「カッシーニ (探査機)」の版間の差分

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{{宇宙機
 
| 名称 = カッシーニ Cassini
 
| 画像 = [[ファイル:Cassini_Saturn_Orbit_Insertion.jpg|300px]]
 
| 画像の注釈 = 土星に接近するカッシーニの想像図
 
| 所属 = [[アメリカ航空宇宙局]] (NASA)<br />[[欧州宇宙機関]] (ESA)<br />[[イタリア宇宙機関]] (ASI)
 
| 主製造業者 =
 
| 公式ページ = [http://saturn.jpl.nasa.gov/home/index.cfm Cassini-Huygens] (NASA)<br />[http://www.esa.int/SPECIALS/Cassini-Huygens/ ESA-Cassini-Huygens] (ESA)
 
| 国際標識番号 = 1997-061A
 
| NORAD_NO = 25008
 
| 状態 = 運用終了
 
| 目的 = [[土星]]の探査
 
| 観測対象 = 土星
 
| 計画の期間 =
 
| 設計寿命 =
 
| 打上げ機 = [[タイタンIV|タイタンIV B]]
 
| 打上げ日時 = [[1997年]][[10月15日]]<br>4時43分 ([[東部夏時間]])
 
| 軌道投入日 = [[2004年]][[6月30日]]
 
| 最接近日 =
 
| ランデブー日 =
 
| 機能停止日 =
 
| 通信途絶日 =
 
| 運用終了日 = [[2017年]][[9月15日]]
 
| 停波日 =
 
| 消滅日時 =
 
| 物理的特長 = 物理的特長
 
| 本体寸法 = 高さ: 6.8 m × 幅: 約 4 m
 
| 最大寸法 =
 
| 質量 = 5.8 t
 
| 発生電力 = [[原子力電池]]3基(放射性同位体熱電対)
 
| 主な推進器 =
 
| 姿勢制御方式 =
 
| 軌道要素 =
 
| 周回対象 = 土星
 
| 軌道 =
 
| 静止経度 =
 
| 高度 =
 
| 近点高度 =
 
| 遠点高度 =
 
| 軌道半長径 =
 
| 離心率 =
 
| 軌道傾斜角 =
 
| 軌道周期 =
 
| 回帰日数 =
 
| サブサイクル =
 
| 回帰精度 =
 
| 降交点通過地方時 =
 
| 搭載機器 =
 
| 搭載機器名称1 =
 
| 搭載機器説明1 =
 
| 搭載機器名称2 =
 
| 搭載機器説明2 =
 
| 搭載機器名称3 =
 
| 搭載機器説明3 =
 
| 搭載機器名称4 =
 
| 搭載機器説明4 =
 
| 搭載機器名称5 =
 
| 搭載機器説明5 =
 
| 搭載機器名称6 =
 
| 搭載機器説明6 =
 
| 搭載機器名称7 =
 
| 搭載機器説明7 =
 
| 搭載機器名称8 =
 
| 搭載機器説明8 =
 
| 搭載機器名称9 =
 
| 搭載機器説明9 =
 
| 搭載機器名称10 =
 
| 搭載機器説明10 =
 
| 搭載機器名称11 =
 
| 搭載機器説明11 =
 
| 搭載機器名称12 =
 
| 搭載機器説明12 =
 
| 搭載機器名称13 =
 
| 搭載機器説明13 =
 
| 搭載機器名称14 =
 
| 搭載機器説明14 =
 
| 搭載機器名称15 =
 
| 搭載機器説明15 =
 
}}
 
'''カッシーニ''' ({{lang|it|Cassini}}-{{lang|nl|Huygens}}) は、[[アメリカ航空宇宙局]](NASA)と[[欧州宇宙機関]](ESA)によって開発され、1997年に打上げられた[[土星]][[宇宙探査機|探査機]]である。
 
  
カッシーニは、[[金星]]→金星→[[地球]]→[[木星]]の順に合計4回の[[スイングバイ]]を行なって[[土星]]軌道に到着した<ref>{{Cite web  |url = https://moonstation.jp/blog/planetaryexp/cassini/カッシーニ/ホイヘンス、地球スイングバイから10  |title = カッシーニ/ホイヘンス、地球スイングバイから10周年  |publisher = 月探査情報ステーション  |date = 2009-08-20  |accessdate = 2017-12-22 }}</ref>。カッシーニには惑星探査機[[ホイヘンス・プローブ]] (2.7 m、320 kg) が搭載されており、[[タイタン (衛星)|タイタン]]でカッシーニより切り離されてタイタンに着陸し、大気の組成・風速・気温・気圧等を直接観測した。
+
'''カッシーニ''' ({{lang|it|Cassini}}-{{lang|nl|Huygens}})  
  
カッシーニとホイヘンスよりなる土星探査はカッシーニ・ホイヘンス・ミッションと呼ばれ、欧米18カ国の科学者約260人が参画している。
+
 NASA(ナサ)(アメリカ航空宇宙局)が1997年10月にタイタンⅣ型ロケットにより打ち上げた史上初の土星探査機。プロジェクト名はカッシーニ・ホイヘンスCassini-Huygens。土星本体を探査する「カッシーニ」(NASA)と、土星の最大の衛星タイタン(チタン)に着陸する「ホイヘンス」(ESA(イーサ)、ヨーロッパ宇宙機関)の二つの探査機が同時に打ち上げられた。打上げ後、金星、地球、木星の順にスイングバイ(天体の万有引力を利用して衛星の加速、減速、軌道変更を行う技術)を行い、2004年7月に土星の周回軌道に乗った。同年12月にはタイタンに接近し、翌2005年1月に「ホイヘンス」を切り離してパラシュート降下させて、着陸に成功した。
  
カッシーニの名は、天文学者[[ジョヴァンニ・カッシーニ]]に、ホイヘンスの名は同じく天文学者[[クリスティアーン・ホイヘンス]]に由来する。
+
 「カッシーニ」本体は長さ約6.7メートル、最大直径4メートル、打上げ時の質量約5700キログラム(「ホイヘンス」を含む)。土星は太陽から遠く、太陽電池パネルで安定した発電ができないため、原子力電池(放射性同位体熱電対)が搭載された。「ホイヘンス」は、直径約2.7メートルの円盤型をした質量約320キログラムの着陸機で、タイタンの大気組成や風速などを観測する。「カッシーニ」には12種類の観測機器(プラズマ計測器、コズミック・ダスト計測器、赤外線計測装置、イオンおよび中性子質量分析器、画像化サブシステム、磁力計、磁気圏画像化装置、レーダー、電磁波およびプラズマ科学装置、電磁波科学サブシステム、紫外線画像化装置、可視および赤外線マッピング装置)が搭載された。カッシーニが土星軌道に投入されてから、タイタンが地球のように雨や川、湖、海をもつことがわかった。さらに土星の衛星を7個発見し、写真を33万2000枚撮影するなど多くの成果をあげた。「ホイヘンス」はタイタンの着陸地点上空8キロメートルで、解像度20メートルのタイタンの映像を撮影した。その後タイタンに着陸し、大気の組成、風速、気温、気圧等を観測した。搭載機器はエアロゾル計測器、画像カメラ、スペクトル放射計測器、ドップラー風観測器、ガス・クロマトグラフィーと質量スペクトロメーター、大気構成計測装置、表面計測科学パッケージである。
 
+
   
当初は[[ガリレオ (探査機)|ガリレオ]]同様に[[小惑星]]に接近する計画であったが、予算の都合により断念された。
+
 「カッシーニ」による周回探査は、2017年9月にカッシーニ本体を土星の大気圏に突入させて運用を終了した。
 
+
   
== 経過 ==
+
 なお、カッシーニの名はフランスの天文学者ジョバンニ・カッシーニに、ホイヘンスの名はオランダの物理学者クリスチャン・ホイヘンスに由来する。
[[ファイル:Saturn eclipse.jpg|thumb|260px|[[土星の環|土星のリング]]の様子。太陽が向こう側にあるため、薄いリングも映っている。2006年9月15日撮影。]]
 
[[ファイル:Titan globe.jpg|thumb|240px|[[タイタン (衛星)|タイタン]]の表面。2004年10月26日撮影。]]
 
{{Main|{{仮リンク|カッシーニ・ホイヘンスのタイムライン|en|Timeline of Cassini–Huygens}}}}
 
* 1997年10月15日 アメリカ合衆国[[フロリダ州]][[ケープカナベラル空軍基地]]LC40発射台から[[タイタンIV|タイタンIV型ロケット]]によって打上げられた。
 
* 1998年4月26日 金星に接近し1回目の[[スイングバイ]]。
 
* 1999年6月24日 金星に接近し2回目の[[スイングバイ]]。
 
* 1999年8月18日 地球をスイングバイして木星への軌道にのる。
 
* 2000年1月23日 [[小惑星帯]]を通過し、(2685) [[マサースキー (小惑星)|マサースキー]]の点状の写真を撮影。
 
* 2000年12月30日 木星をスイングバイ、土星への軌道へ。
 
* 2004年6月16日 主エンジンを38秒間噴射、軌道修正(飛行速度を約3.6m/s減速)<ref>{{cite web|title = Cassini-Huygens Mission Status Report|url =https://saturn.jpl.nasa.gov/news/2262/cassini-huygens-mission-status-report/|publisher = NASA|date = 2004-06-17|accessdate = 2017-09-16}}</ref>
 
* 2004年6月30日 土星軌道に投入。
 
* 2004年8月16日 土星の[[衛星]]2個の発見を公表 ([[メトネ (衛星)|メトネ]]、[[パレネ (衛星)|パレネ]])。
 
* 2004年9月9日 土星の衛星2個 (仮符号 [[S/2004 S 3]]、[[S/2004 S 4]])、環 (仮符号 R/2004 S1) を発見。
 
* 2004年10月21日 土星の衛星2個 ([[ポリュデウケス (衛星)|ポリュデウケス]]、仮名称 [[S/2004 S 6]])を発見。
 
* 2004年12月24日 タイタンに[[ホイヘンス・プローブ|ホイヘンス]]探査機を放出。
 
* 2005年1月14日 ホイヘンスがタイタンに着陸し、機能停止するまでの3時間40分、カッシーニ経由で地球へ探査データを送った。
 
* 2008年4月15日 探査計画の2010年9月までの延長が決定。
 
* 2009年8月11日 土星の輪の「消失現象」を観測。
 
* 2010年2月3日 探査計画の2017年5月までの延長を発表<ref>{{
 
cite web | title=NASA Extends Cassini's Tour of Saturn, Continuing International Cooperation for World Class Science | url=http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2010-039 | publisher=[[アメリカ航空宇宙局|NASA]] [[ジェット推進研究所|JPL]] | date=2010-02-03 | accessdate=2010-02-05}}</ref>。
 
* 2013年4月29日 土星の北極にハリケーンのような大気の渦の姿を観測<ref name="NASA20130429">{{cite news
 
|title = The Rose |url =http://www.jpl.nasa.gov/spaceimages/details.php?id=PIA14944|publisher = NASA|date = 2013-04-29| accessdate = 2014-04-12}}</ref><ref name="nationala20130502">{{cite news
 
|title = 土星北極の巨大嵐、カッシーニが観測
 
|url =http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/7905/?ST=m_news
 
|publisher = [[ナショナルジオグラフィック (雑誌)|ナショナルジオグラフィック ]]
 
|date = 2013-05-02
 
| accessdate = 2016-06-08}}</ref>。渦は北極を中心として目だけで約2千キロ<ref name="NASA20130429"/><ref name="nationala20130502"/>、地球の平均的なハリケーンの約20倍<ref name="nationala20130502"/>。
 
* 2013年7月19日 14億4000万キロ離れた土星上空から地球を撮影<ref>{{cite news|title = The Day the Earth Smiled: Sneak Preview|url =http://www.jpl.nasa.gov/spaceimages/details.php?id=PIA17171|publisher = NASA|date = 2013-07-22|accessdate = 2014-04-12}}</ref>。
 
* 2014年4月3日、米航空宇宙局 (NASA) は、カッシーニの観測によって土星の衛星[[エンケラドゥス (衛星)|エンケラドゥス]]に液体の水の大規模な地下海の証拠が発見されたと報告した<ref>{{cite web|url=http://www.sciencemag.org/content/344/6179/17.short Cassini |title=Plumbs the Depths of the Enceladus Sea |publisher=[[サイエンス]]|date=2014-04-04 |accessdate=2014-04-12}}</ref>。地下の海の証拠はエンケラドゥスは「微生物が生息する[[太陽系]]で最も可能性の高い場所」の一つであることを示唆している<ref name="NASA-20140403">{{cite web |last1=Platt |first1=Jane |last2=Bell |first2=Brian |title=NASA Space Assets Detect Ocean inside Saturn Moon |url=http://www.jpl.nasa.gov/news/news.php?release=2014-103 |date=3 April 2014 |work=[[アメリカ航空宇宙局|NASA]] |accessdate=3 April 2014 }}</ref><ref name="SCI-20140404">{{cite journal |last1=Iess |first1=L. |last2=Stevenson |first2=D.J. |last3=Parisi |first3=M. |last4=Hemingway |first4=D. |last5=Jacobson |first5=R.A. |last6=Lunine |first6=J.I. |last7=Nimmo |first7=F. |last8=Armstrong |first8=J.w. |last9=Asmar |first9=S.w. |last10=Ducci |first10=M. |last11=Tortora |first11=P. |title=The Gravity Field and Interior Structure of Enceladus |url=http://www.sciencemag.org/content/344/6179/78 |date=4 April 2014 |journal=[[Science (journal)]] |volume=344 |number=6179 |pages=78-80 |doi=10.1126/science.1250551 |accessdate=3 April 2014 }}</ref>。
 
* 2014年6月30日、土星軌道投入から10周年を達成。2016年から始まる最後のミッションとして「グランドフィナーレ」と呼ぶミッションフェーズに移行することが発表された。このミッションでは土星の北極上空を通過してFリングのすぐ外を通過する軌道を繰り返し周回しながら観測を行う計画<ref>{{cite news | title =Cassini Names Final Mission Phase Its 'Grand Finale'
 
| url = http://saturn.jpl.nasa.gov/news/cassinifeatures/feature20140630/
 
  | publisher = NASA JPL| date = 2014-06-30 | accessdate = 2014-7-6}}</ref>。
 
* 2017年4月26日、土星と環の間を、人類の探査機として初めて通過<ref>{{Cite web|url=https://www.nasa.gov/feature/jpl/cassini-s-first-grand-finale-dive-milestones|title=Cassini's Signal Detected After Dive Through Saturn's Rings|publisher=NASA|accessdate=2017-05-02}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.yomiuri.co.jp/science/20170430-OYT1T50059.html|title=カッシーニ、初めて土星の輪の内側に…NASA|work=|publisher=[[読売新聞]]朝刊|date=2017年5月1日}}</ref>。
 
* 2017年9月15日、日本時間19時32分、カッシーニ本体が土星の大気圏に突入し、運用を終了<ref>{{cite web|url=https://saturn.jpl.nasa.gov/mission/grand-finale/cassini-end-of-mission-timeline/|title=Cassini End of Misson Timeline|publisher=[[NASA]]|accessdate=2017-09-15}}</ref>。なおこの方法は、本体に付着している可能性のある微生物を衛星等に持ち込まないための処置であった。
 
 
 
== 成果 ==
 
[[ファイル:Enceladus PIA07800.jpg|thumb|カッシーニが写した[[エンケラドゥス (衛星)|エンケラドゥス]]]]
 
 
 
カッシーニが土星軌道に投入されてからの10年間の成果は、以下の通り。また、この間に200万回コマンドを実行し、科学データを514GB収集、土星の衛星を7つ発見、土星の衛星に132回フライバイし、26ヶ国からの科学者が計画に参加、科学論文を3039件発行、土星を206周回実施、写真を33万2,000枚撮影、エンジン噴射を291回実施した<ref>{{cite news | title = Cassini Celebrates 10 Years Exploring Saturn
 
  | url = http://www.nasa.gov/jpl/cassini/10-years-20140625/
 
| publisher = NASA | date = 2014-06-25 | accessdate = 2014-7-21}}</ref>。
 
* ホイヘンスプローブをタイタンに着陸させた。
 
* [[エンケラドゥス_(衛星)|エンケラドゥス]]が氷のプルームを活発に吹き上げていることを発見
 
* 土星のリングが活発で動的であることを明らかにし、惑星形成の研究に寄与
 
* タイタンが地球のように雨や川、湖、海を持つ世界であることを発見
 
* 2010-2011年にかけて土星の北側で起きた大規模な嵐を調査
 
* 土星からの電波パターンは従来考えられていた土星内部の回転とは関係性がないことを確認
 
* リングの垂直構造を明らかにする画像を初めて取得
 
* タイタンの前生物的な化学研究
 
* [[イアペトゥス_(衛星)|イアペトゥス]]表面で見られる2重の明暗域の謎を解明
 
* [[土星の六角形|北極の六角形]]の様子を初めて完全に観察し、土星両極の巨大なハリケーンを発見
 
 
 
カッシーニの探査の成果(判明したこと)として、衛星や環の発見以外に、次のようなことが挙げられる。
 
 
 
=== 木星 ===
 
木星には独立した嵐が存在し、小さな斑点となって現れることが分かった。
 
 
 
=== 一般相対論の検証 ===
 
木星付近で、[[一般相対性理論]]を検証する実験の再現に成功した。すなわち、太陽の近くをかすめるように電波を発射し、太陽の近くを通らない場合より到達に時間がかかることを証明した。これは、重い天体の近くで時空が歪むというアインシュタインの理論と整合する。
 
 
 
=== タイタン ===
 
[[タイタン (衛星)|タイタン]]には、液体が流れたことによる流路があることが分かった。大気からの降雨があることが確認された、太陽系では地球以外の唯一の天体となっている。タイタンの濃密な大気は、メタンが分解され、それが再結合した炭化水素のような大きな有機分子ができることで作られたことが分かった。タイタンのメタンが、生物由来でないことが強く推測された。
 
 
 
== 諸元 ==
 
カッシーニの総費用は約34億米ドルと、近年の惑星探査においては最大規模の探査機となった。カッシーニ以降、NASAは[[ディスカバリー計画]]のように低予算・軽量の探査機を打ち上げるようになっている。
 
* 高さ: 6.8 m
 
* 幅:約4 m
 
* 重さ:5.8 t
 
* 動力:[[原子力電池]]3基(放射性同位体熱電対)
 
 
 
{| border="0" frame="box" rules="all" cellpadding="2" cellspacing="0" align="center"
 
|-
 
| align="center"| [[ファイル:Cassini-huygens anim.gif|カッシーニ動画 (CG)]]<br />'''カッシーニ''' 動画 (CG)
 
|}
 
[[File:Cassini's RTG.jpg|thumb|right|搭載されている[[原子力電池]]]]
 
=== 積載機器 ===
 
以下の測定装置を搭載していた<ref>{{cite web|url=https://saturn.jpl.nasa.gov/mission/spacecraft/cassini-orbiter/|title=<nowiki>Cassini Orbiter | Spacecraft – Cassini Legacy: 1997-2017</nowiki>|publisher=[[NASA]]|accessdate=2018-06-29}}</ref>。
 
==== 光学リモートセンシングに関する装置 ====
 
; 複合[[熱赤外分光法|赤外分光光度計]] (CIRS) : [[熱放射]]の測定により対象の温度を計測する。組成の測定も可能。
 
; [[イメージング]]サイエンスサブシステム (ISS) : 可視光を中心に感度を持つ2基の[[CCDカメラ]]により画像撮影を行う。
 
; [[紫外可視近赤外分光光度計|紫外イメージング分光器]] (UVIS) : 可視光では観測できないガスの測定を行う。
 
; [[紫外可視近赤外分光光度計|可視]]・[[赤外分光法|赤外]]マッピング分光光度計 (VIMS) : 対象物の表面の組成を測定する。
 
==== 場・粒子・波に関する装置 ====
 
; カッシーニ[[プラズマ]]分析器 (CAPS) : 3種の測定器により、入射するイオン粒子の運動エネルギー・移動方向・質量を検出する。
 
; 宇宙塵分析器 (CDA) : 装置に入射する[[宇宙塵]]の電荷・速度・大きさ・組成を測定する。
 
; イオン・中性[[質量分析器]] (INMS) : タイタンの大気中や土星周辺に存在する中性分子・低電荷イオンの組成分析を行う。
 
; [[磁力計]] (MAG) : 土星の磁場を高感度・高精度で計測する。
 
; 磁気圏イメージング装置 (MIMI) : 土星周囲の荷電粒子や中性分子を観測することにより、土星の[[磁気圏]]を観測する。
 
; 電波・プラズマ波測定器 (RPWS) : 土星から発せられる[[電波]]・[[プラズマ波]]の測定を行う。
 
==== マイクロ波リモートセンシングに関する装置 ====
 
; [[レーダー]] : 厚い大気に遮られることなくタイタンの地表面の形状を観測する。
 
; 電波科学サブシステム (RSS) : 探査機から地球へ電波を送信し、土星や衛星等による電波干渉を測定する。
 
 
 
== 画像 ==
 
<gallery>
 
ファイル:Cassini-Huygens launch.jpg|カッシーニの打ち上げ
 
ファイル:Cassini interplanet trajectory.svg|カッシーニの軌道
 
ファイル:Portrait of Jupiter from Cassini.jpg|カッシーニが写した[[木星]]
 
ファイル:Saturn-cassini-March-27-2004.jpg|カッシーニが写した[[土星]]
 
ファイル:Saturn from Cassini Orbiter (2007-01-19).jpg|上から見た[[土星の環]]
 
ファイル:Mimas Cassini.jpg|カッシーニが写した土星の第1衛星[[ミマス (衛星)|ミマス]]
 
ファイル:PIA20016-SaturnMoon-Titan-20151113.jpg|カッシーニが写した土星の第6衛星[[タイタン (衛星)|タイタン]]
 
ファイル:Huygens surface color.jpg|[[ホイヘンス・プローブ]]が写したタイタンの地表
 
ファイル:Iapetus as seen by the Cassini probe - 20071008 (cropped).jpg|カッシーニが写した土星の第8衛星[[イアペトゥス (衛星)|イアペトゥス]]
 
</gallery>
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
<references/>
 
 
 
== 参考文献 ==
 
{{参照方法|date=2013年5月}}
 
*「太陽系はここまでわかった」[[リチャード・コーフィールド]]著、[[水谷淳]]訳、[[文芸春秋]]、2008年
 
 
 
== 外部リンク ==
 
{{commonscat|Cassini-Huygens}}
 
{{ウィキポータルリンク|宇宙開発|[[画像:RocketSunIcon.svg|34px|Portal:宇宙開発]]}}
 
{{wikinewshas|カッシーニ|
 
* [[n:土星の渦を探査機「カッシーニ」が撮影|土星の渦を探査機「カッシーニ」が撮影]]
 
}}
 
* [http://saturn.jpl.nasa.gov/home/index.cfm Cassini Solstice Mission](NASA公式サイト)
 
* [http://www.esa.int/SPECIALS/Cassini-Huygens/ Cassini-Huygens](ESA公式サイト)
 
* [https://moonstation.jp/challenge/pex/cassini カッシーニ/ホイヘンス] (惑星探査 - 月探査情報ステーション)
 
 
 
{{Venus spacecraft}}
 
{{Jupiter spacecraft}}
 
{{土星探査機}}
 
{{小惑星探査機}}
 
  
 +
{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{DEFAULTSORT:かつしいに}}
 
{{DEFAULTSORT:かつしいに}}
 
[[Category:土星探査機]]
 
[[Category:土星探査機]]
 
[[Category:NASAの宇宙探査機]]
 
[[Category:NASAの宇宙探査機]]
 
[[Category:1997年の宇宙飛行]]
 
[[Category:1997年の宇宙飛行]]

2019/5/7/ (火) 22:33時点における最新版

カッシーニ (Cassini-Huygens)

 NASA(ナサ)(アメリカ航空宇宙局)が1997年10月にタイタンⅣ型ロケットにより打ち上げた史上初の土星探査機。プロジェクト名はカッシーニ・ホイヘンスCassini-Huygens。土星本体を探査する「カッシーニ」(NASA)と、土星の最大の衛星タイタン(チタン)に着陸する「ホイヘンス」(ESA(イーサ)、ヨーロッパ宇宙機関)の二つの探査機が同時に打ち上げられた。打上げ後、金星、地球、木星の順にスイングバイ(天体の万有引力を利用して衛星の加速、減速、軌道変更を行う技術)を行い、2004年7月に土星の周回軌道に乗った。同年12月にはタイタンに接近し、翌2005年1月に「ホイヘンス」を切り離してパラシュート降下させて、着陸に成功した。

 「カッシーニ」本体は長さ約6.7メートル、最大直径4メートル、打上げ時の質量約5700キログラム(「ホイヘンス」を含む)。土星は太陽から遠く、太陽電池パネルで安定した発電ができないため、原子力電池(放射性同位体熱電対)が搭載された。「ホイヘンス」は、直径約2.7メートルの円盤型をした質量約320キログラムの着陸機で、タイタンの大気組成や風速などを観測する。「カッシーニ」には12種類の観測機器(プラズマ計測器、コズミック・ダスト計測器、赤外線計測装置、イオンおよび中性子質量分析器、画像化サブシステム、磁力計、磁気圏画像化装置、レーダー、電磁波およびプラズマ科学装置、電磁波科学サブシステム、紫外線画像化装置、可視および赤外線マッピング装置)が搭載された。カッシーニが土星軌道に投入されてから、タイタンが地球のように雨や川、湖、海をもつことがわかった。さらに土星の衛星を7個発見し、写真を33万2000枚撮影するなど多くの成果をあげた。「ホイヘンス」はタイタンの着陸地点上空8キロメートルで、解像度20メートルのタイタンの映像を撮影した。その後タイタンに着陸し、大気の組成、風速、気温、気圧等を観測した。搭載機器はエアロゾル計測器、画像カメラ、スペクトル放射計測器、ドップラー風観測器、ガス・クロマトグラフィーと質量スペクトロメーター、大気構成計測装置、表面計測科学パッケージである。

 「カッシーニ」による周回探査は、2017年9月にカッシーニ本体を土星の大気圏に突入させて運用を終了した。

 なお、カッシーニの名はフランスの天文学者ジョバンニ・カッシーニに、ホイヘンスの名はオランダの物理学者クリスチャン・ホイヘンスに由来する。



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