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'''アベノミクス'''({{Lang-en|'''Abenomics'''}})とは、[[自由民主党 (日本)|自由民主党]]の[[政治家]]・[[安倍晋三]]が[[第2次安倍内閣]]において掲げた一連の[[経済政策]]に対して与えられた[[通称]]である<ref>[https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%99%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%82%AF%E3%82%B9-189460#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29 日本大百科全書(ニッポニカ)] [[コトバンク]]. 2018年7月15日閲覧。</ref>。少数ながら[[wikt:表記揺れ|表記揺れ]]に「'''アベノミックス'''<ref name="wchosunonline">[http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/12/18/2012121801006.html 「アベノミックス」による円安、韓国に懸念] 朝鮮日報 2012年[[12月18日]]</ref>」「'''安倍ノミクス'''<ref>[http://www.nikkei.com/money/column/teiryu.aspx?g=DGXZZO4986273021122012000000 「安倍ノミクス」の賞味期限、来年度国債44兆円枠が焦点]日本経済新聞 2012年12月24日</ref>」がある。主唱者である「'''安倍'''」の姓と、[[経済学]]・[[経済理論]]の総称である「[[エコノミックス|'''エコノミクス/エコノミックス''']]({{lang-en-short|economics}}<ref group="†"><small>[[イギリス英語]]発音:</small>{{IPA-en|ˌiːkəˈnɒmɪks|}} イーコ'''ノ'''ミクス、{{IPA-en|ˌekəˈnɒmɪks|}} エコ'''ノ'''ミクス</ref><ref group="†"><small>[[アメリカ英語]]発音:</small>{{IPA-en|ˌiːkəˈnɑːmɪks|}} イ(ー)カ'''ナ'''ーミクス、{{IPA-en|ˌekəˈnɑːmɪks|}} エカ'''ナ'''ーミクス</ref><ref>[http://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/economics economics] (Oxford Learner's Dictionaries)</ref>)」とを合わせた[[造語]]<ref>[https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%99%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%82%AF%E3%82%B9-189460#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89 デジタル大辞泉] [[コトバンク]]. 2018年7月15日閲覧。</ref>([[かばん語|混成語]])<ref group="†">語形は「安倍」と "[[wikt:economics|economics]]" の第二構成要素 "[[wikt:en:-nomics|-nomics]]" で構成された[[合成語]]の形をとる。</ref>。[[英語]]・[[フランス語]]・[[ドイツ語]]では'''Abenomics'''<ref>[http://thediplomat.com/2012/12/18/can-abenomics-save-japans-economy/ The Diplomat, "Can 'Abenomics' Save Japan’s Economy?"] 2012年12月26日</ref><ref>[http://www.koreatimes.co.kr/www/news/biz/2012/12/488_127212.html The Korea Times, "'Abenomics' unnerves Korean exporters"] 2012年12月26日</ref><ref>[http://www.lemonde.fr/japon/article/2012/12/26/shinzo-abe-a-pour-priorite-de-sortir-le-japon-de-la-deflation_1810432_1492975.html {{lang|fr|Shinzo Abe a pour priorité de sortir le Japon de la déflation}}]([[ル・モンド]]誌、2012年12月26日)</ref><ref>[http://www.welt.de/newsticker/dpa_nt/infoline_nt/wirtschaft_nt/article113174517/Japan-hebt-Wachstumsprognose-deutlich-an.html {{lang|de|Japan hebt Wachstumsprognose deutlich an}}(ディー・ヴェルト誌、2013年1月28日)]</ref>、[[ロシア語]]では{{lang|ru|'''Абэномика'''}}(アベノミカ)と表記される。なお、国際的にはAbeconomics(アベコノミクス)と呼ばれることもある<ref>[https://www.google.co.jp/search?q=abeconomics&rlz=1C1ASRM_enJP558JP558&oq=abeconomics&aqs=chrome..69i57.891292j0j7&sourceid=chrome&es_sm=122&ie=UTF-8#safe=off&q=abeconomics Googleによる検索結果]</ref>。
 
  
== 概要 ==
 
'''アベノミクス'''は、[[第1次安倍内閣]]における経済政策の総称として命名されたが、その後の[[第2次安倍内閣]]の経済政策とは基本的なスタンスが異なっていた。当初の「アベノミクス」は、財政支出を削減し[[公共事業|公共投資]]を縮小させ、[[規制緩和]]によって成長力が高まることを狙った「'''[[小泉構造改革]]'''」路線の継承を意味するものであった。この言葉は、[[第1次安倍内閣]]当時の[[自由民主党幹事長]]・[[中川秀直]]による造語であり<ref name="u-can">{{Cite web|url=http://singo.jiyu.co.jp/|title=第30回2013年 年間大賞|publisher=[[ユーキャン]]|accessdate=2016-05-06}}</ref>、メディアに売り込んでいたともされる<ref>日本経済新聞朝刊2006年12月25日 論説主幹 岡部直明)</ref>。
 
 
「'''[[近いうち解散]]'''」と呼ばれた[[2012年]]([[平成]]24年)11月の[[衆議院解散]]前後から[[朝日新聞]]が使用したことをきっかけ<ref>青山繁晴、須田慎一郎、三橋貴明「アベノミクスが激論で解けた!」(小学館)</ref>に多用され始めた言葉であるともされるが、「'''アベノミクス'''」「[[三子教訓状#三矢の教えに由来するもの|'''三本の矢''']]」という呼称自体は既に[[2006年]]([[平成]]18年)時点で、[[第1次安倍内閣]]当時の[[自由民主党幹事長]]・[[中川秀直]]が使用した例が確認されている<ref>[http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35170 経済の死角 ぶちぬき大特集アベクロでGO! アベクロ・バブルの教祖新たな「お告げ」 浜田宏一登場「株高と円安私にはここまで見えている」]現代ビジネス 2013年[[3月18日]]</ref><ref>[http://www.yomiuri.co.jp/job/biz/columnpolitics/20130502-OYT8T00913.htm アベノミクスの今昔 : 今を読む:政治 : Biz活 : ジョブサーチ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)]</ref>
 
 
[[第2次安倍内閣]]では新たに、[[デフレーション|デフレ]]経済を克服するために[[インフレターゲット]]が設定され、これが達成されるまで[[日本銀行法]]改正も視野に入れた大胆な[[金融緩和]]措置を講ずるという[[金融政策]]<ref name="webronza">[http://webronza.asahi.com/business/2012112500001.html 超金融緩和「新・アベノミクス」は良薬か、劇薬か] 朝日新聞社(WEBRONZA) 2012年[[11月26日]]</ref><ref name="reuters20121217syoten">[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8BF01M20121216?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29 焦点:デフレ脱却目指す「アベノミクス」に潜む危うさ] Reuters 2012年12月17日</ref>が発表された。これら一連の経済政策が、第40代の[[アメリカ合衆国大統領]][[ロナルド・レーガン]]の経済政策として名高い「'''[[レーガノミクス]]''' ({{lang-en-short|Reaganomics}})」にちなんで、'''アベノミクス'''と総称されるようになったともされる<ref name="chunichi">2013年1月26日付[[中日新聞]]朝刊24面(特集)「話題の発掘 ニュースの追跡」『アベノミクス 実体は? ムード先行 期待と不安』より。「レーガノミクス」が由来と記載している。</ref>。
 
 
安倍首相は、[[2013年]][[9月26日]]に[[ニューヨーク証券取引所]]での講演で「Buy my Abenomics(アベノミクスは『買い』だ)」と述べている<ref>[http://web.archive.org/web/20130928100918/http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130926-OYT1T00490.htm 首相、アベノミクスは「買い」…NY証取で講演]YOMIURI ONLINE(読売新聞)2013年9月26日(2013年9月28日時点の[[インターネットアーカイブ]])</ref><ref>[http://www.j-cast.com/2013/09/26184688.html 安倍首相「アベノミクスは買い」 ニューヨーク証券取引所で講演]J-CASTニュース 2013年9月26日</ref>。また同年[[12月30日]]の[[東京証券取引所]]の大納会でも、「来年もアベノミクスは買いです」と述べた<ref>{{Cite news|url=http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131230/fnc13123016480005-n1.htm|title=「来年もアベノミクスは買いです」 値上がりに沸く大納会で安倍首相があいさつ|publisher=産経新聞|date=2013-12-30|accessdate=2013-12-30}}</ref>。
 
 
「'''アベノミクス'''」は2013年[[新語・流行語大賞]]のトップテンに入賞し、安倍首相自らが受賞した<ref name="u-can">{{Cite web|url=http://singo.jiyu.co.jp/|title=第30回2013年 年間大賞|publisher=[[ユーキャン]]|accessdate=2016-05-06}}</ref>。
 
 
[[年金積立金管理運用独立行政法人]](GPIF)と[[日本銀行]]が、[[東証一部]]に上場する企業のうちおよそ半数の約980社で事実上の大株主となっていることが、[[朝日新聞]]・[[東京商工リサーチ]]・[[ニッセイ基礎研究所]]の調べでわかった<ref>朝日新聞 [http://www.asahi.com/articles/ASK2T1TN5K2TULZU001.html 公的マネー、東証1部の半数980社で大株主に] 2017年2月26日</ref>。
 
 
韓国経済新聞は2012年末のアベノミクス施行後に日本の名目国内総生産は2012年の494兆円からアベノミクス施行された2017年までの5年間で過去最大となる549兆円に増加したこと、5年間に就業者数は270万人増加と失業者の110万人減少、2017年時点で失業率は2.8%で最も低い水準になったこと、景気拡張傾向が61カ月連続で続き過去2番目の長期好況を経験しているとして、日本経済は「失われた20年」の軛から抜け出したという評価を聞くほど回復基調が明確だと述べている。<ref>[https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180205-00000021-cnippou-kr 韓経:分岐点に立つアベノミクス…「突撃隊長」黒田総裁再任の有無に神経尖らす]2018年2月5日、韓国経済新聞</ref>。2000年代まで海外に工場などを移していた大企業から中小企業まで規模や業種を問わず企業の「本国復帰」が2015年以降からブームとなっている。2015年の1年間で日本企業724社が製造本国回帰したことが就活生が職場を選ぶ「売り手市場」の原動力となっている。2017年には製造業による雇用が戻ってきてかつての1000万人を越えた<ref>[http://v.media.daum.net/v/20180108031317955 해외 나갔던 일본 공장, 한해 724개 '유턴']daumニュース</ref><ref>[http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/02/15/2018021500879.html]【社説】本国Uターン企業、韓国2社・日本724社という現実</ref>。
 
 
== 内容 ==
 
=== アベノミクスの「三本の矢」===
 
'''アベノミクス'''は、下記の「'''三本の矢'''」を、経済成長を目的とした政策運営の柱に掲げている<ref>{{Cite web | title = 「3本の矢でデフレ脱却と円高是正を」と安倍首相が強調 経済3団体の新年祝賀パーティーで | publisher = 日本経済新聞 | date = 2013-01-07 | url = http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL070J6_X00C13A1000000/ | accessdate = 2016-10-01}}</ref>。
 
 
# 大胆な[[金融政策]]
 
# 機動的な[[財政政策]]
 
# 民間投資を喚起する[[成長戦略]]{{refnest|group="†"|2013年6月14日発表の「日本再興戦略<ref>{{Cite web | url = http://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/pdf/saikou_jpn.pdf | title = 日本再興戦略 | format = PDF | publisher = [[農林水産省]] | date = 2013-06-14 | accessdate = 2016-07-31 }}</ref>」で全体像が明示された。第一弾は、4月19日に安倍が「成長戦略スピーチ」で示した<ref name="abespeech2013">{{Cite web | url = http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0419speech.html | title = 平成25年4月19日 安倍総理「成長戦略スピーチ」 | publisher = [[総理大臣官邸]] | date = 2013-04-19 | accessdate = 2016-07-31 }}</ref>。}}
 
 
個別の政策としては、それぞれの矢として下記などが提示、あるいは指摘されている。
 
* 大胆な'''[[金融政策]]'''
 
** 2%の[[インフレターゲット|インフレ目標]]<ref name="webronza" /><ref name="reuters20121217syoten"/><ref name="reuters20121217column">[http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE8BG04220121217 コラム:自民圧勝で「アベノミクス」始動、アキレス腱は金利上昇] Reuters 2012年12月17日</ref>
 
** 無制限の[[量的金融緩和政策|量的緩和]]<ref name="reuters20121217syoten" /><ref name="reuters20121217column" />
 
** 円高の是正<ref name="reuters20121217syoten" /><ref group="†">G7後の会見(2013.5.11)において、日銀の黒田総裁は、大胆な金融緩和はあくまでも「デフレを脱却するとの国内目的」のものであり、円安を意図したものではないと説明した。円安は政府・日銀の公式な政策目標ではない。</ref>と、そのための[[手形交換所#手形交換制度|円流動化]]
 
** [[日本銀行法]]改正<ref name="reuters20121217syoten" /><ref group="†">安倍内閣発足以前に言及された政策であるが、改正をちらつかせることにより、日銀の[[白川方明]]総裁を早期退職させ、アベノミクスに賛同する[[黒田東彦]]総裁を任命できたため、2013年現在はこの政策は検討されていない。</ref>
 
* 機動的な'''[[財政政策]]'''
 
** 大規模な[[公共事業|公共投資]](国土強靱化)<ref name="reuters20121217syoten" />
 
** [[日本銀行]]の買いオペレーションを通じた[[建設国債]]の買い入れ・長期保有<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8BB03420121212 選挙こうみる:アベノミクス実施なら半年後に株高・円安=トヨタAM濱崎氏] Reuters [[2012年]][[12月12日]]</ref>、ただし国債そのものは[[手形交換所#手形交換制度|流動化]]
 
* 民間投資を喚起する'''[[成長戦略]]'''
 
**「健康長寿社会」から創造される成長産業<ref name="abespeech2013"/>
 
** 全員参加の成長戦略<ref name="abespeech2013"/>
 
** 世界に勝てる若者<ref name="abespeech2013"/>
 
** 女性が輝く日本<ref name="abespeech2013"/>
 
 
;論文
 
[[2014年]][[6月30日]]、安倍首相は[[フィナンシャル・タイムズ]]紙に、「私の『第3の矢』は日本経済の悪魔を倒す」と題した論文を寄稿し、経済再建なしに財政健全化はあり得ないと述べ、[[日本の経済|日本経済]]の[[聖域なき構造改革|構造改革]]を断行する考えを表明している<ref name="sankei2014630">[http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140630/plc14063008560008-n1.htm 「私の第3の矢は悪魔を倒す」 安倍首相が英紙に寄稿]MSN産経ニュース 2014年6月30日</ref>。改革の例として、
 
 
* [[法人税]]の引き下げ。2014年に2.4%引き下げ、数年で20%台に引き下げ。
 
* 規制の撤廃、エネルギー・農業・医療分野の外資への開放。
 
* 働く母親のために家事を担う[[外国人労働者]]の[[雇用]]。
 
 
を挙げた<ref name="sankei2014630" />。また、2014年4月の[[消費税]]増税については「影響は限定的である」と述べている<ref name="sankei2014630" />。
 
 
同年[[8月9日]]、安倍首相は月刊誌「[[文芸春秋]]」9月号に「アベノミクス第二章起動宣言」と題した論文を寄稿し、「[[経済成長]]こそが安倍政権の最優先課題」として[[デフレーション|デフレ]]脱却に向けた決意を表明、地方振興・人口減少対策に全力を挙げる考えを示した<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2014080700883 「経済成長こそ最優先」=安倍首相、月刊誌に寄稿]時事ドットコム 2014年8月7日</ref>。
 
 
;組織
 
経済政策を進めるために、[[内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)|経済財政政策担当相]]・[[甘利明]]の下に[[日本経済再生本部]]を設け、さらにその下に[[経済財政諮問会議]]、[[産業競争力会議]]を設置している。
 
 
=== アベノミクスの「第四の矢」===
 
2013年5月28日の[[経済財政諮問会議]]では、[[内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)|経済財政政策担当大臣]]の[[甘利明]]が財政健全化をアベノミクスの「'''第四の矢'''」に位置づけたという<ref>日経新聞2013.5.28「財政健全化を「第4の矢に」諮問会議、骨太方針策定へ」http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS28043_Y3A520C1EA2000/</ref><ref name="takaha">高橋洋一「経済財政諮問会議が放ったとんでもない“矢”/「財政健全化を第4の矢に」は正しいか、Diamond online、http://diamond.jp/articles/-/36695」</ref>。しかしこの発言は、同日の[[経済財政諮問会議]]議事要旨にはない<ref>平成25年第13回経済財政諮問会議議事要旨 http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2013/0528/gijiyoushi.pdf</ref>。自由民主党の[[野田毅]]税制調査会長は「アベノミクスは[[消費税]]率引き上げを前提に成り立っている」と表明している<ref>[http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130801/fnc13080111070009-n1.htm 野田毅・自民税調会長 アベノミクスは消費増税前提+ (1/2ページ)]MSN産経ニュース 2013年8月1日</ref>。
 
 
財政健全化をアベノミクスの「第四の矢」とすべきかについては、大和総研理事の[[木村浩一]]は賛成<ref>木村浩一「アベノミクスの第4の矢」DIRコラム、http://www.dir.co.jp/library/column/20130613_007307.html</ref>し、[[第1次安倍内閣]]で[[経済政策]]のブレーンの一人であった経済学者の[[高橋洋一 (経済学者)|高橋洋一]]は反対<ref name="takaha"/>している。
 
 
2013年10月7日、安倍首相は[[アジア太平洋経済協力]]会議(APEC)の首脳会議で講演を行い、消費税率の引き上げを決断したことを踏まえ「財政の健全化を図り、国の信認を維持することは、経済再生を進めていく上で不可欠であり、財政再建は私の[[成長戦略]]と車の両輪をなすものだ」として、経済成長と財政再建の両立を図る考えを強調している<ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131007/k10015084521000.html 首相 経済成長と財政再建強調]NHKニュース 2013年10月7日</ref>。
 
 
財政健全化以外の政策・事象をアベノミクスの「第四の矢」とすべきだという意見もある。ジャーナリストの[[長谷川幸洋]]は、政府データの公開([[オープンデータ]])こそ、第四の矢になりうると主張している<ref>長谷川幸洋(2013.7.5)「アベノミクスの第4の矢は財政再建にあらず 政府は宝の山に化ける砂の山を公開せよ」現代ビジネス・ニュースの深層、http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36329</ref>。[[日本経済新聞]]編集委員の[[田中陽]]は、2013年7月参議院議員選挙前の猛暑を「第四の矢」としている<ref>{{Cite news | author = 田中陽 | url = http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK11009_R10C13A7000000/ | title = 突如現れた「第4の矢」の効果と賞味期限 | publisher = [[日本経済新聞]] | date = 2013-07-12 | accessdate = 2016-11-03 }}</ref>。
 
 
2013年9月7日、安倍首相は2020年夏季五輪の東京開催が及ぼす経済効果について、「経済、成長、ある意味で『第4の矢』の効果はある」と述べている<ref>[http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130908/plc13090811160008-n1.htm 五輪開催は「アベノミクス第4の矢」安倍首相]MSN産経ニュース 2013年9月8日</ref>。
 
 
=== アベノミクスの新「三本の矢」===
 
2015年9月25日の[[自由民主党総裁選挙]]で再選した際の記者会見で、安倍首相は、2015年からの3年間を「アベノミクスの第2ステージ」と位置づけ、「[[一億総活躍国民会議|一億総活躍社会]]」を目指すと発表した<ref name="abespeech201509">{{Cite web | url = http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/0925kaiken.html | title = 平成27年9月25日 安倍内閣総理大臣記者会見 | publisher = [[総理大臣官邸]] | date = 2015-09-25 | accessdate = 2016-11-03 }}</ref>。その具体策として下記の新しい「3本の矢」を軸としている。
 
 
#希望を生み出す強い経済<ref name="1okusoukatuyaku">{{Cite web | url = http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/ | title = 一億総活躍国民会議 | publisher = [[総理大臣官邸]]内閣官房 一億総活躍推進室 | accessdate = 2016-11-03 }}</ref>
 
#夢を紡ぐ子育て支援<ref name="1okusoukatuyaku"/>
 
#安心につながる[[社会保障]]<ref name="1okusoukatuyaku"/>
 
 
;組織
 
安倍首相は、2015年10月の[[第3次安倍内閣 (第1次改造)|第3次安倍晋三改造内閣]]発足時に、アベノミクスの第2ステージとして、新設の[[一億総活躍国民会議#一億総活躍担当大臣|一億総活躍担当大臣]]・[[加藤勝信]]の下に[[一億総活躍国民会議]]を設け、「ニッポン一億総活躍プラン」を推進していくと発表している<ref name="abespeech201510">{{Cite web | url =http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/1007kaiken.html | title = 平成27年10月7日 安倍内閣総理大臣記者会見 | publisher = [[総理大臣官邸]] | date = 2015-10-07 | accessdate = 2016-11-03 }}</ref>。
 
 
2016年8月3日の[[第3次安倍内閣 (第2次改造)|第3次安倍晋三第2次改造内閣]]発足時、安倍首相は、[[一億総活躍国民会議|一億総活躍社会]]実現を目指し、[[働き方改革担当大臣]]を設置した。また同年9月26日には内閣総理大臣決裁により[[働き方改革実現会議]]を設置した<ref name="abespeech201611">{{Cite web | url =http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/pdf/konkyo.pdf | title = 働き方改革実現会議の開催について | publisher = [[総理大臣官邸]] | date = 2016-09-26 | accessdate = 2016-11-06 }}</ref>。
 
 
== 背景 ==
 
=== 国内の経済の状況 ===
 
1990年代初頭の[[バブル崩壊]]を直接の発端とし、1997年の[[消費税]]増税や[[アジア金融危機]]を経て顕著になった[[デフレーション]]によって停滞した日本経済は、[[失われた10年]]、さらには'''[[失われた20年]]'''を経験した。20世紀以降の[[先進国]]において、20年以上もの長期にわたって年率1%以下の低成長が続いたという事実は、近現代史上きわめてまれである。
 
 
1997年4月1日、[[第2次橋本内閣]]は、3年前の1994年11月25日に[[村山内閣]]が成立させた税制改革関連法案に基づき、[[消費税]]率を3%から5%に引き上げた。ところが元来財政再建のための増税であったはずが、翌1998年度の[[一般会計]]税収は前年度比4.5兆円減少し、増税前の1996年には3.1%を記録した[[経済成長率]]も1998年には前年度比2.2%低下してマイナス成長に転じる結果となった。しかもその後の[[小渕内閣]]の緊急経済対策と重なって、国債発行額は18.5兆円(1997年)から翌1998年以降、30兆円超へと一気に倍増した<ref>[http://www.aei.org/article/economics/financial-services/japans-lost-decade-outlook/ Japan's lost decade] AEI Mar 1 2008</ref><ref>[http://www.forbes.com/cites/chriswright/2013/10/01/tax-hike-will-put-abenomics-to-the-test/ Tax Hike Will Put Abenomics To The Test] International, Forbes, 10/01/2013</ref>。1997年までは増加し続けていた年間[[平均賃金]]も、[[消費税]]率の5%への引き上げを契機に、[[国内総生産|名目GDP]]よりも急速な減少に転じた。
 
 
2012年8月10日、[[野田第2次改造内閣]]において、[[社会保障]]のための安定財源の確保のため2014年に[[消費税]]率を5%から8%へ、さらに2015年には10%への引き上げを盛り込んだ、[[社会保障・税一体改革]]関連法案が可決・成立した<ref>[https://www.wsj.com/articles/SB10000872396390444900304577581161987628698 Japan raises sales tax to tackle debt] Wall Street Journal Aug 11 2012</ref><ref>[https://www.bloomberg.com/news/2013-04-04/kuroda-leads-japan-down-bernanke-path-with-unprecedented-easing.html Kuroda leads Japan down Bernanke's path of escalated easing] Bloomberg Apr 5 2013</ref>。 {{see also|失われた20年}}アベノミクスは、このような推移を背景として、長期にわたる経済停滞を打破しようとして生まれた。[[議員連盟]]「アベノミクスを成功させる会」の前身は、「デフレ・円高解消を確実にする会」である<ref name="sankei20141025">[http://www.sankei.com/politics/news/141025/plt1410250006-n1.html 【単刀直言】「消費税再増税は“迷惑”、1年半先送りを」自民党・山本幸三「アベノミクスを成功させる会」会長]産経ニュース 2014年10月25日</ref>。
 
 
=== 日本国外の経済動向 ===
 
それまで日本の[[市場#経済学における市場|マーケット]]は、[[アメリカ合衆国|米国]]の[[株価]]に左右される動きではあるが、米国の[[大企業]]が好[[決算]]を出していたものの、[[日本]]のGDPが上がらず、主力株である[[銀行]]や[[鉄鋼業|鉄鋼]]などが低迷したままの状態であった。特に[[輸出]]関連のメーカーなどは[[1980年代|30年前]]の株価まで下落する状況であった。[[グレート・リセッション|グローバルな経済の後退]]の間、2009年の分離して5.2%の損失をもって続いた、2008年に日本は[[実質GDP]]における0.7%の損失を被った。対照的に、2008年の世界の実質GDPの成長のそのデータは2009年の0.7%の損失に続く3.1%の上昇だった。<ref>{{ cite web | url = http://www.indexmundi.com/g/g.aspx?v=66&c=ja&c=xx&l=en | title = Japan, World-GDP | accessdate = August 26, 2013 | publisher = [http://www.indexmundi.com indexmundi.com] }}</ref>2008年から2009年にかけて(アメリカへの)日本からの輸入は27%の縮小の、7465億合衆国ドルから5453億合衆国ドルへと縮んだ。<ref>{{ cite web | url = http://www.indexmundi.com/g/g.aspx?v=85&c=ja&c=xx&l=en | title = Japan, World-Exports | accessdate =August 26, 2013 | publisher = [http://www.indexmunde.com indexmundi.com]}}</ref>2013年をもって、日本の[[国内総生産|名目GDP]]は[[日経平均株価]]指数がそれの3番目のピークだったときの、1991年と同じような水準だった<ref>{{ cite news | title = Abe's master plan | url = http://www.economist.com/news/leaders/21578044-shinzo-abe-has-vision-prosperous-and-patriotic-japan-economics-looks-better | accessdate = 29 May 2013 | work = The Economist | date = 18 May 2013 }}</ref>。
 
 
=== 前政権の政策 ===
 
[[民主党 (日本 1998-2016)|民主党]][[政権]]において数回、[[外国為替平衡操作|円売りドル買い介入]]をしたものの円高や株安は改善されなかった。2012年に、[[野田内閣]]は国の予算のバランスのために2014年に8%そして2015年に10%へ[[消費税]]を引き上げるようなひとつの法案を通した<ref>[http://online.wsj.com/article/SB10000872396390444900304577581161987628698.html Japan raises sales tax to tackle debt] Wall Street Jurnal Aug 11 2012</ref>。この[[消費税]]増税は、消費をより低迷させる一要因となるものと推測された<ref>[http://www.bloomberg.com/news/2013-04-04/kuroda-leads-japan-down-bernanke-path-with-unprecedented-easing.html Kuroda leads Japan down Bernanke's path of escalated easing] Bloomberg Apr 5 2013</ref>。
 
 
=== アベノミクスのイデオロギー的基礎 ===
 
{{see also |安倍晋三#歴史観|安倍晋三#政権・政策#国家観}}
 
安倍の経済政策はもちろん[[中国]]の経済的かつ政治的な力の台頭に関係する。アベノミクスと[[明治時代]]の[[富国強兵]]のプログラムの間の明白な平行性を安倍の支持者は比べる。加えてアジア―太平洋地域での中国に対するより強力な平衡力を与えて、日本の経済を強くすることは、防衛のための[[アメリカ合衆国]]に対して頼ることを減らす積もりでもある。<ref>{{cite news| title=Abe's master plan| url =https://www.economist.com/news/leaders/21578044-shinzo-abe-has-vision-prosperous-and-patriotic-japan-economics-looks-better | accessdate = 29 May 2013 | work = The econoist | date =18 May 2013}}</ref>
 
 
'''1994-1999年の日本の経済の概観<ref>National accounst of OECD countries detailed table volume 2a 1993-2004,OECD(2006)</ref>'''
 
{| class = wikitable
 
|-
 
! 年 || 名目GDP<br />(10億円)|| 名目GDP成長率<br />(%)|| 失業者数<br />(千人)||就業者数<br />(千人)||失業率<br />(%)
 
|-
 
| align = "center" |1994
 
| align = "right" |486526.3
 
| align = "right" | 1.19
 
| align = "right" | 1920
 
| align = "right" | 66450
 
| align = "right" | 2.88
 
|-
 
| align = "center" | 1995
 
| align = "right" | 493271.7
 
| align = "right" | 1.38
 
| align = "right" | 2100
 
| align = "right" | 66660
 
| align = "right" | 3.15
 
|-
 
| align = "center" | 1996
 
| align = "right" | 502608.9
 
| align = "right" | 1.89
 
| align = "right" | 2250
 
| align = "right" | 67110
 
| align = "right" | 3.35
 
|-
 
| align = "center" | 1997
 
| align = "right" | 512248.9
 
| align = "right" | 1.91
 
| align = "right" | 2300
 
| align = "right" | 67870
 
| align = "right" | 3.38
 
|-
 
| align = "center" | 1998
 
| align = "right" | 502972.8
 
| align = "right" | -1.81
 
| align = "right" | 2790
 
| align = "right" | 67930
 
| align = "right" | 4.10
 
|-
 
| align = "center" | 1999
 
| align = "right" | 495226.9
 
| align = "right" | -1.54
 
| align = "right" | 3170
 
| align = "right" | 67790
 
| align = "right" | 4.67
 
|}
 
注:名目GDPは2006年の市場価格での値
 
 
== 政府の動向 ==
 
=== 政府政策・方針等の公式表明 ===
 
*2013年2月28日 第183回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説<ref>官邸WEB (動画+テキスト)http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement2/20130228siseuhousin.html </ref>
 
*2013年4月19日 安倍総理「成長戦略スピーチ」@日本プレスクラブ<ref name="abespeech2013"/>
 
*2013年5月17日 安倍総理「成長戦略第2弾スピーチ」@日本アカデメイア<ref>官邸WEB (動画+テキスト)http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0517speech.html</ref>
 
*2013年6月5日 安倍総理「成長戦略第3弾スピーチ」@内外情勢調査会全国懇談会<ref>官邸WEB (動画+テキスト) http://www.youtube.com/watch?v=HnOERcXMniM </ref>
 
*2013年6月14日 「[[日本再興戦略]]-JAPAN is BACK-」を閣議決定<ref>官邸WEB
 
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/saikou_jpn.pdf</ref>
 
*2013年10月1日 安倍総理「安倍内閣総理大臣記者会見」<ref>官邸WEB (動画+テキスト)http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/1001kaiken.html</ref>
 
 
2013年[[12月24日]]、政府は12月の月例経済報告を公表し、物価について「底堅く推移している」として、4年2カ月ぶりに「デフレ」の文言をなくした<ref>[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MYANK16K50Y301.html 判断から「デフレ」の文言消える、4年2カ月ぶり-政府の月例報告]Bloomberg 2013年12月24日</ref>。ただし、「デフレ脱却宣言」は見送った<ref>[http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/news/post_57071/ 「デフレ」の文言消える 12月の月例経済報告]ワールドビジネスサテライト 2013年12月24日</ref>。
 
 
2014年[[4月17日]]、[[日本国政府|政府]]は4月の月例経済報告で、景気の基調判断を1年5カ月ぶりに下方修正した<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2014041700725 景気判断、1年5カ月ぶり下げ=反動減で消費などに弱さ-4月の月例報告]時事ドットコム 2014年4月17日</ref>。
 
 
=== 閣僚の発言 ===
 
2013年[[1月22日]]、[[閣議]]後の会見で、[[財務大臣]][[麻生太郎]]は「円高がだいぶ修正されつつある」との認識を示した<ref>[http://jp.reuters.com/article/JPpolitics/idJPTYE90L01820130122 物価目標2%を日銀が決定すること期待=麻生財務相] Reuters 2013年1月22日</ref><ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE90L01T20130122 日経平均は続落、麻生財務相発言による円高を嫌気] Reuters 2013年1月22日</ref>。
 
 
同年[[1月28日]]の臨時閣議後の[[記者会見]]で、甘利明経済財政・再生相は、円安誘導との批判がある安倍政権の経済政策について「(ダボス会議で)説明後に、この政策に対して危惧を持っているという発言は無かった」と述べ、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)ではおおむね理解を得られたとの認識を示した<ref name="nikkei2012128a">[http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL280EW_Y3A120C1000000/ 経財相、円安誘導批判「ダボス会議で説明後に危惧はなかった」] 日本経済新聞 2013年1月28日</ref><ref name="bloomberg2012128">[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MHBBXP6JTSEG01.html 甘利経済再生相:円安誘導批判は独などごく一部の国-記者会見]Bloomberg 2013年1月28日</ref>。甘利経済財政・再生相は[[国際通貨基金|IMF]]、[[経済協力開発機構|OECD]]など国際機関の責任者や民間の識者から日本の政策を支持する声が「相次いだ」と説明している<ref name="bloomberg2012128" /><ref name="naikakuhu" />。また、円安誘導との批判については「ごく一部の国からだ」と指摘し、[[ドイツ]]や[[大韓民国|韓国]]、[[中華人民共和国|中国]]を挙げた<ref name="nikkei2012128a" /><ref name="bloomberg2012128" />。
 
 
同年[[2月9日]]、財務大臣の麻生は円安について、進みすぎだと発言している<ref>[http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013020901000994.html NY円、92円後半 円買い戻し広がる] 47NEWS(よんななニュース) 共同ニュース 2013年2月9日</ref>。また円安のペースは速すぎるとの認識を示している<ref>[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MHW6EX6TTDT901.html NY外為:円がほぼ2年ぶり大幅高、麻生財務相発言で] Bloomberg 2013年2月9日</ref>。
 
 
同年[[2月22日]]、安倍首相は[[バラク・オバマ]][[アメリカ合衆国大統領|米大統領]]との首脳会談後の記者会見で、「アベノミクス」について、オバマ大統領が「歓迎した」と明らかにし、「日本経済の再生が日米両国、さらに世界に有意義であるとの認識を共有した」との認識を示した<ref>[http://archive.is/fP5Uc オバマ米大統領からも「歓迎」=アベノミクスで安倍首相] 時事ドットコム 2013年[[2月23日]]</ref>。安倍首相はオバマ大統領が「安倍政権がとった大胆な政策が[[日本国籍|日本国民]]に評価されていると認識している」と応じたと述べている<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130223-OYT1T00505.htm 「アベノミクス、大胆な政策」と米大統領歓迎] YOMIURI ONLINE(読売新聞) マネー・経済 経済ニュース 2013年2月23日</ref>。
 
 
同年[[10月1日]]午後、安倍首相は、官邸で開かれた政府与党政策懇談会で、2014年4月に[[消費税]]を8%に引き上げると表明し「経済政策パッケージの実行により、消費税率を引き上げたとしても、その影響を緩和することができ、日本経済が再び成長軌道に、早期に回復することが可能と考えている」と述べた<ref>[http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131001/plc13100114040012-n1.htm 安倍首相、消費税引き上げ表明 政府与党政策懇談会発言全文]MSN産経ニュース 2013年10月1日</ref>。同日、安倍首相は、[[総理大臣官邸|首相官邸]]で記者会見し、2014年4月から消費税率を8%に引き上げる決定を発表し「[[社会保障]]を安定させ、厳しい財政を再建するために財源の確保は待ったなし」と述べ、増税に理解を求めた<ref name="mainichi2013101">[http://mainichi.jp/select/news/20131002k0000m010017000c.html 消費増税:財源確保は待ったなし…首相、会見で理解求める]毎日jp(毎日新聞) 2013年10月1日</ref>。「経済再生と財政健全化は両立し得る」と強調し、5兆円規模の経済対策を実施する方針を示した<ref name="mainichi2013101" />。
 
 
同年10月11日、麻生財務相は、アメリカのワシントンで開かれた[[G20]]財務相・中央銀行総裁会議後の者会見で、2014年4月の消費税率の8%への引き上げについて「日本が国際的にコミット(約束)してきた財政健全化目標の達成に向けた大きな一歩。各国の評価を得られた」と述べた<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC12003_S3A011C1000000/ 財務相、消費税上げ「各国の評価得た」 G20会見]日本経済新聞 2013年10月12日</ref>。
 
 
2014年[[1月24日]]、甘利経済財政・再生相は、衆参両院[[本会議]]での経済演説で「もはやデフレ状況ではない」と述べた<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2402K_U4A120C1000000/ 甘利経財相「もはやデフレ状況ではない」 衆参で経済演説]日本経済新聞 2014年1月24日</ref>。
 
 
同年[[4月1日]]、消費税率の3%引き上げ(8%)を実施。安倍首相は首相官邸で記者団に「やっと手に入れたデフレ脱却のチャンスを手放すわけにはいかない」と述べた<ref>[http://mainichi.jp/select/news/20140402k0000m010107000c.html 消費増税:アベノミクス正念場 失速回避へ「政府一丸」]毎日新聞 2014年4月1日</ref>。
 
 
同年[[4月8日]]、甘利経済財政担当相は閣議後の記者会見で、税率引き上げから1週間が経過した消費税増税の影響について「大きく消費が落ち込むという状況にはなっていない。想定内に収まっているのではないか」との認識を示した<ref name="jiji201448">[http://www.jiji.com/jc/c?g=eco&k=2014040800257 消費増税の反動減「想定内」=甘利経財相と茂木経産相]時事ドットコム 2014年4月8日</ref>。また、[[茂木敏充]]経済産業相も閣議後会見で、駆け込み需要の反動減に関して「想定を超える反動減は生じていない」と述べた<ref name="jiji201448" />。
 
 
同年[[4月16日]]、副総理・財務相の麻生は午前の[[衆議院|衆院]][[財務金融委員会]]で、約130兆円の公的年金の積立金を運用する[[年金積立金管理運用独立行政法人]](GPIF)
 
について「6月以降に動きが出てくる」とし、株式市場で「そうした動きがはっきりすれば、外国人投資家が動く可能性が高くなる」と述べた<ref>[http://www.nikkei.com/markets/features/12.aspx?g=DGXNASGC16003_16042014EAF000 主要金融ニュース 麻生財務相、公的年金「6月以降動く」]日本経済新聞 2014年4月16日</ref>。
 
 
同年[[7月11日]]、麻生財務相は閣議後の会見で、[[2015年]]度の予算編成に関連し、「何が何でも[[プライマリーバランス]]の赤字半減達成が優先順位の一丁目一番地」と述べ、財政健全化目標の実現が最優先課題との認識を示した<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0FG08H20140711 来年度は財政健全化を最優先、長期金利0.54%は異常=麻生財務相]Reuters 2014年7月11日</ref>。
 
 
同年[[8月18日]]、[[谷垣禎一]][[法務大臣|法相]]は、[[自由民主党 (日本)|自民党]][[有隣会]]の研修会での講演で、2015年10月に消費税率10%の引き上げを予定通りすべきとの考えを示し「10%にもっていけない状況が生まれれば、『アベノミクス』が成功しなかったとみられる可能性がある」と述べた<ref>[http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140818/stt14081818200002-n1.htm 谷垣氏、予定通り消費税10%に 内閣改造では法相退任の見方]MSN産経ニュース 2014年8月18日</ref>。
 
 
2016年1月4日、安倍晋三は年頭記者会見にて、アベノミクスが国及び地方の税収増をもたらしたと述べる<ref>{{Cite web | url = http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2016/0104kaiken.html | title = 平成28年1月4日 安倍内閣総理大臣年頭記者会見 | publisher = [[総理大臣官邸]] | date = 2016-01-04 | accessdate = 2017-02-13 }}</ref>。{{要出典範囲|date=2017年2月13日 (月) 12:43 (UTC)|日本の総合的な平成復興を目指すべく、改めて自らの強いリーダーシップを持って経済政策を断行すると強調し、今年はアベノミクスの果実を隅々まで届けるべくその挑戦と真価が問われる年であると発言}}。
 
 
2017年1月20日、安倍晋三は施政方針演説で、「確実に経済の好循環が生まれている」と述べ、今後の方針についてはこれまでと変わらず「経済再生と財政再建、社会保障改革の3つを同時に実現しながら一億総活躍の未来を切りひらく」と発言<ref>{{Cite web|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLZO11919070Q7A120C1MM0000/|title=日米基軸「不変の原則」 首相が施政方針演説 働き方改革「最大の挑戦」|publisher=[[日本経済新聞]]|date=2017-01-20|accessdate=2017-02-13}}</ref>。
 
 
2017年12月13日にブルムバーグ紙のジェームズ・メーガは、一億層中流化は既に過去の話であり、アベノミクスの所為で格差拡大を助長していると、賃金がほぼ上昇していないことや東京のみがアベノミクスの果実の恩恵に預かっていることなどを含めて指摘した。<ref>[https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-12-13/P0UAO06JTSE801 一億総中流はすでに過去、アベノミクスの陰で日本の格差拡大]</ref>
 
 
=== 内閣参与 ===
 
2013年11月15日、[[浜田宏一]][[内閣官房参与]]は講演で2014年4月からの消費税率の引き上げについて「私を含めて慎重派の説得力が[[財務省 (日本)|財務省]]の説得力に打ち勝てなかった」と説明し「日銀の[[黒田東彦]]総裁は(追加の)金融政策を発動すると期待しており、心配していない」「黒田総裁が積極的に[[消費税]]を上げろと言ったのだから、責任とって[[金融政策]]はちゃんとやってもらわなければ困る」と述べている<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL150X0_V11C13A1000000/ 浜田氏「日銀総裁は責任もって金融政策を」 消費税で敗戦の弁]日本経済新聞 2013年11月15日</ref>。また、アベノミクスの三本の矢を大学の通知表にならって採点すると「[[金融緩和]]はAプラス、[[財政政策]]はB、[[成長戦略]]の第三の矢はE(ABE)」としている<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE9AE06J20131115 黒田日銀の政策発動期待、消費増税に大きな心配ない=浜田内閣官房参与]Reuters 2013年11月15日</ref>。
 
 
2014年[[9月1日]]、[[本田悦朗]]内閣官房参与は「消費増税は消費や[[投資]]に冷や水をかけ(成長)縮小効果がある政策」とし「消費増税とアベノミクスは逆を向いている。今はアベノミクスに集中すべきである」と指摘している<ref name="reuters201491">[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GW21V20140901 インタビュー:消費税10%、1年半先送り望ましい=内閣参与]Reuters 2014年9月1日</ref>。本田は、消費税の再増税の判断は「アベノミクスの成功に対して、非常に大きな影響を与える」と述べ、政策を失敗すれば景気腰折れにつながりかねないとしている<ref name="reuters201491" />。
 
 
2014年[[11月3日]]、浜田宏一は都内の会見で2014年10月の消費税率10%への引き上げについて「1年半延ばす意見に同調する」との考えを示し、2014年4月の消費増税について「打撃が大きく、日本経済はふらついている」「増税を決定するには状況は非常に悪い」と述べた<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS03H13_T01C14A1PE8000/ 浜田内閣官房参与「消費増税、1年半先送りを」]日本経済新聞 2014年11月4日</ref>。
 
 
2014年[[11月17日]]、本田悦朗は[[ロイター]]の[[インタビュー]]で、[[内閣府]]が発表した7-9月期のGDP速報値について「ショッキングであり、もはや消費税増税を議論している場合ではない。日本経済を支えるため、経済対策に議論を集中すべきである」と述べた<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J101U20141117 GDPはショッキング、もはや消費増税議論すべきでない=本田参与]Reuter 2014年11月17日</ref>。
 
 
== 経済の動向 ==
 
2012年(平成24年)[[11月14日]]、2日後の[[11月16日]]に[[衆議院解散]]([[近いうち解散]])をして12月に[[衆議院議員総選挙|総選挙]]を行うことが決まったため、[[自由民主党 (日本)|自民党]]の[[政権]]復帰が視野に入ると共に円安・株高現象が起こった<ref>[http://diamond.jp/articles/-/28466 「安倍トレード」で日本株上昇 円安と公共投資復活を期待]ダイヤモンド・オンライン 2012年[[11月27日]]</ref><ref>[http://mainichi.jp/select/news/20121216k0000m020057000c.html 東京金融市場:選挙で円安・株高が進展 金融緩和期待か] 毎日jp(毎日新聞」) 2012年12月15日</ref><ref>[http://web.archive.org/web/20121227164120/http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20121227-OHT1T00140.htm アベノミックス効果?東証終値、震災当日上回る]スポーツ報知 社会 2012年[[12月27日]](2012年12月27日時点のインターネット・アーカイブ)</ref>。安倍首相が11月15日、デフレ脱却・無制限の[[量的金融緩和政策|量的緩和策]]を打ち出したことで、[[日経平均株価]]と[[円相場|円安]]の動きが連動した<ref>[http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE8AE00120121115 寄り付きの日経平均は続伸、円安やデフレ脱却期待で買い先行] Reuters 2012年11月15日</ref>。そして選挙戦に事実上突入して以降は株高・円安がさらに加速したことで「アベノミックス」「安倍トレード<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8AT06H20121130 来週の外為市場、「安倍トレード」一服も期待継続] Reuters 2012年[[11月30日]]</ref><ref>[http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK0FOREXA20121202 ドル/円は底堅い、「安倍トレード」一服も期待継続=今週の外為市場] Reuters 2012年[[12月3日]]</ref><ref>[http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1205&f=business_1205_052.shtml 為替:安倍トレード、ドル円ラリーは来年3月末に1ドル84円] サーチナ 2012年[[12月5日]]</ref>」「安倍バブル<ref>[http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36607 暴走する安倍総裁の危険なギャンブル] [[日本ビジネスプレス|JBpress]] 2012年[[11月22日]]</ref>」「安倍相場<ref>[http://sankei.jp.msn.com/economy/news/121219/fnc12121922200015-n1.htm どこまで上がる「安倍相場」1万1千円超の強気予想、カギは実行力] 産経新聞 2012年12月19日</ref>」「アベ景気<ref>[http://www.47news.jp/localnews/aichi/2013/10/post_20131012072445.html 企業、学生に届かぬ「アベ景気」 就職戦線厳しく] 中日新聞 2013年10月12日</ref>」「アベノミクス景気<ref>[http://www.sc.mufg.jp/report/business_cycle/snm_report/pdf/snm20141201-3.pdf#page=5 嶋中雄二の月例景気報告 「第2岩戸景気」に向かう日本経済] 三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所 2014年12月1日</ref>」という言葉を[[マスメディア]]等が使い始めた。
 
 
円安になると円換算の売上が増えて[[輸出]][[競争力]]が付き、[[為替]]差益が生ずるため、実際に増収増益となる。そのため、マーケットは思惑買いから先取りした[[株式相場|相場]]展開となり、第2次安倍内閣の発足以前から市場が動いて株式市場において株価上昇効果が出た<ref>[http://www.asahi.com/politics/intro/TKY201211190962.html 市場、連日の安倍相場 大胆緩和発言で株高・円安][[朝日新聞デジタル]] 2012年[[11月20日]]</ref>。
 
 
第2次安倍内閣発足から2014年3月迄は、2014年4月からの消費増税引上げによる駆け込み需要の影響で、毎月の個人消費は若干増加傾向にあったものの、引き上げ以降は落ち込み、毎月の消費支出は、15年前の小泉政権発足時以降で、最も大きい減少率となる<ref>[http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/176894/1 グラフで鮮明に アベノミクスで消費の冷え込み“最速最大”] 日刊ゲンダイ 2016年3月10日</ref>。
 
 
=== 2013-2014年 ===
 
{{main|2013年の経済|2014年の経済}}
 
日経平均株価は、2013年[[3月8日]]に[[リーマン・ショック]]前の水準へ戻った<ref>[http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130311/eca1303110815003-n2.htm 震災2年…経済は暗転の記憶 アベノミクスで回復の兆し]、SankeiBiz 2013年3月11日</ref>。同年5月10日(日本時間、未明)には4年1ヶ月ぶり1ドル100円を記録した<ref>{{Cite news |title=1ドル=100円までの経緯 |url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130510/k10014473401000.html |date=2013-05-10 |newspaper=NHKニュース |publisher=日本放送協会 |accessdate=2013-05-10 |archiveurl=http://megalodon.jp/2013-0510-0820-40/www3.nhk.or.jp/news/html/20130510/k10014473401000.html |archivedate=2013-05-10}}</ref>が、同年5月23日場中につけた最高値を境に、2週間で3000円近く下がり、2か月分の上昇を打ち消した。安倍首相が発表したアベノミクスの「第3の矢」とされる「成長戦略」が事前に報道された内容に留まった上、実現への具体策も乏しいと市場に受け止められ、失望売りが膨らんだとみられた他<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE95404P20130605/ ドル再度100円割れ、成長戦略に失望広がる]Reuters 2013年6月5日</ref><ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE95403Q20130605/ 日経平均の下げは500円超・ドル99円台半ば、成長戦略に失望感]Reuters 2013年6月5日</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130606/eca1306060601002-n1.htm|title=具体策乏しい「成長戦略」に失望売り 東京株、今年3番目の下げ幅げ幅|publisher=SankeiBiz|date=2013-06-06|accessdate=2013-06-06}}</ref>、{{要出典範囲|date=2017年2月13日 (月) 12:43 (UTC)|[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[金融緩和]]が縮小されるとの観測が広がったこともこの流れを後押しした。また、これと同時に円相場が円高に進み、1ドル103円だった円は6月7日には94円に上昇した}}。
 
 
2014年10月31日、アベノミクスに基づいて日銀がマネタリーベースを年80兆円に拡大する追加金融緩和を発表した。この発表は事前に予想されていなかったサプライズ緩和であった<ref>[http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20141031/273267/?rt=nocnt 「ハロウィーン緩和」で色めき立つ市場] 日経ビジネス 2014年10月31日</ref>。
 
 
2014年12月15日、日銀が発表した12月の企業短期経済観測調査は、3か月後の[[景気]]の見通しを示す先行きの業況判断指数が[[大企業]]、中堅企業、[[中小企業]]の規模を問わず、[[製造業]]、非製造業ともに悪化した<ref>東京新聞 [http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014121502000308.html 景気見通し 大手・中小とも悪化 12月短観] 2014年12月15日 夕刊</ref>。
 
 
[[2013年]]に[[タイ王国|タイ]]、[[マレーシア]]からの観光客に対して[[査証|ビザ]]を免除し、[[2014年]]には[[インドネシア]]からの観光客のうち[[ICチップ]]入り[[パスポート]]を所持する人についてもビザを免除するなど、[[訪日外国人旅行]]客の誘致も積極的に推進され、[[2013年]]は1036万人と初の訪日外国人旅行者数の1000万人超えを達成、[[2014年]]は1341万人を記録し、前年の過去最高記録を更新した。また、2014年の訪日旅行客が使った金額も過去最高となる2兆305億円を記録した<ref name="asahi2014">[http://www.asahi.com/articles/ASH1M6456H1MULFA039.html 訪日外国人、最多1341万人 2兆300億円を使う] [[朝日新聞]]</ref>。
 
 
2014年の勤労者世帯実収入は前年比 実質3.9%減、名目0.7%減となり、2人以上世帯の消費支出(実質)は前年比 2.9%減、消費支出(除く住宅等)は前年比 2.5%減となった<ref>[http://web.archive.org/web/20160131065112/http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.htm 家計調査(二人以上の世帯)平成27年(2015年)12月分速報 (平成28年1月29日公表)] 総務省統計局</ref>。日本経済新聞は、4月の消費税の引き上げの影響によるものと見ている<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS17H4K_X10C15A2PP8000/ 増税後、節約くっきり 14年消費支出2.9%減]『日本経済新聞』2015年2月17日</ref>。
 
 
=== 2015年 ===
 
{{main|2015年の経済}}
 
2015年4月10日、[[日経平均株価]]が15年ぶりに一時2万円を記録した<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150410-OYT1T50045.html 日経平均株価、15年ぶり一時2万円台回復] 読売新聞 2015年4月10日</ref>。同月22日には、輸出の増大と輸入の減少により同年3月の貿易収支が2年9ヶ月ぶりに黒字を記録した事が発表された事などにより、終値でも2万円超えを記録した<ref>[http://www.nikkei.com/markets/features/26.aspx?g=DGXLASFL14HAC_22042015000000 日経平均、終値で2万円回復 海外はこうみる] 日本経済新聞 2015年4月22日</ref><ref>[http://www.asahi.com/articles/ASH4Q2V8XH4QULFA00G.html 日経平均、2万円台を回復 貿易黒字など好感] 朝日新聞 2015年4月22日</ref>。
 
 
2015年5月28日、円安ドル高の加速を受けて日経平均が終値で2万551円を記録、27年ぶりに日経平均株価が10日連続で続伸した<ref>[http://www.nikkei.com/markets/kabu/summary.aspx?g=DGXLASS0ISS16_28052015000000 東証大引け、10日続伸し78円高 27年ぶり連続上昇 円安好感 売買代金3兆円超] 日本経済新聞 2015年5月28日</ref>。
 
 
2015年1月の時点で日本銀行総裁を務める[[黒田東彦]]は、2年間で2%のインフレ目標達成は困難になったと認め、2%のインフレ誘導実現は2016年3月になるだろうと述べた。指標となるコアCPIは2014年11月の時点で0.7%であり、その年4月に施行された消費税率引き上げを境に下落基調となっている。黒田は2013年4月の時点で、あらゆる手段を用いてその2%のインフレ目標を実現させると宣言していた<ref name="bbc22012015HK">[http://www.bbc.co.uk/news/business-30939747 Japan to be year in hitting inflation target]BBC, News, Business, 22 Jan 2015 </ref>。黒田は持続的な物価上昇には賃金上昇が必要との意見に同意した上で、2015年4月に行われるであろう労組と企業の間での賃上げ交渉の動向を見守ると示唆した<ref name="bbc22012015HK" />。また、いまだデフレからの脱却ができていない事実について、人工衛星を打ち上げて安定軌道にのせるにはより大きな脱出速度が必要になるのだと述べた<ref>[http://www.bloombergview.com/articles/2015-06-04/japan-s-peter-pan-problem Japan's Peter Pan Problem]W. Pesek, BloombergView, Asian economy, 4 Jun 2015 </ref>。
 
 
2015年の[[実質賃金]]指数は速報値で前年比0.9%減となり、4年連続でマイナスとなった<ref name="tokyo2016020890140309">[https://web.archive.org/web/20160208095119/http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016020890140309.html 実質賃金4年連続下げ 生活苦しいまま] 東京新聞 2016年2月8日</ref>。このうち3年間はアベノミクスが推進された期間と一致する<ref name="tokyo2016020890140309"/>。政府主導による[[ベースアップ|ベア]]で名目賃金は増加したものの、それ以上に金融緩和に伴う円安による輸入物価の上昇などの影響が大きいとみられる<ref name="tokyo2016020890140309"/>。
 
 
2015年の総世帯の家計調査で1世帯当たりの実質消費支出が前年比2.7%減(速報値)となり、2014年に続き2年連続の減少となる<ref>[http://web.archive.org/web/20160216105803/http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016021601001837.html 昨年の家計消費支出2・7%減 2年連続でマイナス] 中日新聞 2016年2月16日</ref><ref>[http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/index.htm 家計調査報告(家計収支編)―平成27年(2015年)平均速報結果の概況―] 総務省統計局</ref>消費支出の水準は、比較可能な2000年以降で最低だった<ref>[http://www.jiji.com/jc/article?k=2016021600690&g=eco 消費支出、2年連続マイナス=節約志向で2.7%減] 時事通信 2月16日</ref>。
 
 
=== 2016年 ===
 
{{main|2016年の経済}}
 
2016年1月29日、日本銀行の黒田総裁は日本の歴史上初のマイナス金利導入を発表した。
 
 
2016年通年では、正規職員・従業員は、前年から51万人増加し3355万人となった。一方、非正規職員・従業員は、前年から36万人増加し2016万人となった。前年度比では、正規職員・従業員は1.5%増加、非正規職員・従業員は1.8%の増加となる<ref>[http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/dt/pdf/index1.pdf 労働力調査(詳細集計)平成28年(2016年)平均(速報)] 総務省統計局 2017年2月17日</ref>。
 
 
2016年9月、日銀は「総括的検証」に基づき、従来の枠組を変更した上で、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」へ金融政策を変更した<ref>[http://toyokeizai.net/articles/-/137079 日銀は「金利」政策に移行で、追加緩和遠のく 東洋経済オンライン]</ref>。
 
 
2016年11月18日、消費税率10%への引き上げを2017年4月から2019年10月に再延期する税制改正関連法が参議院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS17H65_Y6A111C1EAF000/ 消費増税再延期の改正法が成立] 日本経済新聞 2016年11月18日</ref>。
 
 
2016年の実質賃金指数は速報値で前年比0.7%増となり、5年ぶりに上昇となった。一方で、16年12月の実質賃金は前年同月比0.4%減となり15年12月以来1年ぶりに減少した<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL03HJ7_W7A200C1000000/ 16年の実質賃金、5年ぶり増、16年12月は1年ぶり減少 毎勤統計] 日本経済新聞 2017年2月6日</ref>。
 
 
2016年の総世帯の家計調査で1世帯当たりの実質消費支出が前年比1.7%減(速報値)となり、3年連続の減少となった<ref>[http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gkyoyaku.pdf  平成 28 年(2016 年)平均速報結果の概要(要約)] 総務省統計局 2017年2月17日</ref>。
 
 
=== 2017年 ===
 
{{main|2017年の経済}}
 
2017年2月17日、総務省は2016年の実質消費支出が前年比1.8%減と発表した<ref>{{Cite news|url=http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201702/CK2017021802000128.html|title=東京新聞:家計はつらいよ 3年連続前年割れ 消費支出昨年も1.8%減:経済|newspaper=TOKYO Web|date=2017-02-18}}</ref>。
 
 
2017年5月11日、財務省は2016年度の経常収支は20兆1990億円の黒字となったことを発表した。年度累計の黒字額が20兆円台に乗せたのは2007年度以来9年ぶりとなる。一方、16年暦年の対米収支は、円高に伴う輸出額の減少で5年ぶりに黒字額を縮小した<ref>[https://jp.reuters.com/article/balance-of-payment-idJPKBN18701P 対米黒字、円高進行で5年ぶり減 16年度経常黒字は9年ぶり高水準] ロイター 2017年5月11日</ref>。
 
 
2017年12月25日、日経平均株価は終値で2万2939円18銭の年初来高値をつけた。1992年1月9日以来およそ26年ぶりの高値<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXLASS0ISS16_V21C17A2000000 東証大引け 続伸、2年ぶり薄商いのなか高値更新] 日本経済新聞 2017年12月25日</ref>。
 
 
=== 2018年 ===
 
{{main|2018年の経済}}
 
2018年1月23日、日経平均株価は終値で2万4124円15銭をつけた。約26年ぶりの2万4000円台の回復<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXLASS0ISS16_T20C18A1000000/ 東証大引け 26年ぶり高値2万4124円 米株高や日銀現状維持で] 日本経済新聞 2018年1月23日</ref>。
 
 
2018年2月7日、厚生労働省は物価変動の影響を除いた2017年通年の実質賃金は16年に比べて0.2%減ったと発表した。2年ぶりのマイナスとなる。名目賃金にあたる現金給与総額は0.4%伸びたものの、物価の伸びに賃金の伸びが追いついていないと報じられている<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26621980X00C18A2MM0000/ 実質賃金2年ぶり減 17年通年0.2%マイナス] 日本経済新聞 2018年2月7日</ref>。
 
 
2018年2月16日、総務省は2017年の実質消費支出が前年比0.3%減と発表した。マイナス幅は前年の1.7%より縮まったが、4年連続の減少となる<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASL2J5J0SL2JULFA02K.html 家計消費、4年連続で実質減少 「収入増が貯蓄に回る」] 朝日新聞 2018年2月16日</ref>。
 
 
== 分析 ==
 
=== 財政緊縮政策<!-- 訳注:英語"austeriry politics"は文字通り訳するとこうなるが、意訳すると「財政健全化政策」ぐらいの意味だろう。 --> ===
 
安倍晋三の貨幣主義の助言者の、[[浜田宏一]]は、[[ジェフリー・フランケル]]のように経済学者が毎年の1パーセントの税率の段階的な引き上げを提案した<ref>[http://www.project-syndicate.org/commentary/koichi-hamadaon-the-risks-of-japan-s-impending-consumption-tax-increase Japan's tax-hike test] Koichi Hamada,Oct 24, 2013</ref>ことを付け加えた上で、予定された消費税の引き上げは長い景気後退とデフレーションからの復活を始めたようなものである日本の経済を傷つける恐れがあることを警告した。彼は日本へ[[マンデルフレミングモデル]]を適用することで、日本銀行による金融緩和はそれの負の効果を帳消しにできることを予測する、しかしながら浜田は税の引き上げの効果について心配する。<br />
 
国内の通貨の引き下げはもし[[マーシャル・ラーナー条件]]に合っていればそれの輸出を上げられる。もしそうでなければ、貿易のバランスは初めから悪化しだす。{{ see also | マーシャル・ラーナー条件}}
 
2011年の福島での悲惨な出来事以来、日本のすべての原子力発電所は閉鎖されつづけてきた。失った電気の発電を補うために、弱い円によっていくぶん国の貿易の損失を悪化させるものである、化石燃料を日本は余計に輸入した。<ref>[http://www.economist.com/news/asia/21598714-government-and-voters-are-putting-economics-atoms-opening-way-japan-restart Nuclear power in Japan: Start 'em up] The Economist, Mar 8, 2014</ref>電力のコストの上昇は国内の産業を傷つけ、そして経済を上げることについて妨げるかもしれない。しかし[[石破茂]]は、国民が原子力発電なしに電力供給できることに気付きつつあったことを言った。このように、発電所の再稼動はいまだ論争中である:ある全国的な世論調査は76パーセントは原子力発電に反対であるかまたは日本に核エネルギーにおけるその信頼を減らすよう求めることを示し、仙台市に近いコミュニティーのようないくつかの地域でのあいだ<ref>[http://uk.reuters.com/article/2014/03/13/uk-japan-nuclear-restarts-idUKBREA2C0EU20140313?feedType=RSS&feedName=worldNews Japan puts two reactors on shortlist for restart screening] Reuters, Mar 13, 2014</ref>での、原子力発電施設が仕事を生み関係した補助金が交付されるところでは、その発電所の再稼動は広く支持された。原子力発電なしには、化石燃料における大きな依存とそして輸入において増大する信頼にしたがって、そのマーシャル・ラーナー条件は合わないだろう。<!--== 分析 ==
 
=== デフレーション ===
 
日本の賃金は1997-1998年から減り始めた、そして[[東京大学]]の教授の[[吉川洋]]は、日本の頑固なデフレーションはこの下落によって生じたと言った。彼は日本銀行による金融緩和は力を失ってきた<ref>[http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2014/03/12/behind-pm-abes-wage-push-in-japan-dueling-economists/ Behind Abe's Wage Push: Dueling Economists] The Wall Street Journal, Mar 12, 2014</ref>、なぜなら金利はすでにゼロに近いと主張する。デフレーションを打ち負かすよう彼が提議する解決策は彼らの労働者らにより多く支払うよう企業に圧力をかけることである。岩田規久男、本田悦朗、と浜田宏一は吉田に同意しなかった。浜田はもし賃金が上がったなら、まさに企業は雇用の現行の水準の維持が保てなくなる、と言った。{{ see also | 流動性の罠 }}アベノミクスの分析ではなく出典無しで日本語訳も「彼は日本銀行による金融緩和は力を失ってきた」など意味不明な箇所があるのでコメントアウト-->
 
 
== 議論 ==
 
=== 富裕層への減税 ===
 
==== 支持 ====
 
浜田宏一はその経済効果における[[トリクルダウン理論|トリクルダウン効果]]をもったことを主張するアベノミクスからの大企業や富裕層だけが利益を得ているのを批判することに反対した。日本が投資を引き寄せるためには(現行の)35%の法人税を24%にまで引き下げることが必要だと言った。<ref>{{cite web |url=https://blogs.wsj.com/japanrealtime/2014/09/25/abenomics-better-than-reaganomics-says-adviser-to-japans-leader/|title =Abenomics better than Reaganomics, says adviser to Japan's leader | author =G.Nishiyama | work =The Wall Streets Journal | date =25 Sep 2014| accessdate =2018-3-3}}</ref>
 
==== 批判 ====
 
日本の若年層を助けるためにその課税体系を変える必要があると[[トマ・ピケティ]]は言った。そのことは世界の大きな[[第三世界]]の経済は富裕層や企業に10%から20%まで課税すべきであることを示唆する。<ref>{{cite web | url =http://www.bloombergview.com/articles/2015-02-04/piketty-diagnoses-japan-s-sick-economy | title =Piketty diagnoses Japan's sick economy | author =W. Pesek | work =Bloomberg View |date =4 Feb 2015 | accessdate =2018-3-3}},Asian economy.</ref>[[富の再分配]]はアベノミクスの第4の矢になりうると彼は見ている。国内での不平等を低下させるにはVAT<ref>付加価値税のことを言うが、ここでは[[消費税]]を指す。</ref>の引き上げは悪い方法だったことも、彼は付け加える。
 
 
合衆国やイギリスで、富裕層への減税がなされていたとしても、大企業は彼らの雇用を引き上げるのに使うのではなく、それを彼ら個人の利得として使いたがるだろう、ことをジョセフ・スティグリッツは示唆した。<ref name =telegraph23jan2014RR>{{ cite news | url =https://www.telegraph.co.uk/finance/financetopics/davos/10592478/Japans-recovery-at-risk-of-stalling-on-premature-tax-rise-fears-Nobel-economist-Stiglitz.html | title =Japan's recovery at risk of stalling on 'premature' tax rise fears Nobel economist Stiglitz | Author =Ambrose Evans-Pritchard | work =The Daily Telegraph | date =23 Jan 2014 | accessdate =2018-3-3}}</ref>
 
 
== 野党の反応 ==
 
アベノミクスをめぐる論戦で[[野党]]は二極化し、[[競争原理]]を重視する[[小さな政府]]を目指す[[みんなの党]]と[[日本維新の会 (2012-2014)|日本維新の会]]は方向性には同調しつつ、規制改革の踏み込みが足りないと主張している<ref name="jijitsushin2013713">[http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013071300158 経済論戦で野党2極化=政権批判、切り口に違い【13参院選】]時事ドットコム 2013年7月13日</ref>。一方で、[[民主党 (日本 1998-2016)|民主党]]・[[生活の党と山本太郎となかまたち|生活の党]]・[[日本共産党]]・[[社会民主党 (日本 1996-)|社会民主党]]は格差拡大を助長するとの見方から、アベノミクスの方向性を批判している<ref name="jijitsushin2013713" />。
 
 
民主党は「賃上げ無き物価上昇、格差の拡大、国債の金利の乱高下などの副作用が生じている」と副作用を指摘している<ref name="jcast2013719">[http://www.j-cast.com/2013/07/19179779.html?p=all 13年夏参院選 野党はいま 最大争点「アベノミクス」 野党はどう見ているのか、どこがいけないのか]J-CASTニュース 2013年7月19日</ref>。みんなの党は規制改革が不十分なことについて「古い自民党体質の政治が露呈していることの表れであり、アベノミクスの欠点」と主張したが、総論としての批判はしていない<ref name="jcast2013719" />。日本共産党は「国民の所得を直接増やす『矢』がない。[[国民]]の所得を減らして奪うものばかり」と[[富裕層]]が豊かになれば国民も豊かになるとする、いわゆる「[[トリクルダウン理論]]」を批判している<ref name="jcast2013719" />。
 
 
=== 日本維新の会 ===
 
2013年[[2月12日]]、日本維新の会の[[石原慎太郎]]共同代表は[[衆議院]][[予算委員会]]において「何としてもアベノミクスを成功させて欲しい」と要望し<ref name="deli_id_42394" />、「日本の国家の会計制度に懸念を持っている。これを合理化して企業並みにしないと、アベノミクスのバリアになる。この国には健全な[[貸借対照表|バランスシート]]、[[財務諸表]]がない。国は何で[[外部監査制度|外部監査]]を入れないのか。アベノミクスを成功させるためにも会計制度を一新させる必要がある。会計制度を変えると税金の使途がハッキリ分かる」と提言を行った<ref>{{Cite web | title = 【石原氏の質疑詳報(下)】「子孫のために環境問題アピールを」(2/7ページ) | url = http://web.archive.org/web/20130213150848/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130213/plc13021310130011-n2.htm | publisher = 産経新聞 | date = 2013-02-13 | accessdate = 2013-02-13}}</ref><ref>{{Cite web | title = 【石原氏の質疑詳報(下)】「子孫のために環境問題アピールを」(5/7ページ) | url = http://web.archive.org/web/20130213150843/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130213/plc13021310130011-n5.htm | publisher = 産経新聞 | date = 2013-02-13 | accessdate = 2013-02-13}}</ref>。
 
 
後継政党である[[維新の党]]も基本的には、アベノミクスを評価しており、「全否定はしないが、普通の暮らしをしている人たちの生活をどう支えるかが足りない」と指摘し、「イシンノミクス」を打ち出した<ref>[http://www.sanyonews.jp/article/104621/1/ 維新の党・橋下氏が岡山で演説 「イシンノミクスでお金生む」]山陽新聞</ref>。
 
 
=== みんなの党 ===
 
2013年[[2月5日]]、[[山内康一]]みんなの党国対委員長は、衆議院[[本会議]]において、安倍首相が掲げる[[公共事業]]について「特定の産業を育成するのは[[社会主義]][[計画経済]]的な発想だ。[[経済政策]]は[[保守]]主義の王道から外れるのではないか」と述べた<ref>[http://mainichi.jp/select/news/20130206k0000m010039000c.html みんなの党:山内国対委員長「アベノミクス」を批判] 毎日新聞 2013年2月5日 2013年2月13日閲覧</ref><ref>[http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-528b.html 財政演説への質問] 山内康一の「蟷螂(とうろう)の斧」 2013年2月5日 2013年2月13日閲覧。</ref>。
 
 
=== 新党改革 ===
 
[[新党改革]]の[[荒井広幸]]代表は、アベノミクスについて「効果があると、大勢のみなさんが感じておられる。民主党の沈滞、停滞の時に戻していいかと思っている。」と述べ、家庭にもアベノミクスの恩恵が行くようにしないといけないとして<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASGCZ63H7GCZUTFK00J.html 「アベノミクスを成功させねば」新党改革・荒井代表]朝日新聞</ref>、アベノミクスを補強する手段として「家庭ノミクス」を提唱した<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS02H0L_S4A201C1EB1000/ 改革「アベノミクスを補強」 第一声]日本経済新聞</ref>。
 
 
=== 次世代の党 ===
 
[[次世代の党]]は、[[第47回衆議院議員総選挙]]の[[マニフェスト]]のなかで、アベノミクスについて「基本的方向性は是とするが、軌道修正が必要」とした<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2014/news1/20141122-OYT1T50105.html アベノミクス「軌道修正必要」…次世代の党公約]日本経済新聞</ref>。「次世代ミクス」として、[[金融政策]]への過度の依存是正や、[[消費税]]増税の延期、[[道州制]]などの規制改革などを主張した<ref>[http://www.sankei.com/politics/news/141122/plt1411220005-n1.html 「次世代ミクス」、自主憲法の制定 次世代の党公約発表]産経新聞</ref>。
 
 
=== 民主党 ===
 
[[2012年]][[12月24日]]、[[民主党代表]]の[[海江田万里]]は[[安倍晋三|安倍]][[内閣総理大臣|首相]]が掲げる[[金融緩和]]について「学者の中にもいろんな考え方がある。国民生活を学説の実験台にしてはいけない」と述べ、対決姿勢を示した<ref>[http://archive.is/2vUAa 海江田氏が優位=25日に選出-民主代表選] 時事通信2012年12月24日</ref>。同年[[12月25日]]、民主党新代表に選出された海江田はアベノミクスに潜む危険性を予算委員会で指摘した<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8BO02720121225 民主党新代表に海江田氏を選出、「アベノミクスの危険性追及」] ロイター2012年12月25日</ref>。[[記者会見]]では「公共事業の大盤振る舞いは古い考え方」と批判し、金融政策について「日銀の独立性が損なわれるような政策は[[中央銀行|中銀]]や円の信任にかかわり、様々な副作用が予想される」と語った<ref>[http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK058083920121225 日銀の独立性損なえば中銀や円の信認にかかわる=アベノミクスで海江田民主新代表] ロイター2012年12月25日</ref>。
 
 
[[野田佳彦]]元首相は「何でも日銀に責任をかぶせるやり方だ。国際社会では通用しない」と述べアベノミクスを批判した<ref>[http://web.archive.org/web/20130126202256/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130126/stt13012619480005-n1.htm 野田前首相がアベノミクス批判 「安易な大盤振る舞いだ」] [[産経新聞]]2013年1月26日(2013年1月26日時点のインターネット・アーカイブ)</ref>。首相時代に野田は安倍総裁の金融政策に関する発言について「安倍さんのおっしゃっていることは極めて危険です。インフレで喜ぶのは株・土地を持っている人。一般庶民には関係ありません。借金を作ってそんなことをやってはいけない」「金融政策の具体的な方法まで言うのは、中央銀行の独立性を損なう」と批判していた<ref>[http://web.archive.org/web/20121127013739/http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/221125010.html 野田総理VS安倍総裁 金融政策や「国防軍」で応酬]テレ朝news 2012年11月25日(2012年11月27日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref><ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK25008_V21C12A1000000/ 「危険な緩和論」「そんな認識だから…」民・自党首応酬]日本経済新聞 2012年11月25日</ref><ref>[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-ME122A6K50XS01.html 安倍氏の緩和発言「極めて危険」と野田首相-29日討論会で直接対決 (1)]Bloomberg 2012年11月25日</ref>。
 
 
[[2013年]][[1月30日]]、衆院本会議で海江田万里は、財政政策について「公共事業に偏重した旧来型経済政策は効果に乏しく、財政赤字を膨らませてきた」と批判。物価上昇2%を目標とする金融緩和策に関しても「国民生活への副作用も無視できない」と懸念を示し、「[[景気]]回復が一過性なら、[[雇用]]や[[給与]]はほとんど増えない可能性がある」と指摘し、実質[[賃金]]の引き下げなどにつながりかねないと疑問を呈した<ref>[http://mainichi.jp/select/news/20130130k0000e010233000c.html 衆院代表質問:海江田代表、アベノミクス批判] 毎日jp(毎日新聞) 2013年1月30日</ref><ref>[http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130130-OYT1T00735.htm 民主・海江田氏、アベノミクスを追及…代表質問] YOMIURI ONLINE(読売新聞) 政治 2013年1月30日</ref><ref>[http://web.archive.org/web/20130130080828/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130130/plc13013013360014-n1.htm 民主・海江田代表「アベノミクス」追及 国会論戦スタート] [[産経新聞]]2013年1月30日(2013年1月30日時点のインターネット・アーカイブ)</ref><ref>[http://archive.is/pP5hz 金融緩和の「副作用」懸念=海江田氏、アベノミクス追及-代表質問スタート] 時事通信2013年1月30日</ref>。
 
[[2月7日]]、民主党の[[前原誠司]]は衆院予算委員会において、デフレの背景として、日本の人口減少が影響していると指摘、これに対し安倍首相は「人口減少とデフレを結びつける考え方を私はとらない。デフレは貨幣現象であり、金融政策で変えられる。人口が減少している国は他にもあるが、デフレに陥った国ない」と答えた<ref>[http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE91601820130207 デフレは貨幣現象、金融政策で変えられる=安倍首相] Reuters 2013年2月7日</ref><ref>[http://www.jiji.com/jc/zc?k=201302/2013020700442 デフレは「貨幣的現象」=金融政策で脱却可能-安倍首相] 時事ドットコム 2013年2月7日</ref>。これに対して前原誠司はさらに「日本を他の国と比べることは出来ない。他の国との大きな違いとして、日本には莫大な財政赤字ある。人口が減っていくという事は[[国民]]一人当たりの負担が増えていくという事ではないか」と応じた<ref>[http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42392 衆議院インターネット審議中継] [[2013年]][[2月7日]]</ref>。
 
 
[[2月12日]]、民主党の[[後藤祐一]]は衆院予算委員会において「三本の矢は我々民主党が言い出し、三本を一体でやっていこうと主張しているが、安倍首相は『一本目の矢の金融緩和は勝手に日銀がやってくれ。我々政府は知らない』と言っている。三本の矢で行こうというのが日銀と民主党の考え方、一本の矢で行こうというのが安倍首相の考え方であり、食い違いがある」、「人口減少と、[[デフレーション#経済への影響|デフレギャップ]]およびデフレは密接に関係している」、「2%の物価安定目標の達成に向けて安倍首相は政府は全く責任を取らないと主張している。本音は(2013年7月の)[[参議院議員通常選挙|参院選]]が気になっているだけだ。安倍首相のマクロ経済に対する考え方は私は大変疑問だ」と発言した<ref name="deli_id_42394">{{Cite web | title = 2013年2月12日(火) 予算委員会 | url = http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42394&media_type=fp | publisher = 衆議院インターネット審議中継 | date = 2013-02-12 | accessdate = 2013-02-13}}</ref>。これに対し、安倍首相は「そもそも三本の矢と言い始めたのはあなた(後藤祐一)でも日銀でもなく私であり、[[2012年自由民主党総裁選挙|総裁選]]を通じて申し上げてきたもの。単に金融緩和をやるのではなく、それと共に[[有効需要]]を作っていき[[経済成長#名目成長と実質成長|実質経済]]を成長させ、そして地域が活性化し[[雇用]]や[[賃金]]に反映させる時差を短くし、景気回復の実感を持って頂く。そのために二本目の矢の[[財政政策]]が必要であると主張している。しかしこれは何度も打てないので三本目の矢の[[経営戦略論#成長戦略とポートフォリオ理論|成長戦略]]をしっかり打つ。これを同時に打ち込み、以前から言ってきた経済三団体への賃上げ協力要請<ref>{{Cite web | title = 首相「業績改善を賃金に反映を」 経済三団体トップと意見交換 | url = http://archive.is/NfC7c | publisher = SankeiBiz | date = 2013-02-13 | accessdate = 2013-02-13}}</ref>も本日行う。私が全く言っていない事について、言った事として批判されても本当に困る」、「[[山本幸三]]議員が先程のヤジで指摘した通り、アメリカは日本より遥かにデフレギャップが大きいのにデフレに陥っていない。人口が減少している国の中でデフレ脱却していない国は日本だけ」と反論した<ref name="deli_id_42394" />。
 
[[4月7日]]、野田佳彦は[[千葉県]][[佐倉市]]のパーティーでアベノミクスについて「海外投資家と食事する機会があり、その1人が『ABE』と言った。Aはアセット。Bはバブル。Eはエコノミー。資産バブル経済、という意味だ」と述べ、バブルを生み出していると批判した<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130407-OYT1T00569.htm アベノミクスは「資産バブル経済」…野田前首相]YOMIURI ONLINE(読売新聞) 2013年4月7日</ref>。
 
[[4月17日]]、国会の[[党首討論]]で海江田万里は、安倍政権の金融緩和策について「大変な劇薬を日本は飲んだ。副作用、あるいは落とし穴がある」と指摘し、物価上昇など負の側面があると強調した<ref name="mainichi2013417">[http://mainichi.jp/select/news/20130418k0000m010104000c.html 海江田代表:改憲論争せず 初の党首討論は低調に]毎日jp(毎日新聞)2013年4月17日</ref>。それに対し安倍首相は株価上昇で5兆円の年金運用益の数字を並べて反論し「何もしなければリスクがないと思ったら大間違いだ。閉塞感の中で悩んでいた状況を変えることができた」と反論した<ref name="mainichi2013417" />。
 
[[5月29日]]、海江田万里は、[[日本外国特派員協会]]での[[記者会見]]で「円安によって輸入品の価格が上がり、人々の生活は苦しくなっている。[[中小企業]]などにも影響が出て、漁業従事者も大変厳しい状況だ」「長期金利がほぼ1%に上昇した。国債が暴落して金利が上昇するのが、アベノミクスの一番のリスクだ」と述べ、安倍政権の経済運営を批判した<ref>{{Cite news |title=海江田代表 アベノミクス批判 |url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130529/k10014932661000.html |date=2013-05-19 |newspaper=NHKニュース |publisher=日本放送協会 |accessdate=2013-06-01 |archiveurl=http://megalodon.jp/2013-0601-0708-19/www3.nhk.or.jp/news/html/20130529/k10014932661000.html |archivedate=2013-06-01}}</ref>。
 
[[6月25日]]、民主党は参院選公約を発表し、安倍政権の経済政策について物価上昇や国債金利の乱高下など「強い副作用がある」と批判した<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2013/news1/20130625-OYT1T01065.htm 参議院選挙(参院選)2013 アベノミクスに「強い副作用」…民主公約で批判]YOMIURI ONLINE(読売新聞) 2013年6月25日</ref>。
 
[[7月3日]]午後、[[日本記者クラブ]]主催の党首討論会で海江田万里は「(安倍)首相の経済政策は[[国民]]の期待を膨らませるのには成功したが、副作用として物価が上がっている」と懸念を示した<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS03019_T00C13A7MM0000/ 首相「ねじれ解消を」、海江田氏「経済に副作用」 党首討論]日本経済新聞 2013年7月3日</ref>。
 
 
海江田万里は、[[広島市]]の街頭演説で「アベノミクスは3年たてば必ず破綻する」と述べている<ref>[http://www.asahi.com/politics/update/0719/TKY201307190446.html 「アベノミクス、3年たてば必ず破綻」民主・海江田代表]朝日新聞デジタル 2013年7月19日</ref>。
 
 
2014年[[9月28日]]、[[民主党幹事長]]の[[枝野幸男]]は、2015年10月の消費税率の10%への引き上げを先送りすれば、アベノミクスが失敗したことを自ら認めることになるという認識を示した<ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140928/k10014937791000.html 消費税率引き上げ巡り与野党が議論]NHKニュース 2014年9月28日</ref>。
 
[[10月22日]]、枝野幹事長は消費税率10%への引き上げについて、「アベノミクスによって経済が好循環に入っていれば、(消費税率を)上げられるはずである。日本のためには、約束通り進めることがベストである」と述べた<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/politics/20141022-OYT1T50192.html 政治 消費税率10%「約束通りに」枝野・民主幹事長]読売新聞(YOMIURI ONLINE) 2014年10月23日</ref>。
 
[[10月28日]]、枝野幹事長は「アベノミクスが成功だとして続けながら、消費税を上げないのは最悪である。消費税を上げられないような経済環境をもたらしている経済政策を維持しながら、景気が良くないからとして消費税を上げないと、結果的に財政はますます悪化する。財政も経済も両方悪化する最悪の選択である」と指摘した<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IH0GO20141028 インタビュー:再増税の延期はアベノミクス失敗宣言=民主幹事長]Reuters 2014年10月28日</ref>。
 
[[11月1日]]、海江田代表は、日銀の追加[[金融緩和]]について「日本売りを加速する。国民生活にとって禁じ手を使った」「大変リスクを持った判断である。日銀は円の価値を損なうことをすべきではない」と述べた<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS01H1W_R01C14A1000000/ 民主代表が追加緩和懸念 「日本売り加速」]日本経済新聞 2014年11月1日</ref>。
 
[[11月17日]]、枝野幹事長は7-9月期のGDPの速報値について「想像を大きく超える悪い数字であり、アベノミクスの限界が消費税の駆け込み需要と反動減をはさんで改めて証明された」「この2年間で実体経済、特に家計に大きな打撃を与えた。アベノミクスのカンフル剤と痛み止めに頼った施策では限界がある」と述べた<ref>[http://www.sankei.com/economy/news/141117/ecn1411170013-n1.html 【GDP速報値】民主・枝野氏「アベノミクスの限界、証明された」]産経ニュース 2014年11月17日</ref>。
 
 
2015年[[2月4日]]、前原誠司は衆院予算委員会の集中審議で、アベノミクスのリスクとして国債暴落の可能性を指摘し、「[[国民]]を巻き込んだギャンブル」と批判した<ref>[http://mainichi.jp/select/news/20150205k0000m010120000c.html 民主党:アベノミクス批判で攻勢…格差拡大を追及]毎日新聞 2015年2月4日</ref>。
 
 
=== 日本共産党 ===
 
2013年2月5日、日本共産党の[[佐々木憲昭]]は衆院本会議で2012年度補正予算案に関し「庶民の懐を温める政策に転換すべきだ。家計消費が増えれば、内需が拡大しデフレ克服への道が開かれる」と[[代表質問]]を行なった。これに対し安倍首相は「成長期待の低下やデフレ予想の固定化」が不況の原因であると答えた<ref name="akahata201326">[http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-02-06/2013020601_02_1.html 庶民の懐温める政策こそ 衆院代表質問 佐々木議員が転換求める] [[しんぶん赤旗]]2013年2月6日</ref>。佐々木は「いま必要なのは、消費税増税の中止など国民の所得を奪う政策をただちにとりやめること」と述べている<ref name="akahata201326" />。2016年2月、[[赤旗新聞]]は、実質可処分所得は30年前以下の水準にまで落ち込んだと報道している<ref> [http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-02-21/2016022101_03_1.html 実収入から税など除いた可処分所得 30年前水準 収入は伸び悩み 社会保険料高く] しんぶん赤旗 2016年2月21日</ref>。
 
 
=== 社会民主党 ===
 
2013年[[4月21日]]、社会民主党の[[福島瑞穂]]党首(当時)は[[金沢市]]内で講演でアベノミクスについて「『アベノミクス』は『安倍のリスク』。[[ハイパーインフレ]]で人々の生活が壊れるのではないか心配だ」と述べている<ref>[http://web.archive.org/web/20130506011207/http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130422-OYT1T00262.htm 「アベノミクスは安倍のリスク」社民・福島党首]YOMIURI ONLINE(読売新聞) 2013年4月22日(2013年5月6日時点のインターネット・アーカイブ)</ref>。
 
 
== 各界の反応 ==
 
元[[大蔵省|大蔵]][[官僚]]で[[アジア開発銀行]](ADB)総裁の[[黒田東彦]](2013年3月末、第31代日本銀行総裁)はアベノミクスについて「適切だ」と評価し、支持する姿勢を示している<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1100U_R10C13A2000000/ 黒田アジア開銀総裁「今の仕事に満足」 日銀人事で] 日本経済新聞 2013年2月11日</ref>。黒田は「デフレを克服する一方、中期的な財政再建を堅持し、成長力を高めていくのは適切な政策だ。日本経済の問題にたいして適切に対応するものだ」「日本経済にとって最大の課題はデフレからの脱却だ。15年もデフレが続いているのは異常である。日本経済にマイナスの影響を与え、その結果として世界経済にもマイナスの影響与えている。それを直そうということは日本にとって正しいだけでなく、世界経済にとっても正しい」と評価している<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK11016_R10C13A2000000/ 黒田アジア開銀総裁、アベノミクス「適切な政策」] 日本経済新聞 2013年2月11日</ref><ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK11018_R10C13A2000000/ 黒田アジア開銀総裁、物価2%の達成期限「2年は適切」] 日本経済新聞 2013年2月11日</ref>。また「日本がデフレから脱却することがアジアにも世界経済にもプラスになる」とし、アジア各国も支持するとの認識を示している<ref>[http://web.archive.org/web/20130211134219/http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130211/fnc13021117430001-n1.htm アジア開発銀・黒田総裁インタビュー 「現状の仕事に満足」と日銀総裁人事には言及せず] 産経ニュース 2013年2月11日(2013年2月11日時点のインターネット・アーカイブ)</ref>。また、政府と日銀が2%の物価上昇率目標を設定する共同声明を結んだことについて「画期的なことであって、非常に正しいことだ」と高く評価する考えを示している<ref>[http://www.asahi.com/business/update/0211/TKY201302110171.html 黒田ADB総裁「今の仕事に満足」 日銀総裁候補の1人] 朝日新聞デジタル 2013年2月11日</ref>。
 
 
経団連名誉会長の[[奥田碩]]は、1ドル90円から100円が適正な為替レートで、そうなれば自動車や電機の輸出も増え、貿易赤字が解消されるだろうとの見解を示した<ref>[http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPTK062396120130228 「1ドル90─100円が貿易赤字との関連でよい水準=奥田JBIC総裁」]ロイター通信 2013年2月28日 14:59 JST、[http://web.archive.org/web/20130228232725/http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130228/biz13022817350035-n1.htm 「奥田JBIC総裁、日銀総裁候補の黒田氏を「非常にいい人材」とべた褒め」]産経ニュース 2013.2.28 17:33(2013年2月28日時点のインターネット・アーカイブ)</ref>。
 
 
[[日本自動車工業会]]会長の[[豊田章男]]は「『[[失われた20年]]』の間に、日本企業の時価総額は360兆円を失った」と分析し「『アベノミクス』でこの内の約半分が取り返せた」と安倍政権を評価した<ref>[http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130513/biz13051316330009-n1.htm アベノミクスで「『失われた20年』の半分を取り返した」と豊田自工会会長]MSN産経ニュース 2013年5月13日</ref>。
 
 
元大蔵官僚で[[国際通貨研究所]]理事長の[[行天豊雄]]はアベノミクスを小手先の金融政策や景気刺激策に終始するようであれば市場に足をすくわれるのがオチと批判。アベノミクスにより財政悪化が進めば最終的に日本は悪性インフレに陥るとまとめた<ref>日刊ゲンダイ2013年3月7日号2面</ref>。
 
 
[[コーポレートガバナンス協会]]理事の[[八幡和郎]]は「とりあえず、やってみるという真珠湾攻撃と同じ」「世界の常識に反した一か八かのかけ」と批判している<ref>{{Cite news |title=【アベノミクスと世界経済】アベノミクスは治験なしの“劇薬投与” 一か八か的思想、大やけど心配 |url=http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20130409/ecn1304090715000-n1.htm |date=2013-04-09 |newspaper=ZAKZAK |publisher=産経デジタル |accessdate=2013-06-01}}</ref>。
 
 
[[オリエンタル・エコノミスト・アラート]]代表[[リチャード・カッツ]]はアベノミクスによってドルに対して円の価値が25%下落したことは、アベノミクスが日本の活力を取り戻せることを確信させる有効な要素の一つであるとした。しかし、メリットがデメリットを上回る場合のみ、[[円相場|円安]]は経済成長に寄与すると述べた。デメリットとして2012年9月以降、価格調整後の実質輸入量は5%減少したが名目輸入金額は12%上昇し、日本は5%少ない輸入量を確保するのに、日本円を12%多く支払ったと指摘。日本企業の主要輸出事業者の価格戦略が意味しているところは、経済全体の成長をもたらす乗数効果が存在しないことである。この効果は2012年末までには表れるが、円安メリットの大きさは不透明であると結んだ<ref>[http://toyokeizai.net/articles/-/13871 アベノミクス円安にメリットはあるのか?]東洋経済オンライン 2013年5月19日</ref>。
 
 
2013年[[1月7日]]、日本商工会議所会頭の[[三村明夫]]([[新日鉄住金]]名誉会長)、経済同友会代表幹事の[[長谷川閑史]]([[武田薬品工業]]社長)ら財界首脳は会見で、一段の円安を否定的に受け止める見解を示した<ref>[http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYEA0605P20140107 財界首脳は一段の円安「歓迎できない」、消費増税影響は楽観視]Reuters 2013年1月7日</ref>。
 
 
2016年12月、[[バンク・オブ・アメリカ]]の世界経済責任者イーサン・ハリスは、労働市場の引き締まりなどを根拠に、日本が2017年に失われた20年を脱出するチャンスを得るという見解を示した<ref>{{Cite news  |url=https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-12-16/OI97776K50YB01 |title=失われた20年から脱する「歴史的瞬間」、来年にも-BofAハリス氏 |publisher=Bloomberg |date=2016-12-16 |accessdate=2017-04-08}}</ref>。
 
 
2017年2月、アメリカのビジネスサイト・{{仮リンク|マーケットウォッチ|en|MarketWatch}}にて、「なぜ日本は遂に失われた20年から脱出するかもしれないのか?(Why Japan may finally emerge from its lost decades)」と題するコラムが掲載された<ref>{{Cite news  |url=http://www.marketwatch.com/story/why-japan-may-finally-emerge-from-its-lost-decades-2017-02-23 |title=Why Japan may finally emerge from its lost decades |publisher=MarketWatch |date=2017-02-23 |accessdate=2017-04-08}}</ref>。
 
 
=== アホノミクス・アベノリスク ===
 
[[#日本国内の識者の見解]]も参照。
 
 
アベノミクスは、「アホノミクス」、「アベノリスク<ref>[http://webronza.asahi.com/business/articles/2013012400002.html 「アベノミクス」と「アベノリスク」]、[[榊原英資]]|[[WEBRONZA]] - [[朝日新聞社]]、2013年1月24日更新</ref><ref>山田博士著『社会の裏側! 3……牛丼店「すき家」が、従業員を貧困のどん底に!ニッポン人の心と体を救う山田流「時事呆談」: アベノミクスって、じつは「アベノリスク」じゃないの』([[山田博士いのち研究所]]、2014年)</ref>」「アベノミクス“不況”<ref>[http://www.doyu.jp/topics/posts/article/20150223-125001 【同友会景況調査(DOR)概要(2014年10~12月期)】中小企業はすでに“アベノミクス不況”のさなか]、中小企業家同友会全国協議会「中小企業家しんぶん」2015年2月5日号、2016年5月17日閲覧。</ref><ref>[http://biz-journal.jp/2013/06/post_2274.html アベノミクス“不況”? 増える低所得/貯蓄ゼロ家庭、スーパー/コンビニ売上減:Business Journal]</ref>」などと批判的な表現もなされている。
 
 
「アホノミクス」は、[[2013年]]の[[新語・流行語大賞]]の候補に[[ノミネート]]された<ref>[http://www.u-can.co.jp/company/news/1194253_3482.html 2013年「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン新語・流行語大賞 候補語発表! 【ユーキャン】]</ref><ref>[http://biz-journal.jp/2013/11/post_3482.html “裏”流行語大賞、ノミネートで初めて知った(?)流行語〜SNEP、アホノミクス…(1/2) | ビジネスジャーナル]</ref>。
 
 
2014年には[[山内勉]]が製作した「アホノミクス〜金は天上の回りモノ〜」という[[舞台]]が公演された<ref>[http://haiyuu-talent-audition.com/gekidan_seikatsukoujouiinkai/3682011.html 第29回公演「アホノミクス〜金は天上の回りモノ〜」 : タレント・俳優オーディション 芸能プロダクション ブロードウェイ・バウンズ]</ref>。
 
 
=== 消費税増税 ===
 
経団連の[[米倉弘昌]]会長は、安倍首相が2014年4月に消費税を8%に上げると表明したことについて「大変な英断だ。高く評価する」と歓迎し、投資減税などの5兆円規模の経済対策についても「消費増税のネガティブな側面を下支えする効果が期待できる」としている<ref>[http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131001/biz13100120150038-n1.htm 【消費税8%】米倉経団連会長が「大変な英断」と首相決断を歓迎 消費税増税と経済対策で]MSN産経ニュース 2013年10月1日</ref>。
 
 
== 世界の反応 ==
 
=== 肯定的反応 ===
 
アメリカの[[ノーベル経済学賞]]受賞者[[ポール・クルーグマン]]はアベノミクスについて、[[ニューヨーク・タイムズ]]のコラムで「素晴らしい結果を伴っている」と絶賛し、安倍首相について「国家主義者であり、経済政策について関心が乏しいのでは」「深く考えているわけではないだろう」と皮肉を込めながらも、「他の先進諸国ができなかった財政と金融の刺激策を実施していることは事実で、その結果も完全に正しい。長期金利は急騰せず円は急落するのは日本にとって非常によいことである」<ref>[http://archive.is/ffRHq 政治・社会 ノーベル経済学賞受賞者のクルーグマン教授、皮肉まじりにアベノミクス評価] ZAKZAK 2013年1月15日</ref>。「私はアベノミクスを評価している。日本がデフレの罠から脱却するために必要な政策である」「日本の期待インフレ率はちょうどよい値で推移している。少しのインフレ期待があることで、経済にとってプラスに働いている状況になっている」「円が安くなれば日本の製造業の輸出増を牽引することになる」<ref name="gendai2013214">[http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34852 経済の死角 本誌独占インタビューノーベル経済学者は指摘するポール・クルーグマン「1ドル100円超え、アベよ、これでいいのだ」] 現代ビジネス 2013年2月14日</ref>と評している。また「日銀が方針を転換し、2%の物価目標を掲げ、その効果を持続させるために政府が短期間、財政出動をし景気を刺激する。発信されたメッセージが何よりも重要である。緩和姿勢を維持し、景気を後押しするだろうという見通しこそ大事である」と述べている<ref name="nhkbiz2013212">[http://archive.is/aehIn  どう見る“アベノミクス”]NHK Bizプラス 2013年2月12日</ref>。また長期金利と株価が同時に上昇してきたことについては楽観論の表れだと分析し、日本の財政問題への懸念を反映したものではないとの見解を示した<ref>[http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324474704578502761235271122.html 株価暴落でも回復基調不変=クルーグマン教授、アベノミクス評価]WSJ.com 2013年5月24日</ref>。また、「金融・財政政策刺激策への急転換である『アベノミクス』について重要な点は、他の先進国が同様の政策をまったく試していないということである。アベノミクスという政策実験が奏功すれば、同じような状況に陥った国に対しても意義ある示唆になる<ref>[http://president.jp/articles/-/14177 クルーグマン教授・独白「日本経済は、世界の良きモデルになる」【1】ノーベル賞経済学者が安倍総理に直訴]PRESIDENT Online – プレジデント 2015年1月2日</ref>」「(アベノミクスが)奏功すれば、日本が世界のモデルになる<ref name="president201512a">[http://president.jp/articles/-/14178 クルーグマン教授・独白「日本経済は、世界の良きモデルになる」【2】ノーベル賞経済学者が安倍総理に直訴]PRESIDENT Online – プレジデント 2015年1月2日</ref>」と述べている。
 
 
2013年に[[ノーベル経済学賞]]を受賞した[[イェール大学]]の[[ロバート・シラー]]は「最も劇的だったのは、明確な形で拡張的な財政政策を打ち出し、増税にも着手すると表明したことである。財政均衡を目指した刺激策といえる。世界中で財政緊縮策が広がる中で、日本の積極策がどういう結果になるか注目している」と述べている<ref>[http://toyokeizai.net/articles/-/14591 シラー教授、アベノミクスを語る]東洋経済オンライン 2013年10月17日</ref>。
 
 
[[シカゴ大学]]の経済学者[[アニル・カシャップ]]は「日本の長引くデフレの責任を日銀に負わせ、それを是正するためのツールが日銀にはあることをあらためて示したことについては安倍は正しい」と述べた<ref>[http://realtime.wsj.com/japan/2013/01/24/%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%ae%e3%82%a8%e3%82%b3%e3%83%8e%e3%83%9f%e3%82%b9%e3%83%88%e3%81%af%e3%82%a2%e3%83%99%e3%83%8e%e3%83%9f%e3%82%af%e3%82%b9%e3%81%ab%e6%ba%80%e8%b6%b3%ef%bc%9dwsj%e8%aa%bf/ Japan Real Time 世界のエコノミストはアベノミクスに満足=WSJ調査] ウォールストリートジャーナル日本版2013年1月24日</ref>。
 
 
[[ニュー・ケインジアン]]として知られる[[ハーバード大学]]の経済学者[[ケネス・ロゴフ]]は、日銀が消費者物価2%上昇を目指すインフレ目標を決めたことについて、デフレ克服に向けた「好ましい長期的な戦略である」と評価した上、追加金融緩和が世界的な[[通貨安競争]]を招くとの見方は「完全な間違い」と否定した<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013012400011 日銀、独立性損なわれず=「通貨安競争招く」は誤解-米大教授] 時事ドットコム 2013年1月24日0時45分配信</ref>。
 
 
[[ゴールドマン・サックス]]のエコノミスト、[[ジム・オニール]]は2%のインフレ目標を評価、「We Want Abe!」というレターを書き市場で話題となった<ref>[http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1127&f=business_1127_142.shtml 報道されない首相の発言とアベノミクス=村上尚己] サーチナ 2012年11月27日</ref>。
 
 
インドネシア財務省の財政政策責任者[[バンバン・ブロジョネゴロ]]は、緩和政策が日本の内需を刺激し、同国の対日輸出を増やすと期待している<ref>[http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324439704578258574108646356.html 日銀緩和決定に懐疑論も−デフレ脱却から程遠いとの見方] ウォールストリートジャーナル日本版2013年[[1月23日]]</ref>。
 
 
[[国際通貨基金]](IMF)専務理事の[[クリスティーヌ・ラガルド]]は、安倍政権と日銀による2%の物価目標導入を柱にした金融政策について「中央銀行の独立性が確保されている限り、好ましく興味深い計画」と評価した<ref name="sankei2013118">[http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130118/fnc13011821240016-n1.htm アベノミクス、海外は賛否「興味深く正しい政策」「貿易相手に犠牲」(産経新聞 2013.1.18 21:22)]</ref>。
 
 
[[国際通貨基金]](IMF)アジア太平洋局の[[アヌープ・シン]]局長は東京都内の講演で、「三本の矢」で、日本の株式市場などに多くの海外資金が流入するなど「日本が世界の経済地図の中心にきた」と政策を高く評価している<ref name="msnsankei20131029">[http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131029/biz13102915430019-n1.htm 「日本が世界経済の中心に来た」とアベノミクスを評価 IMF局長]MSN産経ニュース 2013年10月29日</ref>。また、安倍首相が2014年4月に消費税率を8%に引き上げることを決めたことについては「財政の機動性確保に向けた第一歩」と歓迎している<ref name="msnsankei20131029" />。
 
 
ピーターソン国際経済研究所の[[アダム・ポーゼン]]所長は、安倍政権の政策について、「正しい方向に踏み出している」と評価している<ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130122/k10014985631000.html 米専門家“安倍政権の政策 正しい方向”] NHKニュース 2013年1月22日</ref>。
 
 
2013年[[1月27日]]、スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でパネル討論では、ラガルドIMF専務理事や[[経済協力開発機構]](OECD)のグリア事務総長、カナダ銀行の[[マーク・カーニー]]総裁らが、アベノミクスへの理解や支持を表明<ref name="naikakuhu">[http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2013/0205/shiryo_03.pdf 資料3] 内閣府</ref>。円安誘導や中央銀行の独立性侵害、財政規律の維持放棄といった批判や懸念は鳴りを潜めた<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013012700192 政府・民間が結束=「アベノミクス」国際公約に成功] 時事ドットコム 2013年1月30日</ref>。
 
 
2013年[[2月11日]]、アメリカのブレイナード財務次官は記者会見し、アベノミクスについて「アメリカは、成長の促進とデフレ脱却を目指す日本の努力を支持する」と述べ、理解を示した<ref>[http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130212/fnc13021208240001-n1.htm 米財務次官がアベノミクスの支持表明 会見で公式に] MSN産経ニュース 2013年[[2月12日]]</ref><ref>[http://www.nikkei.com/markets/kawase/summary.aspx?g=DGXNASFL1208F_12022013000000 米高官がアベノミクス支持、円安加速で94円台半ば] 日本経済新聞 2013年2月12日</ref>。
 
 
2013年[[2月12日]]、[[スイス国立銀行]]([[中央銀行]])のヨルダン総裁は[[ジュネーヴ]]で記者会見し、「日本は長らくデフレに直面しており、日銀はデフレを回避し、成長を促すために政策を変えつつある」と述べ、金融緩和などを柱とした「アベノミクス」に理解を示している<ref>{{Cite web | title = 通貨安競争「存在せず」=日本の事情に理解-スイス中銀総裁 | url = http://archive.is/qNQUt | publisher = 時事ドットコム | date = 2013-02-13 | accessdate = 2013-02-13}}</ref><ref>{{Cite web | title = スイス中銀総裁、日本の緩和策「デフレ克服のため」| url = http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1300I_T10C13A2EB1000/ | publisher = 日本経済新聞 | date = 2013-02-13 | accessdate = 2013-02-13}}</ref>。
 
 
英エコノミスト誌の表紙に、スーパーマン風の安倍首相の写真が掲載された<ref>[http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36071 経済の死角 英『エコノミスト』編集長「安倍〝機長〟には懐疑的です」]現代ビジネス フライデー 2013年6月8日</ref>。内容的は日本経済の復活と中国へのチャレンジを表している<ref>{{Cite news |title=「政治不信の国に衝撃与えた」 英誌がアベノミクス評価 |url=http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/05/17/kiji/K20130517005823860.html |date=2013-05-17 |newspaper=スポニチ Sponichi Annex |publisher=スポーツニッポン新聞社 |accessdate=2013-06-01}}</ref>。
 
 
[[ウォール・ストリート・ジャーナル]]紙は、2014年4月からの消費税率8%の増税について、消費税は世代間で均等に税負担を広げる、景気が後退しても比較的あてにすることができる「安定した税収」として重要という、エコノミストの意見を紹介し、[[高齢化社会]]という課題に直面する他の先進諸国も、いずれ後を追うことになるため、日本はその先駆例として注目されるべきと評価している<ref>[http://newsphere.jp/politics/20131002-4/ 消費税増税は正解? 海外紙が評価する理由]NewSphere(ニュースフィア) 2013年10月2日</ref>。
 
 
2013年[[2月26日]]、[[連邦準備制度|連邦準備制度理事会]](FRB)議長の[[ベン・バーナンキ]]は上院銀行委員会での証言で、日銀の金融緩和策について「デフレ脱却に向けた試みであり、支持する」と述べ、日銀の政策は自国経済の強化が目的で「為替操作ではない」との認識を示した<ref>[http://www.jiji.com/jc/zc?k=201302/2013022700035 日銀の金融緩和策を支持=為替操作目的でない-米FRB議長] 時事ドットコム 2013年[[2月27日]]</ref><ref>[http://www.asahi.com/business/update/0227/TKY201302270038.html 経済・マネー FRB議長、量的緩和の必要性強調 アベノミクスも支持] 朝日新聞デジタル 2013年2月27日</ref><ref>[http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130227-OYT1T00499.htm マネー・経済 日銀の金融緩和「試みを支持」…FRB議長] YOMIURI ONLINE(読売新聞) 経済ニュース 2013年2月27日</ref>。また同年[[6月20日]]に「日本がデフレに取り組むのは重要であり、デフレの解消とともに『三本の矢』には賛成である。日銀の政策がアメリカ経済にいくらかの影響を及ぼしたとしても、日銀の黒田総裁や日本の取り組みを支持する」と述べている<ref name="nikkei2013620">[http://www.nikkei.com/article/DGXNASGN2000F_Q3A620C1000000/ 「黒田総裁と日本政府の取り組み支持」詳報(3)]日本経済新聞 2013年6月20日</ref>。また同年[[7月17日]]に「日本が力強さを増すことはアメリカの国益にもかなう」と述べ「日本は景気全体を押し上げようと努力している。その結果として、利益と代償が生まれるが、その利益とは日本経済の強化であり、アジア市場の強化である」と述べている<ref name="bloomberg2013718">[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MQ3AXG6TTDTW01.html バーナンキFRB議長:日本は円操作せず、焦点は景気の拡大]Bloomberg 2013年7月18日</ref>。
 
 
2013年[[4月4日]]、FRBの[[ジャネット・イエレン]]副議長は日銀のマネタリーベースを倍増させる政策について「日本が行っていることは同国の最大の利益となるものである」「成功すれば、世界経済の成長刺激に有益で、我々にも良いことである」「デフレ脱却を目指し積極策を講じるのは理解できる」と述べている<ref>[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MKR5IY6K510901.html 米FRB副議長:日銀のデフレ脱却のための緩和政策適切]Bloomberg 2013年4月5日</ref><ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM06020_W3A400C1NNE000/ 米FRB副議長、日銀の緩和強化「最善の策」]日本経済新聞 2013年4月6日</ref>。
 
 
2013年[[4月17日]]、カナダ銀行のカーニー総裁は「日銀の措置は、モスクワG20声明と完全に整合しおり、国内目標に照準を定めた金融政策である」と述べ、日銀の政策による需要拡大はカナダにとっても利益との見方を示している<ref>[http://jp.ibtimes.com/articles/43035/20130418/1366218663.htm 日銀の緩和強化、モスクワG20声明と整合=カナダ中銀総裁]IBTimes 2013年4月18日</ref>。同日、アメリカの[[ジェイコブ・ルー]][[アメリカ合衆国財務長官|財務長官]]は「日本は長期にわたり内需の問題を抱えていた。日本が国内向けの政策ツールを用いて内需拡大を目標としている限り、[[G7]]がモスクワ会合で合意した内容に沿っている」「政策が内需拡大に向けた目標に沿っている限り、国内的な政策を利用することは理にかなっている」と述べている<ref>[http://jp.ibtimes.com/articles/43029/20130418/1366232625.htm 米財務長官、日銀の異次元緩和に支持表明]IBTimes 2013年4月18日</ref>。
 
 
2013年[[5月15日]]、[[フィリピン]]のプリシマ財務相は、「日本の政策が円相場を下落させていることについて懸念していない。円安と日本が現在取り組んでいる措置が日本の成長加速につながるなら、我々にとってプラスであり、期待を寄せている」との認識を示した<ref>[http://www.hoshusokuhou.com/archives/26967758.html 円安を懸念せず、日本の健全化は良いこと-フィリピン財務相 ブルームバーグ 2013/05/15 10:35 JST]</ref>。
 
 
2014年2月11日、FRBのジャネット・イエレン議長は下院金融委員会の証言で、日銀の金融緩和策について「長期にわたるデフレを解消するためには当然であり、筋の通った政策である」「現時点では有効に働いている」と述べ、「日本経済が成長すれば近隣諸国に恩恵が及び、世界経済の利益となる」と表明している<ref>[http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140212/fnc14021209130006-n1.htm 日銀の大規模緩和は「当然」 米議会でFRB議長]MSN産経ニュース 2014年2月12日</ref>。
 
 
==== 韓国 ====
 
2017年4月9日に韓国銀行は「海外経済フォーカス」で、 安倍の就任前は約6年間で首相が6人交代していたことで政策の一貫性が落ちていたが、安倍が2012年末に就任して一貫性のある経済政策を進めたことで政策の不確実性を緩和したと評価して、韓国にもアベノミクスのように一貫した経済政策が必要だと報告した<ref>{{Cite news|url=http://japanese.joins.com/article/879/227879.html|title=韓経:「アベノミクスのように韓国にも一貫した経済政策が必要」|newspaper=中央日報 Web|date=2017-0410}}</ref>。
 
 
海外移転していた工場がアベノミクスを背景に、2017年1月から12月までの1年間で海外に生産設備を持つ日本企業の11.8%が日本に戻ってきた。10万台規模の自動車生産ラインの日本移転や35年ぶりの化粧品メーカーの国内への工場建設など朝鮮日報は「大企業から中小企業まで、規模や業種を問わずに企業の「本国復帰」がブームとなっている」と表現した<ref>{{Cite news|url=http://archive.is/rdf2k|title=【社説】本国Uターン企業、韓国2社・日本724社という現実|newspaper=朝鮮日報 Web|date=2018-02-16}}</ref>。
 
 
日本経済は2017年第4四半期に2016年四半期比から0.4%の成長率を記録し、8四半期連続のプラス成長を続けた。これは2001年以来、16年ぶりの最長成長となった<ref name="naver">{{Cite news|url=http://news.naver.com/main/ranking/read.nhn?mid=etc&sid1=111&rankingType=popular_day&oid=025&aid=0002804150&date=20180312&type=0&rankingSeq=1&rankingSectionId=101|title=日本のデフレ脱出宣言... 失われた20年に終わった|newspaper=ネイバーニュース Web|date=2018-03-12}}</ref>。
 
 
2018年、中央日報はバブル崩壊後の日本経済の慢性病だったデフレも事実上終焉して消費心理が回復したと報じている。1月には失業率も2.4%を記録し、1993年4月の2.3%以来の低水準まで下落して完全雇用となった<ref name="naver"/>。
 
 
2012年12月時点で失業率が4.3%だったが、2017年8月には1994年以来23年ぶりの最低値である2.8%になった<ref>{{Cite news|url=http://www.newsis.com/view/?id=NISX20171209_0000171728|title=[日本フォーラム] <上>アベノミクス5年... 日、不況のトンネル脱出|newspaper=[[:en:Newsis|Newsis]]|date=2017-12-10}}</ref>。
 
 
首都圏や大都市以外を新しい観光地と商品開発の集中投資し、訪日外国人観光客は2012年の836万人から2017年は2869万人になった。日本の景気動向指数は1985年の調査開始以来、2017年12月に120.7で過去最高値となった<ref>{{Cite news|url=http://japanese.joins.com/article/462/239462.html|title=賃上げした企業に法人税優遇…安倍首相の「精巧な政策」|newspaper=中央日報|date=2018-03-12}}</ref>。
 
 
15〜64歳の生産年齢人口が2017年には約7,600万人で20年前よりも10%も減少したにも関わらず、就業者数は2017年11月に6,528万人に増加した。[[:ko:서울경제|ソウル経済新聞]]は女性や高齢者などの労働参加が積極的に奨励するアベノミクスによる内閣の政策が理由だと説明している。生産年齢の女性が就業している割合は2017年11月に68.2%で、5年前より6.7%ポイント上昇した。この数値は過去最高であり、[[経済協力開発機構]]加盟国の上位の数値と比肩するようになった。更に65歳以上の就業者の割合も増加し、就職希望する高齢者は完全雇用の水位に到達した。 女性や高齢者の労働参加を促すことによって、2017年12月時点の就業者数は歴代2番目に高かった1998年の6,514万人を追い越し、日本史上最高だった1997年の就業者数6,557万人を超えて2018年には過去最高を更新するのは確実だと報道された<ref>{{Cite news|url=http://www.sedaily.com/NewsView/1OP2J3QA3O/GF02|title=薫風つなぐアベノミクス、今年就業者記録見通し|newspaper=ソウル経済新聞|date=2017-12-31}}</ref>。
 
 
[[毎日経済新聞]]によると2013年以降からアベノミクスを背景に雇用指標が継続的に改善し、2012年に8.1%だった青年失業率は翌年から低下し始めた。2017年には日本の青年失業率は4.6%となった。2012年には日本の青年失業率は韓国より0.6%高かったが、2017年には韓国の9.8%の半分未満まで下落した
 
<ref>{{Cite news|url=http://news.mk.co.kr/news/headline/2018/167363|title=日本青年失業率、5年ぶりに韓の半分に 落ちた理由は|newspaper=毎日経済新聞|date=2018-03-14}}</ref>。
 
 
2018年1月に失業率は2.4%と、25年前の1993年並みの水準となった。日本経済新聞や中央日報などは日本の景気拡大が6年目も維持されると報道
 
<ref>{{Cite news|url=http://japanese.joins.com/article/462/239462.html|title=賃上げした企業に法人税優遇…安倍首相の「精巧な政策」|newspaper=中央日報Web|date=2018-03-12}}</ref>。
 
 
=== 条件付の肯定 ===
 
[[ジョセフ・E・スティグリッツ]]は、日本政府がアベノミクスで彼の10年前に推薦した政策を採用することを歓迎し<ref>[http://archive.is/ehdbU 【変わるかニッポン】(3)産経新聞ニューヨーク駐在編集委員・松浦肇 (1/3ページ)] SankeiBiz(サンケイビズ) 2012年12月19日</ref>、「円高を是正して景気を刺激し、本格的なデフレ対策を打つという意図は正しい」と述べ、大胆な金融緩和や財政出動を柱とする安倍政権の経済政策を評価している<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2506V_V20C13A1EA2000/ アベノミクス「一定の効果」 スティグリッツ教授 円高是正のデフレ対策を評価] 日本経済新聞2013年1月26日0:27電子版</ref>。また、第一の矢である金融緩和と第二の矢の財政出動に対しては全面的に支持しているが、第三の矢(現状では規制緩和を旨とする規制改革と雇用の流動化などの構造改革)には警戒感を持っているとされる<ref>{{Cite news|title=3/21/2013 Joseph Stigltiz, Professor, Columbia University|newspaper=[[NHK BS1]]|date=2013-03-22|author=飯田香織|authorlink=飯田香織|url=http://www.nhk.or.jp/bizplus-blog/100/150051.html#more}}{{ref-en}}</ref><ref>{{Cite news|title=スティグリッツと安倍総理との会談|newspaper=三橋貴明の「新」日本経済新聞|date=2013-03-27|author=東田剛|authorlink=中野剛志|url=http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/03/27/korekiyo-37/}}</ref>。2013年3月21日に安倍首相と会談した際には、アベノミクスに対して懸念も表明する。[[NHK BS1]]でのインタビューでは、「日本には、自由化・規制緩和もアジェンダに加えるべきと考えている人達がいるから彼らには注意しなければならない」と答える。同年3月22日、スティグリッツは東京で記者団に対し、日本の金融政策を通じた円相場の押し下げは正しいことだとの認識を明らかにし、安倍首相の経済政策について楽観的な見通しを示した<ref>{{Cite journal|和書|date =2013-03-22|title =スティグリッツ氏:日本の金融政策通じた円相場押し下げ正しい|journal =[[ブルームバーグ (企業)|ブルームバーグ]]|url =http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90970900&sid=amBGAfKNXqQQ}}</ref>。スティグリッツは安倍首相の経済政策を評価する考えを示した上で「世界にはユーロ危機などの短期的な問題だけでなく、地球温暖化・格差拡大など長期的問題も残っている。成長戦略の中で、医療・教育など、長期的な課題に予算を振り向け、自立的な成長を目指すべきである」と述べている<ref>{{Cite news |title=首相 成長の恩恵を多くの人に|url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130321/k10013356421000.html |date=2013-03-21 |newspaper=NHKニュース |publisher=日本放送協会 |accessdate=2013-03-23 |archiveurl=http://megalodon.jp/2013-0322-1013-28/www3.nhk.or.jp/news/html/20130321/k10013356421000.html |archivedate=2013-03-23}}</ref>。
 
 
また、スティグリッツは、以下の通り主張している。
 
「安倍総理が掲げる三本の矢のなかでもっとも難しい三本目の矢の成長戦略については、持続可能な成長を促すためにいかにお金を使うか、これは非常に難しい問題である。イノベーションといえば、人が働くコストを省くことに焦点を合わせてきた。その結果、他方では高い失業率に悩まされている。これはパズルみたいなもので、失業率が高いときに、さらに[[失業]]者を増加させることにつながる、労働力を省くイノベーションを追求していていいのか。」<ref>{{Cite journal |和書 |author =ジョセフ・E・スティグリッツ|title =TPPと規制緩和を問い直す|publisher =集英社|journal =kotoba|volume =2013年夏号|url =http://shinsho.shueisha.co.jp/kotoba/tachiyomi/130604.html#3}}</ref>、「アベノミクスでは、拡張型の金融政策が必要だということを認識している。また強力な財政政策が必要であり、そして[[規制緩和]]など構造上の強力な政策が必要であるということを認識している。世界の中でも、包括的な枠組みを持っている数少ない国である。日本は公共債務が多い。予算の状況を改善しながら、同時に経済に対して刺激策を講じることができるかどうか。私はできると思っているが、それに成功するためには各々の政策を慎重に設計しなければならない。構造改革を考える際は、どのような大きな問題が日本の前に立ちはだかっているのか、またどんな構造改革によって効率を改善し、国民の幸せを改善できるのかを真剣に考えなければならない。そのため、人々は製造業からシフトしなければならない。だからこそイノベーションが必要になってくる。生産年齢人口の減少を調整した場合、日本は過去10年間、OECD諸国の中で最も成功している国の1つである。ここで必要なことは三本の矢と呼ばれる包括的な経済政策に関する行動計画である。まず金融政策はターゲットを絞ることで成功している。これを拡張型の財政政策で補完すべきである。そして規制をコントロールして、経済に刺激を与えることができるか。私は、こうした構造上の改革を日本が成し遂げ、持続可能な繁栄を遂げることができ、そして世界に対して模範を示すことができると信じている。」<ref>{{Cite news |title=ノーベル経済学者スティグリッツ氏が語る、米国資本主義の失敗と日本が取り組むべき課題|newspaper=ビジネス+IT|date=2013-11-27|url=http://www.sbbit.jp/article/cont1/27192?ref=131128bit}}</ref>
 
 
[[トマ・ピケティ]]は「安倍政権・日銀が物価上昇を起こそうしているその姿勢は正しい」とする一方で「2014年4月の消費増税は、景気後退につながった」と指摘している<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF19H05_Z11C14A2SHA000/ グローバル化に透明性を パリ経済学校教授・ピケティ氏]日本経済新聞 2014年12月22日</ref><ref>[http://diamond.jp/articles/-/64271 高橋洋一の俗論を撃つ! 全く退屈しないデータ満載の歴史書 ピケティの『21世紀の資本』を読む]ダイヤモンド・オンライン 2014年12月25日</ref>。
 
 
ポール・クルーグマンは「黒田東彦日銀総裁が、(2014年10月31日に)追加緩和を発表したが、称賛すべきことである。日銀・政府が実行してきたことは、消費税増税を除いてはすべて歓迎する。日銀が実行してきたことは斬新なことではなく、何年も前から私を含め欧米の専門家たちが実行するように促してきたことである。優先すべきことは、脱デフレのためになんでもやることであり、消費税増税以外の政策はその点で正しい」と指摘している<ref name="president201512a" />。クルーグマンは「どれだけ追加緩和を行ったとしても消費税増税はそれと真逆の政策であり、ブレーキをかけている状態となる」と指摘している<ref name="president201512a" />。
 
 
[[2016年]]に韓国の[[中央日報]]は「四年間、金融緩和・財政拡張・構造改革という3本の矢を放っているが1次目標のデフレーシヨンからも抜け出せていないので大局的に見ると日本経済を楽観する理由はない。とはいえ失敗したと見るのは誤算だ。キジの代わりに鶏は捕まえたと考えられる。もしアベノミクスがなければ日本経済の沈滞はさらに深刻だった」と評している<ref>[http://s.japanese.joins.com/article/172/222172.html?servcode=100&sectcode=140 「  【コラム】安倍首相の経済リーダーシップがうらやましい」],中央日報,2016年10月31日.</ref>。
 
 
=== 批判的反応 ===
 
[[エスワル・プラサド]]は「金融政策だけで日本経済の長期停滞から救うことは不可能であり、他の政策からの支援も必要である」「金融政策が効果を持つには、他の政策も役割を果たす必要がある。金融政策だけですべての負荷を支えようとすれば、政策の効果と副作用のバランスが崩れ、副作用が効果を上回ること可能性もある」と指摘している<ref>[http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYEA2U04E20140331 インタビュー:日本の金融政策偏重に副作用リスク=米コーネル大教授]Reuters 2014年3月31日</ref>。
 
{{仮リンク|BMIリサーチ|en|BMI Research}}は安倍総理大臣と彼の自民党は、構造的な条件である、高い水準の[[日本国債|政府の財政の債務]]、[[日本の人口統計|人口減少]]、主要な{{仮リンク|産業の国際競争力|en|Global Competitiveness Report}}の喪失による、経済の重荷に対して為す術の見込みがなく、[[2020年]]までに財政的な危機を引き起こす極めて高いリスクがあると報告している。<ref>{{ cite web | title =Japan Country Risk Report | url =https://store.bmiresearch.com/japan-country-risk-report.html | date =2017-10-01 |accessdate =2017-10-01 | quote ="Prime Minister Sinzo Abe and his Liberal Democratic Party( LDP ) are unlikely to deliver a sustainable recover of the Japanese economy and adress the country's structural woes. These include a clossal national debt burden, demographic decline, and the loss of competitiveness of Japan's key industries. There is a high risk of a fiscal crisis before 2020, and LDP's eventual replacement by new political forces....Abe's....'three arrows' of 'Abenomics'....represents the bolidest efforts in many years to rerire Japan's economy. Nontheless, 'Abenomics' reisks pushing the country towards a financial crisis over the coming ysars.(訳:安倍総理大臣と彼の自由民主党は日本経済の持続的な回復と国の構造的な苦悩の措置の見込みがない。これらは莫大な国家の負債の重荷、人口減少、日本の鍵となる産業の競争力の喪失を含む。財政上の高いリスクが2020年の前にあり、そして新しい政治的な影響力による自民党の政権交代が起こり得る。…安倍の(「アベノミクス」の「三本の矢」と呼ばれるものは)…日本の経済が復活するよう数年にもわたり大胆な効果を現した。それでもなお、国に圧力をかける「アベノミクス」のリスクは来る数年にわたり金融危機に向かう。)"}}</ref>
 
 
==== 韓国 ====
 
[[中央日報]]は「円安は[[大韓民国|韓国]]の輸出鈍化につながりかねない<ref name="japanesejoins20121218">[http://japanese.joins.com/article/113/165113.html 「アベノミクス」の襲撃、韓国の輸出に影響の可能性(1)] 中央日報 2012年12月18日</ref>」「円安により韓国の輸出品の競争力に及ぼす影響は大きくないとみる専門家も多い<ref>[http://japanese.joins.com/article/114/165114.html?servcode=300&sectcode=300 「アベノミクス」の襲撃、韓国の輸出に影響の可能性(2)] 中央日報 2012年12月18日</ref>」と報じた。また、[[朝鮮日報]]は「韓国の輸出企業は円安[[大韓民国ウォン|ウォン]]高が続くのではないかと緊張感を強めている」と報じた<ref name="wchosunonline" />。
 
 
韓国の金仲秀中銀総裁は、日銀の決定に問題があると指摘し「為替水準が影響を受ける。変化のスピードも問題。動きが急過ぎる」と述べている<ref name="reuters2012129">[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE90R01520130128 円安めぐる日本批判、G20で中心議題にならない見通し=当局者] Reuters 2013年[[1月29日]]</ref>。
 
 
2013年(平成25年)[[2月19日]]、韓国政府はジュネーヴで開かれた[[世界貿易機関]](WTO)の貿易政策審査会合で「円安誘導政策が疑われる」と日本を批判している<ref>[http://web.archive.org/web/20130302223050/http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130302/fnc13030217000000-n1.htm 【漢江経済リポート】円安…反日感情の火に油 国際競争力低下懸念 高まる不満+ (1/2)]MSN産経ニュース 2013年3月2日(2013年3月2日時点のインターネット・アーカイブ)</ref>。
 
 
韓国では「アベノミクス」によるデフレ対策に伴う円安進行に対する「円安脅威論」が過熱し、韓国メディアは「円安は沈黙の殺人者」(中央日報)などと批判している<ref name="jcast2013228">[http://www.j-cast.com/2013/02/28167311.html 韓国で「アベノミクス」批判が過熱 「円安は沈黙の殺人者」と反日煽るメディア]J-CASTニュース 2013年[[2月28日]]</ref>。一方で為替市場をめぐっては、韓国の金融当局が「覆面介入」してウォン安誘導しているとの疑念が付きまとっていた<ref name="jcast2013228" />。
 
 
なお、[[朴槿恵]][[大韓民国大統領|韓国大統領]]が掲げる[[経済政策]]を指して[[クネノミクス]]と呼ぶことがある。
 
 
==== ドイツ ====
 
ドイツの[[ヴォルフガング・ショイブレ]]財務相は「日本の新政権の政策に、大きな懸念を持っている」と発言し、大胆な金融緩和策を批判した<ref>[http://archive.is/TZ3pR 「アベノミクス」に大きな懸念=独財務相]時事ドットコム 2013年[[1月17日]]</ref>。[[ドイツ連邦銀行]]のワイトマン総裁は「新政権が中銀に大きく干渉し、大胆な金融緩和を要求して独立性を脅かしている」などと批判した<ref>[http://archive.is/M8ebu アベノミクスを痛烈批判=「中銀独立性脅かす」-独連銀総裁] 時事ドットコム 2013年1月22日</ref>。
 
 
==== 中国 ====
 
中国・[[新華社]]は日本銀行の金融緩和策を「このような[[近隣窮乏化政策]]を進めれば、他国も追随せざるを得なくなり、世界的な[[通貨戦争]]が巻き起こる可能性がある」と危惧した<ref>[http://realtime.wsj.com/japan/2013/01/24/%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e3%80%81%e6%97%a5%e9%8a%80%e6%94%bf%e7%ad%96%e3%81%ab%e6%a8%aa%e3%82%84%e3%82%8a/ Japan Real Time 中国、日銀政策に横やり] ウォールストリートジャーナル日本版2013年1月24日</ref>。
 
 
2013年[[3月4日]]、中国の格付け会社「大公国際資信評価」は、アベノミクスで日本は財政状況が悪化するとして、[[日本国債]]の信用格付けを引き下げを発表した<ref name="sponichi201334">[http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/03/04/kiji/K20130304005322570.html アベノミクスを酷評 中国格付け会社、日本国債格下げ] スポニチ Sponichi Annex 2013年 3月4日</ref>。大公はアベノミクスでは日本経済の構造上の問題は解決できず「日本の長期的な低迷は続く」と酷評し、「日中両国の政治的対立がもたらすマイナスの影響にも注目する必要がある」と指摘した<ref name="sponichi201334" />。中国では円安に伴って[[人民元]]が上昇し、中国の輸出競争力を低下させるとの警戒感が広がっており、当局者・有識者の間でアベノミクスへの批判が高まっている<ref name="sponichi201334" />。
 
 
中国の政府系ファンド、中国投資(CIC)の高西慶社長は日銀の金融緩和策について、意図的な円安誘導であり、「(中国など)近隣諸国をごみ箱のように扱い、通貨戦争を始めれば、他国にとって危険であるだけでなく、最終的には自らにも害が及ぶ」と強く批判している<ref>[http://archive.is/Nwzta 円安誘導と日本批判=中国政府系ファンド社長] 時事ドットコム 2013年 3月7日</ref>。
 
 
新華網は、「アベノミクス」は長期的な特効薬とは言えず、その各政策は、日本経済の問題の根本的な解決にならないとしており、日本経済に副作用をもたらしているとしている<ref>[http://j.people.com.cn/n/2015/0104/c94476-8831147.html 「アベノミクス」の副作用、日本経済の不安の種に]人民網日本語版 2015年1月4日</ref>。
 
 
なお、[[李克強]][[首相]]が掲げる[[経済政策]]を指して[[リコノミクス]]と呼ぶことがある。
 
 
==== アメリカ ====
 
2013年[[6月6日]]、[[アメリカ合衆国下院]]の与野党議員226人は、日本を主要な[[為替操作国]]と名指しし、安倍首相の政策は「市場を歪めている」として対応を求める連名の書簡を[[バラク・オバマ]]大統領に送った<ref>[http://www.afpbb.com/article/economy/2948678/10863785 米議員226人、大統領に為替操作対応求める 日本を名指し]AFPBB News 2013年6月7日</ref>。
 
 
2013年10月1日、ウォール・ストリート・ジャーナルは社説で、安倍首相が2014年4月からの消費税率引き上げを決めたことについて「アベノミクスを沈没させる恐れがある」と批判し、デフレが克服されていない状況で消費に打撃を与えるべきではないと強調した上で「より速く、持続的な経済成長」こそが財政健全化の唯一の方策だと主張している<ref>[http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013100200682 「アベノミクス、沈没も」=米WSJ、消費増税決定を批判]時事ドットコム 2013年10月2日</ref>。
 
 
=== 批判的意見への反論 ===
 
ポール・クルーグマンは「大胆な金融緩和をするとハイパーインフレになってしまうというものだが、まったく的外れである。日本と同じように金融緩和をしているアメリカでハイパーインフレは起こっていない」「大規模な財政出動をやると財政悪化につながるという批判もあるが、現実をきちんと見ていない批判といえる。日本の長期金利は1%未満の水準を超えておらず、政府の借り入れコストはほとんど変化していない。インフレ期待は高まっているのだから、政府の債務は実質的に減っていることになる。日本の財政見通しは、悪くなるというより大きく改善している」と述べている<ref name="gendai2013214" />。また円安について「[[G20]]で、各国は円安を許容せざるを得ないだろう。[[欧州中央銀行]]の[[マリオ・ドラギ]]総裁が懸念を示しても、日本に経済制裁を科すわけではない。アメリカも金融緩和でドル安を導いたと批判されてきたので何も言わない。日米ともに景気の現状を踏まえて、金融緩和を進めているに過ぎない。その結果としての通貨安である」と述べている<ref name="nhkbiz2013212" />。
 
 
[[ジョセフ・E・スティグリッツ]]は東京都内での国際会議で、アベノミクスの副作用が懸念されていることについて「実施しないほうが将来的なリスクになる」と述べている<ref>[http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000006360.html 消費税は消費を冷やす“悪い税金”ノーベル賞学者]テレ朝news 経済ニュース 2013年5月31日</ref>。
 
 
[[ニーアル・ファーガソン]]ハーバード大学教授は、2013年[[1月27日]]のフィナンシャル・タイムズへの寄稿で、日本の差し迫った経済状況を考えれば、国際社会は円安政策をある程度受け入れるべきであり、むしろ過去5年間に実質的な通貨価値が大幅に下落した[[韓国]]が日本を非難するのは偽善的だと述べた<ref>[http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/28/2013012800368.html 「円安非難は偽善」米経済学者が韓国批判] 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版2013年[[1月28日]]</ref>。
 
 
フィナンシャル・タイムズ紙は「中央銀行の金融政策が経済にとって有害である時に政府が中央銀行と意見を交換するのは適切なことで、バイトマン総裁の批判は的外れである」と評している<ref>[http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37002 社説:インフレへの第一歩を踏み出した日銀] JBpress(日本ビジネスプレス) 2013年[[1月24日]]</ref>。
 
 
G20の当局者は「日本が競争的な(自国通貨)引き下げを図っていると論じることは出来ない」「介入が無い限り、政策期待で市場が動いているだけ」と指摘している<ref name="reuters2012129" />。
 
 
OECDのグリア事務総長は、日本は円安だけを求めているのではなく、デフレを克服するため行動していると述べ、一部から円安誘導策との批判が出ている日本の積極的な金融緩和策を擁護する考えを示し、「日本が成長を遂げることは、誰にとっても最大の利益になる。特に韓国にとっては重要である。日本の成長が高まり、世界経済に寄与することを望む」と述べた<ref>[http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE91401W20130205 OECD事務総長が円安に理解、「状況見守る余地」] Reuters 2013年[[2月5日]]</ref>。
 
 
IMFはモスクワで開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議向けの報告書を公表し、円安をめぐる懸念は行き過ぎとの認識を示し、日銀は一段の決意でデフレ脱却に取り組むべきと指摘した<ref>[http://jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPJT833841120130221 円安めぐる懸念は行き過ぎ=IMFのG20報告書] Reuters 2013年2月22日</ref><ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2201N_S3A220C1EB1000/ IMFがドル安を指摘 通貨安競争は「誇張」] 日本経済新聞 2013年2月22日</ref><ref>[http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130222-OYT1T00626.htm 通貨安競争の懸念は「誇張」…IMF報告書] YOMIURI ONLINE(読売新聞) マネー・経済 経済ニュース 2013年2月22日</ref>。
 
 
FRBのベン・バーナンキ議長は「日銀が何も実施していなかった当時の市場は不安定ではなかったことを考えると、日銀の政策変更の結果として市場が不安定になったと考えるのは論理的である。デフレ期待を壊し物価上昇率を2%に上げるため、日銀は非常に積極的な政策を実施している。政策の初期段階では、投資家は日銀の政策による反応を学んでいる状態で市場が不安定になるのは驚くべきことではない」と述べている<ref name="nikkei2013620" />。また、中国は[[人民元]]を割安な水準で維持しようと為替操作しているとして、日本と中国の金融政策の違いを明確にし「日本は為替レートを操作していない。また為替水準を維持しようと直接介入することもない」と述べている<ref name="bloomberg2013718" />。
 
 
=== 警告・問題点の指摘 ===
 
ポール・クルーグマンは「せっかくアベノミクスを始めたのに、いまこの時期に消費税を増税することは、日本経済の復活のために、何のプラスにもならない。いまは消費税増税を我慢し、2%の物価目標の達成に、全力を注ぐべき時である」と指摘していた<ref>[http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36429 経済の死角 ジム・ロジャーズ、ポール・クルーグマン、J・ガルブレイスほか 米国の著名な学者・投資家30人が一挙登場!全国民必読 7・21参院選「自民圧勝」から、何かが変わる 日本人への警告「宴は終わる、これは出口が見えないトンネル]現代ビジネス 2013年7月16日</ref>。クルーグマンは「8%への消費増税を決定したことにはがっかりした。本来なら、デフレを完全に脱却してからやったほうが安全である。ちょうど光が見えかけていたのに、増税によって消費が落ち込む可能性がある<ref>[http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37296 経済の死角 【独占インタビュー】ノーベル経済学賞受賞ポール・クルーグマン 日本経済は、そのときどうなるのか]現代ビジネス 2013年10月21日</ref>」「すでに消費増税という『自己破壊的な政策』を実行に移したことで、日本経済は勢いを失い始めている。このままいけば、日本はデフレに逆戻りするかもしれない<ref>[http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40411 経済の死角 本誌独占インタビュー ノーベル賞経済学者クルーグマン 「日本経済は消費税10%で完全に終わります」]現代ビジネス 2014年9月16日</ref>」と述べている。また、消費税増税に関して日本政府へ警告を発し<ref name="WSJ2014sep19PK">[http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2014/09/19/krugman-warns-abe-on-tax-increase/ Krugman Warns Abe on Tax Increase]J. D'amico, Japan, The Wall Street Journal, 19 Sep 2014 </ref>、消費税を10%に上げれば日本はデフレーションに逆戻りするとして、日本政府は消費税率を5%に戻しインフレ期待の醸成に専念するべきであると述べた<ref name="WSJ2014sep19PK" />。
 
 
ジョセフ・E・スティグリッツは、経済の回復が安定状態に入る前に消費税率を引き上げる安倍首相の戦略のせいで、日本経済は2014年、失速の危機に見舞われるだろうと述べている<ref>[http://newsphere.jp/economy/20140125-3/ “消費増税で日本経済失速の危機に” ノーベル賞スティグリッツ教授が警告]NewSphere(ニュースフィア) 2014年1月25日</ref>。
 
 
2014年[[3月12日]]、ロバート・シラーは都内の講演で、安倍首相と面会し、アベノミクスに感銘を受けていると話したとする一方で、市場は人々の心理に依存するためアベノミクスの成功がいつまでも続く保証はないと指摘した<ref name="reuters2014312">[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA2B04G20140312 アベノミクス、いつまでも成功続ける保証ない=シラー・イエール大学教授]Reuters 2014年3月12日</ref>。
 
 
[[UBS]]銀行ウェルス・マネジメントは「アベノミクス」が失敗すれば[[スタグフレーション]]に突入すると述べている<ref>{{Cite web|url=http://www.zaikei.co.jp/article/20130606/134661.html|title=「アベノミクス」が失敗なら「アベゲドン」に転覆する可能性|publisher=財経新聞|date=2013-06-06|accessdate=2013-06-06}}</ref>。
 
 
2013年[[10月1日]]、新華社は安倍首相の消費税率引き上げ表明について「国際社会の日本の財政状況に対する関心に答えた」と評価する一方で「ようやく回復してきた日本経済の勢いをそぐ恐れがあると心配されている」と報じている<ref>[http://sankei.jp.msn.com/world/news/131001/chn13100121070006-n1.htm 【消費税8%】中国国営メディア「国際社会の関心に答えた」と評価]MSN産経ニュース 2013年10月1日</ref>。同日、中国紙[[チャイナデイリー]]は消費税率8%引き上げのニュースについて「安倍首相が民衆の抗議デモを無視し消費税の引き上げ決断」とのタイトルで報じた<ref>[http://www.xinhua.jp/socioeconomy/photonews/361175/ 日本の消費税引き上げに中国メディアが報道、 「民衆の抗議を無視し安倍首相が決断」]XINHUA.JP 2013年10月2日</ref>。
 
 
ウォール・ストリート・ジャーナルは「2014年4月1日からの消費税率の引き上げ敢行という決断は、安倍首相が前任者たちと同様に、財務官僚とケインズ主義経済学の囚人だということを露呈させた」「景気刺激策を装った公共支出は、過去20年にわたって成果を上げていない。それでも安倍首相は増税と公共支出で日本に繁栄をもたらせると信じている」と述べている<ref>[http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304827404579110282995365514.html 【社説】消費増税に邪魔されるアベノミクス] WSJ.com 2013年10月2日</ref>。公共事業支出や低所得者層への現金配布などの景気刺激パッケージについて、7.5兆円と予想される増税での増収を帳消しにしてしまうと述べている<ref>[http://newsphere.jp/politics/20131001-3/ アベノミクス最初のエラー 消費税増税に海外紙から厳しい声]NewSphere(ニュースフィア)2013年10月1日 </ref>。
 
 
2014年[[9月21日]]、アメリカの[[ジェイコブ・ルー]]財務長官は、G20財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後の記者会見で、日本について、消費税率を4月に8%に引き上げて以降、個人消費・投資が落ち込んでおり、「経済活動の縮小による困難に直面している」と懸念を示した<ref>[http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140921/fnc14092113330002-n1.htm 日欧の成長鈍化 ルー米財務長官「期待外れ」]MSN産経ニュース 2014年9月21日</ref><ref>[http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140922/frn1409221532007-n1.htm 消費増税 米もダメ出し 財務長官が「失望」表明]ZAKZAK 2014年9月22日</ref>。
 
 
2014年[[11月17日]]、日本の2014年7-9月期のGDP速報値が2四半期続けてマイナス成長となったことについて、[[ワシントン・ポスト]]は「日本が景気後退入り」と報じ、ウォールストリート・ジャーナルは「景気後退とみなされる」と報じた<ref>[http://www.47news.jp/CN/201411/CN2014111801001041.html 米紙「日本景気後退」と一斉報道 GDPマイナス成長で]47NEWS(よんななニュース) 共同通信 2014年11月18日</ref>。
 
 
北京大学経済学部の[[方明]]は「アベノミクスによって、日本経済は[[スタグフレーション]]に陥るだろう」と述べている<ref>[http://j.people.com.cn/n/2015/0120/c204149-8838412.html 中国の専門家、安倍氏の政治・経済政策を論じる著書を出版]人民網日本語版 2015年1月20日</ref>。
 
 
==== IMF ====
 
国際通貨基金のラガルド専務理事は「IMFは、いかなる形でも通貨安競争に賛同しない」と発言した<ref name="sankei2013118" />。
 
 
2013年[[7月9日]]、IMFの[[オリヴィエ・ブランチャード]]主任エコノミストは「2本目の矢(の財政出動)が中期的な財政再建策を伴わず、三本目の矢に抜本的な改革が盛り込まれなければ、投資家は懸念を強め、国債金利は跳ね上がるだろう」と述べ、アベノミクスが世界経済へのリスクになり得ると指摘した<ref>[http://jp.reuters.com/article/jpmarket/idJPL4N0FF3QO20130709 〔外為マーケットアイ〕ドル101円前半、IMF「アベノミクス、世界経済のリスクとなりうる」] ロイター 2013年7月10日</ref>
 
 
2013年[[7月16日]]、ラガルド専務理事は日米英ユーロ圏中銀の非伝統的措置について、資本フローに影響を与えたと指摘し、その解除については段階的に慎重に行われるべきだとの見解を示した<ref>[http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE96F07720130716 日米欧中銀の非伝統的措置解除は慎重に行われるべき=IMF専務理事]Reuters 2013年7月16日</ref>。
 
 
2013年[[8月1日]]、IMFは世界経済のリスクに関する年次評価報告書を発表し、アベノミクスが失敗すれば世界経済にとって主要なリスクの一つになると警告している<ref name="wsj201382">[http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323451804578642771528833686.html アベノミクス、失敗すれば世界経済の主要リスクに―IMFが警告]WSJ.com 2013年8月2日</ref>。IMFは、アベノミクスについて大筋で支持し、計画が完全に実施されれば効果を上げるだろうとしながらも、政治的に困難な部分について実施に移せなければ、深刻な危機をもたらすと分析している<ref name="wsj201382" />。
 
 
2014年[[10月15日]]、アメリカ財務省は為替報告書で、アベノミクスについて「大幅な円安にもかかわらず、輸出が伸び悩んでいることは意外である」「3本の矢はデフレから脱却する力強い試みだったが、ここに来て(2本目の矢の一環の財政再建が)経済成長を妨げている」と公表した<ref name="reuters20141015">[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0I50FB20141016 米為替報告書の真意探る政府、「財政再建は慎重に」との指摘で]Reuters 2014年10月24日</ref>。また「財政再建ペースは慎重に策定することが重要である」と述べ、金融政策は「行き過ぎた財政再建を穴埋めできず、構造改革の代替にもならない」と公表した<ref name="reuters20141015" />。
 
 
== 日本政府の批判的意見への反論 ==
 
=== 国務大臣 ===
 
財務大臣の麻生太郎は「(2009年4月のG20加盟20カ国の首脳会談で)通貨安競争はやらないという約束をしたが、約束を守った国は何カ国あるのか。米国はもっとドル高にすべきだ。ユーロはいくらになったのか」と言及。1ドル=100円前後で推移していた当時に比べても円高水準にあるとした上で、約束を守ったのは日本だけだとし、「外国に言われる筋合いはない。通貨安に急激にしているわけではない」と述べた<ref>[http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324484504578208403917726338.html 欧米は自国通貨安を放置したが日本は通貨安政策取っていない=麻生財務相] WSJ.com 2012年12月29日</ref><ref>[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MFS7TA6K50XS01.html 麻生財務相:通貨安にしているわけではない] Bloomberg 2012年12月29日</ref><ref>[http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130105/mcb1301050502009-n1.htm 先進国間で通貨安競争 スイスに続け 安倍首相の介入で新局面 (1/3ページ)] SankeiBiz 2013年1月5日</ref>。2013年[[1月28日]]の臨時閣議後の記者会見は、各国で日本が通貨安政策をとっているとの批判が起きていることに「ドルやユーロが下がった時には(日本は)一言も文句を言っていない」と述べ、「戻したらぐちゃぐちゃ言ってくるのは筋としておかしい」と反論した<ref name="nikkei2012128b">[http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2800F_Y3A120C1EB2000/ 円安政策批判「筋としておかしい」 麻生財務相が反論] 日本経済新聞 2013年1月28日</ref>。円相場については、安倍政権がとった施策を受けて「結果として安くなったもの」と分析。過度な円高の修正局面だとの認識を示した<ref name="nikkei2012128b" />。また「日本は(金融危機だった)欧州の救済のために融資するなど、やるべきことをやっている」と付け加えた<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130128-OYT1T00555.htm 欧米の円安誘導懸念、筋としておかしい…麻生氏] YOMIURI ONLINE(読売新聞)マネー・経済 経済ニュース 2013年1月28日</ref>。
 
 
=== 内閣参与 ===
 
内閣官房参与の浜田宏一は「麻生副総理も言っておられたように、今まで日本だけが我慢して他国にいいことを続けてきたのに、今自国のために金融緩和しようとするときに、他国に文句をつけられる筋合いはない。日本の金融政策は日本のためであり、ブラジルや他国のためではない」と述べている<ref>[http://diamond.jp/articles/-/30804 浜田宏一・内閣官房参与 核心インタビュー 「アベノミクスがもたらす金融政策の大転換 インフレ目標と日銀法改正で日本経済を取り戻す」] ダイヤモンド・オンライン 2013年[[1月20日]]</ref>。また浜田は「日本はこの3年間、世界中からいいように食い物にされてきた。今回は、それをようやく正常な形に戻すことに決めたということである。それを海外が非難すること自体、おかしなことで、日本はそうした非難を恐れる必要はない」と述べている<ref name="gendai201326">[http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34773 経済の死角 「安倍バブル」の教祖浜田宏一が大いに語る「1ドル100円、日本は甦る」] 現代ビジネス 2013年[[2月6日]]</ref>。2013年[[2月15日]]にピーターソン国際経済研究所でおこなった講演では、日本の金融政策は国内の物価目標の達成のみを目指したもので、円相場を操作していると解釈されるべきではないとの見解を示した<ref name="reuters2013216">[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE91E00V20130215 日本の政策、国内の物価目標達成が目的=浜田内閣官房参与] Reuters 2013年[[2月16日]]</ref>。また[[リーマン・ブラザーズ]]破綻後の金融危機時に、日本はイングランド銀行やFRBが行った拡張的な金融政策を批判しなかったとし、日本の積極的な金融政策も非難されるべきではないというのが日本当局者の見解と述べた<ref name="reuters2013216" />。また、「変動相場制の下では『通貨安戦争』という概念はない」と述べ、「ブラジルのように不満のある国は、自らの国で適切な金融政策を採用すべきである」と指摘した<ref>[http://sp.mainichi.jp/m/news.html?cid=20130216k0000e020176000c 浜田氏:「通貨安競争」を否定 デフレ脱却を強調]毎日新聞 2013年2月16日</ref>。同年5月には、韓国について「日本の中央銀行を非難するべきではなく、自国の中央銀行に適切な金融政策を求めるべきである」と語った<ref>[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MNHXYP6JIJWQ01.html 浜田参与:日銀は必要なら一段の緩和を-インタビューで語る]Bloomberg 2013年5月28日</ref>。
 
 
=== 日本銀行 ===
 
2013年[[2月14日]]、日銀の[[白川方明]]総裁は、金融政策決定会合後の記者会見で「(金融緩和)は国内経済の安定が目的で、為替相場への影響を目的にしているわけではない」と述べ、先進国の一部や新興国による「円安誘導」との指摘を否定した<ref>[http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013021401001488.html 日銀総裁、円安誘導を否定 「緩和の手綱緩めず」] 47NEWS(よんななニュース) 共同ニュース 2013年2月14日</ref><ref>[http://web.archive.org/web/20130521235034/http://mainichi.jp/select/news/20130215k0000m020026000c.html 日銀:白川総裁 金融緩和での「円安誘導」懸念を否定] 毎日jp(毎日新聞) 2013年2月14日(2013年5月21日時点のインターネット・アーカイブ)</ref>。
 
 
== 日本国内の識者の見解 ==
 
;経済学者
 
[[同志社大学]]大学院の[[浜矩子]]教授([[国際経済学]]・国際金融論)は、アベノミクスを「アホノミクス」と称している。浜によれば、株や[[不動産]]の価格が上がる[[バブル]]は起きるものの、[[庶民]]が生活に必要とする商品の物価は上がらずデフレになるとしており、得をするというのは富裕層のみであり、庶民にとっては厳しい経済状況になるとしている<ref>[http://toyokeizai.net/articles/-/14072 「アホノミクス」が5つの悲劇を引き起こす! | インタビュー | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト]</ref>。また、アホノミクスの結果、[[バブル]]の[[ムード]]が起き人々はたぶらかされるようになるとしている。[[株価]]が上がり続けて騒がれているのは、何となく安倍ならばやってくれるというムードからであるとしている。[[企業]]の業績が伸びたり[[サラリーマン]]が昇給となっているのは、一部の[[大企業]]のみであるとしている<ref>[http://jisin.jp/serial/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84/POL/7243 「バブルを煽る“アホノミクス”は0点」と同志社大教授(政治関連) - 女性自身[光文社女性週刊誌]]</ref>。
 
 
経済評論家の[[植草一秀]]は、アベノミクスや外交政策、軍事政策によって引き起こされる日本国民、日本経済の危機、損失([[リスク]])、「アベノリスク」と批判し、アベノミクスの「三本の矢」を「[[七つの大罪]]」と表現している<ref>植草一秀著『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪』([[講談社]]、2013年)</ref>。
 
 
経済アナリストの[[森永卓郎]]は、アベノミクスを「アベノリスク」と呼び、安倍政権によって悪夢のような[[格差社会]]、利権社会がやってくるとしている。森永は「2013年7月の[[参議院選挙]]後、アベノミクスに沸く中、静かに進む社会変革。その動きは一気に加速する。安倍政権が目指すのは、超[[弱肉強食]]、かつ強烈な利権社会である。「そんなこと、おとぎ話だ、妄想だ」と躍起になって否定する人は多いだろう。体制側にいる人ならなおさらである。しかし、庶民にとっての悪夢が現実となってからでは遅いのである」と主張している<ref name="Abenorisk_002">{{Cite web | title = 庶民は知らないアベノリスクの真実 | publisher = [[角川マガジンズ]] | date = 2013-07-10 | url = http://www.kadokawa.co.jp/product/301306000399/ | accessdate = 2014-11-01}}</ref>。
 
 
[[早稲田大学]]政治経済学部の[[若田部昌澄]]教授([[経済学史]])は、「[[生活保護]]の切り下げは、アベノミクスの負の側面である」と指摘している<ref>田中秀臣編著 『日本経済は復活するか』 藤原書店、2013年、96頁。</ref>。
 
 
[[同志社大学]]商学部の[[服部茂幸]]教授([[数理経済学]])は、「円安となり株が上がっただけで、評価する点がない。第2の矢である財政政策の効果は認める」と指摘している<ref name="reuters20141121">[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J50L320141121 訂正-インタビュー:実質賃金目減り、企業は一段の円安望まず=服部教授]Reuters 2014年11月21日</ref>。
 
 
[[京都大学]]の[[伊東光晴]]名誉教授([[理論経済学]])は、「株価上昇と円高ドル安は、総選挙と安倍内閣の発足以前に始まっており、安倍・黒田政策の効果ではない」と指摘している<ref>伊東光晴「安倍・黒田氏は何もしていない」『世界』2013年8月号.</ref>。
 
 
[[東京大学]]の[[伊藤元重]]名誉教授([[国際経済学]])は、「アベノミクスの成果が大きかったことは株価・為替レート・物価上昇率・失業率や有効求人倍率などの雇用指標など、どれをとっても明らかである」と述べている<ref>[http://diamond.jp/articles/-/52235 伊藤元重の新・日本経済「創造的破壊」論 【最終回】アベノミクスの成長戦略でカギを握るのは、供給サイドではなく需要サイドの活性化]ダイヤモンド・オンライン 2014年4月28日</ref>。
 
 
[[慶應義塾大学]]経済学部の[[竹森俊平]]教授([[国際経済学]])は、「アベノミクスとはつまり、金融緩和だけである」とし、金融緩和政策が効果を発揮し、雇用が改善されていると述べている<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASH1M51JCH1MULFA01G.html 金融緩和で見えた日本の根本問題 竹森俊平・慶大教授]朝日新聞デジタル 2015年1月20日</ref>。
 
 
[[明治大学]]政治経済学部の[[飯田泰之]]准教授([[経済政策]])は、「アベノミクスの一本目の矢は、決して金持ちの味方・貧乏人の敵ではない。所得に関しては中立であり、むしろ格差是正的な側面もある」と指摘している<ref>[http://synodos.jp/economy/11455 アベノミクスを成功させるために、消費税増税を先送りせよ /山本幸三×飯田泰之]SYNODOS -シノドス- 2014年11月5日</ref>。
 
 
[[立命館大学]]経済学部の[[松尾匡]]教授([[理論経済学]])は、「第三の矢は供給能力を高める政策、[[新自由主義]]政策である。第三の矢が景気を押し下げる効果は他の政策(第一、第二の矢)の景気拡大効果には及ばない」と指摘している<ref>田中秀臣編著 『日本経済は復活するか』 藤原書店、2013年、178-179頁。</ref>。
 
 
[[一橋大学]]の[[野口悠紀雄]]名誉教授(ファイナンス理論・日本経済論)は、「2013年から異次元金融緩和することで円安が起きてるが、2014年秋から追加金融緩和を実施したので、将来的に日銀の保有している国債は損失をもたらすだろう」と指摘している<ref>{{Cite news |title=アベノミクス:バブル崩壊25年 「結局、日本人はバブルから何も学んでいない」 |newspaper=毎日新聞<!-- 記事が掲載されているメディア名 --> |date=2015-03-26 |author=尾村洋介 |authorlink=尾村洋介 |author2=荒木功 |authorlink2=荒木功 |url=http://mainichi.jp/feature/news/20150326mog00m020002000c.html |accessdate=2015-10-16 |publisher=毎日新聞社 }}</ref>。
 
 
[[慶應義塾大学]]大学院の[[岸博幸]]教授([[経営戦略]]・[[経済政策]])は、「旧3本の矢が“全体を良くする”ことだけを目指していたのに対して、新3本の矢が“全体を良くする”ことと“全員を良くする”ことの二兎を追うことにしたというのは、少なくとも方向性としては評価できると思います」と述べている<ref>[http://diamond.jp/articles/-/79332 「新3本の矢」をあえて前向きに評価してみる]ダイヤモンドオンライン2015年10月2日</ref>。
 
 
;エコノミスト
 
株式会社[[日本総合研究所_(株式会社)|日本総合研究所]](JRI)副理事長の[[翁百合]]は、「株高・円安をさせ、人々のマインドを変えた効果は評価するが、量的緩和による直接的な効果は出ていない」と述べている<ref>[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NKF0LI6K50XV01.html 日本総研の翁氏:追加緩和は必要ない-国債買い増し副作用]Bloomberg 2015年3月2日</ref>。
 
 
[[片岡剛士]]は、「アベノミクスを全否定するということはあるべき経済成長のためのツール全てを否定することなる」、「日本のメディアには経済成長を否定しているところもあり、たとえば[[朝日新聞]]がアベノミクス批判を強めるのは、道理としては理解できる」と述べている<ref name="synodos2014128" />。
 
 
[[第一生命保険|第一生命]]経済研究所主席エコノミストの[[永濱利廣]]は、「『アベノミクス』というと特別・目新しい政策と受け取られるが、決してそうではない。アメリカをはじめ諸外国で実行されていたにもかかわらず、日本では踏み込んでこなかったことに、遅ればせながら取り組もうとしているに過ぎない」「1本目の金融政策は『異次元』と形容されるが、実際にはリーマンショック以降のアメリカやイギリスの先例に追随した、グローバルスタンダードな金融緩和である」と述べている<ref>[http://bizgate.nikkei.co.jp/article/7923115.html アベノミクスは"グローバルスタンダードな経済政策"]日経BizGate 2013年7月18日</ref>。
 
 
[[丸三証券]]経済調査部長の[[安達誠司]]は、「市場関係者とそれに近い経済学者の間では、『量的・質的緩和』に対する評判はすこぶる悪い。彼らの間ではアベノミクスの効果は、財政政策(公共投資の拡大)であって金融政策(量的緩和の拡大)ではないというのがコンセンサスになっている。(量的・質的)金融緩和は、金融政策のレジーム転換が大きな鍵を握っている」と述べている<ref>[http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38983 安達誠司「講座:ビジネスに役立つ世界経済」 【第42回】 為替レートを大きく左右する金融政策]現代ビジネス 2014年4月17日</ref>。
 
 
[[村上尚己]]は相対的貧困率の低下を根拠に、「(2017年時点で)日本の所得格差は縮小している」と述べている<ref>{{Cite web|url=http://toyokeizai.net/articles/-/201468|title=金融緩和で所得格差はむしろ「縮小」している |publisher=[[東洋経済]]|date=2017-12-18|accessdate=2018-03-01}}</ref>。
 
 
;その他の評論
 
[[漫画家]]の[[小林よしのり]]は、「アベノミクスはアホノミクスである」と批判しており、更に小林は安倍信者は「アベノモクズと消える」と述べている<ref>[http://yukan-news.ameba.jp/20131004-131/ 小林よしのり氏 「アホノミクス」「アベノモクズ」 - 夕刊アメーバニュース]</ref>。
 
 
[[中日新聞東京本社|東京中日新聞]]論説委員の[[長谷川幸洋]]は、「私自身は100点満点で70点と採点する。もちろん合格点である」「増税前までは実に3四半期連続で2.5%前後から3%の成長を遂げていた。この1点をみても、アベノミクスは4月まで完全に成功しており、ただ1つの失敗が消費増税だったことがあきらかだ。だからこそ、ここで軌道を戻す必要がある」と述べている<ref>[http://getnews.jp/archives/711605 アベノミクスを採点 100点満点の70点で合格と長谷川幸洋氏]2014.12.01 16:00 NEWSポストセブン </ref>。
 
 
元[[航空幕僚長]]の[[田母神俊雄]]は、「アベノミクス」を推進すると発言しただけで、株価が上がり、円高も是正された点を評価しており、アメリカによる情報戦に振り回されなかった政策であるとしている{{Sfn|田母神俊雄|2013|pp=106-109}}。
 
 
[[東京大学政策ビジョン研究センター]]講師([[国際政治学]])の[[三浦瑠麗]]は、アベノミクスは過小評価されているとしている。その理由として、安倍政権が進めている外交・安全保障政策は政治思想に直結するものであるためマスコミの取り上げ方も大きくなり、本来的にはリベラル的な経済政策であるアベノミクスを支持したいはずの左派勢力にとっては、安倍政権の思想的DNAが気に入らないのでイデオロギー的に支持できないのではないかとしている<ref>『日本に絶望している人のための政治入門』(文春新書) 三浦瑠麗 2015年出版</ref>。
 
 
[[経済評論家]]の[[上念司]]は、「大胆な[[金融緩和]]に加え、景気の下支えには政府の[[財政出動]]が必要」「私たちが一番恐れるべきは[[デフレ]]だ。アベノミクスの第1の矢は極めて正しい」と述べている<ref>[http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp2-20130502-1121010.html 経済ニュース アベノミクスに賛否両論]nikkansports.com 共同通信 2013年5月2日</ref><ref>[http://web.archive.org/web/20130503005427/http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130502/biz13050214180012-n1.htm アベノミクスに賛否両論 参院予算委の公聴会]MSN産経ニュース 2013年5月2日(2013年5月3日時点のインターネット・アーカイブ)</ref><ref>[http://archive.is/nyaj8 アベノミクスに賛否両論=13年度予算案公聴会-参院]時事ドットコム 2013年5月2日</ref>。
 
 
神戸大学名誉教授の[[浦部法穂]]は、「『アベノミクス』なるものによって極端な円高が是正され、輸出企業の業績が回復して株高にもつながった、として、なにやら景気が良くなったような雰囲気が作り出されている。それで多くの国民の生活が楽になったわけではないのに、そういう雰囲気が「右翼の軍国主義者」([[ハーマン・カーン賞]]受賞の際の安倍の挨拶)の首相への支持につながっているのであろう。多くの国民は、彼が「右翼の軍国主義者」であるから支持しているというわけではない。彼の経済政策によって景気が良くなり自分たちの生活も楽になるかもしれない、という期待で支持しているのだと思う。だが、話は古くなるが、600万人もの失業者を抱えていた1930年代のドイツで、1933年1月にヒトラーが政権について以後わずか3年で完全雇用の状態に改善され、そうした経済政策上の成果がヒトラーに対する国民の大きな支持の一つの理由になった、といわれている。そうしてヒトラーを支持したドイツ国民が、その後どのような運命をたどったかは、語るまでもなかろう。「右翼の軍国主義者」を経済政策だけで支持していると、同じ目に遭うことになりかねない。」と批判した<ref>[http://www.jicl.jp/urabe/backnumber/20131007.html 「右翼の軍国主義者」] 浦部法穂の憲法時評2013年10月7日、[[法学館]]</ref>。
 
 
=== コストプッシュ・インフレ ===
 
株式会社[[アゴラ研究所]]代表取締役社長の[[池田信夫]]は、「アベノミクスが成功しても失敗しても円は下がる。輸出産業は安泰である一方、エネルギー・輸入品の価格の上昇によって、家計の負担は増える」と述べている<ref>[http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2013/01/post-608.php 池田信夫 コラム&ブログ 「アベノミクス」の演出した円安は日本経済を救うか]ニューズウィーク日本版 2013年1月4日</ref>。
 
 
Office『W・I・S・H』代表の[[岩本沙弓]]は、「円安株高が本当にアベノミクスだけでもたらされたのか疑問である。株高ドル高(円安)は、アメリカ発の要素が強いと考えるほうが現実的である」と述べている<ref>[http://president.jp/articles/-/8583 NEWS FILE 円安株高の真因は「アベノミクス」よりも「米景気回復」]PRESIODENTS Online - プレジデント 2013年2月14日</ref>。
 
 
[[BNPパリバ証券]]経済調査本部長・チーフエコノミストの[[河野龍太郎 (経済学者)|河野龍太郎]]は、「アベノミクスでは、デフレから脱却することで、日本経済が回復軌道に乗るというシナリオを描いていたが、2014年に実際に観測されたのは、円安によるインフレ上昇がもたらした景気減速であった」と述べている<ref>[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NJN6936TTDS601.html 日銀の追加緩和は逆効果、10月緩和は消費者マインドに悪影響]Bloomberg 2015年2月12日 </ref>。
 
 
[[アライアンス・バーンスタイン]]の[[村上尚己]]は、2014年10月時点で「企業倒産の数は全体として抑えられており、円安が原因で倒産した企業がごく僅かに増えたというのが正確な状況である」と述べている<ref>[http://toyokeizai.net/articles/-/50952 インフレが日本を救う 「急増する円安倒産」の真犯人は誰か]東洋経済オンライン 2014年10月20日</ref>。
 
 
[[日本経済研究センター]](JCER)参与の[[新井淳一]]は、「円安が定着すれば輸出は勝手に伸び始める。2014年12月の輸出数量は前年比で4%近い伸びとなっており、円安分を価格転換させ、市場開拓に努める企業が増えてきている」と述べている<ref>[http://www.jcer.or.jp/column/arai2/index.html 新井淳一の先を読むヒント  アベノミクス、800日後のチェックポイント]日本経済研究センター 2015年2月12日</ref>。
 
 
=== 公共事業 ===
 
[[ジャーナリスト]]の[[田村秀男]]は「経済は消費・投資・輸出の総体であり、経済成長の度合いはこれらの増加分で決まる。2013年の名目1%の経済成長に最も寄与したのは、公共事業など13%増額された公共投資である」と述べている<ref>[http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140223/fnc14022308280005-n1.htm 【日曜経済講座】アベノミクスは息切れなのか 編集委員・田村秀男] MSN産経ニュース 2014年2月23日</ref>。
 
 
経済学者の[[原田泰]]は「公共事業が、経済を下支えしているのではなく、経済効率を低下させている。第一の矢と第二の矢の相乗効果などはない」と指摘している<ref>[http://shuchi.php.co.jp/article/1805 法人税減税とTPPで復活する日本〔1〕]PHPビジネスオンライン 衆知 2014年2月10日</ref>。原田は「景気が良くなったのが、公共事業をしたことによってなのか判断しなければならないが、海外の好景気によって輸出が増えて景気が良くなることもあるし、技術革新によって画期的な新製品が多数登場し、景気が良くなることもありうる。そのような公共事業と無関係の要因を取り除いて、公共事業を増加させるとどれだけGDPが増えるのかを検証しなければならない」と述べている<ref>[http://shuchi.php.co.jp/article/1916 [アベノミクス第二の矢]ついに暴かれた公共事業の効果〔1〕]PHPビジネスオンライン衆知 2014年5月10日</ref>。
 
 
エコノミストの[[櫨浩一]]は「現在(2014年)の日本では、公共事業による景気対策を行っても建設労働者の不足で事業が執行できないという状況になっている。今回(2014年4月)の消費税増税後に予想されていた需要不足に対して、5.5兆円という規模の2013年度補正予算で対策を講じたはずであったが、GDP統計を見ると4-6月期には公共事業は実質で前期比年率2%の減少(寄与度はマイナス0.1%ポイント)となっており、需要の下支えにはならなかった。日本全体で建設関連の労働者不足が起こっており、公共事業を増やしても景気の下支え効果が期待できない状況になっている」と述べている<ref>[http://toyokeizai.net/articles/-/50175 読んでナットク経済学「キホンのき」 消費増税、影響が「想定内」でなかったワケ]東洋経済オンライン 2014年10月11日</ref>。
 
 
村上尚己は「建設セクターで人手・材料不足が起きているに、市場メカニズムを無視して、供給力を上回る[[公共工事]]の発注が実現している。増税によって集められた税収が、限定的なセクターに対して非効率に配分されている」と述べている<ref>[http://toyokeizai.net/articles/-/47356 インフレが日本を救う 消費増税先送りで、アベノミクスは復活する]東洋経済オンライン 2014年9月8日</ref>。
 
 
=== 雇用 ===
 
[[片岡剛士]]は「正規雇用の労働者数が減っているのというのは、団塊世代の正社員が退職している影響が大きく、単純に悪いことだとはいえません。非正規雇用の労働者数が増えているのは、本でも触れていますが2013年に増えたのは女性の30〜40代のパートタイマーです。(52ページ)。こういった人たちの多くは、民主党政権時代に起こったリーマン・ショックからの景気低迷で、職を失った人なんです。職を失った人が再び職を得られるようになったことを、非正規化の進行と理解するのは短絡に過ぎます。」と述べている<ref name="synodos2014128">[http://synodos.jp/newbook/11954 いいとこ取り野党」がなぜ現れないのか / 『日本経済はなぜ浮上しないのか』著者・片岡剛士氏インタビュー]SYNODOS –シノドス- 2014年12月8日</ref>。
 
 
=== 消費税 ===
 
[[浜田宏一]]は、アベノミクスの第1、第2の矢は需給ギャップを大きく改善させ「大きな役割を果たした」と評価する一方で、2014年4月の消費税率8%への引き上げは「ブレーキをかけた」と述べている<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IO0HW20141104 再増税延期を、アベノミクスへの信頼崩れる=浜田内閣官房参与]Reuters 2014年11月4日</ref>。
 
 
[[若田部昌澄]]は「(2014年4月の)消費税増税が人々の予想に負の影響を与えた。アベノミクスは振り出しに戻ってしまった」と述べている<ref>[http://jp.reuters.com/article/jp_view/idJPKBN0K70NF20141230 視点:景気楽観論は禁物、アベノミクス再起動を=若田部昌澄氏]Reuters 2014年12月30日</ref>。
 
 
本田悦朗は「個人消費、設備投資、住宅投資、インフラストラクチャー投資、すべて縮小してきている」と述べた<ref name="wsj2014sep8H">[http://online.wsj.com/articles/abe-adviser-warns-against-further-japan-sales-tax-increase-1410184009 Abe Adviser Warns Against Further Japan Sales-Tax Increase] The Wall Street Journal, World, 8 Sep 2014</ref>。本田は、アベノミクス効果が2013年度に比べて減弱しているとし、消費税の10%への増税施行は1年半程度遅らせるべきであると述べた。本田によれば、持続的な経済成長には賃金上昇が不可欠であり、この延期期間を賃金が上昇するための猶予期間にすることができるという<ref name="wsj2014sep8H" />。
 
 
[[片岡剛士]]は「アベノミクスを経済政策として支持していた人の多くは増税に反対しており、安倍首相の政策だからという理由で金融緩和・財政出動に反対していた人は増税に賛成している、という構図がある。アベノミクスという政策パッケージと消費税増税にはまったく関係がない。アベノミクスという経済政策の枠組みとは、成立過程がまったく別のものである」と述べている<ref>[http://synodos.jp/newbook/11949 消費税増税を延期しなければ、この国は瓦解していた / 『日本経済はなぜ浮上しないのか』著者・片岡剛士氏インタビュー]SYNODOS -シノドス- 2014年12月6日</ref>。
 
 
[[竹中平蔵]]は「アベノミクスは最初の1年半は、うまく行っていた。歯車を狂わせたのは、当初アベノミクスのメニューにはなかった消費増税(5%から8%)を2014年4月に実施したことである。実際に引き上げたら、景気は失速してしまった。しかも、マイナスの影響は予想以上に大きく、長期化した」と述べている<ref>[http://jp.reuters.com/article/jp_view/idJPKBN0K30C920141226 視点:成長と財政再建へアベノミクス「仕切り直し」の好機=竹中平蔵氏]Reuters 2014年12月26日</ref>。
 
 
=== 実質賃金の低下 ===
 
[[服部茂幸]]は「実質賃金が大きく下がり続けているのが安倍政権の特徴である。消費税増税前からマイナスが拡大しており、消費増税だけが原因ではない。日銀の金融緩和による物価上昇もその1つの要因である」と述べている<ref name="reuters20141121" />。
 
 
[[本田悦朗]]は、足元の実質賃金の減少は2014年4月の消費増税によるものとしており、「このままだと経済の好循環が確認できなくなる」と述べた<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0IB0D220141022 消費税再増税の延期は株価にプラス、最低1年半は見送りを=本田参与]Reuters 2014年10月22日</ref>。
 
 
[[片岡剛士]]は「名目所得の増加を超える物価上昇率の高まりによって、実質所得が低下していることを問題にするのであれば、早すぎた消費税増税を断行したことこそ批判すべきである」と述べている<ref>[http://diamond.jp/articles/-/63007 首相の消費税再増税延期は正しい決断 日本経済はギリギリで踏みとどまった-三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員 片岡剛士]ダイヤモンド・オンライン 2014年12月2日</ref>。
 
 
2015年2月4日、日銀の[[岩田規久男]]副総裁は、仙台市での金融経済懇談会の講演で「消費税引き上げによる実質賃金の引き下げ効果を除くと、一般労働者・パート労働者の実質賃金は前年比で大きく落ち込んではいない」「最終的に実質賃金は上昇に転じる」と述べている<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL04H6J_U5A200C1000000/ 岩田日銀副総裁、実質賃金「雇用の需給締まり上昇へ」]日本経済新聞 2015年2月4日</ref>。
 
 
=== 成長戦略 ===
 
[[中野剛志]]は、[[文藝春秋 (雑誌)|文藝春秋]]2013年六月号に、『竹中平蔵「[[成長戦略]]」と言う毒の矢』と言う記事を寄稿している。ジョセフ・E・スティグリッツの意見を引用しつつ([[#条件付の肯定]]、[[失われた20年#雇用の流動化に対しての批判]]参照)、「スティグリッツ的な[[ケインズ主義]]に向けさえすれば」と条件付で肯定しているのと同時に、「今のアベノミクスは内部に[[新自由主義]]とケインズ主義が混在すると言う矛盾を抱えている。そして成長戦略と言う三本目の矢は、明らかに新自由主義に向いている。それは日本の経済、社会、政治そして倫理の根幹をも腐らせる毒の矢になりかねない。日本経済がデフレ脱却するには数年の時間がかかるかもしれない。その間に公共投資悪玉論や財政健全化論が再燃し、新自由主義が支配的になった場合、日本の希望の灯火も消える。安倍首相が新自由主義者を退け、スティグリッツ氏の理論を取り入れる事を切に望みたい」とまとめている<ref>文藝春秋 2013年六月号、151頁。</ref>。
 
 
[[松尾匡]]は「第3の矢は、金融緩和の足を引っ張るだけである。そういうことが課題となるのは、[[完全雇用]]になった後である」と指摘している」と述べている<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASH2971TXH29ULFA043.html 左派こそ金融緩和を重視するべき 松尾匡・立命館大教授]朝日新聞デジタル 2015年2月16日</ref>。
 
 
== アベノミクス策定・遂行と成果・効果 ==
 
この項目では[[:en:New Public Management|ニューパブリック・マネジメント]](新公共経営、新公共管理、NPM)の視点から、アベノミクスの政策策定から成果・効果の測定までを行なう。この必要は、アベノミクス第三の矢の集大成である「日本再興戦略」(内閣府、2013年6月14日)でも言及されている<ref name="nihonsaiko">I.4. (1)「「成果目標(KPI)」のレビューによるPDCAサイクルの実施」およびII.一.3.①「アウトカムを重視したPDCAの積極的推進」</ref>。以下、個々の政策について、策定過程・実施・成果・評価を行なう。
 
 
=== インフレ目標 ===
 
約2年で2%のインフレ目標を達成する。
 
 
==== 政策策定過程 ====
 
アベノミクスの「第一の矢」が安倍自民党総裁の経済政策の第1の柱となった経緯は、比較的よく知られている。
 
 
; 安倍総裁のデフレ対策案
 
: 「デフレこそ諸悪の根源」と考える総選挙前の安倍総裁によりアベノミクスの第一の矢として採用された。その概要は、以下の通り。
 
:: (1) インフレ目標を2%に設定し、日銀法の改正も視野に、政府・日銀の連携強化の仕組みを作り、大胆な金融緩和を行う<ref>日経新聞2012.12.23「自民安倍氏、日銀法改正に言及 物価目標見送りなら」 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDY23007_T21C12A2000000/</ref>
 
:: (2) 名目3%以上の経済成長を達成する
 
:: (3) 財務省、日本銀行、および民間が参加する外債ファンドを創設し、外債購入の方策を検討する
 
 
安倍首相にこのような考えをもたらしたのは、リフレ論者で、安倍首相が官房副長官時代に内閣府の所長をしていた浜田教授という<ref>「ブレーン・浜田宏一氏が明かした「首相からの直電」秘話」『週刊朝日』2013年2月8日号 http://dot.asahi.com/news/politics/2013012800004.html</ref>。若田部昌澄によれば、自民党衆議院議員山本幸三が超党派の議員連盟「増税によらない復興財源を求める会」を作り、その会長に山本が安倍晋三を据えたことが発端という。安倍は、当初、半信半疑だったが、それが確信に変わっていく。そのあたりで自民党総裁選があり、安倍の後押しをしたのが山本らのリフレ派だった。その関係から、安倍は総選挙の最初から「金融緩和」を掲げた。これがアベノミクスの第一の矢になったという<ref>若田部昌澄(2013)「安倍内閣の経済政策とは何か/その全体像」『環』'''53'''(2013.Sring), pp.75-92.</ref>。
 
 
==== 政策実施 ====
 
安倍内閣は、大規模な金融緩和を唱えた黒田東彦を日銀総裁に指名した。黒田総裁は、総裁就任後の初の政策決定会合後の2013年4月4日の記者会見において、「量的・質的金融緩和」政策の概要を公表した<ref>黒田東彦 日銀総裁会見まるごと配信 </ref><ref name="hatsukaiken">日銀2013年4月5日「総裁記者会見要旨」http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2013/kk1304a.pdf</ref><ref>長谷川幸洋2013.4.5「アベノミクス第1の矢は放たれた! 黒田日銀が大胆な「量的・質的金融緩和」を打ち出し、今後の焦点はいよいよ"規制改革"に!」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35352?page=3</ref>。
 
 
物価目標を2年程度を掛けて年間2パーセントとするため、以下の5点にわたる政策を実施する<ref name="hatsukaiken" />。
 
:(1)日銀の市場操作目標を無担保コールレートから[[マネタリーベース]](日銀券+日銀当座預金+貨幣[硬貨])へ変更
 
:(2)2年後の日銀資産を現在(158兆円)の2倍近い290兆円にまで膨らませる。
 
:(3)買入れ資産対象を従来の短期国債中心から、中期国債その他に拡大する(平均残存期間を3年弱から7年程度に延長する)。
 
:(4)2パーセント程度のインフレが安定的に実現するまで継続する。
 
:(5)銀行券ルールを一時停止する。
 
この発表は、市場からは「驚き」をもって迎えられた<ref>Financial Times 2013.4.5「市場を席巻した黒田日銀」JB Press http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37531</ref><ref>吉松崇 2013.4.9「黒田日銀の衝撃――わずか2週間で成し遂げられた金融政策の「レジーム・チェンジ」!」WEBRonza http://astand.asahi.com/magazine/wrbusiness/2013040800006.html</ref><ref>賀来景英 2013.4.11「黒田日銀、「異次元緩和」の意味」WEBRonza、http://astand.asahi.com/magazine/wrbusiness/2013041000011.html</ref>。
 
 
==== 政策成果 ====
 
; 失業率
 
: 完全失業率 全国・季節調整済・速報値 総務省労働力調査
 
: 2012年11月4.1% 12月4.2%
 
: 2013年 1月4.2%  2月4.3% 3月4.1% 4月4.1% 5月4.1% 6月3.9%(2013年7月30日公表)
 
:2013年4.0%
 
:2014年3.6%
 
:2015年3.4%
 
:2016年3.1%
 
:2017年 3月2.8% 4月2.8% 5月3.1% 6月2.8%(2017年7月28日公表)
 
 
; 物価指数
 
: 消費者物価総合指数(前年同月比) 6月に入り始めてインフレ方向に転じた。内閣府統計局消費者物価指数
 
: 2012年11月-0.2% 12月-0.1%
 
: 2012年0.0%
 
: 2013年 1月-0.3%  2月-0.7% 3月-0.9% 4月-0.7% 5月-0.3% 6月0.2%(2013年7月26日発表)
 
:2013年0.4%
 
:2014年2.7% 目標達成
 
:2015年0.8%
 
:2016年-0.1%
 
:2017年 3月0.3% 4月0.4% 5月0.4% 6月0.4%(2017年7月28日公表)
 
 
; 実質GDP成長率<ref>[http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html 国民経済計算(GDP統計)] 内閣府</ref>
 
:2013年2.0%
 
:2014年0.3%
 
:2015年1.2%
 
:2016年1.0%
 
 
; 名目GDP成長率<ref>[http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html 国民経済計算(GDP統計)] 内閣府</ref>
 
:2013年1.7%
 
:2014年2.1%
 
:2015年3.3% 目標達成
 
:2016年1.3%
 
:2017年1.0%(2017/1〜3年率換算)
 
 
; 株価上昇
 
: {{要出典範囲|date=2016年7月12日 (火) 15:18 (UTC)|第二次安倍内閣の発足以前から見られたが、日経平均(日経平均株価225)は2012年11月末の9,446円から2013年6月末の13,677円まで約45パーセント上昇した。この間の最高値は、2013年5月23日の15,942円。オプション価格から計算される[[ボラティリティ]]指数(Implied Index)は、2012年11月末の25.8から2013年6月末の21.84に推移しているが、2013年5月23日から27日までボラティリティ指数が3日間にわたる高値が40%を超え、6月に入っても高値が40%を超える日が10日あった}}。
 
:; 5月末の株価大変動
 
:: 5月23日、一日で約1,500円の値幅(高値-低値)を記録した。5月末の株価大変動と円高で市場が乱高下し、経済金融アナリストの[[吉松崇]]はボラテイリティの増大を懸念している<ref>吉松崇 2013.5.30「アベノミクスと株価の関係を冷静に考える」WEBRonza http://astand.asahi.com/magazine/wrbusiness/2013053000001.html</ref>。
 
: 2017年3月末1万8909円26銭
 
; 消費需要の動き
 
:; 1月-4月
 
:: 百貨店の美術・宝飾・貴金属などの売上が上昇していると報道されている。実際、2013年1月〜4月の同売上は前年同月比で6.8%、8.6%、15.6%、18.8%上昇している。しかし、百貨店の総売上は0.2%、0.3%、3.9%、-0.5%と低迷している。同じように、同期間のスーパーの売上高は前年同月比で-4.7%、-5.5%、1.7%、-1.9%、同じくコンビニの売上高は-0.9%、-4.7%、-0.4%、-2.6%と前年に対し減少している。<ref>「アベノミクス“不況”? 増える低所得/貯蓄ゼロ家庭、スーパー/コンビニ売上減」Business Journal 2013.6.9 http://biz-journal.jp/2013/06/post_2274.html</ref>
 
:; 5月、6月
 
::; 全国百貨店2013年
 
::: 5月 対前年比 2.6%増
 
::: 6月 同 7.2%増
 
「全国百貨店売上高概況」<ref>http://www.depart.or.jp/common_department_store_sale/list</ref>各月による。
 
::; スーパー2013年
 
::: 5月 対前年比 0.2%増
 
::: 6月 同 2.8%増
 
「日本スーパーマーケットマンスリーレポート」<ref>http://www.jsa-net.gr.jp/report.php</ref>各月による。
 
::; コンビニ全店2013年
 
::: 5月 対前年比 4.1%増
 
::: 6月 同 5.5%増
 
::; コンビニ既存店2013年
 
::: 5月 対前年比 -1.2%増
 
::: 6月 同 0.1%増
 
「JFAコンビニエンスストア統計調査月報」<ref>http://www.jfa-fc.or.jp/particle/320.html</ref>各月による。
 
; 法人税率
 
:2012年25.5%
 
:2015年23.9%
 
:2016年23.4%
 
:2017年23.4%
 
 
=== 設備投資 ===
 
日本政策投資銀行の全国設備投資計画調査(2013年6月調査)によると、2013年度計画は、2012年実績に比べ、全産業で10.3%増、うち製造業10.6%増、非製造業10.1%増<ref name="setsubi">日本政策投資銀行・全国設備投資計画調査(大企業[資本金10億円以上] 2013年6月調査) 2013年8月5日発表
 
http://www.dbj.jp/investigate/equip/national/pdf_all/201308_plant.pdf</ref>。
 
 
なお、2011年度実績に対する2012年度実績は、全産業で2.9%増、うち製造業2.7%増、非製造業3.1%増であった。これに対し、2013年度実績に対する2014年度計画は、全産業で▲10.0%、うち製造業▲12.4%、非製造業▲9.0%と減少計画となっている。比較は、データが共通にある起業についてのみ行なわれ、2012年度実績は2,088社、2013年度計画は2,205社、2014年度計画は994社の共通回答に基づいている<ref name="setsubi"/>。
 
 
投資動機では、全産業2013年計画で能力増強39.5%、維持・補修21.4%、新製品・製品高度化9.5%、合理化・省力化7.1%、研究開発9.0%、その他18.3%となっており、「維持・補修」のウェイトが調査開始以来最大となっている<ref name="setsubi"/>。
 
 
企業の資金需要に関係する設備投資計画/キャッシュフローDIは2013年度計画で全産業▲40.3となっている(これは設備投資額がキャッシュフローを上回ると答えた企業数が29.9%、下回ると答えた企業70.2%を意味する)。これは企業の借入需要は回復していないとも、約1/3の企業で資金需要が出てきたとも解釈できる<ref name="setsubi"/>。
 
 
地域別(資本金1億円以上)でも2012年度実績にたいする2013年度計画は全国全産業で9.5%増となっているが、北海道と北関東では前年度実績を下回る計画となっている。逆に東海と四国では、増加率が20%を超えている<ref name="setsubi"/>。
 
 
=== 賃金低下 ===
 
2013年のフルタイム労働者の平均月額賃金が前年比から0.7%減少し、4年ぶりに賃金が前年を下回った事が厚生労働省の賃金構造基本統計調査(全国)によって判明した<ref>{{Cite news|url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2001Y_Q4A220C1PP8000/|title=首相要請も…月額賃金4年ぶり低下 13年0.7%減|publisher=日本経済新聞|date=2014-02-20|accessdate=2014-04-04}}</ref>。
 
 
また、非正規雇用者が2013年11月時点で1964万人と過去最多となる一方で、正規雇用者は2013年1月から11月までの間に26万人減少しており、雇用の質の悪化が進んでいる。2013年11月の正社員有効求人倍率は0.63倍にとどまっており、大半の新規求人は非正規である<ref>東京新聞朝刊2014年1月9日</ref><ref>{{Cite news|url=http://digital.asahi.com/articles/DA3S11213780.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11213780|title=(人手不足列島)雇用、増えるは非正社員ばかり 求人22年ぶり高水準でも|publisher=朝日新聞|date=2014-06-28|accessdate=2014-07-24}}</ref>。
 
 
2014年7月の実質賃金は前年比で6.2%落ち込んだ<ref>[http://abcnews.go.com/International/wireStory/japan-economy-contracted-71-percent-2q-25337327 Japan Says Economy Contracted 7.1 Percent in 2Q] E. Kurtenbach, ABCNews, 8 Sep 2014 </ref>。
 
 
{{要出典範囲|date=2017年4月15日|但し、景気回復期に於いて、雇用が数値的に改善される時は、低賃金から始まる新規就業者の雇用が増えるため、一時的に賃金の平均が下がることはあり得るとの見方もある。}}
 
 
=== 消費者態度 ===
 
内閣府の消費動向調査(2013年7月調査、8月9日発表)の総世帯・季節調整済み数値で消費者態度指数は<ref group="†">消費者態度調査は、今後半年間の見通しについて5段階評価で回答してもらい、5段階評価のそれぞれ「良くなる」に(+1)、「やや良くなる」に(+0.75)、「変わらない」に(+0.5)、「やや悪くなる」に(+0.25)、「悪くなる」に(0)の点数を与え、この点数に各回答区分の構成比(%)を乗じ、乗じた結果を合計して、項目ごとに消費者意識指標(原数値)を算出する。消費者態度指数(原数値)は、5項目の消費者意識指標のうち、「暮らし向き」、「収入の増え方」、「雇用環境」及び「耐久消費財の買い時判断」の4項目の消費者意識指標(原数値)を単純平均して算出する。報告書「利用上の注意」より。</ref>、5月45.6、6月44.3、7月43.6と2ヶ月連続で悪化している。一般世帯季節調整済みでは、5月45.7、6月44.3、7月43.6である<ref name="shohi">内閣府経済社会総合研究所景気統計部消費動向調査(平成25 年7月実施分)http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/2013/201307honbun.pdf</ref>。
 
 
回答の区分構成比は、下表の通り<ref name="shohi"/>
 
{| class="wikitable"
 
|+ 消費者意識指標 平成25年7月 原数字(単位%、意識指標はポイント)
 
|-
 
! !!良くなる!!やや良くなる!!変わらない!!やや悪くなる!!悪くなる!!重み付きDI<ref group="†">意識指数では、変化の方向が読み取りにくい。重み付きDIでは、「良くなる」から「悪くなる」を引いており、マイナス数値が大きいほど、強い悪化が予想されている。なお、重み付DIは以下で定義される。重み付きDI=2×「良くなる」+「やや良くなる」-「やや悪くなる」-2×「悪くなる」</ref>
 
|-
 
!暮らし向き
 
|0.5||6.3||59.8||26.7||6.7||-32.8
 
|-
 
!収入の増え方
 
|0.3||5.4||61.4||24.2||8.7||-35.6
 
|-
 
!雇用環境
 
|0.3||18.3||60.9||15.4||5.0||-6.5
 
|-
 
!耐久消費財の買い時判断
 
|0.4||15.3||51.7||26.9||5.6||-22.0
 
|-
 
!資産価値の増え方
 
|0.6||11.6||65.0||17.5||5.4||-15.5
 
|}
 
 
=== 消費税率の引き上げ ===
 
2014年4月から6月までの改訂版の実質経済成長率はマイナス1.8%、年率換算値でマイナス7.1%であった<ref>[http://www.economist.com/news/finance-and-economics/21617031-harmful-tax-hike-and-reticent-employers-take-their-toll-slings-and-arrows Slings and arrows] The Economist, Japan's economy, 13 Sep 2014</ref>。
 
 
速報値は年率マイナス6.8%であったが、それが下方修正された。これは2009年以降で最大の下落率であり、専門家らはこの下落は消費税の増税のためであると述べる<ref>[http://news.sky.com/story/1331936/japans-economy-dips-as-new-sales-tax-bites Japan's Economy Dips As New Sales Tax Bites] SkyNews, Business, 8 Sep 2014 </ref>。
 
 
=== 国債格付け ===
 
2014年-2015年に、3大格付け会社の[[ムーディーズ]]、[[フィッチ・レーティングス]]、[[スタンダード&プアーズ]]はアベノミクスの効果を疑問視し日本の[[国債]]の格付けを下げている<ref>{{Cite news |title=日本国債格下げから見るアベノミクスの失敗|newspaper=中国網|date=2014-12-04|url=https://archive.is/1dsnL|accessdate=2015-10-05}}</ref><ref>{{Cite news |title=米S&Pが日本国債1段階格下げ アベノミクスの効果疑問視、政権に打撃|newspaper=SankeiBiz|date=2015-09-16|url=https://archive.is/lfOYn|accessdate=2015-10-05}}</ref>。
 
 
== 思想的・経済学的背景 ==
 
; 大胆な金融緩和 : デフレ対策としての[[量的金融緩和政策]]、[[リフレーション]]
 
; 機動的な財政政策 : [[公共事業]]投資、伝統的な[[ケインズ政策]]
 
; 民間投資を増やす成長戦略 : [[イノベーション]]政策、[[供給サイドの経済学]]
 
 
[[大阪市立大学]]の[[塩沢由典]]名誉教授([[複雑系経済学]])は、アベノミクスの3本の矢は、それぞれ異なる経済理論・経済思想に基づいていて相互に矛盾があり、アベノミクス全体は整合的な政策体系ではないと述べている<ref name="imayori">塩沢由典(2013)『今よりマシな日本社会をどう作れるか』編集グループSURE.</ref>。
 
 
[[早稲田大学]]政治経済学部の[[若田部昌澄]]教授([[経済学史]])は、[[自由民主党 (日本)|自由民主党]]内のアベノミクス推進派には、4つくらいの経済思想が「共存」していると述べている<ref group="†">若田部昌澄(2013)『経済学者たちの闘い[増補版]』東洋経済新報社、pp.300-301。4つとは、①リフレ派、②財政拡張派(国土強靭化論)、③産業政策派、④財政再建派、である。</ref>。また、「アベノミクスには、自民党内の政治力学、あるいは政治的妥協の産物という顔と、経済政策のパッケージという2つの側面がある。そもそも安倍首相の復活には[[麻生太郎]]、[[甘利明]]ら自民党実力者の力が大きく働いた。ここから、3人の実力者のお気に入りの経済政策アイデアを束ねるという妥協が生じた。『第一の矢』大胆な金融緩和(安倍)、『第二の矢』機動的な財政政策(麻生)、『第三の矢』民間投資を呼び起こす成長戦略(甘利)である。こうした妥協の産物として、アベノミクスは関係者をそれぞれ満足させる『三方一両得』のようによくできている」とも述べている<ref>[http://shuchi.php.co.jp/article/1495 最先端を行く「リフレ・レジーム」〔1〕]PHPビジネスオンライン 衆知 2013年6月20日</ref>。
 
 
2013年に[[ノーベル経済学賞]]を受賞した[[イェール大学]]の[[ロバート・シラー]]教授は、「個々の政策に目新しさはないかもしれないが、組み合わせた点は珍しい」と評価している<ref name="reuters2014312" />。
 
 
フランスの[[レギュラシオン学派]]の経済学者として知られる[[ロベール・ボワイエ]]は、「アベノミクスは、[[イデオロギー]]的な[[ケインズ主義]]である」と述べている<ref>田中秀臣編著 『日本経済は復活するか』 藤原書店、2013年、219頁。</ref>。
 
 
[[上武大学]]の[[田中秀臣]]教授(日本[[経済思想史]])は、「[[池田勇人]]の経済政策である[[所得倍増計画]]は、1)日銀の[[金融緩和]]政策スタンス、2)インフラ整備中心の財政政策、3)[[貿易の自由化]]・エネルギー政策の転換・[[規制緩和]]など、によって実現を目指すものであった。この3つの要素は、アベノミクスの『'''三本の矢'''』と相似している」と述べている<ref>[http://ironna.jp/article/771 なぜ「高度成長」の考察が重要なのか]iRONNA</ref>。
 
 
それぞれの政策には、経済学者の応援団がついている。以下はその簡易なリストである。
 
 
; 大胆な金融緩和 : [[浜田宏一]]<ref>岩田・浜田・原田編(2013)『リフレが日本経済を復活させる』中央経済社.</ref>、[[岩田規久男]]<ref>岩田規久男編(2013)『まずデフレをとめよ』日本経済新聞出版社.</ref>、[[若田部昌澄]]<ref>若田部昌澄(2013)『解剖 アベノミクス』日本経済新聞出版社.</ref>、[[伊藤隆敏]]<ref>伊藤隆敏(2013)『インフレ目標政策』日本経済新聞出版社.</ref>、[[浅田統一郎]]<ref>浅田統一郎、2012、"デフレ脱却こそが国際累積債務問題の解決策である"Chuo OnLine http://www.yomiuri.co.jp/adv/chuo/opinion/20120501.htm</ref>
 
; 機動的な財政政策 : [[藤井聡]]<ref>藤井聡(2013)「「国土強靭批判」こそ日本を滅ぼす」『VOICE (ヴォイス)』2013年2月号.</ref>、[[三橋貴明]]<ref>http://www.iau.jp/kokudokyojinka+abenomicsmokuji.htm</ref><ref group="†">藤井聡と三橋貴明は経済学者ではない。</ref>、[[小野善康 (経済学者)|小野善康]]<ref group="†">小野善康・池田新介(2013)「経済学の活用法」『経済セミナー』2013年6・7月号。小野はアベノミクス全体には批判的であるが、国土強靭批判には賛成している。</ref>
 
; 民間投資を増やす成長戦略 : [[竹中平蔵]]<ref>{{Cite web | author = 小丸朋恵 | url = http://news.mynavi.jp/articles/2013/07/09/takenaka/ | title = 【インタビュー】 "アベノミクス"の仕掛人、竹中平蔵氏に聞いた!「日本経済、どうなりますか?」 | work = マイナビニュース | publisher = [[マイナビ]] | date = 2013-07-09 | accessdate = 2016-04-06 }}</ref><ref>{{Cite web | url = http://www.sbbit.jp/article/cont1/29737 | title = 竹中平蔵氏が地方創生へ提言、特区とコンセッションで地方主体の成長戦略を描こう | work = ビジネス+IT | publisher = [[SBクリエイティブ]] | date = 2015-05-25 | accessdate = 2016-04-06 }}</ref>、[[伊藤元重]]<ref>伊藤元重(2013)『日本経済を創造的に破壊せよ!』ダイヤモンド社。</ref>
 
 
3つの政策のそれぞれに激しい対立がある。まず、それぞれに対する賛否およびそれぞれの政策間の矛盾について解説する。
 
 
=== リフレーション政策について ===
 
[[デフレーション]](物価の持続的な下落)をマイルドな[[インフレーション]](年率2-3パーセント)に転換することを目指す一連の政策を'''[[インフレターゲット]]政策'''という。これまで多くの国々において、高騰する[[インフレ]]率を抑制するための対策として[[インフレターゲット]]が掲げられてきた。[[インフレターゲット]]の設定による'''[[リフレーション]]政策'''('''リフレ政策''')は、アメリカの[[ノーベル経済学賞]]受賞者の[[ポール・クルーグマン]]([[国際経済学]]・[[経済地理学]])が提唱し<ref name="baack">ポール・クルーグマン(2012)『さっさと不況を終わらせろ』山形浩生訳・解説、早川書房。原論文(It's baaack!: Japan's Slump and the Return of the Liquidity Trap)は1998年に公開されている。</ref>、それに賛同する経済学者・エコノミストたち('''リフレ派''')が長く導入を求めていた<ref>小林慶一郎 2003.2.2 「早わかり「インフレターゲット論」」RIETI DP http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/kobayashi/05.html</ref>。リフレ派の代表的な経済学者には[[岩田規久男]]、[[浜田宏一]]、[[原田泰]]、[[高橋洋一]]ら、エコノミストには[[森永卓郎]]<ref>森永卓郎 2013.2.5 「アベノミクス成功のために日銀をリフレ派で固めよ」WEBRonza http://astand.asahi.com/magazine/wrbusiness/2013020400005.html</ref>、[[山形浩生]]、[[勝間和代]]<ref>勝間和代 2012.2.29「インフレ目標、達成義務化を」『毎日新聞』http://mainichi.jp/feature/katsuma/crosstalk/2012/02/post-85.html</ref>らがいる<ref group="†">リフレ派である田中秀臣は、これら人以外に若田部昌澄、[[野口旭]]、安達誠司、飯田泰之、片岡剛士、村上尚己、[[中原伸之]]、[[上念司]]、[[矢野浩一]]、松尾匡、[[中澤正彦]]、[[黒木玄]]、[[山崎元]]、[[馬渕澄夫]]、[[金子洋一]]、[[宮崎哲弥]]、[[稲葉振一郎]]、[[中村宗悦]]、田村秀男、[[長谷川幸洋]]、[[倉山満]]、[[浅田統一郎]]、[[栗原裕一郎]]を挙げている(田中秀臣編著 『日本経済は復活するか』 藤原書店、2013年、210-211頁。)。</ref>。また、リフレ派の観点から経済学者を格付けした『エコノミスト・ミシュラン』という本もある<ref>田中秀臣・野口 旭・若田部昌澄([2003)『エコノミスト・ミシュラン』太田出版.</ref>。
 
 
田中秀臣は「現在(2015年)の日銀の金融政策の方向性は、インフレ目標政策・量的緩和などリフレ政策のメニューそのものである」と述べている<ref>[http://biz-journal.jp/2015/02/post_8838.html 日銀、消費増税による深刻な課題克服に向け追加金融緩和か 無責任な素人審議委員は一掃せよ]ビジネスジャーナル 2015年2月5日</ref>。
 
 
リフレ派と[[リフレーション#批判|反リフレ派]]との間には、過去10年以上にわたる激しい論戦があった。たとえば、小野善康は、「アベノミクスの金融緩和は、デフレ脱却への道筋とはならない」と批判している<ref>小野善康(2013)「「アベノミクス」の金融緩和 は、デフレ脱却への道筋とはならない」『SIGHT』2013年春号.</ref><ref name="motani">藻谷浩介・河野龍太郎・小野善康・萱野稔人(2013)『金融緩和の罠』第3章、集英社.</ref>。その一方で、原田泰は「金融緩和によってお金を増やせば、必ず物価が上がり、名目GDPも増加する」と述べている<ref>[http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2532 自民党は財政再建に真面目に取り組め]WEDGE Infinity(ウェッジ) 2013年2月25日</ref>。
 
 
アベノミクスの登場により、リフレ派と反リフレ派の争いはさらにエスカレートしている。アベノミクスに対する経済学者・エコノミストの賛否も、多くはリフレ政策の有効性と危険性をめぐってのものである<ref name="motani" /><ref>浜矩子(2013)『アベノミクスの真相』中経出版.</ref>。
 
 
リフレ派の多くは、[[クラウディング・アウト]]、[[非ケインズ効果]]、[[マンデルフレミングモデル]]に基づいて、反対しないまでも、財政出動にはあまり効き目がないと主張している<ref>田村秀男(2013)「量的緩和と連動する公共投資で早期のダツデフレら導け」『環』53巻、p.114。</ref>。浜田宏一は、「[[有効需要]]をつけるために景気を財政で鞭打つというのは、[[変動相場制]]の下では有効な政策ではない」と述べている<ref>浜田宏一(2013)「経済再生は可能か」『環』53巻、p.62。また浜田宏一(2013)「デフレの即効薬は金融政策」岩田・浜田・原田『リフレが日本経済を復活させる』中央経済社、第1章、「マンデル=フレミング・モデルとワルラス法則」、pp.30-31.</ref>。ただし、リフレ派とされる飯田泰之は、[[ゼロ金利]]など流動性の罠に陥っている状況では、財政出動により利子率が上昇する事実はなく、マンデル=フレミング効果の適用には「理論的背景について十分な整理が必要」としている<ref>飯田泰之(2013)「財政政策は有効か」岩田・浜田・原田『リフレが日本経済を復活させる』中央経済社、第6章、pp.190-192.</ref>。
 
 
=== 日本銀行法改正 ===
 
安倍内閣の内閣参与である[[本田悦朗]]は[[日本銀行法]]を改正して物価安定とともに「物価安定を阻害しない限り雇用の最大化を図る」ことを条文で明示するよう主張している<ref>[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MUOXT26S973301.html 本田参与:期待形成確保へ法律で金融政策の目標明示を-インタビュー]Bloomberg 2013年10月15日</ref>。また、日銀法改正の必要性は安倍首相に「会うたびに言っている」と述べている<ref>[http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131023/fnc13102317420016-n1.htm デフレ脱却へ日銀法改正を 首相ブレーンの本田氏]MSN産経ニュース 2013年10月23日</ref>。
 
 
2015年2月4日、安倍晋三首相は衆議院予算委員会で、日銀法改正について「将来の選択肢として視野に入れていきたい」と述べた<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0L801Q20150204 日銀法改正、将来の選択肢として視野に入れていきたい=安倍首相]Reuters 2015年2月4日</ref>。
 
<!--=== 財政出動について ===
 
国土強靭化の提案 - [[藤井聡]]<ref group="†">藤井聡(2010)『公共事業が日本を救う』文春新書。藤井聡(2011)『列島強靱化論―日本復活5カ年計画』文春新書。藤井聡(2011)『救国のレジリエンス 「列島強靱化」でGDP900兆円の日本が生まれる』。藤井聡は、さらに2013年になり、「強靭化」「レジリエンス」をキーワードとした本を出版している。</ref>-->
 
=== 成長戦略について ===
 
==== 規制緩和・構造改革 ====
 
若田部昌澄は「アベノミクスの成長戦略は、[[産業政策]]的なターゲット政策・官民ファンドが中心であり、規制改革・民営化は副次的である」と述べている<ref>田中秀臣編著 『日本経済は復活するか』 藤原書店、2013年、94頁。</ref>。
 
 
安倍内閣の産業競争力会議メンバーである竹中平蔵は「経済を成長させるためには、規制改革を進めなければならない」「日本経済を動かすには、枠組みを変えなくてはいけない」と述べている<ref>竹中平蔵「アベノミクスは100%正しい」東洋経済On Line、2013.7.20 http://toyokeizai.net/articles/-/15884</ref>。
 
 
=== 社会政策 ===
 
安倍内閣は2020年までに[[最低賃金]]を時給1000円まで上げる方針を示している<ref>[http://www.theguardian.com/world/2015/nov/27/japan-records-lowest-unemployment-rate-in-20-years-at-31 Japan records lowest unemployment rate in 20 years at 3.1%]AP, The Guardian, World, 27 Nov 2015</ref>。
 
 
== アベノミクス解散 ==
 
{{main|第47回衆議院議員総選挙}}
 
2014年11月21日、安倍晋三首相は2014年4月の消費税増税による予想以上の景気の落ち込みで、アベノミクスの継続を問うとして衆議院を解散し、勝利した。
 
 
== 関連人物 ==
 
[[内閣官房長官]]の[[菅義偉]]は、[[浜田宏一]]と[[本田悦朗]]について「2人はまさに『アベノミクス』を作った。多くの反対があったが、実行したらあらゆる経済指標がよくなり始めた」と述べている<ref>[http://mainichi.jp/select/news/20130911k0000m010065000c.html 菅官房長官:浜田、本田氏意見「影響力ある」 消費増税で]毎日jp(毎日新聞) 2013年9月10日</ref>。
 
 
*[[高橋洋一 (経済学者)|高橋洋一]] - ブレーンの一人<ref>[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-ME6GNM6TTDT501.html 安倍総裁ブレーン・高橋氏:日銀総裁に英国式説明責任を-物価目標で] Bloomberg 2012年11月28日</ref>。[[第1次安倍内閣]]では経済政策のブレーンを務めた。[[嘉悦大学]]教授([[財政学]])。
 
*[[浜田宏一]] - 経済政策・金融分野のブレーンの一人<ref>[http://news24.jp/articles/2012/12/26/04220226.html 第2次安倍内閣が発足 人事の注目点は] 日テレNEWS24 2012年12月26日</ref><ref>[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEJ7MB6JTSFI01.html 安倍総裁ブレーン・浜田氏:日銀新総裁は数カ月以内のデフレ脱却可能] Bloomberg 2012年12月5日</ref><ref>[http://toyokeizai.net/articles/-/12839 「白川総裁は誠実だったが、国民を苦しめた」 浜田宏一 イェール大学名誉教授独占インタビュー]東洋経済オンライン 2013年2月8日</ref>。第2次安倍内閣の[[内閣官房参与]]。安倍晋三の父・[[安倍晋太郎]]が興した「安倍フェロー」の研究員となったことから、安倍首相との親交が生まれた<ref name="gendai201326" />。[[東京大学]]・[[イェール大学]]名誉教授([[国際金融論]]・[[ゲーム理論]])。
 
*[[黒田東彦]] - [[日本銀行]]総裁。金融政策ブレーンの一人である。
 
*[[本田悦朗]] - ブレーンの一人<ref>[http://jp.reuters.com/article/vcJPboj/idJPTYE8B505020121206 インタビュー:安倍政権誕生なら日銀に無制限緩和を要望=本田・静岡県立大教授] Reuters 2012年12月6日</ref><ref>[http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK057686720121218 再送:〔アングル〕安倍相場に潜む外交リスク、日中の緊張続けば緩和効果相殺] Reuters 2012年12月19日</ref>。第2次安倍内閣の内閣官房参与。2016年より、駐[[スイス]]・駐[[リヒテンシュタイン]][[特命全権大使]]、兼欧州金融経済特命大使に任命される。
 
*[[岩田規久男]] - [[日本銀行]]副総裁。経済ブレーンの一人<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXDASGC2400K_U3A220C1NN1000/ 岩田規久男氏 日銀の政策、長年批判] 日本経済新聞 2013年[[2月25日]]</ref>。[[上智大学]]・[[学習院大学]]名誉教授([[都市経済学]]・[[金融論]])。
 
*[[中原伸之]] - 金融政策のブレーンの一人<ref>[http://archive.is/gBGxN 経済・マネー 首相のブレーン「日銀の問題は責任感のなさ」 元日銀審議委員・中原伸之氏]ZAKZAK 2013年2月21日</ref><ref>[http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130222/244106/?P=1 日銀総裁、実は誰がやっても同じ?] 日経ビジネスオンライン 2013年2月27日</ref>。元[[東燃ゼネラル石油|東亜燃料工業]](現・[[JXTGエネルギー]])株式会社代表取締役社長。[[日本銀行政策委員会]]審議委員も務めた。
 
*[[山本幸三]] - 野党時代、安倍に経済政策をブリーフィングし安倍をリフレ派に導いた。自身について、アベノミクスの原案作りに携わる<ref name="ref name="sankei20141025" />。[[第3次安倍内閣 (第2次改造)]]において[[内閣府特命担当大臣]]([[地方創生]]・[[規制改革]])。
 
*[[藤井聡]] - [[第2次安倍内閣]]での[[内閣官房参与]](防災・減災ニューディール政策担当)。国土強靭化計画の提唱者<ref>救国のレジリエンス 「列島強靭化」でGDP900兆円の日本が生まれる(講談社)</ref>。[[京都大学]]大学院工学研究科教授(都市社会工学)、同レジリエンス研究ユニット長。
 
 
== 脚注 ==
 
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=== 注釈 ===
 
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=== 出典 ===
 
{{Reflist|2}}
 
 
=== 参考文献 ===
 
* {{Cite book|和書|author=[[田母神俊雄]]|title=安倍晋三論|publisher=ワニブックス|date=2013-09-04|isbn=978-484709183|ref={{Sfnref|田母神俊雄|2013}}}}
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[第2次安倍内閣]]
 
* [[第2次安倍内閣 (改造)]]
 
* [[第3次安倍内閣]]
 
* [[第3次安倍内閣 (第1次改造)]]
 
* [[第3次安倍内閣 (第2次改造)]]
 
* [[第3次安倍内閣 (第3次改造)]]
 
* [[第4次安倍内閣]]
 
* [[ブロックチェーン]]
 
* [[上げ潮派]]
 
* [[安倍ドクトリン]]
 
* [[国家戦略特別区域]]
 
* [[環太平洋戦略的経済連携協定]]
 
* [[在日米国商工会議所]]
 
* [[マネタリスト]]
 
* [[国立大学改革プラン]]
 
* [[トリクルダウン]]
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323751804578580971290013966.html データでみるアベノミクス効果] - WSJ.com 2013年7月2日
 
 
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