「オイラーのφ関数」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2017年12月}}
 
[[ファイル:EulerPhi.svg|thumb|φ(''n'')の最初の1000個の値]]
 
[[File:EulerPhi100.PNG|thumb|最初の100個の値のグラフ]]
 
  
'''オイラーのトーシェント関数'''(オイラーのトーシェントかんすう、{{lang-en-short|Euler's totient function}})は各正の[[整数]] {{mvar|n}} に対して、{{math|1}} から {{mvar|n}} までの自然数のうち {{mvar|n}} と[[互いに素]]なものの個数を {{math|''φ''(''n'')}} として与えることによって定まる[[数論的関数]] {{mvar|φ}} である。慣例的に {{math|''φ''(''n'')}} と表記されるため、オイラーの '''{{math|''φ''}} 関数'''(ファイかんすう、{{lang|en|phi function}})とも呼ばれる。また、簡略的に'''オイラーの関数'''と呼ぶこともある。
 
 
例えば、{{math|1, 2, 3, 4, 5, 6}} のうち {{math|6}} と互いに素なのは {{math|1, 5}} の 2 個であるから、定義によれば {{math|''φ''(6) {{=}} 2}} である。また例えば {{math|1, 2, 3, 4, 5, 6, 7}} のうち {{math|7}} 以外は全て {{math|7}} と互いに素だから、{{math|''φ''(7) {{=}} 6}} と定まる。なおトーシェント関数の[[値域]]に含まれない自然数を[[ノントーシェント]]という。
 
 
{{math|1}} から {{math|20}} までの値は以下の通りである。
 
 
:1, 1, 2, 2, 4, 2, 6, 4, 6, 4, 10, 4, 12, 6, 8, 8, 16, 6, 18, 8,…({{OEIS|A000010}})
 
 
[[1761年]]に[[レオンハルト・オイラー]]が発見したとされるが、それより数年前に[[日本]]の[[久留島喜内|久留島義太]]が言及したとも言われる。
 
 
== 性質 ==
 
{{mvar|p}} を[[素数]]とすると、{{math|1}} から {{math|''p'' − 1}} のうちに {{mvar|p}} の素因子である {{mvar|p}} を因子として含むものは存在しないから、{{math|''φ''(''p'') {{=}} ''p'' − 1}} が成り立つ。さらに、{{mvar|k}} を自然数としたとき、{{math|1}} から {{math|''p{{sup|k}}''}} の中で {{mvar|p}} を因子として含むもの、すなわち {{mvar|p}} の倍数は {{math|''p''{{sup|''k'' − 1}}}} 個あるから、次が成立することが確かめられる。
 
{{math_theorem|<math>\varphi(p^k) = p^k - p^{k-1} = p^{k-1}(p - 1) = p^k\left(1 - \frac{1}{p}\right).</math>}}
 
また、{{math|''m'', ''n''}} を互いに素な自然数とすると、{{math|''φ''(''mn'') {{=}} ''φ''(''m'')''φ''(''n'')}} が成り立つ。これをオイラーの関数は(互いに素な数の積に関して)'''[[乗法的関数|乗法的]]'''であると言う。これらのことからさらに、任意の自然数 {{mvar|n}} における値を知ることができる。実際に、{{math|''p{{sup|k}}''}} はどの二つも相異なる[[素因数]]であるとして、以下のように {{math|''φ''(''n'')}} を計算することができる。
 
{{math_theorem|''n'' の[[素因数分解]]が次のように
 
:<math>n = \prod_{k=1}^d {p_k}^{e_k}</math>
 
と与えられているならば、
 
:<math>\varphi(n) = \prod_{k=1}^d \left({p_k}^{e_k}-{p_k}^{e_k-1}\right) = n \prod_{k=1}^d \left(1-\frac{1}{p_k}\right)</math>}}
 
 
自然数 {{math|''n'', ''d''}} で {{mvar|d}} が {{mvar|n}} を割り切るものとすると、{{math|1}} から {{mvar|n}} までの自然数のうち {{mvar|n}} との[[最大公約数]]が {{math|''n''/''d''}} であるものの数は {{math|''φ''(''d'')}} 個である。特に、{{math|1}} から {{mvar|n}} までの自然数は {{mvar|n}} との最大公約数によって類別されるから、{{mvar|d}} が {{mvar|n}} の正の約数全てをわたる和に関して等式
 
:<math>\sum_{d \mid n} \varphi(d) = n</math>
 
が成り立つ({{math|''d'' {{!}} ''n''}} は {{mvar|d}} が {{mvar|n}} を割り切るの意)。
 
 
{{mvar|G}} を位数 {{mvar|n}} の[[巡回群]]とすれば、{{mvar|n}} の約数 {{mvar|d}} に対して {{mvar|G}} の位数 {{mvar|d}} の[[元 (数学)|元]]は {{math|''φ''(''d'')}} 個存在する。特に、巡回群 {{mvar|G}} の[[生成元]]になりうる元は {{math|''φ''(''n'')}} 個存在する。
 
 
自然数 {{math|''a'', ''m'' (1 ≤ ''a'' &lt; ''m'')}} とするとき、[[剰余類環|剰余環]] {{math|'''Z'''/''m'''''Z'''}} に属する剰余類 {{math|''a'' + ''m'''''Z'''}} が既約、つまり {{math|'''Z'''/''m'''''Z'''}} の単数である必要十分な条件は代表元 {{mvar|a}} が {{mvar|m}} と互いに素であることであるから、既約剰余類の数は {{math|''φ''(''m'')}} に等しい。同じことだが、群 {{mvar|G}} の[[位数 (群論)|位数]]を {{math|#''G''}}, 環 {{mvar|R}} の[[単数群]]を {{math|''R''{{sup|×}}}} で表すとき、等式
 
:<math>\varphi(m) = \#(\mathbb{Z}/m\mathbb{Z})^\times</math>
 
が成立する。これは特に、[[オイラーの定理 (数論)|オイラーの定理]] <math> a^{\varphi(m)} \equiv 1\pmod m</math> の成立を意味する。また同じ式から、[[1の冪根|{{math|1}} の {{mvar|m}} 乗根]]で原始的であるものの一つを {{mvar|ζ}} とし、既約剰余類群 {{math|('''Z'''/''m'''''Z'''){{sup|×}}}} を円分拡大 {{math|'''Q'''(ζ)/'''Q'''}} の[[ガロア群]]と見れば {{math|''φ''(''m'')}} が円の {{mvar|m}} 分多項式の次数に等しいことも従う。
 
 
{{math|''n'' > 1}} ならば {{math|''φ''(''n'') < ''n''}} である。また、{{math|''n'' > 3}} ならば
 
:<math>\varphi(n)\geq e^{-\gamma}\cfrac{n}{\log\log n+\cfrac{2.50637}{e^{\gamma}\log\log n}}</math>
 
が成り立つ。ここで {{math|''&gamma;''}} は[[オイラー定数]]である。もし {{math|''n'' &ne; [[223092870|2 ⋅ 3 ⋅ 5 ⋅ 7 ⋅ 11 ⋅ 13 ⋅ 17 ⋅ 19 ⋅ 23]]}} であれば {{math|2.50637}} のかわりに {{math|2.5}} とおくことができる。
 
 
{{math|''σ''(''n'')}} を[[約数関数]]とすると、{{math|''n'' > 1}} において、
 
:<math>\frac {6 n^2} {\pi^2} < \varphi(n) \sigma(n) < n^2</math>
 
が成り立つ。
 
 
{{mvar|x}} が {{math|1}} より大きい奇数の時、{{mvar|x}} はノントーシェントである。また、偶数であるノントーシェントは無数に存在する事が知られている。{{math|''φ''(''n'') {{=}} ''x''}} となる {{mvar|n}} が存在するならば、それは少なくとも2つ存在するだろうと予想されているが、未だに証明されていない。一方、任意の {{math|''k'' > 1}} に対して、{{math|''φ''(''n'') {{=}} ''x''}} となる {{mvar|n}} の個数がちょうど {{mvar|k}} 個であるような {{mvar|x}} は無数に存在することが知られている。
 
 
== 関連項目 ==
 
*[[完全トーシェント数]]
 
*[[久留島喜内]]
 
*[[初等整数論]]
 
*[[フェルマーの小定理]]
 
 
== 外部リンク ==
 
* {{高校数学の美しい物語|title=オイラーのファイ関数のイメージと性質|urlname=phi}}
 
* {{MathWorld|title=Totient Function|urlname=TotientFunction}}
 
* Kevin Ford, [http://www.math.uiuc.edu/~ford/wwwpapers/sierp.pdf The number of solutions of φ(x)=m], Ann. of Math. 150(1999), 283--311.
 
* D. Miyata & M. Yamashita, [http://yamashita-lab.net/open/mathconf-0.pdf Note on  derived logarithmic functions of Euler's functions ]
 
 
{{DEFAULTSORT:おいらあのふあいかんすう}}
 
[[Category:数論]]
 
[[Category:整数論的関数]]
 
[[Category:数学に関する記事]]
 
[[Category:レオンハルト・オイラー]]
 

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