはなくなっているので、安心してよい所見である。
 
  
また、[[高熱]]とともにせん妄を体験する場合があり、とくに子供に多い{{sfn|オリヴァー・サックス|2014|pp=217-237}}。
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{{テンプレート:20180815sk}}
大半の患者はせん妄を覚えており、苦痛な経験だったとの調査報告がある。せん妄は意識障害だから覚えていない、というのは全くの誤解である<ref name="jspm_nl440903">{{cite web |url=https://www.jspm.ne.jp/newsletter/nl_44/nl440903.html |title=進行性がん患者と介護者における、せん妄のインパクトと苦痛の記憶 |publisher=[[日本緩和医療学会]] |date=2009-8 |accessdate=2016-8-31}}</ref>。
 
 
 
こういった症状をおこすせん妄という病態の背景には[[意識障害]]、幻視を中心とした[[幻覚]]、精神運動興奮があると考えられている。
 
 
 
== 診断基準 ==
 
[[精神障害の診断と統計マニュアル|DSM-IV]]でも診断基準はあるが、より実践的なConfusion Assessment Methods (CAM) をここでは記す。
 
*急性の発症と症状の動揺
 
*注意力の欠如
 
*思考の錯乱
 
*意識レベルの変化<ref>{{cite web|url=https://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02950_02|title=入院中の高齢者のせん妄をボランティアの介入で防ぐ |accessdate=2015-08-18}}</ref>
 
 
 
2つ目までは必須項目であり、あとひとつをみたせば診断してよい。
 
 
 
===鑑別診断===
 
[[振戦せん妄]]は、アルコールやベンゾジアゼピン系薬あるいはバルビツール酸系薬の離脱症状できたすせん妄状態である。せん妄とは区別され、治療も異なる。[[認知症]]との区別は、血管障害を除き、認知症は緩徐に進行するのに対してせん妄は急激に来ると経過が異なる点があげられる。
 
 
 
== 危険因子 ==
 
[[認知症]]、高齢、男性、重症患者、うつ状態、複数薬物、聴視覚障害([[難聴]]や[[白内障]])、感染症、アルコール常飲、[[疼痛]]、手術後、身体抑制などがリスクファクターと言われている。
 
 
 
==予防==
 
2016年の[[コクラン共同計画|コクラン]]レビューは、{{仮リンク|Bispectral index|en|Bispectral index}}を用いて麻酔の強さを監督することで、せん妄発生率を低下させる質の良い証拠があり、抗精神病薬、コリンエステラーゼ阻害剤、メラトニン、メラトニン受容体作動薬では研究はされているが明確な証拠ではないとした<ref name="pmid26967259">{{cite journal|author=Siddiqi N, Harrison JK, Clegg A, et al.|title=Interventions for preventing delirium in hospitalised non-ICU patients|journal=Cochrane Database Syst Re|pages=CD005563|date=March 2016|pmid=26967259|doi=10.1002/14651858.CD005563.pub3}}</ref>。
 
 
 
2017年のレビューは、5つの[[ランダム化比較試験]] (RCT) と1つの非RCTを見出し、メラトニンでは相反する結果であり、1つのラメルテオンでの試験はせん妄発生率を減少させ、L-トリプトファンでは効果がなく、結論としてメラトニン受容体作動薬の定常的な使用は推奨できないとした<ref name="pmid27539735">{{cite journal|author=Walker CK, Gales MA|title=Melatonin Receptor Agonists for Delirium Prevention|journal=Ann Pharmacother|issue=1|pages=72–78|date=January 2017|pmid=27539735|doi=10.1177/1060028016665863}}</ref>。2016年のRCTの[[メタアナリシス]]は、計669人を含む4つのRCTがあり、[[メラトニン]]の服用は内科病棟ではせん妄発生率を減少させ、外科病棟では差がなかった<ref name="pmid26189834">{{cite journal|author=Chen S, Shi L, Liang F, et al.|title=Exogenous Melatonin for Delirium Prevention: a Meta-analysis of Randomized Controlled Trials|journal=Mol. Neurobiol.|issue=6|pages=4046–4053|date=August 2016|pmid=26189834|doi=10.1007/s12035-015-9350-8}}</ref>。2015年のレビューは、メラトニンの2つのRCTと、タシメルテオンの1つのRCTを発見していた<ref name="pmid24946785">{{cite journal|author=Chakraborti D, Tampi DJ, Tampi RR|title=Melatonin and melatonin agonist for delirium in the elderly patients|journal=Am J Alzheimers Dis Other Demen|issue=2|pages=119–29|date=March 2015|pmid=24946785|doi=10.1177/1533317514539379}}</ref>。
 
 
 
== 治療 ==
 
せん妄に関しては予防が一番重要である。患者自身が、「自分は今どんな状況なのか」(今どこにいて、現在の日時はいつで、自分の病名・病状はどんな状態で、自分はどう対処しなければならないのか)を正しく認識できる状態を保たなくてはならないのである。しかし、発症してしまった場合は[[セレネース]]([[ハロペリドール]])<ref name=okayama>{{cite web|url=http://www.okayama-kanwa.jp/study/pdf/pdf42.pdf|title=せん妄|accessdate=2015-08-21}}</ref>などを用いる。ハロペリドールは[[錐体外路症状]]や[[悪性症候群]]などの副作用や、せん妄による興奮の反動としての嗜眠などが予期されるため、それらを避けるために[[リスペリドン]]<ref name=okayama/>や[[クエチアピン]]を用いる場合もある。逆に嗜眠が起きても病態に影響しない場合には[[ベンゾジアゼピン]]類の[[ジアゼパム]]や[[ロラゼパム]]、さらに強力なものとしては[[ミダゾラム]]などを用いる。
 
 
 
==関連項目==
 
* [[不思議の国のアリス症候群]]
 
 
 
==出典==
 
{{Reflist}}
 
 
 
==参考文献==
 
{{ページ番号|date=2014年6月}}
 
* {{Cite book|和書|editor=[[聖路加国際病院]]内科レジデント|title=内科レジデントマニュアル|page=|year=|edition    =|isbn=4-260-00198-1}}
 
* {{Cite book |和書 |author = [[オリヴァー・サックス]] |translator = [[大田直子]] |title = 見てしまう人々:幻覚の脳科学 |date = 2014 |publisher = 早川書房 |isbn = 9784152094964 |ref = harv }}
 
 
 
==外部リンク==
 
{{脳科学辞典|記事名=せん妄}}
 
 
 
{{精神と行動の障害}}
 
 
{{デフォルトソート:せんもう}}
 
{{デフォルトソート:せんもう}}
 
[[Category:認知障害]]
 
[[Category:認知障害]]
 
[[Category:精神医学的診断]]
 
[[Category:精神医学的診断]]

2018/12/24/ (月) 16:41時点における最新版

せん妄(譫妄、せんもう、英:delirium)

それほど強くない意識障害に幻覚,妄想や運動不安が加わった精神状態。慢性のアルコール依存症,老人性精神病,糖尿病その他の症状精神病で多くみられ,心因反応の場合にも現れることがある。慢性アルコール依存症では振戦せん妄がみられる。これは,突然の断酒や大酒のあと,感染症にかかった際などに,手指の粗大な振戦とともに錯覚や幻覚が現れ,見当識を失い,思考も錯乱する状態である。数日の間に深い睡眠に入ったのち回復する。



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